24 / 70
仲間入り です。
星空 です。
しおりを挟む
「イチナちゃん、そろそろ戻ろう」
イチナは、真っ暗な森のなか、ただ細い月光が差し込む森のギャップに足を踏み入れた。
そして、イチナは一度空を見上げてからバタンと横になった。背の低い草が天然の布団みたいに、イチナの体を沈めた。
「サワちゃん、空」
イチナが掲げた指のずっと遥かか彼方先の空には無数の星がところ狭しと散っていて、息を飲むほどに美しい。イチナの瞳にも、星空が反射してキラリと星が入った。
「流れないかな?流れ星」
小声でそう呟いたイチナの隣に、サワは座り込んだ。夜風が頬をかすめていく。
「これだけいっぱいの星があるんだから、流れるよ」
流れ星なんか別に珍しいものではない。30分も空を眺めていれば数個は空を横切る。ただ、じんわりと時と共に動く恒星の間をすり抜けるように、瞬間的に移動していく強い光。魅力を感じる者も多い。
「そうだよね。サワが来たってことは、ユウくんが心配してた?」
「体が冷えたらどうするんだ?って」
「じゃあ、そろそろ、戻ろっかな」
背中についた葉っぱをパンパンと落としながら立ち上がるイチナ。
「ねぇ」
「うん?」
「ユウは私を好きなんじゃないかって言ってたけど、それ、やっぱり違ったみたい」
「え?」
「ユウは私が好きなんじゃなくて、私を守るっていう約束を果たそうとしてくれてるだけみたい」
言っていて悲しくなるのは気のせいではない。
「ふーん」
わざとらしくそう言ったイチナ。
「あ、でも、好きになったらダメだよ。だって、イチナちゃん相手なら勝ち目ないもん」
耳の先が赤くなるのを自覚する。
こんな言葉が口を突くほどに、私はユウを気にしてる。
イチナはそれを聞いて一瞬きょとんとしてから、笑い声をあげた。
「分かった、頑張りなよ」
「うん」
イチナは、真っ暗な森のなか、ただ細い月光が差し込む森のギャップに足を踏み入れた。
そして、イチナは一度空を見上げてからバタンと横になった。背の低い草が天然の布団みたいに、イチナの体を沈めた。
「サワちゃん、空」
イチナが掲げた指のずっと遥かか彼方先の空には無数の星がところ狭しと散っていて、息を飲むほどに美しい。イチナの瞳にも、星空が反射してキラリと星が入った。
「流れないかな?流れ星」
小声でそう呟いたイチナの隣に、サワは座り込んだ。夜風が頬をかすめていく。
「これだけいっぱいの星があるんだから、流れるよ」
流れ星なんか別に珍しいものではない。30分も空を眺めていれば数個は空を横切る。ただ、じんわりと時と共に動く恒星の間をすり抜けるように、瞬間的に移動していく強い光。魅力を感じる者も多い。
「そうだよね。サワが来たってことは、ユウくんが心配してた?」
「体が冷えたらどうするんだ?って」
「じゃあ、そろそろ、戻ろっかな」
背中についた葉っぱをパンパンと落としながら立ち上がるイチナ。
「ねぇ」
「うん?」
「ユウは私を好きなんじゃないかって言ってたけど、それ、やっぱり違ったみたい」
「え?」
「ユウは私が好きなんじゃなくて、私を守るっていう約束を果たそうとしてくれてるだけみたい」
言っていて悲しくなるのは気のせいではない。
「ふーん」
わざとらしくそう言ったイチナ。
「あ、でも、好きになったらダメだよ。だって、イチナちゃん相手なら勝ち目ないもん」
耳の先が赤くなるのを自覚する。
こんな言葉が口を突くほどに、私はユウを気にしてる。
イチナはそれを聞いて一瞬きょとんとしてから、笑い声をあげた。
「分かった、頑張りなよ」
「うん」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
王への道は険しくて
N
恋愛
弥生時代を舞台にした長編作品
王への道~僕とヒミカの成長録~のスピンオフ!
本編の内容とはちょっと違う、ヒミカ視点で描かれる賛との日常、恋心
カイキと陽の馴れ初めもガッツリ触れます。それから、シューとカンの結婚秘話もあります!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる