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修道
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八百萬の神、と言うか
加藤にとって、論理的に正しいものが
神様だった。
それは、時折父兄もそうだったが
ただ、加藤を支配しようとする父兄は
神に逆らうもの、と思えたから
論理的に在らざるもの、として
加藤にとって、相手にする価値のない
存在だったりする。
論理が、加藤にとって神様だったから、なのだった。
東京駅に下りた、神様となな。
ななは、送ります、と
言って
地下鉄の入口から、クルマを持ってきた。
地下鉄の入口と思えたそこは
広大な地下駐車場で
ななは、自分のクルマを
そこまで乗り入れてきたのだった。
「会社のパーキングなの」と、ちゃっかり娘らしい(笑)。
オレンジ色のマーチ、が
ななのクルマ。
100年前の姿に戻った東京駅、でもレプリカで
観光地にしたい、と言う鉄道会社の
発想がよくわかり
レトロもだーんな、ななのクルマにも
似合う。
「送ります」と、ななに言われても
さて、神様は、自分の国に帰るだけなので
別に、行くところもない。
「ななちゃんは、これからどうするんじゃ」と、神様。
「はい。このまま修道院に行こうかと思っていました」と、ななは、少し遠い空の彼方を
視線に。
めがねの奥の瞳は、やや悲しそう。
「親御さんは、承知なのかのぉ」と、神様は
心配する。
「はい。一応話はしたんですけど。
そこまでしなくても、と両親は言いました」と、なな。
ふつう、修道院に入ってシスターになると言うと
格別信仰心が篤いひと、
そんな感じだけれども。
ななは、そういうタイプでもない。
「キリスト教でなければ、わしのところでも」と、神様(笑)。
オレンジいろの、愛らしい車を
選ぶななの感覚に、闘争的な
渡来人の感覚は薄いように、神様には思えた。
「神様のところに?」と、驚くなな。
「うむ。修道院でなくても、ななちゃんは
別にいいと思うのじゃ。日本は、いずれ
明るさを取り戻す」と、神様。
それに、加藤は少し危険なところがあるし、とは
言わなかったが(笑)。
心の奥底に、不気味な力を秘めているから
いつか、何かが起こる事もあるだろう。
彼自身、それを知っているから
家族を持たないようにしているのだろう、と
神様は思ったりもした。
ななは、オレンジいろのマーチに乗って
エンジンを掛けた。
隣に、神様を乗せて。
ゆっくり走り出すと、東京駅前を去り
とりあえず、西へと向かう。
「神様のお国にも、修道院はあるのですか?」と、ななは運転しながら。
「そりゃあるが、それはキリスト教のじゃからな。ホントの神様って、宗教じゃあないんじゃな。どこにでもいるんじゃよ」と、神様は
にこにこ。
「よくわかりません」と、ななも、にこにこ。
大通りの信号が、黄色に変わって
ななは、車を止めた。
隣のレーンを走っていた黒い
バンが、スピードを上げて信号を通過した。
「忙しいのね」と、ななはふんわりと
その光景を受け止めた。
「そういう時、ななちゃんの心に
天使さんが宿るんじゃ」と、神様は言った。
それが修業、心を清めることなんじゃ、と
までは言わなかった。
バイオフィードバックで、オキシとしん回路を
動かす事なのだが。
それができる人は、元々
神様に近い。
彼、加藤はどうなんじゃろなぁ。と
神様は思う。
神様、と言うよりは
魔法使いに近いが、とか思ったりして
魔法使いルーフィーと、めぐの事を
思い出したりもして。
年寄りは気がチリやすい(笑)。
「でも、あのお店はいつか辞めようと
思ってたから。」と、ななは運転しながら。
「そうかの」と、神様。
なんとなく察しはつく。
「仕事が終わってからも、役員の奥さんの
ご機嫌とりとか、課長の家来が
夜中に呼び出してきたり、とか。
」と、ななは思い出すように。
「そんな中でも、あの人は超然と
微笑んでいました。そこがすごい、と思って」
と、ななは言う。
でも、神様は思う。
単に、鈍いだけじゃなかろうか(笑)なんて。
誰にも闘争心はある。
けれど、加藤のように
科学者だったりすると
闘争そのものがくだらない、と
思ってしまうものだ。
いや、科学者であっても
研究を闘争の道具にしているレベルの者もいる。
闘争そのものが低次元だと思える頭脳は
それだけ高い次元に昇れるから
彼の思考はそれだけ、並行した
別次元にある、とも言える。
同じ3次元空間に居ても、思考が別次元にあるのである。
加藤の場合は、音楽が充ちてるだけでも
4次元上、だと言えるだろう。
めぐたちは、過ぎて行く時間の中
秋の旅を楽しみつつ。
食堂車で、モーニングセット(笑)を
楽しんでいた。
「ウェイトレスのスタイルで、これ食べるって
なんか、変」と、れーみぃが言う。
「アルバイトだもんねぇ。そうそう、2年の夏休みだっけ。どっかd、こんな格好したよね」と、リサ。
「そぉだったかなぁ」と、めぐ。
「めぐは、図書館に居たじゃない。それで、ほら、4階だったか、カフェでアルバイト」と、Naomi。
旅行しながらでも、普段の事を
思い出すと
なーんとなく、日常に引き戻されて(笑)。
「学校、行くのかーぁ」とは、れーみぃ。
「チャペルが待ってるわよ」と、リサ。
そういえば、ミッション系。
「就職に失敗したら、教会で使って貰えば」と、Naomiはリアル。
でも、れーみぃはお嬢さんだし。
めぐは図書館。
リサは国鉄。
みんな、だいたい大丈夫。
Naomiだって、郵便局で
バイトしてるから
そのまま、みたいな(笑)そういう感じ。
北ヨーロッパのこの国でも、就職は結構難しい。
でも、なんとなく生きている。
加藤にとって、論理的に正しいものが
神様だった。
それは、時折父兄もそうだったが
ただ、加藤を支配しようとする父兄は
神に逆らうもの、と思えたから
論理的に在らざるもの、として
加藤にとって、相手にする価値のない
存在だったりする。
論理が、加藤にとって神様だったから、なのだった。
東京駅に下りた、神様となな。
ななは、送ります、と
言って
地下鉄の入口から、クルマを持ってきた。
地下鉄の入口と思えたそこは
広大な地下駐車場で
ななは、自分のクルマを
そこまで乗り入れてきたのだった。
「会社のパーキングなの」と、ちゃっかり娘らしい(笑)。
オレンジ色のマーチ、が
ななのクルマ。
100年前の姿に戻った東京駅、でもレプリカで
観光地にしたい、と言う鉄道会社の
発想がよくわかり
レトロもだーんな、ななのクルマにも
似合う。
「送ります」と、ななに言われても
さて、神様は、自分の国に帰るだけなので
別に、行くところもない。
「ななちゃんは、これからどうするんじゃ」と、神様。
「はい。このまま修道院に行こうかと思っていました」と、ななは、少し遠い空の彼方を
視線に。
めがねの奥の瞳は、やや悲しそう。
「親御さんは、承知なのかのぉ」と、神様は
心配する。
「はい。一応話はしたんですけど。
そこまでしなくても、と両親は言いました」と、なな。
ふつう、修道院に入ってシスターになると言うと
格別信仰心が篤いひと、
そんな感じだけれども。
ななは、そういうタイプでもない。
「キリスト教でなければ、わしのところでも」と、神様(笑)。
オレンジいろの、愛らしい車を
選ぶななの感覚に、闘争的な
渡来人の感覚は薄いように、神様には思えた。
「神様のところに?」と、驚くなな。
「うむ。修道院でなくても、ななちゃんは
別にいいと思うのじゃ。日本は、いずれ
明るさを取り戻す」と、神様。
それに、加藤は少し危険なところがあるし、とは
言わなかったが(笑)。
心の奥底に、不気味な力を秘めているから
いつか、何かが起こる事もあるだろう。
彼自身、それを知っているから
家族を持たないようにしているのだろう、と
神様は思ったりもした。
ななは、オレンジいろのマーチに乗って
エンジンを掛けた。
隣に、神様を乗せて。
ゆっくり走り出すと、東京駅前を去り
とりあえず、西へと向かう。
「神様のお国にも、修道院はあるのですか?」と、ななは運転しながら。
「そりゃあるが、それはキリスト教のじゃからな。ホントの神様って、宗教じゃあないんじゃな。どこにでもいるんじゃよ」と、神様は
にこにこ。
「よくわかりません」と、ななも、にこにこ。
大通りの信号が、黄色に変わって
ななは、車を止めた。
隣のレーンを走っていた黒い
バンが、スピードを上げて信号を通過した。
「忙しいのね」と、ななはふんわりと
その光景を受け止めた。
「そういう時、ななちゃんの心に
天使さんが宿るんじゃ」と、神様は言った。
それが修業、心を清めることなんじゃ、と
までは言わなかった。
バイオフィードバックで、オキシとしん回路を
動かす事なのだが。
それができる人は、元々
神様に近い。
彼、加藤はどうなんじゃろなぁ。と
神様は思う。
神様、と言うよりは
魔法使いに近いが、とか思ったりして
魔法使いルーフィーと、めぐの事を
思い出したりもして。
年寄りは気がチリやすい(笑)。
「でも、あのお店はいつか辞めようと
思ってたから。」と、ななは運転しながら。
「そうかの」と、神様。
なんとなく察しはつく。
「仕事が終わってからも、役員の奥さんの
ご機嫌とりとか、課長の家来が
夜中に呼び出してきたり、とか。
」と、ななは思い出すように。
「そんな中でも、あの人は超然と
微笑んでいました。そこがすごい、と思って」
と、ななは言う。
でも、神様は思う。
単に、鈍いだけじゃなかろうか(笑)なんて。
誰にも闘争心はある。
けれど、加藤のように
科学者だったりすると
闘争そのものがくだらない、と
思ってしまうものだ。
いや、科学者であっても
研究を闘争の道具にしているレベルの者もいる。
闘争そのものが低次元だと思える頭脳は
それだけ高い次元に昇れるから
彼の思考はそれだけ、並行した
別次元にある、とも言える。
同じ3次元空間に居ても、思考が別次元にあるのである。
加藤の場合は、音楽が充ちてるだけでも
4次元上、だと言えるだろう。
めぐたちは、過ぎて行く時間の中
秋の旅を楽しみつつ。
食堂車で、モーニングセット(笑)を
楽しんでいた。
「ウェイトレスのスタイルで、これ食べるって
なんか、変」と、れーみぃが言う。
「アルバイトだもんねぇ。そうそう、2年の夏休みだっけ。どっかd、こんな格好したよね」と、リサ。
「そぉだったかなぁ」と、めぐ。
「めぐは、図書館に居たじゃない。それで、ほら、4階だったか、カフェでアルバイト」と、Naomi。
旅行しながらでも、普段の事を
思い出すと
なーんとなく、日常に引き戻されて(笑)。
「学校、行くのかーぁ」とは、れーみぃ。
「チャペルが待ってるわよ」と、リサ。
そういえば、ミッション系。
「就職に失敗したら、教会で使って貰えば」と、Naomiはリアル。
でも、れーみぃはお嬢さんだし。
めぐは図書館。
リサは国鉄。
みんな、だいたい大丈夫。
Naomiだって、郵便局で
バイトしてるから
そのまま、みたいな(笑)そういう感じ。
北ヨーロッパのこの国でも、就職は結構難しい。
でも、なんとなく生きている。
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