君の手の温もりが…

海花

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一昨日と昨日

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結衣と二人で明日の予定を立て、くだらない話で笑い合った。それでも頭の片隅に葵のことが…一昨日の異常さが常にこびりついている……。
結衣が帰り一人になると、それが一段と色を濃くするのが分かる。
葵の帰って来ない家で何もする気にならずソファーに座ると、嫌でも一昨日の事が思考を支配する。
薬を使ってまで自分を求めた薫と……
何度諦めようとしても諦められない自分……
果たして違うのだろうか……。
薬を使えば自分の物に出来るとしたら……
自分もそうするのかもしれない……。

以前夢に見た葵を思い出す。
艶めかし声で何度も俊輔を呼んだ。
滑らかな肌の感触を目が覚めてからも覚えていた。自分を見つめていた瞳が夢だとは思えない程はっきりと今も目に浮かぶ……。

一昨日、薬を飲まされていたとは言え葵にキスをした。
熱く柔らかい舌が俊輔を受け入れ、甘く絡んできたの思い出すと今でも身体が熱くなった…。

そして……昨日……

———葵は何で……俺に…………

考えれば考える程不安になる。そして締め付けられる様に痛む胸をクッションを抱きしめ誤魔化した……。



「あの……藤井さん……?」
「ん?」
「俺…………そろそろ………」
「…何?」
藤井が微笑みながら葵を抱きしめる。
「———服………着たいな……って」
葵が胸の中から見上げる……。藤井の家に来て一度脱いでからずっと裸で過ごしている。服を着ようとすると腕に戻され、幾度となく抱かれた。
「また脱ぐのに?」
当然の様に聞かれ
「まだするんですか⁉︎」
思わず葵が聞き返した。
「今日は葵の腰が立たなくなるまでするつもりだけど?」
「———え⁉︎…………でも…」
自分を抱いている間何度も痛そうに顔を歪めていたの気付いていた。
「昨日、妬かされたからね……そのお返し」
そう言って再びキスをされ愛撫が始まる……。それを言われると何も言えなくなり葵は身体を委ねた。
———一昨日じゃなくて……昨日って…………。
葵は少しずつ早くなる鼓動を感じながら……瞳を閉じた。

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