最後の君へ

海花

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「…………零……?」

戸惑う直斗の口を零がキスで塞ぎ、今までに無い程……零の熱い舌が直斗に絡む。
そしてその舌が直斗の首から胸にゆっくり降りていき乳首を弄ぶ……。
パジャマのボタンが全て外され露になった白い肌が……
自分の上で獣の様な体勢で身体に舌を這わせる零の姿が……
酷く妖艶に見え、直斗の瞳は釘付けになった。
そして零の視線が直斗を捉えると激しいキスをしながら、手は直斗の昂ったそれへとたどり着いた。
零が胸から腹へ……腹からそのまた下へと舌を這わせていく……。

「──!?零……!ちょっと待って……」

慌てて身体を起こすのと同時に直斗の『それ』を零の口が飲み込んでいく……。

「……んっっ!…………」

零の舌が熱く直斗に絡み吸い上げる。

───ちょっと………ヤバいって…………

「零!……ちょっと待って……」

直斗が抗おうとすると零の舌が余計に絡みつき抵抗出来なくなる。
部屋の中に直斗の熱い息遣いが響き、それが零の耳をくすぐる。
上目遣いでそれを見上げると、顔が高揚しているのが分かり、零も昂りを覚えた。
零の瞳が妖しく直斗の視線を捉えながら、微かに口角を上げ直斗のそれを口からゆっくり出した。
直斗がホッと息を吐くのが分かると、零の瞳が妖しさを増し、わざわざ直斗の目に映る様に舌を這わせた……。
そして直斗の視線を捉えたまま……ゆっくりとまた飲み込んでいく……。

「───ダメだって!……零……」

直斗の息遣いが激しくなると、執拗に零が『それ』を嬲る……。

「……マジで……ヤバいって…………」

直斗の言葉に零は嬉しそうに微笑み激しく舌を絡ませた。

「──ダメっ…………マジで……零!ダメだって…………………イくッッ………」

言葉と共に直斗のそれがドクンと波打つと少し刺激のあるものをはき出し……零はそれを当たり前の様に口の中に受け止め『ゴクン』と飲み込んだ。
俯き熱く息をしている直斗の顔を零が覗き込む。

「…………気持ち良かった?」

直斗は一瞬零の顔を見てすぐまた視線をずらし顔を赤くしている。
零が首を傾げ困った様に

「……ダメだった……?」

声を小さくした。

「───そうじゃないっ……けど……」

『それ』でイッテしまった事も初めてだったし、まして──愛しくて仕方がない零の口の中でイク気など全く無かった……。

「ごめん………」

ポツリと謝る直斗に零が眉を顰め

「———何で謝るの……⁉︎」

意味が解らないと言いたげに顔を覗き込む。

———だって………直斗くんは何度も止めたのに……俺が無理に続けた………喜んでくれると思ったから………。

「本当に…ごめん……」

すまなさそうに直斗の瞳が零の瞳を覗き込む。それが堪らなく愛しくて……申し訳なくて………零は直斗をきつく抱きしめた。

「俺こそ…ごめんなさい……」

前と……紫紋と余りにも違いすぎて零は戸惑っていた。零とのセックスなど紫紋にとって遊びでしかなかった。全てを紫紋に教えられた零にとって、『余程異常なこと』以外は当たり前のことだった……。

「キス……したい……」

直斗も零を抱きしめ耳もとで囁く……。

「———え………嫌じゃ…ない…?」

「え?何で⁉︎」

「………だって………俺の口の中………多分…まだ……」

零が困ったように直斗を見つめる。

———何が正しい事なのか分からない………。

「———あ………」

直斗がやっと気付いた様に顔を赤くした。しかし直斗は零を強く抱きしめキスをしながら

「愛してるよ……」

そう言いながら今度こそ自分の腕の中に零を閉じ込めた。


カーテンの隙間から微かに月明かりが入り込んで高揚して染まった零を照らし出している。
潤んだ瞳が時々…切なそうに直斗を見つめ、細く開いた唇がその度に直斗を求め口付けを重ねた。

直斗を受け入れる度に唇を噛み、声を殺そうとする零が

堪らなく妖艶で……

美しく見えて……

直斗は何度も息を呑んだ……。

「零……すごく綺麗だよ…」

直斗が耳元で囁くと一瞬泣きそうな表情を浮かべ、照れたように目を伏せた。

「愛してるよ……零」

「俺も……愛してる………直斗………」



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