25 / 49
第25話 初配信が完璧な訳ない
しおりを挟む
先週の金曜は、配信用のパソコン設定やデビューに向けた打ち合わせなどで、Vtuber事務所のみんなが俺の家へ来てくれた。
ところが、女性は3人以上集まると暴走する。
俺の部屋は女子に荒らされて、ベッドで寝られるわ、エロ漫画は発掘されるわで、ろくなことがなかった。
あ、ちゃんとパソコン設定と打ち合わせはできた。
昼休みに校舎の屋上で待っていると、菜乃と瑠理がやって来た。
「健太のデビュー、今日よね?」
菜乃はいつ頃からか、瑠理がいても俺を名前で呼び捨てするようになった。
俺の方も、瑠理の前で菜乃を呼び捨てしている。
ほら、瑠理も呼び捨てだしね。
瑠理が俺の右側に座るとお弁当を広げた。
すると、菜乃が俺の左側に座ってお弁当を広げる。
最近、屋上で彼女らと昼飯を食べている。
俺は待ちくたびれたので、すぐに焼きそばパンを食べ始めると、瑠理に背中を叩かれた。
「私がばっちりフォローしてあげるから平気よ。ちゃんと決めた通り進行するし」
デビュー配信は普通ひとりでやるもの。
なのに、瑠理が好意でコラボしてくれるのだ。
もちろん菜乃も一緒にやりたいと言ったが、さすがにそれはナシにした。
確執のある聖天使ナノンが一緒にコラボするのは変だし、デビュー配信なので視聴者も混乱する。
「ねえ、菜乃。最近、取り巻き女子とごはん食べてないけど、彼女たちはいいの?」
「平気。お昼だけ瑠理ちゃんと食べるって言ってあるから。他はいつも彼女たちと一緒にいるのよ」
そのお昼が一緒の理由は、瑠理が俺との距離を詰めるかららしい。
そんな馬鹿な。
でも昨日、電話で菜乃にハッキリそう言われた。
「それよりも健太。美崎さんはあれからどう?」
「今までと変わらないかな。普通に会話するし」
俺が菜乃の問いに答えると、瑠理が補足する。
「彼女、今まで通り健ちゃんに話しかけてるよね。私はカレンちゃんを挑発したくないから、彼女の前では健ちゃんに話しかけるのを控えてるんだ」
カレンは確実に俺の行動を意識してると思う。
俺はカレンをよく知っている。
この前は相当モメたけど、あれくらいで彼女の考え方が変わったりはしない。
「健ちゃん、今日はデビュー配信に集中して!」
瑠理がまた俺の背中を叩いた。
こらこら、牛乳を飲んでるときに叩くなよ。
「私も健太の初配信、見るからね! 瑠理ちゃん、健太を頼んだわよ!」
菜乃が大真面目で言った。
菜乃演じる聖天使ナノンは、俺演じるナカムラ・カルロス・ケンタと確執がある設定。
今日のカルロスのVtuberデビューを受けて、早速菜乃が迷惑配信を計画するのだ。
◇
家に帰った俺は、配信の2時間も前から準備する。
初配信で失敗とか、俺は絶対したくない。
自宅にいる瑠理ともやり取りして、コラボでスタートできるようにスタンバイした。
今は、しばらく待て、と書かれた1枚絵が表示されている。
いよいよだ。
いよいよ、デビュー配信だ。
これは緊張する。
菜乃もこの緊張じゃ、放送事故くらいするよ。
デビュー配信は、大半の人が失敗したりでグダグダになるらしい。
いや、俺は絶対何事もなく無難に終わらすぞ!
えーと?
直前の同時接続は、ろ、6000だとッ!
チャンネル登録数は……10000?
登録数に対して同時接続が多すぎるだろ!
大多数は興味あるけどファンじゃないってこと?
それでも多いよな、これ。
俺はSNSでまったくPRしてないんだから!
これは事務所の力??
いや、ナノンとの確執の影響の方か……。
◇◇◇
『えーと、これでいいのかな? どもカルロスです』
《生ケンタ》《ちゃんと名前教えて》《ケンタだろ》
《ル、ルリアがいる!》《なんで?》《ケンタ説明》
俺、カルロスのキャラ絵は、黒髪で少しホリの深いスパニッシュ系。
白いシャツを着ており、胸元が少し見える。
笑うと見える歯は芸能人のように白い。
自分でも思うが、かなりの男前である。
俺を描いてくれたママ、ありがとう!
『あ、ナカムラ・カルロス・ケンタです。この人は先輩のルリア・カスターニャ』
《待ってたぞケンタ》《カルロス男前》《精悍だな》
《ルリアー!》《なぜにルリア》《意味がわからん》
『まさか我輩を知らん奴はおるまいな。軍人ルリア・カスターニャだ。まあ、こやつの先輩だな。しかしだ。なぜ我輩が呼ばれた?』
『おいおい、ルリア先輩。今日は俺のデビュー配信だよ? ちゃんと説明したでしょ? 先輩は俺のサポート!』
『バカモノ。何をやるかは参謀本部から聞いておるわ! なぜ我輩なのかと言っている!』
『暇だからじゃない?』
うーん、流れを打ち合わせて本当によかった。
ルリアとカルロスの関係性ってまだ曖昧だしな。
導入くらいは決めとかないとやりにくい。
《早速もめてる》《マジでなぜにルリア?》《謎》
《ルリアお守り》《ルリア激おこ》《ルリア可愛い》
《カルロスくず臭》《ひとりでデビューむりでちゅ》
ルリアは登録者100万人を超える人気者で、知名度抜群。
デビューも2年以上前なのでカルロスにとって先輩中の先輩だ。
そんな相手に対して俺は、無礼にも偉そうな口をきいて対等に振る舞う。
でもこれでいい。
カルロスはナノンに対立するヒール役。
ほかのVからも嫌われるくらいでちょうどいい。
『普通はみんな、ひとりでデビュー配信するのだぞ。せっかく先輩が助けてやろうというのに、貴様のその態度はなんだ!』
『言っただろ。俺は誰にも媚びないんだよ。好きになっても無駄だぞ?』
『お、お前なぁ! 我輩がいつお前を好きだと言った? 先輩としてだと言ったではないかっ! 同期がいないから気遣ってやってるのに!』
『色仕掛けは通じない。俺は硬派なんだ!』
《会話通じない》《日本語でおk》《ルリアが不憫》
《カルロス硬派なんだ》《ルリアには興味なし?》
事務所のVに手を出さないと視聴者に思ってもらえるように、カルロスは硬派キャラでいく。
これならほかの女性Vtuberに迷惑をかけない。
『分かった分かった。もういいから、さっさと自己紹介してくれ』
ルリアが打ち合わせ通りに、自己紹介をうながしたときだった。
俺の部屋の扉がノックされた。
いやノックされても困る、返事ができない。
おかしいな。
母さんには配信するって言ったのに。
考える間もなく部屋の戸が開けられてしまった。
ああ、カギがないんだよ、俺の部屋の戸は!
制服姿で登場した真利が、パソコンに向かう俺を見つけた。
「もう、健太にい。いつの間に帰ってたのよ」
わああああーーーー!!
真利ィィイイ!!!!
今しゃべっちゃダメだろう!!
※現在のチャンネル登録者数
聖天使ナノン 登録者13万人
ルリア・カスターニャ 登録者105万人
ナカムラ・カルロス・ケンタ 登録者1万人
ところが、女性は3人以上集まると暴走する。
俺の部屋は女子に荒らされて、ベッドで寝られるわ、エロ漫画は発掘されるわで、ろくなことがなかった。
あ、ちゃんとパソコン設定と打ち合わせはできた。
昼休みに校舎の屋上で待っていると、菜乃と瑠理がやって来た。
「健太のデビュー、今日よね?」
菜乃はいつ頃からか、瑠理がいても俺を名前で呼び捨てするようになった。
俺の方も、瑠理の前で菜乃を呼び捨てしている。
ほら、瑠理も呼び捨てだしね。
瑠理が俺の右側に座るとお弁当を広げた。
すると、菜乃が俺の左側に座ってお弁当を広げる。
最近、屋上で彼女らと昼飯を食べている。
俺は待ちくたびれたので、すぐに焼きそばパンを食べ始めると、瑠理に背中を叩かれた。
「私がばっちりフォローしてあげるから平気よ。ちゃんと決めた通り進行するし」
デビュー配信は普通ひとりでやるもの。
なのに、瑠理が好意でコラボしてくれるのだ。
もちろん菜乃も一緒にやりたいと言ったが、さすがにそれはナシにした。
確執のある聖天使ナノンが一緒にコラボするのは変だし、デビュー配信なので視聴者も混乱する。
「ねえ、菜乃。最近、取り巻き女子とごはん食べてないけど、彼女たちはいいの?」
「平気。お昼だけ瑠理ちゃんと食べるって言ってあるから。他はいつも彼女たちと一緒にいるのよ」
そのお昼が一緒の理由は、瑠理が俺との距離を詰めるかららしい。
そんな馬鹿な。
でも昨日、電話で菜乃にハッキリそう言われた。
「それよりも健太。美崎さんはあれからどう?」
「今までと変わらないかな。普通に会話するし」
俺が菜乃の問いに答えると、瑠理が補足する。
「彼女、今まで通り健ちゃんに話しかけてるよね。私はカレンちゃんを挑発したくないから、彼女の前では健ちゃんに話しかけるのを控えてるんだ」
カレンは確実に俺の行動を意識してると思う。
俺はカレンをよく知っている。
この前は相当モメたけど、あれくらいで彼女の考え方が変わったりはしない。
「健ちゃん、今日はデビュー配信に集中して!」
瑠理がまた俺の背中を叩いた。
こらこら、牛乳を飲んでるときに叩くなよ。
「私も健太の初配信、見るからね! 瑠理ちゃん、健太を頼んだわよ!」
菜乃が大真面目で言った。
菜乃演じる聖天使ナノンは、俺演じるナカムラ・カルロス・ケンタと確執がある設定。
今日のカルロスのVtuberデビューを受けて、早速菜乃が迷惑配信を計画するのだ。
◇
家に帰った俺は、配信の2時間も前から準備する。
初配信で失敗とか、俺は絶対したくない。
自宅にいる瑠理ともやり取りして、コラボでスタートできるようにスタンバイした。
今は、しばらく待て、と書かれた1枚絵が表示されている。
いよいよだ。
いよいよ、デビュー配信だ。
これは緊張する。
菜乃もこの緊張じゃ、放送事故くらいするよ。
デビュー配信は、大半の人が失敗したりでグダグダになるらしい。
いや、俺は絶対何事もなく無難に終わらすぞ!
えーと?
直前の同時接続は、ろ、6000だとッ!
チャンネル登録数は……10000?
登録数に対して同時接続が多すぎるだろ!
大多数は興味あるけどファンじゃないってこと?
それでも多いよな、これ。
俺はSNSでまったくPRしてないんだから!
これは事務所の力??
いや、ナノンとの確執の影響の方か……。
◇◇◇
『えーと、これでいいのかな? どもカルロスです』
《生ケンタ》《ちゃんと名前教えて》《ケンタだろ》
《ル、ルリアがいる!》《なんで?》《ケンタ説明》
俺、カルロスのキャラ絵は、黒髪で少しホリの深いスパニッシュ系。
白いシャツを着ており、胸元が少し見える。
笑うと見える歯は芸能人のように白い。
自分でも思うが、かなりの男前である。
俺を描いてくれたママ、ありがとう!
『あ、ナカムラ・カルロス・ケンタです。この人は先輩のルリア・カスターニャ』
《待ってたぞケンタ》《カルロス男前》《精悍だな》
《ルリアー!》《なぜにルリア》《意味がわからん》
『まさか我輩を知らん奴はおるまいな。軍人ルリア・カスターニャだ。まあ、こやつの先輩だな。しかしだ。なぜ我輩が呼ばれた?』
『おいおい、ルリア先輩。今日は俺のデビュー配信だよ? ちゃんと説明したでしょ? 先輩は俺のサポート!』
『バカモノ。何をやるかは参謀本部から聞いておるわ! なぜ我輩なのかと言っている!』
『暇だからじゃない?』
うーん、流れを打ち合わせて本当によかった。
ルリアとカルロスの関係性ってまだ曖昧だしな。
導入くらいは決めとかないとやりにくい。
《早速もめてる》《マジでなぜにルリア?》《謎》
《ルリアお守り》《ルリア激おこ》《ルリア可愛い》
《カルロスくず臭》《ひとりでデビューむりでちゅ》
ルリアは登録者100万人を超える人気者で、知名度抜群。
デビューも2年以上前なのでカルロスにとって先輩中の先輩だ。
そんな相手に対して俺は、無礼にも偉そうな口をきいて対等に振る舞う。
でもこれでいい。
カルロスはナノンに対立するヒール役。
ほかのVからも嫌われるくらいでちょうどいい。
『普通はみんな、ひとりでデビュー配信するのだぞ。せっかく先輩が助けてやろうというのに、貴様のその態度はなんだ!』
『言っただろ。俺は誰にも媚びないんだよ。好きになっても無駄だぞ?』
『お、お前なぁ! 我輩がいつお前を好きだと言った? 先輩としてだと言ったではないかっ! 同期がいないから気遣ってやってるのに!』
『色仕掛けは通じない。俺は硬派なんだ!』
《会話通じない》《日本語でおk》《ルリアが不憫》
《カルロス硬派なんだ》《ルリアには興味なし?》
事務所のVに手を出さないと視聴者に思ってもらえるように、カルロスは硬派キャラでいく。
これならほかの女性Vtuberに迷惑をかけない。
『分かった分かった。もういいから、さっさと自己紹介してくれ』
ルリアが打ち合わせ通りに、自己紹介をうながしたときだった。
俺の部屋の扉がノックされた。
いやノックされても困る、返事ができない。
おかしいな。
母さんには配信するって言ったのに。
考える間もなく部屋の戸が開けられてしまった。
ああ、カギがないんだよ、俺の部屋の戸は!
制服姿で登場した真利が、パソコンに向かう俺を見つけた。
「もう、健太にい。いつの間に帰ってたのよ」
わああああーーーー!!
真利ィィイイ!!!!
今しゃべっちゃダメだろう!!
※現在のチャンネル登録者数
聖天使ナノン 登録者13万人
ルリア・カスターニャ 登録者105万人
ナカムラ・カルロス・ケンタ 登録者1万人
34
お気に入りに追加
296
あなたにおすすめの小説
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる