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怪し気な動き2
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フィレッセオに到着した。思ったより早く着いたので、周辺を確認する。特に変なところはない。しばらくすると、騎士がやって来た。
「レオン殿か!?」
「はい。そうですけど、貴方は?」
「初めまして、だな。私は宮廷騎士団長のアイザックだ」
「騎士団長まで……」
かなり大事になっている。
「ああ、今回は私も参加させてもらう。様子はどうだ?」
「今のところは特に異常はありません」
「そうか。これから各地に散らばる。この辺りのどこに現れるか正確には分からないからな」
「分かりました」
「よ~し、お前らは事前に伝えていた場所に散らばれ~!!」
レオンはどこでも好きな場所にいていいようなので、大きな岩の陰に隠れて探索魔法を常時発動しながら敵を待つことにした。
しばらくすると
「っ反応が!!」
突如何かが探索魔法に表示されたのだ。
急に現れたってことはまさか転移魔法か?
レオンは反応があった場所に急ぎ向かった。
するとフードで顔を隠した人が10人程いた。レオンは近くにある岩の後ろに隠れる。
一体何をする気なんだ?
レオンは目的を知るためにも隠れてしばらく様子を見ることにした。
すると、彼らは何かを地面に置くのが見えた。
あれは……魔法陣か?
彼らはその魔法陣に魔力を流そうとしている。
なんとなく、ヤバそうだし、止めないとマズいよな?
そう思って、出て行こうとしたその時、
「待て、誰かいる」
先に気づかれてしまったのだ。
「何者だ」
そう言われ、レオンは岩から出る。
「そう言うお前たちこそ、何をしているんだ?」
「お前は!!」
「誰? 知ってる子?」
「お前、レオンだな?」
「ああ、そうだよ」
知られていたのか。
「レオンって言えばボスが言ってたあの」
「ああ。とにかく撤収するぞ」
1人がそう言うと皆散らばって、その場を去ろうとする。
「っ待て!!」
また、逃がしてたまるか!!
そう思ったレオンはとりあえず結界を発動し、誰も外に出られないようにした。
そして、1対10の勝負が始まった。
レオンは魔法を同時に幾つも発動できる。1人ずつ相手にしていたらきりがないので、まとめて攻撃する。
バァンッ
周囲に音が鳴り響いた。強い攻撃だったはずなのだが……
「危ねえ……」
敵の1人が呟く。敵は皆無事だった。瞬時に防御魔法を張ったようだ。怪我をした者すらいない。
この魔法が効かないのか。
先程の魔法で防御魔法を使ったのは10人中2人だ。他の8人はその2人の後ろに瞬時に移動したようだ。敵は連携が得意なようだ。
その時、敵の1人が魔法を発動した。すると、結界内が煙で覆われていく。みるみる内に結界内は真っ白になり、何も見えなくなった。そして、
「っ!!」
いきなり攻撃が飛んで来たのだ。この煙の中で視界が悪くなっているため、気付くのが遅れた。寸前のところで気付いてなんとか躱したが危なかった。
……突然
パリンッ
大きな音が鳴り響く。
見ると結界が割れていた。
「なっ!?」
嘘だろ!? 簡単に割れるような結界ではないはずだろ……何が起きたんだ!?
……どうやら外部から攻撃を受けたようだ。結界の外に誰かがいるのが見える。
敵が全員逃げて行くのが見える。レオンが追おうとすると、また煙が巻かれた。敵は煙に乗じて、逃げるつもりのようだ。すぐに、探索魔法を起動するが煙の影響なのか上手く位置が特定出来ない。それに魔力も極力消しているようで、これ以上距離が遠くなれば全く反応しなくなってしまう。
このままでは、逃げられてしまう。どうする……そうだっ、創造魔法ならなんとか出来るかも。
この世界には探索魔法が使えない人用に探索魔法の魔導具が売っている。それを創造魔法を使って作ってしまえばいい。同じ魔法でも創造魔法の方が強い。例えば、水魔法の攻撃魔法より、創造魔法で水を出して攻撃した方が威力が高いというように。よって、探索魔法を使うより、創造魔法で探索魔法の魔導具を作っ方が精度が上がる。
以前売っていた丸い形の折りたたみ式をイメージする。
「出来た」
パカッと開くと10人程がまとまって移動している様子が赤い点で示されている。
レオンはそれを見て、慌てて追った。
「レオン殿か!?」
「はい。そうですけど、貴方は?」
「初めまして、だな。私は宮廷騎士団長のアイザックだ」
「騎士団長まで……」
かなり大事になっている。
「ああ、今回は私も参加させてもらう。様子はどうだ?」
「今のところは特に異常はありません」
「そうか。これから各地に散らばる。この辺りのどこに現れるか正確には分からないからな」
「分かりました」
「よ~し、お前らは事前に伝えていた場所に散らばれ~!!」
レオンはどこでも好きな場所にいていいようなので、大きな岩の陰に隠れて探索魔法を常時発動しながら敵を待つことにした。
しばらくすると
「っ反応が!!」
突如何かが探索魔法に表示されたのだ。
急に現れたってことはまさか転移魔法か?
レオンは反応があった場所に急ぎ向かった。
するとフードで顔を隠した人が10人程いた。レオンは近くにある岩の後ろに隠れる。
一体何をする気なんだ?
レオンは目的を知るためにも隠れてしばらく様子を見ることにした。
すると、彼らは何かを地面に置くのが見えた。
あれは……魔法陣か?
彼らはその魔法陣に魔力を流そうとしている。
なんとなく、ヤバそうだし、止めないとマズいよな?
そう思って、出て行こうとしたその時、
「待て、誰かいる」
先に気づかれてしまったのだ。
「何者だ」
そう言われ、レオンは岩から出る。
「そう言うお前たちこそ、何をしているんだ?」
「お前は!!」
「誰? 知ってる子?」
「お前、レオンだな?」
「ああ、そうだよ」
知られていたのか。
「レオンって言えばボスが言ってたあの」
「ああ。とにかく撤収するぞ」
1人がそう言うと皆散らばって、その場を去ろうとする。
「っ待て!!」
また、逃がしてたまるか!!
そう思ったレオンはとりあえず結界を発動し、誰も外に出られないようにした。
そして、1対10の勝負が始まった。
レオンは魔法を同時に幾つも発動できる。1人ずつ相手にしていたらきりがないので、まとめて攻撃する。
バァンッ
周囲に音が鳴り響いた。強い攻撃だったはずなのだが……
「危ねえ……」
敵の1人が呟く。敵は皆無事だった。瞬時に防御魔法を張ったようだ。怪我をした者すらいない。
この魔法が効かないのか。
先程の魔法で防御魔法を使ったのは10人中2人だ。他の8人はその2人の後ろに瞬時に移動したようだ。敵は連携が得意なようだ。
その時、敵の1人が魔法を発動した。すると、結界内が煙で覆われていく。みるみる内に結界内は真っ白になり、何も見えなくなった。そして、
「っ!!」
いきなり攻撃が飛んで来たのだ。この煙の中で視界が悪くなっているため、気付くのが遅れた。寸前のところで気付いてなんとか躱したが危なかった。
……突然
パリンッ
大きな音が鳴り響く。
見ると結界が割れていた。
「なっ!?」
嘘だろ!? 簡単に割れるような結界ではないはずだろ……何が起きたんだ!?
……どうやら外部から攻撃を受けたようだ。結界の外に誰かがいるのが見える。
敵が全員逃げて行くのが見える。レオンが追おうとすると、また煙が巻かれた。敵は煙に乗じて、逃げるつもりのようだ。すぐに、探索魔法を起動するが煙の影響なのか上手く位置が特定出来ない。それに魔力も極力消しているようで、これ以上距離が遠くなれば全く反応しなくなってしまう。
このままでは、逃げられてしまう。どうする……そうだっ、創造魔法ならなんとか出来るかも。
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以前売っていた丸い形の折りたたみ式をイメージする。
「出来た」
パカッと開くと10人程がまとまって移動している様子が赤い点で示されている。
レオンはそれを見て、慌てて追った。
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