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転生〜ロッカの街
第11話 小部屋改造計画
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街をしばらくぶらつくと、いくつか服を売っている店を見つけることができた。
が、その値段が高かった。
いや、ものすごく高かった。
ギリギリ買えないこともないが、前世でいうちょっとしたブランドものくらいの値段だったから、手持ちの金貨を吐き出しても二着と買えそうになかった。
単純に物価が高いのか、貨幣価値が予想より低いのかよく分からないな。
それでも諦めずに手頃な服を探していると、露天が集まる一角に服を扱っている店を見つけた。
「はいらっしゃい」
お店の番をしていたのは人の良さそうなおばちゃんだった。
おばちゃんは俺の格好を見ると、一瞬顔をしかめて「安くしとくよ」といった。
気を使わせてしまったようだな。
きれいに畳んで積まれている服を見ると、銅貨三枚程度のものから、高くても銀貨五枚くらいまでの価格帯だった。
これなら希望にぴったり合うな。
俺は早速商品を選ぶことにした。
しばらく服の海を漂って選んだのは自分の上下二セットと、フィズのワンピース三枚。
それにジャックとローズ一着ずつの合わせて九着だった。
ジャックとローズは要らないといっていたけど、俺とフィズだけ買うのも悪いので無理矢理選んでやった。
十着買ってくれたら銀貨五枚でいいよ、というおばちゃんの太っ腹な言葉でもう一着選ぼうとした。
そうしたら可愛らしいリボンがちょうど目に入ったので、フィズ用にとそれを選んだ。
「はい、銀貨五枚ちょうどだね」
おばちゃんにお金を払いながら気になったことを聞いてみる。
「このお店、なんでこんなに安いんですか? 他の店だと一着で金貨が飛んでいっちゃう値段だったのに」
「この国は、とりわけこの街は服が高いからね。鉱山が近いから武器なんかは安いみたいだけど布は他所から仕入れている分どうしても高くなっちゃうんだよね。ただ、ここにあるのは中古のものか、余った端切れを紡いで私が作ったものばかりだから安く出来るのさ」
おかげで売れても売れてもギリギリなのよ、なんておばちゃんは笑っていた。
なんか安くしてもらったのが悪い気がしてくるな。
そんなおばちゃんに「また来てね」と見送られて俺たちは露店を離れた。
少し歩いて人通りが少ない路地を見つけると、俺はポケットから馬車を取り出した。
それから地面に置いて大きなサイズに戻すと、中に入って服を着替える。
ついでにフィズにも生着替えをしてもらったので気分は最高潮だ。
「あれ、ご主人さま……そこどうしたのよ? もしかして服のサイズが合っていないんじゃない?」
あえてもう一度言おう、最高潮↑なのだ。
さて、馬車を出したのは服を着替えるためだけじゃない。
確認したい事があったからだ。
それは——。
「うん、やっぱりここに置いておいた金貨が一枚なくなっているな」
「え、フィズは知らないわよっ!?」
「あ、そうじゃなくて。さっきギルドでお金を出したろ? あれってここから出てきたんだよ」
不思議な顔をしているフィズだけど、なんていえばいいか難しいな。
「マスター」
どう説明しようか考えていると、馬車の外からジャックが声をかけてきた。
「こんな物が御者台にあったのですが……」
そういって俺に手帳のような物を渡してくれた。
「これは台帳か? ええっと金貨四枚に、服がいくつか……おお、こりゃ馬車に載ってる物の一覧だな」
そう思った俺は金貨を馬車の外に持ち出したり、運び入れたりして試した。
そのたびに台帳が自動で表示を変えたので、どうやら間違いなさそうだった。
さらに色々と試してみると、台帳に載っている物品は馬車と接触してさえいれば自由に呼び出せることが分かった。
「ほう、これは便利だ。ようはドラ◯もんの四次元バッグみたいなものかな……」
「四次元?」
「ああ。気にしないでくれ」
俺が独りごちた言葉に、髪を結いて貰っているフィズが反応したのでそう答えておく。
「はい、できましたよ」
ローズがそういうと、フィズは俺の前までとたたた、と走ってきた。
「ご主人さま。ど、どうかしら?」
目の前でもじもじするフィズの頭の上で、さっき買ったリボンがふわりと揺れていた。
「おお。フィズ、とっても似合ってるよ」
「それだけ……かしら?」
「……とっても似合ってて可愛いっていったんだよっ!」
いつかのフィズとしたやり取りのような返しをすると、顔を真っ赤にして「あり、がと……」と返してくれた。
いや、本当に可愛いなこりゃ。
「もう一つ欲しいものがある」
可愛いフィズを堪能した俺は、そういうとまた街に繰り出した。
お目当ての品は『寝具』だ。
やはり現代日本に慣れてしまっていた俺は、床で寝るのになかなか慣れなかった。
ならいっそあの小部屋を自分たち専用の部屋にして、ベッドを置いてしまえばいいと思いついたのだ。
しかし、街を探せども家具を扱っている店は見つからなかった。
最後の望みをかけて露天が集まっているところに戻ってくるも……やっぱり売っていない。
肩を落としていると「あら、あんた」と声を掛けられた。
声のした方を向くと、その声の主は服屋のおばちゃんだった。
「どうしたんだい?」
「ベッドが欲しいのに売っている店が見つからないんですよ」
「ああ、この街は職人の街だから大抵みんな自分らで作っちゃうからねぇ」
「はぁ、そうだったんですね」
「もしよけりゃ知り合いの大工を紹介してあげようかい? 自分のやりたい仕事しかしない偏屈だけど腕は良いよ」
それは渡りに船だ。
俺はおばちゃんに紹介をお願いすることにした。
「おーい、ゴンザ。ちょいと失礼するよ」
「ああ、なんだあ?」
「お客さんを連れてきたのになんだはないだろう……もう、シャキッとしな! ……じゃあアタシは店に戻るからね」
俺が礼を伝えるとおばちゃんは手をひらひらさせて露天に戻っていった。
さっぱりしていて気持ちのいい人だな。
一方、目の前にいるゴンザと呼ばれたくたびれた男は、裏路地の奥のさらに奥に布をしいて寝転がっていた。
うーん……ホームレスなのだろうか。
「……で、お前は何を作ってもらいたいんだ?」
「ベッドをお願いしたいと思っています。いや、できれば棚とかも欲しいんですけど」
せっかく部屋にすることにしたのだからちょっとした快適を求めても罰は当たらないだろう。
「どこの家だ?」
「いや、家じゃなくて馬車なんですけど……」
「ハッ。そりゃどういう意味だぁ?」
「いや、そのままの意味ですよ」
そりゃ馬車にベッドを作ってくれと急に言われても訳が分からないか。
そう思った俺はゴンザさんに馬車を見せることにした。
「お、おおお? こ、こりゃどういうことだ?」
ゴンザさんは馬車の中にある部屋をみて驚いている。
まぁ誰だって驚くよな。
「ここで生活できるようにしたいので、ベッドや棚なんかを作りたいんですよ」
俺がそういうと、ゴンザさんはギラリと目を輝かせる。
「……金貨五枚だ」
ゴンザさんは俺の目の前に手を広げて突然そういった。
五を表したかったんだろうけど、その節くれ立った指にばかり目がいってしまう。
「俺の好きなようにしていいなら金貨五枚で最高の部屋にしてやるが、どうする?」
金貨五枚か……今の手持ちは金貨四枚と銅貨が少し。
「……支払いは出来上がった時でいいですか?」
「金貨二枚を最初にくれりゃそれを材料費に充てる。残りは終わってからでいい」
「ならそれでお願いします」
俺はゴンザさんの手を見て、この人にお願いする事を決めた。
この人はきっと努力をしてきた人だ。
何度も手にマメを作って潰してきた人だ。
それならきっと信頼できる。
「よし、じゃあ決まりだ」
そういうとゴンザさんは自分のねぐらから紐のようなものを持ってきて部屋の大きさを測った。
実際の製作に取り掛かるのは明日からで、おそらく三日ほどで出来るとのことだった。
さて、そうと決まれば俺たちは完成の日までに少しお金を稼いでおかないとな。
が、その値段が高かった。
いや、ものすごく高かった。
ギリギリ買えないこともないが、前世でいうちょっとしたブランドものくらいの値段だったから、手持ちの金貨を吐き出しても二着と買えそうになかった。
単純に物価が高いのか、貨幣価値が予想より低いのかよく分からないな。
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きれいに畳んで積まれている服を見ると、銅貨三枚程度のものから、高くても銀貨五枚くらいまでの価格帯だった。
これなら希望にぴったり合うな。
俺は早速商品を選ぶことにした。
しばらく服の海を漂って選んだのは自分の上下二セットと、フィズのワンピース三枚。
それにジャックとローズ一着ずつの合わせて九着だった。
ジャックとローズは要らないといっていたけど、俺とフィズだけ買うのも悪いので無理矢理選んでやった。
十着買ってくれたら銀貨五枚でいいよ、というおばちゃんの太っ腹な言葉でもう一着選ぼうとした。
そうしたら可愛らしいリボンがちょうど目に入ったので、フィズ用にとそれを選んだ。
「はい、銀貨五枚ちょうどだね」
おばちゃんにお金を払いながら気になったことを聞いてみる。
「このお店、なんでこんなに安いんですか? 他の店だと一着で金貨が飛んでいっちゃう値段だったのに」
「この国は、とりわけこの街は服が高いからね。鉱山が近いから武器なんかは安いみたいだけど布は他所から仕入れている分どうしても高くなっちゃうんだよね。ただ、ここにあるのは中古のものか、余った端切れを紡いで私が作ったものばかりだから安く出来るのさ」
おかげで売れても売れてもギリギリなのよ、なんておばちゃんは笑っていた。
なんか安くしてもらったのが悪い気がしてくるな。
そんなおばちゃんに「また来てね」と見送られて俺たちは露店を離れた。
少し歩いて人通りが少ない路地を見つけると、俺はポケットから馬車を取り出した。
それから地面に置いて大きなサイズに戻すと、中に入って服を着替える。
ついでにフィズにも生着替えをしてもらったので気分は最高潮だ。
「あれ、ご主人さま……そこどうしたのよ? もしかして服のサイズが合っていないんじゃない?」
あえてもう一度言おう、最高潮↑なのだ。
さて、馬車を出したのは服を着替えるためだけじゃない。
確認したい事があったからだ。
それは——。
「うん、やっぱりここに置いておいた金貨が一枚なくなっているな」
「え、フィズは知らないわよっ!?」
「あ、そうじゃなくて。さっきギルドでお金を出したろ? あれってここから出てきたんだよ」
不思議な顔をしているフィズだけど、なんていえばいいか難しいな。
「マスター」
どう説明しようか考えていると、馬車の外からジャックが声をかけてきた。
「こんな物が御者台にあったのですが……」
そういって俺に手帳のような物を渡してくれた。
「これは台帳か? ええっと金貨四枚に、服がいくつか……おお、こりゃ馬車に載ってる物の一覧だな」
そう思った俺は金貨を馬車の外に持ち出したり、運び入れたりして試した。
そのたびに台帳が自動で表示を変えたので、どうやら間違いなさそうだった。
さらに色々と試してみると、台帳に載っている物品は馬車と接触してさえいれば自由に呼び出せることが分かった。
「ほう、これは便利だ。ようはドラ◯もんの四次元バッグみたいなものかな……」
「四次元?」
「ああ。気にしないでくれ」
俺が独りごちた言葉に、髪を結いて貰っているフィズが反応したのでそう答えておく。
「はい、できましたよ」
ローズがそういうと、フィズは俺の前までとたたた、と走ってきた。
「ご主人さま。ど、どうかしら?」
目の前でもじもじするフィズの頭の上で、さっき買ったリボンがふわりと揺れていた。
「おお。フィズ、とっても似合ってるよ」
「それだけ……かしら?」
「……とっても似合ってて可愛いっていったんだよっ!」
いつかのフィズとしたやり取りのような返しをすると、顔を真っ赤にして「あり、がと……」と返してくれた。
いや、本当に可愛いなこりゃ。
「もう一つ欲しいものがある」
可愛いフィズを堪能した俺は、そういうとまた街に繰り出した。
お目当ての品は『寝具』だ。
やはり現代日本に慣れてしまっていた俺は、床で寝るのになかなか慣れなかった。
ならいっそあの小部屋を自分たち専用の部屋にして、ベッドを置いてしまえばいいと思いついたのだ。
しかし、街を探せども家具を扱っている店は見つからなかった。
最後の望みをかけて露天が集まっているところに戻ってくるも……やっぱり売っていない。
肩を落としていると「あら、あんた」と声を掛けられた。
声のした方を向くと、その声の主は服屋のおばちゃんだった。
「どうしたんだい?」
「ベッドが欲しいのに売っている店が見つからないんですよ」
「ああ、この街は職人の街だから大抵みんな自分らで作っちゃうからねぇ」
「はぁ、そうだったんですね」
「もしよけりゃ知り合いの大工を紹介してあげようかい? 自分のやりたい仕事しかしない偏屈だけど腕は良いよ」
それは渡りに船だ。
俺はおばちゃんに紹介をお願いすることにした。
「おーい、ゴンザ。ちょいと失礼するよ」
「ああ、なんだあ?」
「お客さんを連れてきたのになんだはないだろう……もう、シャキッとしな! ……じゃあアタシは店に戻るからね」
俺が礼を伝えるとおばちゃんは手をひらひらさせて露天に戻っていった。
さっぱりしていて気持ちのいい人だな。
一方、目の前にいるゴンザと呼ばれたくたびれた男は、裏路地の奥のさらに奥に布をしいて寝転がっていた。
うーん……ホームレスなのだろうか。
「……で、お前は何を作ってもらいたいんだ?」
「ベッドをお願いしたいと思っています。いや、できれば棚とかも欲しいんですけど」
せっかく部屋にすることにしたのだからちょっとした快適を求めても罰は当たらないだろう。
「どこの家だ?」
「いや、家じゃなくて馬車なんですけど……」
「ハッ。そりゃどういう意味だぁ?」
「いや、そのままの意味ですよ」
そりゃ馬車にベッドを作ってくれと急に言われても訳が分からないか。
そう思った俺はゴンザさんに馬車を見せることにした。
「お、おおお? こ、こりゃどういうことだ?」
ゴンザさんは馬車の中にある部屋をみて驚いている。
まぁ誰だって驚くよな。
「ここで生活できるようにしたいので、ベッドや棚なんかを作りたいんですよ」
俺がそういうと、ゴンザさんはギラリと目を輝かせる。
「……金貨五枚だ」
ゴンザさんは俺の目の前に手を広げて突然そういった。
五を表したかったんだろうけど、その節くれ立った指にばかり目がいってしまう。
「俺の好きなようにしていいなら金貨五枚で最高の部屋にしてやるが、どうする?」
金貨五枚か……今の手持ちは金貨四枚と銅貨が少し。
「……支払いは出来上がった時でいいですか?」
「金貨二枚を最初にくれりゃそれを材料費に充てる。残りは終わってからでいい」
「ならそれでお願いします」
俺はゴンザさんの手を見て、この人にお願いする事を決めた。
この人はきっと努力をしてきた人だ。
何度も手にマメを作って潰してきた人だ。
それならきっと信頼できる。
「よし、じゃあ決まりだ」
そういうとゴンザさんは自分のねぐらから紐のようなものを持ってきて部屋の大きさを測った。
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