思い出を探して

最終回

それから、一年後、賢太郎と怜はめでたく結婚した。婚姻届が受理されるときは妙な感じで、実感が湧かなかった。でも、隣にいる人をもっといとおしい存在に思えることは確か。
直接、結婚の決め手になるプロポーズをしたのは、なんと怜からだった。
「私と、結婚してみない？」
となんともあっさりとした感じで言われた。二人は、前の婚約指輪も大切にしている。そして指には結婚指輪。それが、二人が出した答えである。
もう一度、同じ人に恋をする。馬鹿げているけど、大真面目に二人は本当にそうなった。
 これからもいろいろあるだろう。けれども二人ならどんな困難も乗り越えていける。