科学は、如何にしてヒトを幸せにするか~ななの例~

深町珠

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ゆりが、自由を愛するが故に
加藤の自由を許した事で


加藤にとって、それは
初めて心の通じた相手、に
なってしまった。



それで、忘れられない存在と
なったのだろう。



加藤は、生まれてからずっと
音楽に囲まれて暮らしてきたので


音楽を聞いていたり、歌ったり
楽器を弾いたり、曲を作ったり。


そういうイメージの中の、例えば
ラブソングのようなものを沢山、記憶に
持っていたから



当然だけれども、生身の女の子は
音楽よりは雑音に近い代物だった(笑)


人間だから当然だけれども。



それなので、ガールフレンドも
音楽絡みがほとんどだった。



子供の頃から楽器は上手だったので
ギターを弾いては、女の子に好まれた。


最初のガールフレンドは、ギターを教えて
あげた子だったけれど

楽器を弾いていない時は、割と
内省的で、ウェットな感じで

そんな時、加藤は歌って
話題を遮ったりした。



人生なんて、まともに考えたって
楽しい訳もない。



厭世な加藤は、歌っている間
楽しい気持ちになれれば、それでいい、
そんな子供だった。


末っ子ってそうなのかもしれない。

その代わり、音楽の中に居れば
何もいらない、と


そう思って、ずっと育った。

なので、女の子と付き合うのも面倒で


音楽に触れていたい、そんな子供だった。



脳の中の回路が、音楽に順応してしまったのだ。


それなので、ミュージシャンになって
プロデビュー、なんて気持ちも
なかった。


レコードオーディション、なんて
面倒で仕方なかった。



演奏していれば楽しいのに、なんで
レコード会社の人に、的外れな批判を
されなくてはならないのか、なんて
苛立った。


それも若さ故の事だった。


売るためにレコード会社はあって
加藤は楽しむために音楽をしている。



基本的に違うので
ずっと後になって、インディーズ、なんて
もので売れるようになってから


友達に頼まれて、何枚か作ったりしたくらい。


それも本当には面倒だった。



そのくらい、ドラッグのように
音楽に浸っていた加藤だった。

どうして音が気持ちいいのか?を
知る為に学問を楽しんだ。



楽しい事なら、勉強も嫌ではない。



学校の勉強がつまらないのは、点数をつけて
教師が評価して、ダメだダメだ、と
否定するからで


本当に優れた人は、否定などしないと
言う事を、後になって知るまでは

教師って、そういう生き物だと思った。




否定など、人間ごときが他の人間に
できる訳もない。


他の人間の思考を全て把握などできないから、である(笑)。



答案に現れたものは全てではないのだから。







そう、判断ができるようになると
自然に、ひとりになっていく。




他の人の考えている事に興味がなくなって
来るから、そんな時間に
好きな事をしたい。



そう思っている時、ゆりに出会った。



まるで飾らず、ありのままに振る舞う
ゆりは、どことなく加藤に
似ているような感じでもあった。


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