科学は、如何にしてヒトを幸せにするか~ななの例~

深町珠

文字の大きさ
263 / 418

学歴信仰

しおりを挟む
加藤の呼ばれた会議も、あまり
意味のあるものでもなかったが

とりあえず、仕事である。


もう、加藤自身働く必要もなかったのだが

とりあえず、科学は楽しい事だし
日本一の研究所に居るのは


比較的、便利な事もあった。


科学のわからない人は、信仰のように
大学の名前や、研究所の肩書で

判断してしまうからだ。

ブランド嗜好のようなものである(笑)



科学は、そういうものではなく
結果に現れれば、それは事実である。



それは、能力の無いものにとっては
自らの無能さを認めてしまう事になるので(笑)


それ故、大学の名前で判断したりするのだが(笑)



つまり、三浦のような者が
若い派遣を差別するのと同じで


妬み半分である。



加藤もよく聞かれる出身校の名前であったが


そのたびに「東京です」とだけ答えると

なんとなく納得される(笑)
そういう顔であるらしい。



加藤は、東京大学の出ではない(笑)が。


変な人の質問にまともに答える必要もない。


(プライバシー侵害である)。




「加藤さんの常温超電導モータですが
磁界の存在しない超電導場で、どうしてモータが回るのでしょう」と、井川が聞く。

加藤は「ピンチ効果を利用すれば回転しますね。」と、一言。



井川は理解できない。


60歳になる井川だが、戦後生まれのがむしゃらさで
どさくさに紛れて善悪のけじめも付かない男である。


研究費を不正利用して、860万円の
高級車を買って私物化しようと言うような

事を考える男である。


研究能力よりも、金、人のコネクションで
政治的に存在しているような人。



それも、貨幣流通経済の遺した
悪い傾向である。


儲かればいい。



そういう発想は、戦後の混乱の中
どさくさの中で生きてきた人間の感覚である。

その連中が60歳くらいで、子供が
三浦の世代だから

三浦たちが善悪のけじめがつかないのも
道理である(笑)。



加藤たちの世代の子供世代、つまり

ゆりやななたちの世代は、そういう大人に
嫌悪感があるので、正邪の区別を好む。





悪い事が黙認されたのも、利益の為。


利益そのものが無くなれば、悪い事は悪い事。




それ以前に、悪い事をするのが楽しいと言う
感覚では、所詮は不幸になるだけだが。



と、達観する加藤だが
若い頃は悪を見過ごす事が出来なかった。


それなので、誰からも一目置かれる存在だったが


今は、悪いのが普通で
良い事をすると、悪い事をしている連中が
困るので

良い事をしないように邪魔をする、そういう
風潮である。





井川も、加藤の才能が目立っては
井川の無能さが目立つので(笑)


加藤との契約を解除するつもりらしい。




それで、加藤は
もといた研究室に戻る事になっている。




加藤を虐めたかった井川や、三浦は
才能豊かな加藤を追い詰められず、反対に

卑怯な自分たちの無能さを身に染みて
屈辱感を覚えるが(笑)

所詮、虐めなどと言うものは
最初から能力のない者のする事であるのは
歴然で

最初から能力が違えば、わざわざ卑怯な
事をして陥れなくても

元々立場が違う。


今の加藤のように、他のあちこちから
依頼のある能力者と


そうではない、序列や利権にしがみつく
三浦や井川のような無能力者のように。




加藤は、別に立場は気にしていない。
研究が好きなだけで



三浦や井川は、好きで働いていない人。


そんな違いもある。



「そういえば、ゆりやゆかは
働くのが楽しそうだったっけ」加藤は
思い出して微笑む。


時給900円のコンビニのアルバイトでも
働くのが楽しい、そんな感じだった。
お店やさんごっこ。


その延長みたいに、楽しそうだった。


その気持ちのまま、お店が欲しいと
言っていたのだろうな。



愛おしい人たちだ。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

婚約者の幼馴染?それが何か?

仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた 「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」 目の前にいる私の事はガン無視である 「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」 リカルドにそう言われたマリサは 「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」 ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・ 「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」 「そんな!リカルド酷い!」 マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している  この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」 「まってくれタバサ!誤解なんだ」 リカルドを置いて、タバサは席を立った

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...