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第三十話 「今日は傍にいてください」
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次に目を覚ましたときには日は高く昇っていた。寝室のなかには自分一人で、窓からは薄暗い空が見えている。身体はさらさらしているし寝間着も着ているので、ラウリがやってくれたのだろう。
「う……っ」
起きようとしたら、腰にずきんっと衝撃が走った。ベッドに身を伏せて、痛みが和らぐのを大人しく待つ。サイドテーブルに水差しが用意してあったので、両手で支えながら飲んだ。這うようにして部屋を出て、なんとかトイレに向かう。食卓に夫が用意したスープやパンが見えたけれど、そこまで歩く気力はなかったし食欲もない。身体が熱っぽくて、頭も痛い。壁にもたれかかりながら寝室に戻り、布団を被ったこところでまた意識が途絶えた。
「おい、アンニーナ。しっかりしろ。……苦しいのか?」
ラウリの慌てた声に、目を開ける。しっかり軍服を着こんでいたが、帰宅するには早すぎる時間だった。カーテン越しのお日様がまだ高い。
「あなた……おしごとは?」
自分の声が聞いたこともないほど掠れており、それを聞いたラウリが痛ましげに顔を歪ませた。
「用事だけ済ませて帰ってきた。昨日、おまえに無理させたから。……悪かった」
こういうとき、何と答えていいのかアンニーナには分からない。『自分も浮気してお互い様だから、昨晩のことは水に流しましょう』なわけがないし、『強引だったけれど、初めて愛のある営みが出来て嬉しいです』とは死んでも言いたくない。
アンニーナは、ラウリに怒っているのだ。最初からあのように愛してくれれば、エサイアスに慰めを見出して抱かれることもなかったのに。自分のような保守的な人間に似合わない『不倫』など起こさずに済んだのに。彼女の自己肯定感は低いものの、自分の慎み深いところは気に入っていた。なのに、ラウリのせいでそれすら無くしてしまったのだ。
黙り込んでしまったアンニーナをまえに、ラウリはズボンの腰で両手を拭ってから話題を変えた。
「パン粥なら、食べられるか?」
「すこし、だけなら……」
「わかった、ちょっと待ってろ」
ラウリはぱっと顔を輝かせると寝室を出て行った。アンニーナは、大人しく布団に潜る。昨晩汚したシーツは清潔なものに取り換えられていた。あんなに汚して、マットレスは大丈夫だっただろうか。いろいろ考えようとしても、頭が痛くてかなわない。ラウリのキラキラした笑顔も、この痛みを和らげることはできなかった。
――これが二日酔い? こんなにつらいなら、もう二度と一滴もお酒は飲まないわ。
こうして彼女はいったい自分が何を飲まされたかを知らないまま、禁酒を硬く誓ったのだ。
うとうととしていると、ラウリがお盆を抱えて戻ってきた。甘い香りが鼻孔をくすぐる。ラウリは彼女の背中にクッションを挟んで寝かせると、自身はベッドの横にドレッサーの椅子を寄せ座った。スプーンに乗ったパン粥をフーフーしてから、アンニーナの口元に寄せてくる。
「ほら」
「ひ……一人で、食べられます」
「いいから」
夫の高圧的な態度に、彼女は仕方なく口を開く。ミルクに溶けたパンが優しく、蜂蜜が入っているのかほんのり甘い。夫の手料理を食べるのは生まれて初めてだった。
「……美味しいです」
「そりゃ、良かった。食って薬飲んで、早く寝ろ」
そういえば、昨日の昼から何も食べていない。アンニーナは食欲がわいてきて、夫が差し出すスプーンをパクパクと口に含んだ。ラウリからくすりと笑い声が漏れる。
「その食べ方、まんま小動物だな」
また笑顔。それを前にすると、アンニーナはすぐにふにゃふにゃになってしまう。口を拭く布巾で目まで隠して、その発作をこらえる。滅多にないぐらい彼女は怒っているのに、これでは相手に正しく伝わらないではないか。
ラウリはアンニーナに頭痛薬を飲ませると、背中のクッションをとってくれた。甲斐甲斐しいまでの世話に、感動するより違和感を覚える。
「どうした?」
食器の片づけから戻ってきたラウリの問いに、彼女は正直に答えた。
「人の世話に慣れているから、どうしてかと……」
ああ……、と夫は丸椅子に腰を落とす。
「十二の頃からウーノの侍従をしてたからな。掃除から洗濯までは言うに及ばず、料理も簡単なものならできるぞ」
「そ、……そうでしたね」
普段の夫のあまりの傲岸不遜さに、その事実を忘れていた。貴族の身の回りの世話をする侍従の多くは、自身が老いて引退するまで同じ仕事を続ける。ラウリはそこから抜け出してウーノの腹心となり、主が王配になってからは都の警ら隊に入り数年で隊長格まで出世したのだ。アンニーナにはよく分からないけれど、王都の警ら隊は危険の多い仕事だ。王配の口利きだけでは、きっと隊員の支持を得ることはできない。認められるために、彼が人並以上の努力を重ねたことは想像に難くない。だが、二年間生活を共にしてきたアンニーナから見ても、ラウリは何事も器用で要領よくこなすだけに飽き足らず、暇を見つけては人妻たちとの浮気を楽しんでいた。
――いつ、『血のにじむような努力』をしているのかしら?
不意に、エサイアスの言葉が思い浮かぶ。
『あなたに自分が詩集を愛読していることを知られたくないのかもしれませんね。だったら、相当な見栄っ張りだ』
――本当にわたしは、彼という人間を知らない。
ラウリの『蔑み』と、アンニーナの『憧れ』で始まった夫婦生活。二年たった今も、二人の距離は縮まっていないのだ。
黙り込んだ彼女に、ラウリは静かに問うた。
「ほかに、やってほしいことはあるか?」
今まで、こんなことを言う人じゃなかった。アンニーナは、もぞもぞと布団の中で姿勢を変える。布団を鼻まで被って、口を開いた。
「今日一日、……わたしの傍にいてください」
言い切ると、やはり恥ずかしい。ラウリもなんだか変な顔をしている。長い人差し指で口髭を擦ったと思えば、肩を落として小さく息を吐いた。銀の前髪に隠れて表情が読めない。次に顔をあげたとき、アイスブルーの目元が少し紅いように感じた。
「そんなことか。――ずっとここにいてやるから、しっかり休めよ」
ラウリの大きな手が、アンニーナの額にゆっくりと置かれる。彼の指の付け根には剣だこがあって、全体的に硬くて厚みがあった。
――ひんやりして、気持ちいい。
こころなしか、頭痛が軽くなる。アンニーナは、ゆっくりと眠りの世界に埋没していった。
「う……っ」
起きようとしたら、腰にずきんっと衝撃が走った。ベッドに身を伏せて、痛みが和らぐのを大人しく待つ。サイドテーブルに水差しが用意してあったので、両手で支えながら飲んだ。這うようにして部屋を出て、なんとかトイレに向かう。食卓に夫が用意したスープやパンが見えたけれど、そこまで歩く気力はなかったし食欲もない。身体が熱っぽくて、頭も痛い。壁にもたれかかりながら寝室に戻り、布団を被ったこところでまた意識が途絶えた。
「おい、アンニーナ。しっかりしろ。……苦しいのか?」
ラウリの慌てた声に、目を開ける。しっかり軍服を着こんでいたが、帰宅するには早すぎる時間だった。カーテン越しのお日様がまだ高い。
「あなた……おしごとは?」
自分の声が聞いたこともないほど掠れており、それを聞いたラウリが痛ましげに顔を歪ませた。
「用事だけ済ませて帰ってきた。昨日、おまえに無理させたから。……悪かった」
こういうとき、何と答えていいのかアンニーナには分からない。『自分も浮気してお互い様だから、昨晩のことは水に流しましょう』なわけがないし、『強引だったけれど、初めて愛のある営みが出来て嬉しいです』とは死んでも言いたくない。
アンニーナは、ラウリに怒っているのだ。最初からあのように愛してくれれば、エサイアスに慰めを見出して抱かれることもなかったのに。自分のような保守的な人間に似合わない『不倫』など起こさずに済んだのに。彼女の自己肯定感は低いものの、自分の慎み深いところは気に入っていた。なのに、ラウリのせいでそれすら無くしてしまったのだ。
黙り込んでしまったアンニーナをまえに、ラウリはズボンの腰で両手を拭ってから話題を変えた。
「パン粥なら、食べられるか?」
「すこし、だけなら……」
「わかった、ちょっと待ってろ」
ラウリはぱっと顔を輝かせると寝室を出て行った。アンニーナは、大人しく布団に潜る。昨晩汚したシーツは清潔なものに取り換えられていた。あんなに汚して、マットレスは大丈夫だっただろうか。いろいろ考えようとしても、頭が痛くてかなわない。ラウリのキラキラした笑顔も、この痛みを和らげることはできなかった。
――これが二日酔い? こんなにつらいなら、もう二度と一滴もお酒は飲まないわ。
こうして彼女はいったい自分が何を飲まされたかを知らないまま、禁酒を硬く誓ったのだ。
うとうととしていると、ラウリがお盆を抱えて戻ってきた。甘い香りが鼻孔をくすぐる。ラウリは彼女の背中にクッションを挟んで寝かせると、自身はベッドの横にドレッサーの椅子を寄せ座った。スプーンに乗ったパン粥をフーフーしてから、アンニーナの口元に寄せてくる。
「ほら」
「ひ……一人で、食べられます」
「いいから」
夫の高圧的な態度に、彼女は仕方なく口を開く。ミルクに溶けたパンが優しく、蜂蜜が入っているのかほんのり甘い。夫の手料理を食べるのは生まれて初めてだった。
「……美味しいです」
「そりゃ、良かった。食って薬飲んで、早く寝ろ」
そういえば、昨日の昼から何も食べていない。アンニーナは食欲がわいてきて、夫が差し出すスプーンをパクパクと口に含んだ。ラウリからくすりと笑い声が漏れる。
「その食べ方、まんま小動物だな」
また笑顔。それを前にすると、アンニーナはすぐにふにゃふにゃになってしまう。口を拭く布巾で目まで隠して、その発作をこらえる。滅多にないぐらい彼女は怒っているのに、これでは相手に正しく伝わらないではないか。
ラウリはアンニーナに頭痛薬を飲ませると、背中のクッションをとってくれた。甲斐甲斐しいまでの世話に、感動するより違和感を覚える。
「どうした?」
食器の片づけから戻ってきたラウリの問いに、彼女は正直に答えた。
「人の世話に慣れているから、どうしてかと……」
ああ……、と夫は丸椅子に腰を落とす。
「十二の頃からウーノの侍従をしてたからな。掃除から洗濯までは言うに及ばず、料理も簡単なものならできるぞ」
「そ、……そうでしたね」
普段の夫のあまりの傲岸不遜さに、その事実を忘れていた。貴族の身の回りの世話をする侍従の多くは、自身が老いて引退するまで同じ仕事を続ける。ラウリはそこから抜け出してウーノの腹心となり、主が王配になってからは都の警ら隊に入り数年で隊長格まで出世したのだ。アンニーナにはよく分からないけれど、王都の警ら隊は危険の多い仕事だ。王配の口利きだけでは、きっと隊員の支持を得ることはできない。認められるために、彼が人並以上の努力を重ねたことは想像に難くない。だが、二年間生活を共にしてきたアンニーナから見ても、ラウリは何事も器用で要領よくこなすだけに飽き足らず、暇を見つけては人妻たちとの浮気を楽しんでいた。
――いつ、『血のにじむような努力』をしているのかしら?
不意に、エサイアスの言葉が思い浮かぶ。
『あなたに自分が詩集を愛読していることを知られたくないのかもしれませんね。だったら、相当な見栄っ張りだ』
――本当にわたしは、彼という人間を知らない。
ラウリの『蔑み』と、アンニーナの『憧れ』で始まった夫婦生活。二年たった今も、二人の距離は縮まっていないのだ。
黙り込んだ彼女に、ラウリは静かに問うた。
「ほかに、やってほしいことはあるか?」
今まで、こんなことを言う人じゃなかった。アンニーナは、もぞもぞと布団の中で姿勢を変える。布団を鼻まで被って、口を開いた。
「今日一日、……わたしの傍にいてください」
言い切ると、やはり恥ずかしい。ラウリもなんだか変な顔をしている。長い人差し指で口髭を擦ったと思えば、肩を落として小さく息を吐いた。銀の前髪に隠れて表情が読めない。次に顔をあげたとき、アイスブルーの目元が少し紅いように感じた。
「そんなことか。――ずっとここにいてやるから、しっかり休めよ」
ラウリの大きな手が、アンニーナの額にゆっくりと置かれる。彼の指の付け根には剣だこがあって、全体的に硬くて厚みがあった。
――ひんやりして、気持ちいい。
こころなしか、頭痛が軽くなる。アンニーナは、ゆっくりと眠りの世界に埋没していった。
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