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第5章
なんでこんなことに
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★★★
なんでこうなったんだろう。
さっきまで、恋研の部室の前で不審者みたいにうろうろしていた私は今、なぜか桜ヶ丘中学校放送室の中にいて、石の様に固まっている。
横を見れば同じく固まっている放送委員の皆さん。
校内アナウンスの練習の為に、放課後ここに集まっていたみたいだけどー……。
私達が乱入したせいで、発声練習や校内放送の打ち合わせが出来ずに困っている。
「私達」っていうのは、もちろん私と……。
ピンポンパンポーン♪
「生徒の呼び出しをします。3年の白石静と谷山ジローは至急、放送室まで来るように。走って来るように。猛ダッシュで来るように。さもなければ、あなた達の可愛い大切な後輩がどうなっても知らないわよ!」
我が物顔で放送室のマイクを握っている謎の美人な先輩で。
間山さんと同じ赤いリボンをした放送委員の子が、「先輩、練習が……」と放送委員長の3年生に訴える。
すると、その3年生は小さく首を横に振って、ぼそりと放送委員のメンバーに向かって囁いた。
「しずかに! 武藤に聞こえたらどうするんだ。アイツはこの学校のボスだぞ」
くれぐれもアイツにだけは逆らうな、と念を押すあたり、この美人な先輩は相当恐ろしい人みたい。
―その話、ちょっと詳しく聞かせてもらえるかしら?
恋研の部室の前で、氷点下の眼差しを向けられ、私は蛇に睨まれたカエルのごとく動けなくなった。
わ、私何か変な事言った?
怒らせるような事、したっけ。
挙動不審になりながら、いくつかの質問に答えると、名前も知らない先輩は「ちょっとあなた、ついて来てちょうだい」と言って、いつの間にか放送室に連れてこられた。
余計な先輩風なんて、吹かせなければよかったかな。
あのまま、恋研の部室に寄らずに帰っちゃえば、こんな事にはならなかったかも……。
っていうか、静先輩とジロー先輩来てくれるのかな?
ジロー先輩はともかく、静先輩は放送自体聞いてなさそう!
ううん、ジロー先輩も、本や漫画を読みだしたら集中して、校内アナウンスなんかスルーしそう‼
もし、2人が来なかったら、私ずっとこのまま⁈
そ、そんなのあんまりだよ~。
がっくり肩を落とすと放送委員の人達が同情の眼差しを向けてくれる。
早く入部先も探さなきゃならないのに、何してるんだろう、私。
こんな事、やってる場合じゃないのになぁ。
知らず知らずの内に、ため息がこぼれる。
「あなた達」
美人な先輩がマイクから手を放し、私達の方を振り返った。
その声に皆、一斉に姿勢を正す。
「こちらの事は気にしないで。放送委員の練習を再開して結構よ」
気にするなと言われましても、そんな微妙な表情で放送委員の人達は私を見た。
心の中で、私は放送委員の人達に謝る。
すみません。実は私もいまいち状況についていけてないんです。
なんでこうなったんだろう。
さっきまで、恋研の部室の前で不審者みたいにうろうろしていた私は今、なぜか桜ヶ丘中学校放送室の中にいて、石の様に固まっている。
横を見れば同じく固まっている放送委員の皆さん。
校内アナウンスの練習の為に、放課後ここに集まっていたみたいだけどー……。
私達が乱入したせいで、発声練習や校内放送の打ち合わせが出来ずに困っている。
「私達」っていうのは、もちろん私と……。
ピンポンパンポーン♪
「生徒の呼び出しをします。3年の白石静と谷山ジローは至急、放送室まで来るように。走って来るように。猛ダッシュで来るように。さもなければ、あなた達の可愛い大切な後輩がどうなっても知らないわよ!」
我が物顔で放送室のマイクを握っている謎の美人な先輩で。
間山さんと同じ赤いリボンをした放送委員の子が、「先輩、練習が……」と放送委員長の3年生に訴える。
すると、その3年生は小さく首を横に振って、ぼそりと放送委員のメンバーに向かって囁いた。
「しずかに! 武藤に聞こえたらどうするんだ。アイツはこの学校のボスだぞ」
くれぐれもアイツにだけは逆らうな、と念を押すあたり、この美人な先輩は相当恐ろしい人みたい。
―その話、ちょっと詳しく聞かせてもらえるかしら?
恋研の部室の前で、氷点下の眼差しを向けられ、私は蛇に睨まれたカエルのごとく動けなくなった。
わ、私何か変な事言った?
怒らせるような事、したっけ。
挙動不審になりながら、いくつかの質問に答えると、名前も知らない先輩は「ちょっとあなた、ついて来てちょうだい」と言って、いつの間にか放送室に連れてこられた。
余計な先輩風なんて、吹かせなければよかったかな。
あのまま、恋研の部室に寄らずに帰っちゃえば、こんな事にはならなかったかも……。
っていうか、静先輩とジロー先輩来てくれるのかな?
ジロー先輩はともかく、静先輩は放送自体聞いてなさそう!
ううん、ジロー先輩も、本や漫画を読みだしたら集中して、校内アナウンスなんかスルーしそう‼
もし、2人が来なかったら、私ずっとこのまま⁈
そ、そんなのあんまりだよ~。
がっくり肩を落とすと放送委員の人達が同情の眼差しを向けてくれる。
早く入部先も探さなきゃならないのに、何してるんだろう、私。
こんな事、やってる場合じゃないのになぁ。
知らず知らずの内に、ため息がこぼれる。
「あなた達」
美人な先輩がマイクから手を放し、私達の方を振り返った。
その声に皆、一斉に姿勢を正す。
「こちらの事は気にしないで。放送委員の練習を再開して結構よ」
気にするなと言われましても、そんな微妙な表情で放送委員の人達は私を見た。
心の中で、私は放送委員の人達に謝る。
すみません。実は私もいまいち状況についていけてないんです。
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