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番外編 その4 それから……
『常世の守り主』
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――――
あれから、みんなで色々話しながら、料理を美味しく食べていた。
……そして。
「うふふ、ごちそうさま! 美味しかったです、エディアさん」
ラキサは満足そうに、そう言った。
彼女だけではない、みんな料理を食べ終わって、とっても満足した様子。
……エディアの料理は本当に、美味しいのだ。
「みんな気に入ってくれたみたいで、良かった。
私も、嬉しい」
料理を作ったエディアは、ニコニコだ。
「良かったね、エディア。……ところで、せっかく一息ついたからさ」
と、ルーフェは何やら、エディアに対してこっそりと、ある事を提案する。
「……うん! 私も、見せたいと思っていましたから」
そしてエディアは、ラキサたちみんなに、こんんな事を話す。
「みなさん、良ければ書斎に行きませんか? 少し、見せたいものがあるの」
彼女のその提案、興味津々だ。
「ふむ、それは気になる、な」
「私も知りたいです。……テオは、どうします?」
トリウスも、ラキサも、見に行く気なようだ。
また一方で。
「……僕は、後ででいいかな。
今子供たちに、旅のお話をしているところなんだ」
「ねぇ! もっとテオさんの話、聞かせて?」
「ほらね? だから今はいいよ」
テオはそう良い、またウィルは……ベッドにいるリースを、相手にあやしていた。
キラキラ光る小さな精霊に、リースはニコニコ、機嫌がよかった。
「ウィルも今、無理そうだな。
では、見に行くのは私とラキサ、であるな」
「そうみたいだね。……じゃあ、四人で書斎に向かおうか。
きっと、二人も気に入るはずだよ」
ルーフェはそう言い、ふふっと微笑んだ。
――――
ルーフェ、エディア、そしてラキサとトリウスは家の書斎へと。
「ずいぶんと、本を集めているのだな」
トリウスは書斎の棚を眺め、関心する。
そんな彼に、ルーフェはこたえる。
「ありがとう、トリウスさんなら、そう言うと思った。
この本は全部、村にやって来る行商人から買ったものなんだ。色々と持って来てくれて、とても助かっているよ」
「なるほど、な。これは興味深い」
「たしか二人とも、本が好きでしたものね。素敵です」
「ありがとう、ラキサちゃん。良ければあとで、一緒に読書でもしませんか?」
エディアの提案に、ラキサは微笑む。
「良いですね! だって、色々気になる本が、たくさんですから。
……あっ」
するとラキサは、ある事を思い出す。
「たしか見せたいものが、あるのですよね。
私、そちらも気になります」
この言葉に、エディアは嬉しそう。
「うんうん、ちょっとまだ途中だけど……見せたいものは、これなんです」
と、彼女は机に広げられた、一冊の本へと近づく。
ほんのページは書きかけで、その傍にはインクに漬けられた羽ペンが置かれている。
「おや……見た所、日記なのかな?」
トリウスはそれを見て、興味が湧いたように、言った。
それにエディアは、こう答えた。
「お気づきになりましたのね。
……あれは、日記とは、また違うのですよ」
「もしかして、それが見せたいもの、ですか?
日記ではないのでしたら、何なのかしら?」
二人の疑問に、彼女は微笑んで、こう答える。
「……あれは今、私が書いている――物語、なのですよ」
これにトリウス、ラキサは、はっとする。
「ほう!」
「物語ですか、驚きです! 自分でそうしたお話を、書けるだなんて……」
ルーフェもまた、自分の事のように照れていた。
「僕とエディア、二人で書いているんだ。……昔、少しだけ僕は、物語を書いてた事があってさ。
それで、エディアに教えながら一緒に、ね」
「ふふふ、ルーフェはとっても良い先生なんです。
物語を書くのも、楽しいんだ」
二人が紡ぐ、物語が記された本。
ルーフェはそれに近づき、手にとると……
「トリウスさんに、ラキサさんには、どうしても知ってほしかったんだよね。
だってこの物語は、二人との思い出も、元になっているんだから」
「……えっ? どう言うこと、かしら?」
ラキサは気になった呟きに、彼は……
「実は三年前の、僕のエディアを取り戻すための旅や、それにハイテルペストで二人と出会ったこと……それを、物語にしているんだ」
「もちろん私は、その時にはまだ生き返る前なのですけれど、物語ですから!
私も色々空想して、自分で物語を作ったり、です」
そう、二人が書いているのは、物語。
しかしその元となったのは……あの三年前の、思い出だ。
「――僕にとっては、とても大変で、辛い思い出だったさ。
だけど……それがあったからこそ、この今がある。二人も、きっと同じはずだろ?」
確かに、その通りだった。
「うん。あの事があったから、私は自由になれて、世界中を見て回れたの。
……テオとだって、出会えたし」
ラキサはもちろん、トリウスも。
「私も、長年の葛藤から、開放された。
娘もまた幸せで、私は私でまた、やり甲斐を見つけたからな」
三年前、あの霊峰ハイテルペストでの日々と出来事、そして戦い。
それはそれぞれにとって、新たな道を切り開いた。
もちろん……
「エディアと共に生きる日々と、そして新しい家族……。僕だって、もちろんそうさ」
ルーフェも、それは同じだった。
……それぞれが歩む、新たな人生。
これこそ、三人が得たものであり、そしてこの絆も、同様だった。
「本の題名も、決めているんだ。ねぇ、エディア」
「はい! これもルーフェと一緒に考えて、決めたのですよ」
そしてルーフェは、本を一度閉じ、その表紙をみんなに見せた。
「これが……その題名さ」
表紙にはこう。題名が記されていた。
――『常世の守り主』と。
あれから、みんなで色々話しながら、料理を美味しく食べていた。
……そして。
「うふふ、ごちそうさま! 美味しかったです、エディアさん」
ラキサは満足そうに、そう言った。
彼女だけではない、みんな料理を食べ終わって、とっても満足した様子。
……エディアの料理は本当に、美味しいのだ。
「みんな気に入ってくれたみたいで、良かった。
私も、嬉しい」
料理を作ったエディアは、ニコニコだ。
「良かったね、エディア。……ところで、せっかく一息ついたからさ」
と、ルーフェは何やら、エディアに対してこっそりと、ある事を提案する。
「……うん! 私も、見せたいと思っていましたから」
そしてエディアは、ラキサたちみんなに、こんんな事を話す。
「みなさん、良ければ書斎に行きませんか? 少し、見せたいものがあるの」
彼女のその提案、興味津々だ。
「ふむ、それは気になる、な」
「私も知りたいです。……テオは、どうします?」
トリウスも、ラキサも、見に行く気なようだ。
また一方で。
「……僕は、後ででいいかな。
今子供たちに、旅のお話をしているところなんだ」
「ねぇ! もっとテオさんの話、聞かせて?」
「ほらね? だから今はいいよ」
テオはそう良い、またウィルは……ベッドにいるリースを、相手にあやしていた。
キラキラ光る小さな精霊に、リースはニコニコ、機嫌がよかった。
「ウィルも今、無理そうだな。
では、見に行くのは私とラキサ、であるな」
「そうみたいだね。……じゃあ、四人で書斎に向かおうか。
きっと、二人も気に入るはずだよ」
ルーフェはそう言い、ふふっと微笑んだ。
――――
ルーフェ、エディア、そしてラキサとトリウスは家の書斎へと。
「ずいぶんと、本を集めているのだな」
トリウスは書斎の棚を眺め、関心する。
そんな彼に、ルーフェはこたえる。
「ありがとう、トリウスさんなら、そう言うと思った。
この本は全部、村にやって来る行商人から買ったものなんだ。色々と持って来てくれて、とても助かっているよ」
「なるほど、な。これは興味深い」
「たしか二人とも、本が好きでしたものね。素敵です」
「ありがとう、ラキサちゃん。良ければあとで、一緒に読書でもしませんか?」
エディアの提案に、ラキサは微笑む。
「良いですね! だって、色々気になる本が、たくさんですから。
……あっ」
するとラキサは、ある事を思い出す。
「たしか見せたいものが、あるのですよね。
私、そちらも気になります」
この言葉に、エディアは嬉しそう。
「うんうん、ちょっとまだ途中だけど……見せたいものは、これなんです」
と、彼女は机に広げられた、一冊の本へと近づく。
ほんのページは書きかけで、その傍にはインクに漬けられた羽ペンが置かれている。
「おや……見た所、日記なのかな?」
トリウスはそれを見て、興味が湧いたように、言った。
それにエディアは、こう答えた。
「お気づきになりましたのね。
……あれは、日記とは、また違うのですよ」
「もしかして、それが見せたいもの、ですか?
日記ではないのでしたら、何なのかしら?」
二人の疑問に、彼女は微笑んで、こう答える。
「……あれは今、私が書いている――物語、なのですよ」
これにトリウス、ラキサは、はっとする。
「ほう!」
「物語ですか、驚きです! 自分でそうしたお話を、書けるだなんて……」
ルーフェもまた、自分の事のように照れていた。
「僕とエディア、二人で書いているんだ。……昔、少しだけ僕は、物語を書いてた事があってさ。
それで、エディアに教えながら一緒に、ね」
「ふふふ、ルーフェはとっても良い先生なんです。
物語を書くのも、楽しいんだ」
二人が紡ぐ、物語が記された本。
ルーフェはそれに近づき、手にとると……
「トリウスさんに、ラキサさんには、どうしても知ってほしかったんだよね。
だってこの物語は、二人との思い出も、元になっているんだから」
「……えっ? どう言うこと、かしら?」
ラキサは気になった呟きに、彼は……
「実は三年前の、僕のエディアを取り戻すための旅や、それにハイテルペストで二人と出会ったこと……それを、物語にしているんだ」
「もちろん私は、その時にはまだ生き返る前なのですけれど、物語ですから!
私も色々空想して、自分で物語を作ったり、です」
そう、二人が書いているのは、物語。
しかしその元となったのは……あの三年前の、思い出だ。
「――僕にとっては、とても大変で、辛い思い出だったさ。
だけど……それがあったからこそ、この今がある。二人も、きっと同じはずだろ?」
確かに、その通りだった。
「うん。あの事があったから、私は自由になれて、世界中を見て回れたの。
……テオとだって、出会えたし」
ラキサはもちろん、トリウスも。
「私も、長年の葛藤から、開放された。
娘もまた幸せで、私は私でまた、やり甲斐を見つけたからな」
三年前、あの霊峰ハイテルペストでの日々と出来事、そして戦い。
それはそれぞれにとって、新たな道を切り開いた。
もちろん……
「エディアと共に生きる日々と、そして新しい家族……。僕だって、もちろんそうさ」
ルーフェも、それは同じだった。
……それぞれが歩む、新たな人生。
これこそ、三人が得たものであり、そしてこの絆も、同様だった。
「本の題名も、決めているんだ。ねぇ、エディア」
「はい! これもルーフェと一緒に考えて、決めたのですよ」
そしてルーフェは、本を一度閉じ、その表紙をみんなに見せた。
「これが……その題名さ」
表紙にはこう。題名が記されていた。
――『常世の守り主』と。
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