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誘拐2
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「っここは…」
レオンは目が覚めると知らない場所にいた。牢屋に閉じ込められているようだ。両手には手錠を掛けられていて、身動きがとれない。
「そうだ、確か…誰かに襲われて……はっ!! そうだ、ルーンは!?」
ルーンは近くにはいないようだ。無事だったらいいんだが……。
それにしても油断したな。ウィリアム王子からも気をつけるようにと言われていたのに。まさか誘拐されるなんて思いもしなかった。
そのとき、誰かの足音が聞こえた。近づいてきているようだ。
「目が覚めたみたいだな」
「お前は誰だ!! ルーンは無事なのか!?」
「ルーン? ああ、あの魔物か。攫ったのはお前だけだ。あの魔物は攫っていない。興味もないしな」
「そうか……」
一先ず安心した。
「とにかく!! お前には俺たちの実験に協力してもらう!! そのために殺さずに誘拐したんだからな。上から指示があるまではそこで大人しくしていろ」
そう言うと、その男は去っていった。
「しかし、実験か……」
その実験とやらのために誘拐されたのが俺だけとは限らない。以前に誘拐された人たちがいる可能性がある。他に誘拐された人がいないか探索魔法で探ってみるか。
「どうして……」
魔法が上手く発動しない。何度試してみてもダメだった。よく見てみると手錠が発動した魔力を吸い取っているようだ。
「まずは手錠を壊さないと何もできないのか」
しかし、手錠を強化魔法で壊そうにもそのために発動した魔力が全て吸収されるのでは壊すことはおろか、魔力切れを起こしかねない。一体どうすれば……。
そうだ!! 以前魔法書で読んだことがある。魔力を放つ前に強く練ると、勢いが何倍にも増すと。だから、魔力を吸収しきれない程強く練れば壊せるはずだ!! たぶん。
魔力を身体に集める。もっと…もっとだ!! 身体が熱い。かなり魔力が集まったようだ。
そして一気に強化魔法を発動する。
パリンッ
手錠が弾け飛んだ。成功したようだ。
早速探索魔法を使ったが、俺以外に捕まっている人はいなさそうだ。良かった。
言われた通りに大人しくしているわけにはいかないしな。
よし脱出するか!!
レオンは目が覚めると知らない場所にいた。牢屋に閉じ込められているようだ。両手には手錠を掛けられていて、身動きがとれない。
「そうだ、確か…誰かに襲われて……はっ!! そうだ、ルーンは!?」
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それにしても油断したな。ウィリアム王子からも気をつけるようにと言われていたのに。まさか誘拐されるなんて思いもしなかった。
そのとき、誰かの足音が聞こえた。近づいてきているようだ。
「目が覚めたみたいだな」
「お前は誰だ!! ルーンは無事なのか!?」
「ルーン? ああ、あの魔物か。攫ったのはお前だけだ。あの魔物は攫っていない。興味もないしな」
「そうか……」
一先ず安心した。
「とにかく!! お前には俺たちの実験に協力してもらう!! そのために殺さずに誘拐したんだからな。上から指示があるまではそこで大人しくしていろ」
そう言うと、その男は去っていった。
「しかし、実験か……」
その実験とやらのために誘拐されたのが俺だけとは限らない。以前に誘拐された人たちがいる可能性がある。他に誘拐された人がいないか探索魔法で探ってみるか。
「どうして……」
魔法が上手く発動しない。何度試してみてもダメだった。よく見てみると手錠が発動した魔力を吸い取っているようだ。
「まずは手錠を壊さないと何もできないのか」
しかし、手錠を強化魔法で壊そうにもそのために発動した魔力が全て吸収されるのでは壊すことはおろか、魔力切れを起こしかねない。一体どうすれば……。
そうだ!! 以前魔法書で読んだことがある。魔力を放つ前に強く練ると、勢いが何倍にも増すと。だから、魔力を吸収しきれない程強く練れば壊せるはずだ!! たぶん。
魔力を身体に集める。もっと…もっとだ!! 身体が熱い。かなり魔力が集まったようだ。
そして一気に強化魔法を発動する。
パリンッ
手錠が弾け飛んだ。成功したようだ。
早速探索魔法を使ったが、俺以外に捕まっている人はいなさそうだ。良かった。
言われた通りに大人しくしているわけにはいかないしな。
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