汽車旅つれづれはなし

深町珠

文字の大きさ
上 下
3 / 38

駅弁

しおりを挟む
さて、汽車の旅の楽しみのひとつに駅弁がありますね。
最近ではデパートなどで各地の駅弁とかを出張?販売していて
いろいろ楽しめることもしばし。
今日は、そんな汽車と、駅売りの食べ物のお話でもつれづれと。
(583系のお話は、次回にさせて下さいネ^^;)





<食べ物の記憶>

さて、汽車の旅、というと駅弁とか、駅そばとか。
駅の売店とかで売っているお土産もの、とかは妙に記憶に残ってしまいます。
どこかに旅行に行ったりすると、駅弁の包み紙とかを記念に持ち帰ったり。








 * 品川駅の肉まん。

いつの間にかなくなってしまいましたが、昭和40年代には
品川駅の東海道線ホーム東京方外れにあった売店。
(崎陽軒だったか、精養軒だったか..○×軒だった事は覚えてます)
ここでよく、深夜に下り列車を待つ間、この肉まんを食べたりしたもので。
味は本格的な中華まんじゅうでして、こう、プラスチックのお皿に載せて。
で、醤油をちょっと垂らして。
なんだか、とても美味しかったように記憶しています。
これも、「駅」という場所のため、でしょうか?
確か最初は20円だったと思います。

何故か、深夜までやっていたようで、通過する80系やEH10なんかの
モーターのうなり(あの、都電みたいなギアノイズ。)を聞きながら。
..それにしても、なんで横浜じゃなくて品川だったのだろう。
横浜にも似たような売店があったのですが、味はちょっと違っていた
ようでした。
肉まん専門店だったのかな。

消息をご存知の方、教えてくだされば幸いです。








 * 南部せんべい。

今でも青森駅で売ってます。現在は300円程のようですが、
昭和40年当時はたしか100円くらいだったはずで、一回りくらい
大きいもの、でした。
南部、というのは青森県でも太平洋側の方のこと、だったように覚えてますが
何故か、弘前あたりでも売られていました。

小麦粉を練った生地に、黒胡麻を混ぜたものを、型に流して焼いたもの
のようで、表面は白っぽく、ながはさっくりと。
型からはみでた部分が塩味が効いた“縁側”状になっていて、
とても美味く。
これを先にかじってしまい、よく行儀が悪い、と叱られたものでした。

最近では、落花生入り、など多種のヴァリエーションがありますが、
やはり元祖胡麻せんべいが一番、当時の風情があります。






 * 青森地方のおむすび。

今夏、青森にまた帰卿しましたが、帰路、八甲田山麓の酸ケ湯温泉に
立ち寄ったところ、売店で手作りのおむすびが売られていて、
その形の懐かしさに、思わず手が出てしまいました。
関東ですと、三角形で、やや小ぶりなものが多いのですが。
(ちょうど、コンビニおにぎりのような。)
青森地方のおにぎりは、何故か丸くて、すこし大きめでした。
野球のボールより、すこし大きいくらいのもので。
120円でした。さて、中身は..というと、鮭とか、梅干。ねぎ味噌。
鮭も東京のもののように塩辛くなく、瑞々しい感じで、如何にも
津軽の海の幸、という感じでした。
味噌も、こちら独特の、赤味噌で、麦っぽい感じのものでして、
旅情を感じさせるものでした。

弘前市内、撫牛子のコンビニで、コンビニおにぎりに混じって売られて
いたのはちょっとびっくりしました。




----------[駅弁あれこれ]-------------



* 帆立釜飯(青森駅)

たしか、¥880だったかな。
今夏、583系臨時“はくつる81号”で帰郷した時に食べました。
プラスチックの赤い釜に、透明のカバーがかかっていて。
だし味の炊き込み御飯、帆立二つ。
ちょっと薄味なのが、東北としては珍しい感じ。

紅ショーガ、きゅうりの漬物。そぼろ、錦糸玉子。

...味は、まあまあ。
でも、583の寝台はモノ食べにくい(笑)



僕は帰りに食べたから25系の寝台でひろびろ。




* じゃこめし(大分駅)

大分駅表口正面の売店で売ってます。
このお弁当、3年ほど前までは曲げワッパよろしく木の丸い容器で、
底も経木で、情緒たっぷりだったのですが、
去年あたりは枠がスチロールになり(底は紙だった。)
今年は、底もプラスチックの板になってしまった。
しかし、味には変わりなく、値段も据え置き(860円)
というところには好感が持てる。
中身は、醤油味のやや甘めに炊いたご飯にちりめんじゃこと、細かな具が
混ぜてある炊き込み飯、おかずにはわさび漬けのトビコ、漬物。
で、この具が小さく切ってあるところ、
優しい味付けなど、細やかな心使いがあって
九州人のもてなし、みたいに感じたりも。

いつも、これを買って、“富士”2レに乗車して帰ってくるのですが、
B個室「ソロ」でこれを食べる頃には関門トンネルを抜けて
本州へ入っていて。
この味が、そこはかとなく旅愁をそそるのです。


* ふくめし(下関駅)

とてもかわいらしい "ふく"を模した容器。
どんぶりのようで、ふたの真中(持つところ)がふくの口の絵で、
上から見ると、魚の顔のように見える。
さて、味は..というと、ちり鍋ふうの味付けで炊き込み御飯。
といった感じ。淡白でしかし深みのある、なんとも不思議なお味。

おかずにふくの天ぷらがついていて、これがまた豪華な。
秋冬だけしか食べられないようですけど、まあ
夏は夏の味覚としてかれいなどを頂くのがよろしいかと。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

昨日19万円失った話(実話)

アガサ棚
エッセイ・ノンフィクション
19万円を失った様とその後の奇行を記した物

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

-MonoChrome-

ひぐらしゆうき
エッセイ・ノンフィクション
作品第一弾[-MonoChrome-]。 タイトル通り、モノクロ写真の作品集です。 こちらでは作品の写真と軽い説明を書いていきます。

日本全国 47都道府県 旅の回想録

南砂 碧海
エッセイ・ノンフィクション
出張の多いサラリーマンが訪れた日本各地の回想録です。 1人出張がほとんどの営業マンは、訪れた地域の風物や食に癒されて帰ります。 これから、日本全国各地への出会いと思いを記録していきます。 新潟スタートで全県を巡って行きます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

漂流物

マスヨーニ
エッセイ・ノンフィクション
月を見て思った事

子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。 2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。 毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)

処理中です...