神殺しの花嫁

海花

文字の大きさ
上 下
59 / 173

・・・

しおりを挟む
「──けど…………それ以上に…………あなたの傍にいたい……」

絞り出した様な言葉が、幸成なりの想いを告げている。
必死で琥珀を受け入れようとしている。
それが、生き残る為でもなく、気に入られる為でもない。
幸成の想いだと切ない程伝わってくる。

「さっき唄っていたのはなんだ?」

「───え…………?」

「初めて聞いた」

「あ………………あれは、子守唄です。昔……唄ってもらっていたのを思い出したので……」

幸成が話終わるより早く、徐に横になった琥珀の頭が膝の上に乗せられ、心地良さそうに目を閉じた。

「オレにも唄ってくれるか?」

「───え……」

「近くで聞いてみたくなった」

「……あ…………はい……」

まさかそんな事を言われるとは思ってもいなかったのだろう。返事の仕方から躊躇っているのが分かる。

「幸成」

「はい……?」

「お前は、何があっても俺の傍にいろ」

「───はい」


雲に僅かに隠された月明かりが照らす中、幸成の唄声に、柔らかい秋風が舞うように庭の葉を揺らしている。
二人の想いが初めて交差した夜に相応しい、間も無く訪れる厳しい冬を微塵も感じさせない、そんな穏やかな夜だった。





「───あッ………………ゃん……」

障子越しの僅かな月明かりが、しっとりと汗で滲んだ肌を白く照らし出している部屋で、荒い息遣いと、湿ったお互いの肌の当たる音が、激しさを余計熱のあるものにしていた。

「──ヤ…ダッ…………そんなッ──奥ばっか……ダメッ…だって……」

我を忘れた様に突き上げる昂りに、滴り落ちる汗が白い肌を伝うと、濡れた中がギュッとキツく締め付ける。
それでもまだ執拗に奥を突くと、反り返った魔羅から白濁が吐き出され、自分の肌にも僅かに掛かったそれを確認すると、ヒクヒクと締め付ける中へと黒曜は欲望を吐き出した。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】

海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。 発情期はあるのに妊娠ができない。 番を作ることさえ叶わない。 そんなΩとして生まれた少年の生活は 荒んだものでした。 親には疎まれ味方なんて居ない。 「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」 少年達はそう言って玩具にしました。 誰も救えない 誰も救ってくれない いっそ消えてしまった方が楽だ。 旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは 「噂の玩具君だろ?」 陽キャの三年生でした。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

私の彼氏は義兄に犯され、奪われました。

天災
BL
 私の彼氏は、義兄に奪われました。いや、犯されもしました。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話

さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ) 奏音とは大学の先輩後輩関係 受け:奏音(かなと) 同性と付き合うのは浩介が初めて いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく

処理中です...