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greenhornet

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「加藤さんは、穏やかで。
傷ついたりしない、そういう感じなの」と、ななは
加藤の事を、思い出みたいに言う。



「それで、なぜ修道院に来たの?」と、Naomi。


「加藤さんは、わたしを好きになってくれないの」と、ななは、話していて思った。



自分は、幼いんじゃないだろうか(笑)と。


日本にいると、周りがみんな幼いので
気づかなかった。



こっちのひとは、みんな大人だ。




穏やかで。




「好みはいろいろあるから、仕方ないね」と、Naomi。




「好きになってほしいって気持ちはわかるけどさ」と、れーみぃは
柔らかく言った。


ふくよかなボディは、ちょっとアジアンで
ななに近いけど


どちらかと言うと、キューピッドみたいに

かわいらしい。



「加藤さん、あたしの事を
かわいらしい、って言ってくれたの。
それが嬉しくて」と、ななは思い出に浸る。


笑顔になって。



そういえば、加藤さんもいつも笑顔だったっけ。

誰にも媚びないし、へつらう事もしない。
それで、にこにこしてるので


大金持ちなんだって、言われたり
妬まれたり。



課長なんかは、馬鹿にされてると
憤慨していたりして(笑)。




それは、その人の妄想なんだけど。







実際、日本やアメリカでは
加藤の、エネルギー革命のせいで

前途を悲観する人々はいなくなった。


自分に割り当てられたエネルギー源は、
日々暮らしていけるだけのエネルギーを作る。



それなので、無理して争う必要もなくなった。



元々争いが好きな人も、争いの元がなくなるので


次第に穏やかになっていった。



人に何かを言われようと、自分が
別に傷ついたり怒る事もない。



言った人が正しい訳でもない(笑)。



怒るのは、それで争いたい自分を
自覚していないからである。




めぐの国は、共和国だから
社会保障がきちんとしていて


経済活動で成功した会社などは
利益を社会に還元していた。



もちろん、国の構造があるから
そこで利益を得られた訳、で

当然の事である。



それで社会保障を行っていたから

人々は、あくせく働く事もなかった。


もともと、金儲けをしたい企業は
外国からわざわざめぐの国に来る事もない。


儲かったら国に還元するから、である。



それで、日本のように
儲けは外国に持ち逃げで
日本には法人税を払うだけ、みたいな
国に悪い人々が外国から来たが(笑)



もう、そんな事もない。


エネルギーが無尽蔵に得られるとなると
経済活動をしなくてもいい。


それは、人間が
野生生物のように採集だけで生きていける、と

言う事。
採集で暮らしてゆけるのは、太古の
昔からそうであったように

今でも、南の島に暮らしている人達などは
そうだけれど


目が覚めるまで寝て、起きたら食べ物を探して
食べて。


眠くなったら寝る。


そういう暮らしである。



都市に暮らしていても、加藤たちの
エネルギ革命で、誰もがエネルギー源を持っているから


必要とする人達、とそれを交換する事で利益、
つまり、物に交換できる。


今、貨幣のあったところが
エネルギーになっただけ、である(笑)が


枯れる事のないエネルギー源だし、
世界中で価値は同じ。



なので、相場などと言う不公平もない。




それで、人達は平和になった。


それでも、病気になれば医療は必要だし


死は訪れる。



都市生活で抑圧された親からの
攻撃で、心を痛める子供もいなくなった。


何しろ、都市そのものが不要になったのである。



それでも、人々は何かを工夫したり
遊んだりした。



加藤も、実は研究で遊んでいる(笑)


それは、加藤の楽しみなのだ。



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