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三章 魔女と騎士
第54話 洋館探索
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翌日、ハルトと僕は最近モンスターが目撃されたという洋館へと辿り着いた。
王都から徒歩で1日とちょっと。
まぁ大した距離ではないけど、それにしてもこんな所にあるのは不自然だと思えるくらいには大きかった。
けれど外から見た限り、ボロボロで、随分前から人が住んでいないだろうことが伺えた。
中に入ると予想通り真っ暗で、そして埃っぽかった。
せめて窓に打ち付けてある木の板さえなければ陽の光くらい入ってくるだろうに。
「なんかちょっと不気味だね」
「ああ」
「もしかしてモンスターじゃなくてお化けが出てきたりなんかしちゃったりして」
「ああ」
「ハルトもやっぱりそういうの怖かったりするでしょ?」
「なぁ……」
「え、何?」
「ちょっと離れてくれないか? 動きづらくて仕方がねぇ」
そういって肘にしがみつく僕を振り払おうと腕をぶんぶん振ってくる。
「ひどい……無理だよ、無理無理。膝なんてガクガクしてるし、歯だってカチカチいってるし……」
「ったく、だらしねえなぁ。そういうのは女の子がやるからいいんじゃねえか」
「何言ってるんだよ。君は僕に鼻の下を伸ばしていたじゃないか」
「は、はぁ? なななな何言ってんだ? そそんな訳ねえだろがっ!」
ハルトは顔を真っ赤にして「ほら、先へ進むぞ」とぶっきらぼうにそう言った。
これは照れてるね。僕はハルトのことならすぐ分かるんだ。
「とりあえず一階から調べていくからな」
「うん、そうしよう」
僕とハルトは一階の部屋をひとつずつ調べていった。
たまに開けるとネズミが出てきてその度に飛び上がっちゃったよ。
隣のハルトもビクッとしてたからきっと内心ビクビクしていたんだろうね。
それをハルトに伝えると、「お前が急に飛び上がるからだろ」とか言ってたけど、まぁ虚勢だと思って間違いないだろう。
「次で最後の部屋……かな?」
「ああ、他は全部調べたけど大したもんはなかったな。盗賊にでも盗られたんだろう」
「さすが元盗賊だけあってよく知っているね」
「……それはやめろ。泣くぞ?」
ハルトを泣かせるのは本意じゃなかったからこの話をするのはもう少し時間が経ってからの方が良さそうだ。
そうだなぁ、お互いがおじさんになって髭をたくわえるくらいになればいいかな。
そういえば僕って髭生えてこないけどいつか生えてくるのかな?
「んなこと知るかよ」
おっと、いつの間にか声に出てしまっていたらしい。
「それよりお前、ちょっと気を抜きすぎじゃねえか?」
「いや、考え事をしてなきゃ怖くてね……ちゃんと警戒はしてるから!」
「ならいいけど……じゃ開けるぜ?」
そういって開け放たれた部屋は……書斎かな?
どうやら金にならないと見たか何かが書かれている紙はそのまま置いたままになっているようだ。
「どうやらここにもいないようだな」
「ちょっと、待って! この紙、新しい……」
「え? んな事はないだろ。だって何年も前にここの住人は居なくなったって聞いたぜ?」
「でもこれはやっぱり新しいよ」
「ふうん……じゃあ誰かが使ってたのかもしれねえな。それこそ盗賊とかな」
「さすが——」
「泣くぞ」
僕らは一階の捜索を終えて二階へと上がった。
足を乗せる度にキィキィ泣く階段が恐怖でしかなかったけどなんとか上りきれた。
「あれ、上はそんなに部屋数がないね」
「ああ、そうだな。一部屋ずつが大きいのかもしれねぇな」
そんな事を話ながら僕らは二階の捜索をはじめた。
と、いっても五部屋しかなかったからそれはすぐに終わることになった。
「うーん、二階は人が住んでいた部屋って感じだったな」
「そうだね。どうやらシャワーもあったみたいだし、かなり裕福だったのかもね」
「シャワーか……俺は話にしか聞いたことないけどお前は知ってるか?」
「うん。魔女学園の寮には全部屋についてるからね!」
「はぁ? なんだよそれ。俺なんていつも井戸水で体を拭いてるってのに」
「まぁでもなかなか大変なんだよ、男バレせずにシャワーを浴びるのって」
「そりゃそうだろうけど……ッ!? 聞こえたか?」
「うん。聞こえた。何かのうめき声というか……やっぱりお化けかも!?」
一階に降りた僕らの耳に届いたのは「ううう」だか「おおお」だかっていう地の底から響くような低いうめき声だった。
「さっきの書斎の方から聞こえた気がする。行ってみるぞ!」
「ええ……まぁ行くしかないかぁ」
やたらと男らしいハルトを先頭にして僕らは書斎へと戻る。
急いで扉を開けると、そこはやはりもぬけの殻だった。
「確かにこの部屋から聞こえたんだけど……」
「気のせい、だったのかも、よ?」
「うーん……ちょっと待てよ? ここに暖炉があるのはおかしいだろ……」
「あ、確かに……外から見た限り煙突は一本だったね」
「居間みたいなところにもあったろ、暖炉」
「うん、あった」
ハルトが暖炉に残っていた薪を足でどけると……その床には取っ手のようなものがついていた。
もうこれはあからさまに隠してありましたって感じだね。
「きっとこの下だろう。行くぞ?」
「うん。ここまで来たら覚悟を決めるしかないでしょ」
僕がそういうとハルトは取っ手を思い切り引っ張った。
「んぐぐぐぐぐ……」
どうやら物凄く硬いようでピクリともしていない。
それならここでアレをやるか。
「じゃあアレをやってみるよ」
「ああ。アレをやってくれたら開けられそうだ」
「女神からの下賜ッ!」
「うおりゃああああぁぁぁぁ」
僕の魔法を受けたハルトは一気呵成に床の取っ手を引き上げた。
そこには……地下へと続く階段があった。
「いるいる、絶対にこの下にいるよ」
「分かるのか?」
「だって物語なんかでは定番じゃないか……」
「知るかッ! 行くぞ!」
石で作られた階段にカツン、カツンと足音を響かせて僕とハルトは地下へと降りていく。
一歩進む度に辺りの温度が下がっていっているような気がする。
しばらく進むと……どうやら階段はここで終わりらしい。
屋敷の中央に向かって階段は伸びていたから、ここは真下辺りだろうか。
「ねぇハルト……どうしてここは明かりがついているんだろう?」
僕は気になった事をハルトに聞く。
すると……。
「お、おい……あ、あ、あ、あれ……」
ハルトが震える指で指し示す方を見ると、そこには半透明の何かが浮かんでいた。
何か、っていうかこれは……。
「「ゴ、幽霊だぁぁぁぁぁぁ!!」」
王都から徒歩で1日とちょっと。
まぁ大した距離ではないけど、それにしてもこんな所にあるのは不自然だと思えるくらいには大きかった。
けれど外から見た限り、ボロボロで、随分前から人が住んでいないだろうことが伺えた。
中に入ると予想通り真っ暗で、そして埃っぽかった。
せめて窓に打ち付けてある木の板さえなければ陽の光くらい入ってくるだろうに。
「なんかちょっと不気味だね」
「ああ」
「もしかしてモンスターじゃなくてお化けが出てきたりなんかしちゃったりして」
「ああ」
「ハルトもやっぱりそういうの怖かったりするでしょ?」
「なぁ……」
「え、何?」
「ちょっと離れてくれないか? 動きづらくて仕方がねぇ」
そういって肘にしがみつく僕を振り払おうと腕をぶんぶん振ってくる。
「ひどい……無理だよ、無理無理。膝なんてガクガクしてるし、歯だってカチカチいってるし……」
「ったく、だらしねえなぁ。そういうのは女の子がやるからいいんじゃねえか」
「何言ってるんだよ。君は僕に鼻の下を伸ばしていたじゃないか」
「は、はぁ? なななな何言ってんだ? そそんな訳ねえだろがっ!」
ハルトは顔を真っ赤にして「ほら、先へ進むぞ」とぶっきらぼうにそう言った。
これは照れてるね。僕はハルトのことならすぐ分かるんだ。
「とりあえず一階から調べていくからな」
「うん、そうしよう」
僕とハルトは一階の部屋をひとつずつ調べていった。
たまに開けるとネズミが出てきてその度に飛び上がっちゃったよ。
隣のハルトもビクッとしてたからきっと内心ビクビクしていたんだろうね。
それをハルトに伝えると、「お前が急に飛び上がるからだろ」とか言ってたけど、まぁ虚勢だと思って間違いないだろう。
「次で最後の部屋……かな?」
「ああ、他は全部調べたけど大したもんはなかったな。盗賊にでも盗られたんだろう」
「さすが元盗賊だけあってよく知っているね」
「……それはやめろ。泣くぞ?」
ハルトを泣かせるのは本意じゃなかったからこの話をするのはもう少し時間が経ってからの方が良さそうだ。
そうだなぁ、お互いがおじさんになって髭をたくわえるくらいになればいいかな。
そういえば僕って髭生えてこないけどいつか生えてくるのかな?
「んなこと知るかよ」
おっと、いつの間にか声に出てしまっていたらしい。
「それよりお前、ちょっと気を抜きすぎじゃねえか?」
「いや、考え事をしてなきゃ怖くてね……ちゃんと警戒はしてるから!」
「ならいいけど……じゃ開けるぜ?」
そういって開け放たれた部屋は……書斎かな?
どうやら金にならないと見たか何かが書かれている紙はそのまま置いたままになっているようだ。
「どうやらここにもいないようだな」
「ちょっと、待って! この紙、新しい……」
「え? んな事はないだろ。だって何年も前にここの住人は居なくなったって聞いたぜ?」
「でもこれはやっぱり新しいよ」
「ふうん……じゃあ誰かが使ってたのかもしれねえな。それこそ盗賊とかな」
「さすが——」
「泣くぞ」
僕らは一階の捜索を終えて二階へと上がった。
足を乗せる度にキィキィ泣く階段が恐怖でしかなかったけどなんとか上りきれた。
「あれ、上はそんなに部屋数がないね」
「ああ、そうだな。一部屋ずつが大きいのかもしれねぇな」
そんな事を話ながら僕らは二階の捜索をはじめた。
と、いっても五部屋しかなかったからそれはすぐに終わることになった。
「うーん、二階は人が住んでいた部屋って感じだったな」
「そうだね。どうやらシャワーもあったみたいだし、かなり裕福だったのかもね」
「シャワーか……俺は話にしか聞いたことないけどお前は知ってるか?」
「うん。魔女学園の寮には全部屋についてるからね!」
「はぁ? なんだよそれ。俺なんていつも井戸水で体を拭いてるってのに」
「まぁでもなかなか大変なんだよ、男バレせずにシャワーを浴びるのって」
「そりゃそうだろうけど……ッ!? 聞こえたか?」
「うん。聞こえた。何かのうめき声というか……やっぱりお化けかも!?」
一階に降りた僕らの耳に届いたのは「ううう」だか「おおお」だかっていう地の底から響くような低いうめき声だった。
「さっきの書斎の方から聞こえた気がする。行ってみるぞ!」
「ええ……まぁ行くしかないかぁ」
やたらと男らしいハルトを先頭にして僕らは書斎へと戻る。
急いで扉を開けると、そこはやはりもぬけの殻だった。
「確かにこの部屋から聞こえたんだけど……」
「気のせい、だったのかも、よ?」
「うーん……ちょっと待てよ? ここに暖炉があるのはおかしいだろ……」
「あ、確かに……外から見た限り煙突は一本だったね」
「居間みたいなところにもあったろ、暖炉」
「うん、あった」
ハルトが暖炉に残っていた薪を足でどけると……その床には取っ手のようなものがついていた。
もうこれはあからさまに隠してありましたって感じだね。
「きっとこの下だろう。行くぞ?」
「うん。ここまで来たら覚悟を決めるしかないでしょ」
僕がそういうとハルトは取っ手を思い切り引っ張った。
「んぐぐぐぐぐ……」
どうやら物凄く硬いようでピクリともしていない。
それならここでアレをやるか。
「じゃあアレをやってみるよ」
「ああ。アレをやってくれたら開けられそうだ」
「女神からの下賜ッ!」
「うおりゃああああぁぁぁぁ」
僕の魔法を受けたハルトは一気呵成に床の取っ手を引き上げた。
そこには……地下へと続く階段があった。
「いるいる、絶対にこの下にいるよ」
「分かるのか?」
「だって物語なんかでは定番じゃないか……」
「知るかッ! 行くぞ!」
石で作られた階段にカツン、カツンと足音を響かせて僕とハルトは地下へと降りていく。
一歩進む度に辺りの温度が下がっていっているような気がする。
しばらく進むと……どうやら階段はここで終わりらしい。
屋敷の中央に向かって階段は伸びていたから、ここは真下辺りだろうか。
「ねぇハルト……どうしてここは明かりがついているんだろう?」
僕は気になった事をハルトに聞く。
すると……。
「お、おい……あ、あ、あ、あれ……」
ハルトが震える指で指し示す方を見ると、そこには半透明の何かが浮かんでいた。
何か、っていうかこれは……。
「「ゴ、幽霊だぁぁぁぁぁぁ!!」」
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