神殺しの花嫁

海花

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「───ダメだ………すげぇ……やりてぇ……」

しかし胸に押し付けられるように抱かれた幸成の耳に、激しくなった鼓動とボソッと呟く声が届いた。

「───え…………」

「これ以上布団ここにいたら……お前を襲っちまう」

「…………え……」

「────クソッ」

悪態を吐くと、琥珀は幸成の上で布団に両手と膝を付き無理矢理身体を離した。
肌が微かに紅く、息遣いすら僅かに荒くなっている。

幸成は獣の様な体勢で自分を見下ろす琥珀の頬に手を伸ばした。

「…………俺を…………抱きたいと……思ってくれたんですか…………?」

───こんなに……汚れた俺でも…………

「当たり前だろ…………惚れた奴が腕ん中にいんのに……そんなんで満足する程、オレは聖人でもジジイでもねぇ……」

子供のように不貞腐れた、薄桃色の頬に触れると幸成の瞳に涙が浮かんだ。
ここに初めて来た時すら、兄の残した匂いに気付いた琥珀が、あれだけ吐き出された成一郎の欲望に気付かない訳が無い。

「───なに泣いてんだよッ……」

「だって…………俺はあなたを……」

───裏切ったのに───

そう続けようとした幸成の言葉を、琥珀が遮った。

「──お前はッ」

その顔が辛そうに歪み、一時の沈黙の後、琥珀の温かい額が幸成の額に当てられた。

「…………お前は…あの屋敷で必死にオレを守ろうとしてくれただけだろ……。やり方は…………気に入らねぇが…………それでお前をどうこう思う程……オレは間抜けじゃねぇ」

「…………琥珀……」

「今は……お前の身体を治すのが先だ。粗方の傷は瑠璃が治してくれた。けど……まだダメだ」

幸成の手当を終えた瑠璃から“なにか”が邪魔をしていて、治しきれない傷があると聞かされていた。
幸成の身体の奥。
恐らく菊門から挿入られた、魔羅以外の何かがはらわたを傷付け、そしてそれとは別の、恐らく『毒』がそれを治す邪魔をしているのだと。

「───その代わり…………お前の身体が戻ったら……泣いたところでやめねぇからな」

睨みつけそう言うと、琥珀は瞳いっぱいに溜めた涙に優しく口付け

「…………はい……」

幸成も頬を紅くして笑顔で頷いた。

しかし───



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