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第3章
恋研の評判
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「いいよ! もちろんだよ! 超ウェルカム!」
今言ったばかりのセリフを繰り返して、静先輩は身を乗り出す。
「じゃあ……」
こほんと小さく咳ばらいをして、間山さんはー……。
「桜ヶ丘恋愛研究部っていうのはね、3年の白石くんと谷山くんが所属してるちょっと変わった……よく言うとマニアックな部活だよ。2人ともとにかく少女漫画が好きでね、校内持ち込み禁止なのに、大量の漫画を持って来て来る日も来る日も読みふけってるんだって。とにかく部員が変人だけど、悪い人達じゃないよ。あ、でも特に部長の白石くんがあまりにも校則を無視してるから、生徒会からは目をつけられてるって話。2人揃って、生徒会や先生からよく怒られてるね。あとは、そうだなぁ……。うん、やっぱり怒られてる印象しかないな!」
「……」
「って、先輩が言ってました」
30秒間の無言の後、静先輩が叫んだ。
「長い。無駄に長い。そして、痛い。心が痛いよ‼」
「余計な傷を自ら負うなよ、静」
「ジローちゃん。なんか思ってたのと違った……」
さらさらと風がふいたら飛んで行ってしまいそうに活力を失った静先輩がちょっと気の毒になって、私は励ましの言葉をかけた。
「もしかしたら、その茶道部の先輩、静先輩達の事あまり知らないんじゃないんですか? 知らない事を想像で話しちゃう事ってありますよね」
静先輩がソファーにだらりと倒していた身体を起こす。
「その先輩って誰?」
「3年の有島先輩です」
「同じクラスだ‼」
間山さんの言葉に、静先輩の身体が再びソファーに沈んだ。
フォ、フォローってこんな難しかったっけ?
明らかにやる気を失った静先輩に、流石に間山さんも慌てて、「でも」と補足した。
「白石先輩達なら有島先輩には考えもつかない様なトリッキーなアイディアを出して悩みを解決してくれるかもしれないとも言ってました!」
「それ、本当?」
「……。トリッキー過ぎて、解決しないかも、とも言ってました」
静先輩のやる気ボルテージがますます下がっていく。
間山さんに悪気がない分、その言葉の率直さがぐさぐさ静先輩に刺さるんだろうな。
ジロー先輩の方は、平然としていて、ほぼ、ノーダメージに見える。
思ったままをほぼ表に出す静先輩と、落ち着いて、感情のアップダウンの少ないジロー先輩。
そもそも、この2人、どうして友達になれたんだろう。
少女漫画が好きって事以外で、共通点が見当たらないけど。
今言ったばかりのセリフを繰り返して、静先輩は身を乗り出す。
「じゃあ……」
こほんと小さく咳ばらいをして、間山さんはー……。
「桜ヶ丘恋愛研究部っていうのはね、3年の白石くんと谷山くんが所属してるちょっと変わった……よく言うとマニアックな部活だよ。2人ともとにかく少女漫画が好きでね、校内持ち込み禁止なのに、大量の漫画を持って来て来る日も来る日も読みふけってるんだって。とにかく部員が変人だけど、悪い人達じゃないよ。あ、でも特に部長の白石くんがあまりにも校則を無視してるから、生徒会からは目をつけられてるって話。2人揃って、生徒会や先生からよく怒られてるね。あとは、そうだなぁ……。うん、やっぱり怒られてる印象しかないな!」
「……」
「って、先輩が言ってました」
30秒間の無言の後、静先輩が叫んだ。
「長い。無駄に長い。そして、痛い。心が痛いよ‼」
「余計な傷を自ら負うなよ、静」
「ジローちゃん。なんか思ってたのと違った……」
さらさらと風がふいたら飛んで行ってしまいそうに活力を失った静先輩がちょっと気の毒になって、私は励ましの言葉をかけた。
「もしかしたら、その茶道部の先輩、静先輩達の事あまり知らないんじゃないんですか? 知らない事を想像で話しちゃう事ってありますよね」
静先輩がソファーにだらりと倒していた身体を起こす。
「その先輩って誰?」
「3年の有島先輩です」
「同じクラスだ‼」
間山さんの言葉に、静先輩の身体が再びソファーに沈んだ。
フォ、フォローってこんな難しかったっけ?
明らかにやる気を失った静先輩に、流石に間山さんも慌てて、「でも」と補足した。
「白石先輩達なら有島先輩には考えもつかない様なトリッキーなアイディアを出して悩みを解決してくれるかもしれないとも言ってました!」
「それ、本当?」
「……。トリッキー過ぎて、解決しないかも、とも言ってました」
静先輩のやる気ボルテージがますます下がっていく。
間山さんに悪気がない分、その言葉の率直さがぐさぐさ静先輩に刺さるんだろうな。
ジロー先輩の方は、平然としていて、ほぼ、ノーダメージに見える。
思ったままをほぼ表に出す静先輩と、落ち着いて、感情のアップダウンの少ないジロー先輩。
そもそも、この2人、どうして友達になれたんだろう。
少女漫画が好きって事以外で、共通点が見当たらないけど。
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