科学は、如何にしてヒトを幸せにするか～ななの例～

認知と空想

石川も、若い男なので
加藤と名雪の間に関係があると
空想する（笑）けれども

それを憎悪に結び付けないのは

いつも、機械の整備と言う
論理に触れているからだ。

エンジンが不調なら、原因を
状態から探って故障を見つける。


論理的でないと出来ない事だ。


なので、名雪と加藤の関係は



「論理的に証拠がない」として

白紙だと判断する。


正しい判断だ。


現実を有りのままに受け入れるのが
認知である。



伊原が、そうできなかったのは

普段、論理的でないからだし


空想を、現実と間違えてしまうのは

いわば、認知障害である。


目で見た事を認知できないので

目は必要なかったのかもしれない。




石川は、伊原の話を聞いたが

自業自得だと思った。


普段から傲慢だった伊原が、更に
強い者に刃向かってしまったのだから
仕方ない。

そうならないように、普通は
人を攻撃しないのだし

石川は、車のメカニックだから


自分の車を大切に思うと
危険な運転など出来なかったし


レース経験のある石川は


みみっちい街中での車間距離詰め、など
バカらしくてする気にならなかった。



石川の知り合いのレーシングドライバー、
太田も


「車間距離詰められても無視するね。
そんな事して面白いかな」と

スポーツで発散している人らしく、毅然と
そういうのだ
。


レース経験のない、太田の知り合いの

島下などは


愚痴っぽく「信号が変わったらさっさと
加速するのが当たり前だ、後ろに
気をつかえ」とか（笑）



愚痴みたいな事をいつも言っていたけれど


スポーツのように、結果が出ない
環境にいると、そんな風に


男でもウジウジとみっともなくなってしまうのだ（笑）。



それも、基準のない世の中が良くなかったからで


元々、物々交換の代用だった貨幣が


ギャンブルの対象になってしまった事が
間違いだったので


今、エネルギー交換社会になって

やがて、無くなっていくはずの争いである。




いつまでも、永遠にエネルギーが得られる。


誰でもが、南の島の採集生活者のように

のんびりと暮らせる世界になるのだ。




加藤も、別に働く必要はないのだけれども


何となく、研究所には行っていた。




加藤の才能を妬む研究員も多かったけれども


それを気にしても仕方ない（笑）。