君の手の温もりが…

海花

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大嫌い

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「相変わらずバカね。高校の時から何も変わってないじゃない」
「…………分かってるよ……」
「しかも…こんな怪我までして……。千尋ちゃんが知らせてくれなかったらまた一人で我慢してるつもりだったんでしょ」
藤井がため息をついた。
「大した怪我じゃないよ……。それと千尋くんにも言っとくよ」
「なにを?」
そう言うとキッチンから藤井を見つめる。
「私は離れないって言ったでしょ?」
莉央がコーヒーを手に戻ると藤井の前に置いた。
「………ありがとう…」
藤井がコーヒーを手に取ろうと手を伸ばした瞬間、莉央が脇腹を軽く叩いた。
「────つっっ!!」
藤井が脇腹を押さえ動けなくなる程痛がっている。
「……これで大した怪我じゃないとか…よく言えたわね。私が気付かないとでも思ったの?」
「………………お前……昔っから思ってたけど、ホント鬼だな……」
藤井は相変わらず痛みで顔を歪めながら脇腹を押さている。
「車出すからお医者行くわよ」
「……一人で行けるよ」
「行かないでしょ?」
「ちゃんと行きます」
藤井はふざけた様にそう言って立ち上がると
「……だからお前は帰れ。一人で行くから」
莉央の顔を見ずに着替える為寝室へ向かった。
「……ホント…昔から変わらなくて……大嫌い……」

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