科学は、如何にしてヒトを幸せにするか～ななの例～

みんなのため

「就職しないで、ここにいられたらいいのに」と、友梨絵も言うけれど

アルバイトですっと、と言うのも
あまりなぁと


加藤が思っていると



「店長も、ゆうこちゃんも
最初はバイトだったんだって」と、由香。





店長は、コンビニチェーンの本部に
採用された人間で


ゆうこもまた、同じ。



それはそれで、悪い訳もないが



「でも、新卒で就職しないって言うとね
ずっと就職しないならいいけど
後で、就職したいと思っても難しくなるね」と
加藤は、自分の経験からそんな事を言った。




「僕は、音楽をしていたから
就職は難しかったんだ」と言うと


友梨絵も、由香も「ミュージシャンだったの、すごいね、本当に。どこか、そういう感じだと
思ってたけど」と、楽しそう。




どこが、そういう感じなのかは
加藤には解らない（笑）けど



そう見えるのだろう。




この店は、次の店長が決まらなければ
いずれ、無くなる。


そうすれば、みんなばらばらになってしまうのだけれども。



いつか、加藤とて
アルバイトの掛け持ちと言う訳にもいかないから


店を辞める事にはなる。



束の間の平和。



そんな感じの、コンビニでのアルバイトは

店長が若者だし、経営者ではないと言う事もあって


みんなが自由に楽しそうに働いていられるから、そんな理由もあった。



経営者が来れば、いろいろと
干渉もあるだろうし、監督もされるだろう。



未熟な者ほど、人に干渉したがるものだけれども


そんな事をしても、上手く行くとは限らない。


人を管理するのではなく、仕事を管理するのだ。