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「──けど…………それ以上に…………あなたの傍にいたい……」
絞り出した様な言葉が、幸成なりの想いを告げている。
必死で琥珀を受け入れようとしている。
それが、生き残る為でもなく、気に入られる為でもない。
幸成の想いだと切ない程伝わってくる。
「さっき唄っていたのはなんだ?」
「───え…………?」
「初めて聞いた」
「あ………………あれは、子守唄です。昔……唄ってもらっていたのを思い出したので……」
幸成が話終わるより早く、徐に横になった琥珀の頭が膝の上に乗せられ、心地良さそうに目を閉じた。
「オレにも唄ってくれるか?」
「───え……」
「近くで聞いてみたくなった」
「……あ…………はい……」
まさかそんな事を言われるとは思ってもいなかったのだろう。返事の仕方から躊躇っているのが分かる。
「幸成」
「はい……?」
「お前は、何があっても俺の傍にいろ」
「───はい」
雲に僅かに隠された月明かりが照らす中、幸成の唄声に、柔らかい秋風が舞うように庭の葉を揺らしている。
二人の想いが初めて交差した夜に相応しい、間も無く訪れる厳しい冬を微塵も感じさせない、そんな穏やかな夜だった。
「───あッ………………ゃん……」
障子越しの僅かな月明かりが、しっとりと汗で滲んだ肌を白く照らし出している部屋で、荒い息遣いと、湿ったお互いの肌の当たる音が、激しさを余計熱のあるものにしていた。
「──ヤ…ダッ…………そんなッ──奥ばっか……ダメッ…だって……」
我を忘れた様に突き上げる昂りに、滴り落ちる汗が白い肌を伝うと、濡れた中がギュッとキツく締め付ける。
それでもまだ執拗に奥を突くと、反り返った魔羅から白濁が吐き出され、自分の肌にも僅かに掛かったそれを確認すると、ヒクヒクと締め付ける中へと黒曜は欲望を吐き出した。
絞り出した様な言葉が、幸成なりの想いを告げている。
必死で琥珀を受け入れようとしている。
それが、生き残る為でもなく、気に入られる為でもない。
幸成の想いだと切ない程伝わってくる。
「さっき唄っていたのはなんだ?」
「───え…………?」
「初めて聞いた」
「あ………………あれは、子守唄です。昔……唄ってもらっていたのを思い出したので……」
幸成が話終わるより早く、徐に横になった琥珀の頭が膝の上に乗せられ、心地良さそうに目を閉じた。
「オレにも唄ってくれるか?」
「───え……」
「近くで聞いてみたくなった」
「……あ…………はい……」
まさかそんな事を言われるとは思ってもいなかったのだろう。返事の仕方から躊躇っているのが分かる。
「幸成」
「はい……?」
「お前は、何があっても俺の傍にいろ」
「───はい」
雲に僅かに隠された月明かりが照らす中、幸成の唄声に、柔らかい秋風が舞うように庭の葉を揺らしている。
二人の想いが初めて交差した夜に相応しい、間も無く訪れる厳しい冬を微塵も感じさせない、そんな穏やかな夜だった。
「───あッ………………ゃん……」
障子越しの僅かな月明かりが、しっとりと汗で滲んだ肌を白く照らし出している部屋で、荒い息遣いと、湿ったお互いの肌の当たる音が、激しさを余計熱のあるものにしていた。
「──ヤ…ダッ…………そんなッ──奥ばっか……ダメッ…だって……」
我を忘れた様に突き上げる昂りに、滴り落ちる汗が白い肌を伝うと、濡れた中がギュッとキツく締め付ける。
それでもまだ執拗に奥を突くと、反り返った魔羅から白濁が吐き出され、自分の肌にも僅かに掛かったそれを確認すると、ヒクヒクと締め付ける中へと黒曜は欲望を吐き出した。
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