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素直に
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半年後
空港にて
「陽葵、向こうでも頑張ってね。陽葵なら上手くやれるよ」
「当たり前じゃん!」
陽葵は今日、ユニセフの支援員として、カンボジアに派遣される。清々しい笑顔の陽葵。
「高田先輩、今までありがとうございました。向こうでも、頑張ってください」
「うん、勇元くんもね」
「はい、高田先輩の分まで」
「頼もしい」
高田先輩は僕に向かって親指をたてる。
団体で行くようで、陽葵の新しい仲間たちは陽葵を呼ぶ。
「高田さん、もう、時間だよ」
「じゃあね」
「バイバイ」
陽葵は大きなキャリーケースを引いて何歩か歩きだす。
数メートルいった先で陽葵は振り返る。
気が付けば脚が自然と動き出していた。
陽葵は怜を抱き締めた。ギュッと陽葵に包まれて驚く。
「ひ、陽葵?もう時間」
陽葵は、それでも離そうとはしない。
そして、怜の耳元で囁いた。
「怜、怜は、私の大切な人。幸せになりなよ」
「うん、」
陽葵は、何事もなかったみたいに駆け足で戻っていった。
空港からのその足で、怜と賢太郎はデートへ行く。行くと行っても、川沿いをぶらぶらと手を繋いで喋りながら歩くだけ。
「怜さん」
「うん?」
「前から聞こうと思ってたんやけど、いつから、好きやったん?」
怜はちょっと考える。
「う~ん、忘れちゃった」
「えー、なにそれ」
「あ、でも、正直、同棲するまでは毎週会うの結構辛かった。思い出せないし、でも、賢太郎さんを傷つけたくないし。あと、やっぱり、休日を使って、大して興味の無い男性と毎週会うめんどくささ?」
「え、そうやったん?」
「うん」
迷いなくそう言われてショックを受ける賢太郎。
「あ、でも、同棲してからは、賢太郎さんの優しいところとか、良いところが分かってきて、なんで、昔の自分が賢太郎さんを好きなのか分かるなー、って思う瞬間が結構あったんだよ」
「へー」
嬉しそうな顔。
ここまで顔に出やすいと、きっと子供の頃はババ抜きとかめちゃくちゃ弱かったんだろうな。
「まぁ、そうやって、客観的な視点のつもりだったんだけど、気付いたときには、今の私も好きになってたんだ、同じ人をさ。逆に、賢太郎さんは、なんで、思い出をなくした私をよく見放さないっていうか、好きなままというか、」
賢太郎は、ハッキリと答えた。
「だって、怜さんは怜さんやもん」
怜はそれを聞いて思わず笑ってしまった。
「なにそれ」
「別に良いやろ、理由は何だって」
照れ隠しか賢太郎はそう言った。
「これからも、それは変わらんと思うで」
「賢太郎さんっぽい」
「ぽくて結構!」
ニカッと歯を見せて、賢太郎は笑った。
その晩、駅前のバーに久々に二人で行く。
店内は薄暗く、壁には古い洋画のポスターや、洋書の本棚がある。洒落た大人の店。
横がけのカウンターに二人は座る。
怜はジンフィズというレモンのさっぱりしたものを、賢太郎は、ジンベースのマティーニを注文する。
「どうぞ」
目の前で作られたカクテルを、受け取る。
「ありがとうございます」
「乾杯」
少量を口に含み、喉に流す。度数の高いアルコールならではの感覚が伝わってくる。
「大学の時は、お酒なんか飲むかって思ってたけど、大人になったら案外、飲んじゃうものなんだよね」
怜は母の再婚相手がお酒を飲むと暴力的になる人で、お酒に対して良いイメージが一切無かった。
「確かに、怜さんってお酒全然飲まへんイメージやったわ」
「賢太郎さんの前でも飲んでなかった?」
賢太郎さんと知り合ったのは大学生の時。ちょうど、お酒が飲まず嫌いというか、一滴も飲んでいなかった時期だ。
「そうやな。今は普通に飲むけどな」
「そっか、じゃあ、賢太郎さんのおかげかもね、私がお酒を楽しめるのは」
「どういうこと?」
カランとグラスを揺すって怜は答える。
「賢太郎さんと飲むのが楽しいから、お酒のイメージが変わったのかなって、嫌な思い出とかそんなのを全部上書きしちゃうくらい」
怜は賢太郎をみて微笑んだ。
「そうなん?」
「照れ隠し」
ほのかに赤くなった賢太郎をちょっとからかう怜。
「ちゃうって」
「ほんとに?」
「うん!」
仕事のこと、家のこと、これからのこと、怜と賢太郎は、カクテルを嗜みながら、二人でしゃべる。きっと、そのどれもが本当に他愛もないこと。それでも、良いんだ。それでも、幸せなんだ。
バーを出て、賢太郎は怜を家まで送る。怜は、現在、実家暮らしをやめて、新しい事務所の近くで独り暮らしをしている。
「ずるいな」
怜の家のあるアパートの前。夜の11時半。辺りは静まり返って、夜の匂いが包み込んでいる。そんな中だから、怜の声がハッキリと聞こえる。
「どうしたん?」
「あぁ本当にずるい」
賢太郎は、怜の側に駆け寄る。もう、バイバイは済ませたのに。
「酔っぱらってるん?大丈夫?」
「好かれる要素も、きっかけも、賢太郎さんの告白も、初めてのデートも、全部、ぜーんぶ、持ってるのは昔の私」
酔った勢いと言えばそれは真実味が薄れてしまう。でも、怜は、賢太郎に最大のコンプレックスみたいなものを伝えた。賢太郎さんにそれがどうもできないことは分かりきっていてここで何をしてほしいとか全く知らない。でも、今日は、今日だけは、過去に繋がらない私を見てほしい。
賢太郎は、怜のことを抱き締める。賢太郎と怜の境界がぼやっと滲んで、心まで賢太郎に包まれてしまう。暖かい体温が、優しい気持ちが、怜の中に流れ込んでくる。
「賢太郎さん?!」
「好かれる要素も、きっかけも、全部、持ってるやん。二回目の初めて。今の怜さんしか知らんこともいっぱいある」
賢太郎はなかなか怜のことを離そうとしない。
「好きだ。ずっとずっと、今までもこれからも好きだ。毎日、好きだ。怜さんが好きだ」
顔から火が出るような恥ずかしい気持ちになる。でも、それは決して悪い気はしない。
怜は賢太郎の背中に手を回した。
空港にて
「陽葵、向こうでも頑張ってね。陽葵なら上手くやれるよ」
「当たり前じゃん!」
陽葵は今日、ユニセフの支援員として、カンボジアに派遣される。清々しい笑顔の陽葵。
「高田先輩、今までありがとうございました。向こうでも、頑張ってください」
「うん、勇元くんもね」
「はい、高田先輩の分まで」
「頼もしい」
高田先輩は僕に向かって親指をたてる。
団体で行くようで、陽葵の新しい仲間たちは陽葵を呼ぶ。
「高田さん、もう、時間だよ」
「じゃあね」
「バイバイ」
陽葵は大きなキャリーケースを引いて何歩か歩きだす。
数メートルいった先で陽葵は振り返る。
気が付けば脚が自然と動き出していた。
陽葵は怜を抱き締めた。ギュッと陽葵に包まれて驚く。
「ひ、陽葵?もう時間」
陽葵は、それでも離そうとはしない。
そして、怜の耳元で囁いた。
「怜、怜は、私の大切な人。幸せになりなよ」
「うん、」
陽葵は、何事もなかったみたいに駆け足で戻っていった。
空港からのその足で、怜と賢太郎はデートへ行く。行くと行っても、川沿いをぶらぶらと手を繋いで喋りながら歩くだけ。
「怜さん」
「うん?」
「前から聞こうと思ってたんやけど、いつから、好きやったん?」
怜はちょっと考える。
「う~ん、忘れちゃった」
「えー、なにそれ」
「あ、でも、正直、同棲するまでは毎週会うの結構辛かった。思い出せないし、でも、賢太郎さんを傷つけたくないし。あと、やっぱり、休日を使って、大して興味の無い男性と毎週会うめんどくささ?」
「え、そうやったん?」
「うん」
迷いなくそう言われてショックを受ける賢太郎。
「あ、でも、同棲してからは、賢太郎さんの優しいところとか、良いところが分かってきて、なんで、昔の自分が賢太郎さんを好きなのか分かるなー、って思う瞬間が結構あったんだよ」
「へー」
嬉しそうな顔。
ここまで顔に出やすいと、きっと子供の頃はババ抜きとかめちゃくちゃ弱かったんだろうな。
「まぁ、そうやって、客観的な視点のつもりだったんだけど、気付いたときには、今の私も好きになってたんだ、同じ人をさ。逆に、賢太郎さんは、なんで、思い出をなくした私をよく見放さないっていうか、好きなままというか、」
賢太郎は、ハッキリと答えた。
「だって、怜さんは怜さんやもん」
怜はそれを聞いて思わず笑ってしまった。
「なにそれ」
「別に良いやろ、理由は何だって」
照れ隠しか賢太郎はそう言った。
「これからも、それは変わらんと思うで」
「賢太郎さんっぽい」
「ぽくて結構!」
ニカッと歯を見せて、賢太郎は笑った。
その晩、駅前のバーに久々に二人で行く。
店内は薄暗く、壁には古い洋画のポスターや、洋書の本棚がある。洒落た大人の店。
横がけのカウンターに二人は座る。
怜はジンフィズというレモンのさっぱりしたものを、賢太郎は、ジンベースのマティーニを注文する。
「どうぞ」
目の前で作られたカクテルを、受け取る。
「ありがとうございます」
「乾杯」
少量を口に含み、喉に流す。度数の高いアルコールならではの感覚が伝わってくる。
「大学の時は、お酒なんか飲むかって思ってたけど、大人になったら案外、飲んじゃうものなんだよね」
怜は母の再婚相手がお酒を飲むと暴力的になる人で、お酒に対して良いイメージが一切無かった。
「確かに、怜さんってお酒全然飲まへんイメージやったわ」
「賢太郎さんの前でも飲んでなかった?」
賢太郎さんと知り合ったのは大学生の時。ちょうど、お酒が飲まず嫌いというか、一滴も飲んでいなかった時期だ。
「そうやな。今は普通に飲むけどな」
「そっか、じゃあ、賢太郎さんのおかげかもね、私がお酒を楽しめるのは」
「どういうこと?」
カランとグラスを揺すって怜は答える。
「賢太郎さんと飲むのが楽しいから、お酒のイメージが変わったのかなって、嫌な思い出とかそんなのを全部上書きしちゃうくらい」
怜は賢太郎をみて微笑んだ。
「そうなん?」
「照れ隠し」
ほのかに赤くなった賢太郎をちょっとからかう怜。
「ちゃうって」
「ほんとに?」
「うん!」
仕事のこと、家のこと、これからのこと、怜と賢太郎は、カクテルを嗜みながら、二人でしゃべる。きっと、そのどれもが本当に他愛もないこと。それでも、良いんだ。それでも、幸せなんだ。
バーを出て、賢太郎は怜を家まで送る。怜は、現在、実家暮らしをやめて、新しい事務所の近くで独り暮らしをしている。
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怜の家のあるアパートの前。夜の11時半。辺りは静まり返って、夜の匂いが包み込んでいる。そんな中だから、怜の声がハッキリと聞こえる。
「どうしたん?」
「あぁ本当にずるい」
賢太郎は、怜の側に駆け寄る。もう、バイバイは済ませたのに。
「酔っぱらってるん?大丈夫?」
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「好きだ。ずっとずっと、今までもこれからも好きだ。毎日、好きだ。怜さんが好きだ」
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