科学は、如何にしてヒトを幸せにするか～ななの例～

深町珠

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記憶と時間

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見ていた友梨絵は「すごいねー」と（笑）。

パソコンとかにがて、とか言うので

「ゲームはしてたんでしょ」と、加藤が言うと

「あればゲームの機械だもの」と、友梨絵は
ちょっと恥ずかしそうに。

「そっか。中身は一緒なのにね」と、HTMLで
書いたポスターの中身のスクリプトを
見せた。

コンピュータの言葉だね、と言って。

このね、<html> が、始まりで
ここからです、って印で。
最後は</html>。

そういう約束で、コンピュータの言葉に
翻訳するんだよ、外国語みたいに。

と、言うと

友梨絵は「それならわかるね」と、にこにこした。

「そう。友梨絵ちゃんは賢いね」と、返すと

「へへ」と、友梨絵は楽しそうにはにかむ。

みんな、そういう約束なんだよ、コンピュータとの付き合いは、とか
言ったりした。

無人のコンビニエンス、明け方。

ほとんどデートみたいな楽しいアルバイトだった。

いつも、こんな風に時間が流れていけばいいのにな、と
加藤は思う。

恋人とか、なんて
重苦しい束縛より、こういう方がいい。

そんな風にも思う。

恋人の向こうに、婚姻が見えたりすると

その向こうにある、土着と束縛（笑）が

見えかくれして、そうなると
楽しくなくなるのだ（笑）。

でも、友梨絵の為なら、それも楽しくなるかもしれない。なんて

幻想に浸るのも、まあ、いいかも。

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