2 / 12
2.大魔女アクセリア※
しおりを挟む
目を閉じた瞬間、ちゅっと音がはじける。最初は、何の音かわからなかった。だが、この唇を覆う感触。恐る恐る目を開くと、あろうことか接吻されているではないか。目を閉じている魔女の顔が造形美の極みに達していて、心臓がバクバクした。
オリヴァが怯んだ隙に、ピンクの舌先が口の中に入ってくる。
「んんっ、くは……っ」
器用な舌はオリヴァの歯裏を舐め、舌を絡み合わせる。彼は顔をそむけたが、アクセリアが顎を掴んで、喉奥まで舌で愛撫してきた。口腔のみならず全てを支配したがる激しいキスに、オリヴァの呼吸が苦しくなる。
「は……っ、んん……んっ、はぁ……っ」
信じられない。堕とされる恐怖を感じて、拳を握って踏ん張った。美しくも若くもない、むさい修道士の自分がこんなことをされるのが理解できない。生まれて初めてされた口づけは甘く長く、身体の芯まで蕩けるようだった。
「痛っ」
突然、弾かれたようにアクセリアが身体を起こした。その唇から、口紅より赤いものが浮きあがっている。オリヴァは肩を大きく上下させて、気力を奮い立たせた。
「もう一度噛みつかれたくなければ、私を解放しろっ!」
アクセリアはさも愉快そうに笑う。
「童貞がよく頑張るね。そうこなくっちゃ。こっちも燃えてきたよ」
オリヴァの見ている前で魔女の唇の血と傷がゆっくりと消えていき、最後はもと通りになった。奇跡のような光景を目の当たりにして、オリヴァは総毛だつ。
「この魔女め!」
「そうさ、わたしは魔女。それも千年を生きる大魔女さ。人生の楽しみを知らない坊や、わたしが世界を見せてあげるよ」
アクセリアは絶世の美貌を惜しげもなく笑ませる。オリヴァの太い首筋を猫のように舐めあげ、鎖骨の下の肌を音を立てて吸いあげた。
「よ、よせっ!」
魔女は狼狽する彼を無視して、小さな乳首に軽く歯を立て擦ると、今度はその痕を労わるかのように執拗に舌を絡める。
「はっ、……あぁ! んんっ……っ」
乳首が硬くなってムズムズする。生まれて初めて知る官能に、四肢をバタつかせるオリヴァ。白い繊手が、逞しい太腿をさすりあげてきた。
――耐えられんっ!
「おや、もう降参かい? ふふっ。身体は正直だね」
舌なめずりする魔女とは対照的に、オリヴァは情けなくなって目を閉じる。あまりの恥辱に、言葉も出なかった。褐色の尖塔が行儀良く直立しているのだ。積み上げてきた四十年分の信仰心と忍耐力が、泥沼に落とされた気分だ。
アクセリアはドレスの裾をまくりあげ、太腿をあらわにした。すらりと伸びた白くて長い脚の奥は、ドレスに隠れて見えない。凹凸のはっきりした腰はオリヴァの半分くらいしかないのに、その先に実る乳房はドレス越しにわかるほど豊満だ。罪作りな、悩ましいほど美しい女だった。
「どれ、失礼するよ」
「やめろっ、待て、私は聖職者だぞ!」
思わず見惚れていたオリヴァだが、我に返って必死に抵抗する。蔦は蛇のように絡みついてガンともしなかった。
「大魔女のわたしが、男にしてあげるよ。光栄に思いな」
「私は産まれたときから男だ! 頼む、やめてくれ……っ、破戒してしまうっ! ……あああああ……っ!」
神は、オリヴァの危機を救わなかった。
亀頭が女の熱い腟に吸い込まれ、襞という襞が一斉に吸いついてくる。アクセリアはゆっくりと腰を下ろし、生々しい水音を立てながら、ついには根元まで飲み込んだ。自らの手にしか包まれたことのないオリヴァの男根が、肉の喜びを享受しようとしている。まるで温泉に浸かっているかのように、一気に身体が弛緩する。
アクセリアの柔らかい内股が、オリヴァの腰にぴったりと押し付けられた。魔女は頬を赤らめ、恍惚と息を吐く。
「ふぅ、苦労させるね。やっと入ったよ。……ったく、大きいんだから」
「た、頼む、……私の上から退いてくれっ」
「素直じゃないね。それとも、わたしの下が気に入らないって言うのかい?」
アクセリアはそう言うや否や、小刻みに腰をトントンと上下させる。蜜壺が男性器を温く包み込みこんだかと思えば、きゅうっと締め付けてきた。オリヴァは腹筋に力を入れて、欲望を払おうとしたが、敵が強大すぎる。
「あぅああ……っ、よせ……っ、あああっ!」
官能の大波に押し流されて、不覚にも声が漏れた。自分の野太い喘ぎ声を耳にして、オリヴァは年甲斐もなく泣きたくなる。
アクセリアが、ため息をついた。
「ここでしんみりしないでおくれよ。お楽しみにはこれからなんだから」
「待てっ、ほんとに、あっ、ああああ、う……ぅ!」
「こちとら、四百年も、待たされて、飢えに、飢えてるんだよ……っ、はぁっ」
「四百年? な、なんの話だ、あぁああ、あ、く……っ」
アクセリアは何が楽しいのか、欲に濡れた瞳と唇でずっと笑っている。魔女が腰を振るうたびに、サテンのドレスに包まれた胸の膨らみもたわわに揺れた。女の性器が容赦なく彼を締め上げて、昇天させようとしてくる。
アクセリアはオリヴァの下腹に手をついて、大きく円を描くように腰を回した。かと思えば、亀頭が腟から抜けるか抜けないかのところまで腰をあげ、男の泣きそうな顔を見ながら、勢い良く腰を下ろすのだ。オリヴァの向かう先が、天国か地獄か分からない。ただ、快感のあまり全身が震え、自涜とは比べ物にならない官能の極みが訪れようとしていた。
――射精したくない!
「よせっ、今すぐ離れろ……っ! 私のような、不幸な子どもが、生まれてしまう……っ!」
オリヴァが怯んだ隙に、ピンクの舌先が口の中に入ってくる。
「んんっ、くは……っ」
器用な舌はオリヴァの歯裏を舐め、舌を絡み合わせる。彼は顔をそむけたが、アクセリアが顎を掴んで、喉奥まで舌で愛撫してきた。口腔のみならず全てを支配したがる激しいキスに、オリヴァの呼吸が苦しくなる。
「は……っ、んん……んっ、はぁ……っ」
信じられない。堕とされる恐怖を感じて、拳を握って踏ん張った。美しくも若くもない、むさい修道士の自分がこんなことをされるのが理解できない。生まれて初めてされた口づけは甘く長く、身体の芯まで蕩けるようだった。
「痛っ」
突然、弾かれたようにアクセリアが身体を起こした。その唇から、口紅より赤いものが浮きあがっている。オリヴァは肩を大きく上下させて、気力を奮い立たせた。
「もう一度噛みつかれたくなければ、私を解放しろっ!」
アクセリアはさも愉快そうに笑う。
「童貞がよく頑張るね。そうこなくっちゃ。こっちも燃えてきたよ」
オリヴァの見ている前で魔女の唇の血と傷がゆっくりと消えていき、最後はもと通りになった。奇跡のような光景を目の当たりにして、オリヴァは総毛だつ。
「この魔女め!」
「そうさ、わたしは魔女。それも千年を生きる大魔女さ。人生の楽しみを知らない坊や、わたしが世界を見せてあげるよ」
アクセリアは絶世の美貌を惜しげもなく笑ませる。オリヴァの太い首筋を猫のように舐めあげ、鎖骨の下の肌を音を立てて吸いあげた。
「よ、よせっ!」
魔女は狼狽する彼を無視して、小さな乳首に軽く歯を立て擦ると、今度はその痕を労わるかのように執拗に舌を絡める。
「はっ、……あぁ! んんっ……っ」
乳首が硬くなってムズムズする。生まれて初めて知る官能に、四肢をバタつかせるオリヴァ。白い繊手が、逞しい太腿をさすりあげてきた。
――耐えられんっ!
「おや、もう降参かい? ふふっ。身体は正直だね」
舌なめずりする魔女とは対照的に、オリヴァは情けなくなって目を閉じる。あまりの恥辱に、言葉も出なかった。褐色の尖塔が行儀良く直立しているのだ。積み上げてきた四十年分の信仰心と忍耐力が、泥沼に落とされた気分だ。
アクセリアはドレスの裾をまくりあげ、太腿をあらわにした。すらりと伸びた白くて長い脚の奥は、ドレスに隠れて見えない。凹凸のはっきりした腰はオリヴァの半分くらいしかないのに、その先に実る乳房はドレス越しにわかるほど豊満だ。罪作りな、悩ましいほど美しい女だった。
「どれ、失礼するよ」
「やめろっ、待て、私は聖職者だぞ!」
思わず見惚れていたオリヴァだが、我に返って必死に抵抗する。蔦は蛇のように絡みついてガンともしなかった。
「大魔女のわたしが、男にしてあげるよ。光栄に思いな」
「私は産まれたときから男だ! 頼む、やめてくれ……っ、破戒してしまうっ! ……あああああ……っ!」
神は、オリヴァの危機を救わなかった。
亀頭が女の熱い腟に吸い込まれ、襞という襞が一斉に吸いついてくる。アクセリアはゆっくりと腰を下ろし、生々しい水音を立てながら、ついには根元まで飲み込んだ。自らの手にしか包まれたことのないオリヴァの男根が、肉の喜びを享受しようとしている。まるで温泉に浸かっているかのように、一気に身体が弛緩する。
アクセリアの柔らかい内股が、オリヴァの腰にぴったりと押し付けられた。魔女は頬を赤らめ、恍惚と息を吐く。
「ふぅ、苦労させるね。やっと入ったよ。……ったく、大きいんだから」
「た、頼む、……私の上から退いてくれっ」
「素直じゃないね。それとも、わたしの下が気に入らないって言うのかい?」
アクセリアはそう言うや否や、小刻みに腰をトントンと上下させる。蜜壺が男性器を温く包み込みこんだかと思えば、きゅうっと締め付けてきた。オリヴァは腹筋に力を入れて、欲望を払おうとしたが、敵が強大すぎる。
「あぅああ……っ、よせ……っ、あああっ!」
官能の大波に押し流されて、不覚にも声が漏れた。自分の野太い喘ぎ声を耳にして、オリヴァは年甲斐もなく泣きたくなる。
アクセリアが、ため息をついた。
「ここでしんみりしないでおくれよ。お楽しみにはこれからなんだから」
「待てっ、ほんとに、あっ、ああああ、う……ぅ!」
「こちとら、四百年も、待たされて、飢えに、飢えてるんだよ……っ、はぁっ」
「四百年? な、なんの話だ、あぁああ、あ、く……っ」
アクセリアは何が楽しいのか、欲に濡れた瞳と唇でずっと笑っている。魔女が腰を振るうたびに、サテンのドレスに包まれた胸の膨らみもたわわに揺れた。女の性器が容赦なく彼を締め上げて、昇天させようとしてくる。
アクセリアはオリヴァの下腹に手をついて、大きく円を描くように腰を回した。かと思えば、亀頭が腟から抜けるか抜けないかのところまで腰をあげ、男の泣きそうな顔を見ながら、勢い良く腰を下ろすのだ。オリヴァの向かう先が、天国か地獄か分からない。ただ、快感のあまり全身が震え、自涜とは比べ物にならない官能の極みが訪れようとしていた。
――射精したくない!
「よせっ、今すぐ離れろ……っ! 私のような、不幸な子どもが、生まれてしまう……っ!」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。
すずなり。
恋愛
母に仕組まれた『お見合い』。非の打ち所がない相手には言えない秘密が私にはあった。「俺なら・・・守れる。」終わらせてくれる気のない相手に・・私は折れるしかない!?
「こんな溢れさせて・・・期待した・・?」
(こんなの・・・初めてっ・・!)
ぐずぐずに溶かされる夜。
焦らされ・・焦らされ・・・早く欲しくてたまらない気持ちにさせられる。
「うぁ・・・気持ちイイっ・・!」
「いぁぁっ!・・あぁっ・・!」
何度登りつめても終わらない。
終わるのは・・・私が気を失う時だった。
ーーーーーーーーーー
「・・・赤ちゃん・・?」
「堕ろすよな?」
「私は産みたい。」
「医者として許可はできない・・!」
食い違う想い。
「でも・・・」
※お話はすべて想像の世界です。出てくる病名、治療法、薬など、現実世界とはなんら関係ありません。
※ただただ楽しんでいただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
それでは、お楽しみください。
【初回完結日2020.05.25】
【修正開始2023.05.08】
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
【完結】大学で人気の爽やかイケメンはヤンデレ気味のストーカーでした
あさリ23
恋愛
大学で人気の爽やかイケメンはなぜか私によく話しかけてくる。
しまいにはバイト先の常連になってるし、専属になって欲しいとお金をチラつかせて誘ってきた。
お金が欲しくて考えなしに了承したのが、最後。
私は用意されていた蜘蛛の糸にまんまと引っかかった。
【この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません】
ーーーーー
小説家になろうで投稿している短編です。あちらでブックマークが多かった作品をこちらで投稿しました。
内容は題名通りなのですが、作者的にもヒーローがやっちゃいけない一線を超えてんなぁと思っています。
ヤンデレ?サイコ?イケメンでも怖いよ。が
作者の感想です|ω・`)
また場面で名前が変わるので気を付けてください
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる