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媚薬
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日曜の午前10時。
珍しく俊輔はまだ寝ていた。
最近バイトの方が忙しいらしく、昨日は帰りも相当遅かった。
葵はリビングのソファーで暇そうに寝転がりスマホをいじりだす。
───暇だなぁ…………
喉が乾き冷蔵庫を開けると麦茶の横に初めて見る瓶が入っているのに気付いた。
「なんだこれ?」
薄ピンク色のその瓶は見るからに美味しそうな何かが入っていそうで、暇を持て余している葵の興味をひくには充分過ぎた。
これまた可愛らしいピンク色のラベルには『ピーチワイン』の文字と桃の絵が書かれている。
蓋を開け香りを嗅いでみると、アルコールの匂いと一緒に甘い香りと、ちゃんと桃の香りがする。
葵は食器棚からグラスを出すと1センチほど汲んで恐る恐る口に入れた。
昔、父が美味そうに飲んでいたビールを貰って飲んだ時、余りの苦さに吐き出した記憶があるからだ。
──あ……甘くて美味い!
葵は景気よくコップに並々とワインを汲むとリビングへ戻って、それを飲みながらゲームを始めた───。
───いい加減起きなきゃ……
俺は重い身体をベットから無理やり引き離した。
最近大学の先輩に頼まれて学校の後、居酒屋でバイトを始めた。
慣れない仕事に加えて、本当に人がいないらしく、とにかく忙しい……。
時給もオーナーも良い人だが、大学の生活にすらまだ慣れていない俺には相当堪える。
───安請け合いしなきゃ良かった……
バイトを始めてから葵ともゆっくり過ごせていない。
俺は起き上がると着替えるのすら面倒で部屋着のままリビングへ向かった。
──今日は葵とゆっくりしよう。
リビングへ入ると葵がソファーで横になっている。
「おはよう」
声を掛けるが返事がない。
──機嫌……悪そう……
最近全然構ってやれてないもんな……とチラッと視線を向けてからコーヒーが飲みたくてキッチンへ向かった。
ヤカンに二人分程の水を入れて火をつける。
そこでフッとアルコールの匂いが鼻についた……。
「しゅーん!」
いつの間にかリビングから葵が来ていた。
顔を真っ赤にして…………。
「しゅーんちゃん!おはよーっっ!」
葵が俺に抱きつく……。
「──!!酒臭っっ!お前……酒飲んでんの!?」
俺は慌てて抱きつく葵を引き剥がして顔を見ると、耳まで真っ赤になって目がとろんと潤んでいる。
そして……相当酒臭い……。
「やだ!」
そう言って肩を掴む俊輔の手を払い除けると思い切り俺を抱きしめた。
「離れたらダメぇっ!」
甘える様な声で葵が怒っている。
「分かった!分かったから……葵、何飲んだ?それ教えて?」
俊輔が葵の背中をぽんぽんとあやす様にたたくと、葵がリビングの机を振り返り指を指す。
机の上に昨夜先輩から貰ったワインの瓶が置かれている。
常連のお客さんから土産で貰ったけど、飲めないからと渡された。
未成年なのに……と思ったが断るのも面倒で、とりあえず持ち帰ってしまったのがいけなかった……。
俺は葵から離れて、リビング行き慌てて瓶を手に取った。
───半分以上無くなってる……
するとキッチンから「くすんくすん」と泣く様な声がする。
急いでキッチンへ戻ると、葵が涙をポロポロと流し泣いているのだ……。
───えーーー!?なんで!?……
「……どうした?」
俺が恐る恐る聞くと
「離れたら……ダメ……って言ってるのに……」
葵がこれ以上ない程切なそうに泣いている。
──離れたらダメって……キッチンからリビングへ行っただけですよ……?
「ごめん、ごめん」
俺は優しく葵を抱きしめた。
──完全に酔っ払ってる……。
葵はぎゅっと強く俺を抱きしめ
「もうどこへも行かないで……置いてかないで……」
本当に切なそうに泣いている。
──俺……めちゃくちゃ酷いことしたみたいじゃん……。
俺は泣いている葵をなだめ、リビングへ連れていき、とりあえず二人でソファーへ座った。
その間、葵はずっとくっついている。
俺は思わずため息をつきそうになって慌てて止めた。
ため息なんてしようもんなら、やっと泣き止んだ葵がどうでるか分からない…。
「しゅーん」
座りながらも、俺に抱きついている葵が潤んだ目で見上げてくる。
「……ん?」
──ヤバい……いつにも増して……色っぽい……
「だぁぁい好き」
さっきまであんなに切なそうに泣いていたのが嘘のように、嬉しそうに笑う。
泣いていたせか、酔っているせいか…涙目の笑顔がまた……堪らなく可愛いく見える。
──こんな真昼間から……ヤバイ……
リビングは見事に全てのカーテンが開かれていて、いくら庭しか見えないと言ってもまさかここで押し倒す訳にはいかない…。
「キス…しようかぁ……」
葵が真っ直ぐに俺を見つめる。
──いやいやいや……したいけどっ!……これで言うなりにキスをすれば先は一つだ……
こんな時間に、しかもこんな外から丸見えの部屋で……。
考えただけで顔が熱くなる。
「ちょっと待って……葵くん…。とりあえず2階行こうか……?」
「……なんで……?」
葵の眉間にしわが寄り声色もさっきまでと打って変わって怒りの色を帯びる…。
「俺とキスするのが嫌だって言った……?」
──言ってない!そんな事一言も言ってない!
「俺…そんな事、言ってないよね?」
つい笑顔が引き攣る……。
「じゃあ、してよ」
葵が起き上がり俺を睨みつける。
──キスする雰囲気では……
諦めて怒って俺を睨みつける葵にキスをした。
──いつもと違う……アルコールと…微かに桃の味がする……。
葵がいつもより激しく舌を絡ませ、俺の口の全てを舐め尽くす。
──これは……!?ダメなヤツだ……!!
俺は慌てて離れようとした……が……既に遅すぎた……。
潤んでいる葵の瞳が……獲物を狙う野生の肉食動物のそれのように変わっている…。
「……葵……くん……?」
葵はゆっくりと俺に覆い被さる様に移動してくる……。
アフリカで…ライオンに睨まれている小鹿の気分だ……。
「……ちょっと…落ち着こう…?ほら……外から丸見え……」
葵が俺の口を塞ぐ様に再びキスをした。
そのまま押し倒され…俺は完全に葵に組み敷かれた……。
「今日は……俺ね……」
耳元で囁いてから葵は俺の耳に舌を這わせる。
「……!?…あっ……ちょっ……と……葵!少し落ち着こう!せめて2階へ……」
そこまで言うと葵は「うるさい」と言いたげに眉をひそめまたキスをする。
葵の舌が激しく俺の口の中を蹂躙して、葵の右手を俺の部屋着のパンツがやすやすと受け入れてしまう…。
───着替えておけば良かった……
「──ん!…………」
葵の慣れた手つきに喉の奥から声が漏れると、葵の長い指がゆっくりと下へ下がっていった……。
結局…煌々と陽の当たる部屋で、まだ慣れない俺の身体がそれでも葵を受け入れ、逆の時とはまた違う快感に何度も満たされた……。
「気持ち……悪い……」
トイレから出てきた葵が真っ青な顔で俺に抱きついてきた。
「……当たり前だろ。初めてであんだけ飲めば……」
ソファーに座る俺の膝に頭を乗せ横になる。
「頭も痛い……」
俺は黙って葵の頭を優しく撫でた。
朝から飲んだせいか夕方から吐き出し二日酔いの様になりだした……。
「もう飲むなよな……」
そう言いながら……ちょっとなら…飲んでほしいと思ったことは……
今は黙っておこう……。
珍しく俊輔はまだ寝ていた。
最近バイトの方が忙しいらしく、昨日は帰りも相当遅かった。
葵はリビングのソファーで暇そうに寝転がりスマホをいじりだす。
───暇だなぁ…………
喉が乾き冷蔵庫を開けると麦茶の横に初めて見る瓶が入っているのに気付いた。
「なんだこれ?」
薄ピンク色のその瓶は見るからに美味しそうな何かが入っていそうで、暇を持て余している葵の興味をひくには充分過ぎた。
これまた可愛らしいピンク色のラベルには『ピーチワイン』の文字と桃の絵が書かれている。
蓋を開け香りを嗅いでみると、アルコールの匂いと一緒に甘い香りと、ちゃんと桃の香りがする。
葵は食器棚からグラスを出すと1センチほど汲んで恐る恐る口に入れた。
昔、父が美味そうに飲んでいたビールを貰って飲んだ時、余りの苦さに吐き出した記憶があるからだ。
──あ……甘くて美味い!
葵は景気よくコップに並々とワインを汲むとリビングへ戻って、それを飲みながらゲームを始めた───。
───いい加減起きなきゃ……
俺は重い身体をベットから無理やり引き離した。
最近大学の先輩に頼まれて学校の後、居酒屋でバイトを始めた。
慣れない仕事に加えて、本当に人がいないらしく、とにかく忙しい……。
時給もオーナーも良い人だが、大学の生活にすらまだ慣れていない俺には相当堪える。
───安請け合いしなきゃ良かった……
バイトを始めてから葵ともゆっくり過ごせていない。
俺は起き上がると着替えるのすら面倒で部屋着のままリビングへ向かった。
──今日は葵とゆっくりしよう。
リビングへ入ると葵がソファーで横になっている。
「おはよう」
声を掛けるが返事がない。
──機嫌……悪そう……
最近全然構ってやれてないもんな……とチラッと視線を向けてからコーヒーが飲みたくてキッチンへ向かった。
ヤカンに二人分程の水を入れて火をつける。
そこでフッとアルコールの匂いが鼻についた……。
「しゅーん!」
いつの間にかリビングから葵が来ていた。
顔を真っ赤にして…………。
「しゅーんちゃん!おはよーっっ!」
葵が俺に抱きつく……。
「──!!酒臭っっ!お前……酒飲んでんの!?」
俺は慌てて抱きつく葵を引き剥がして顔を見ると、耳まで真っ赤になって目がとろんと潤んでいる。
そして……相当酒臭い……。
「やだ!」
そう言って肩を掴む俊輔の手を払い除けると思い切り俺を抱きしめた。
「離れたらダメぇっ!」
甘える様な声で葵が怒っている。
「分かった!分かったから……葵、何飲んだ?それ教えて?」
俊輔が葵の背中をぽんぽんとあやす様にたたくと、葵がリビングの机を振り返り指を指す。
机の上に昨夜先輩から貰ったワインの瓶が置かれている。
常連のお客さんから土産で貰ったけど、飲めないからと渡された。
未成年なのに……と思ったが断るのも面倒で、とりあえず持ち帰ってしまったのがいけなかった……。
俺は葵から離れて、リビング行き慌てて瓶を手に取った。
───半分以上無くなってる……
するとキッチンから「くすんくすん」と泣く様な声がする。
急いでキッチンへ戻ると、葵が涙をポロポロと流し泣いているのだ……。
───えーーー!?なんで!?……
「……どうした?」
俺が恐る恐る聞くと
「離れたら……ダメ……って言ってるのに……」
葵がこれ以上ない程切なそうに泣いている。
──離れたらダメって……キッチンからリビングへ行っただけですよ……?
「ごめん、ごめん」
俺は優しく葵を抱きしめた。
──完全に酔っ払ってる……。
葵はぎゅっと強く俺を抱きしめ
「もうどこへも行かないで……置いてかないで……」
本当に切なそうに泣いている。
──俺……めちゃくちゃ酷いことしたみたいじゃん……。
俺は泣いている葵をなだめ、リビングへ連れていき、とりあえず二人でソファーへ座った。
その間、葵はずっとくっついている。
俺は思わずため息をつきそうになって慌てて止めた。
ため息なんてしようもんなら、やっと泣き止んだ葵がどうでるか分からない…。
「しゅーん」
座りながらも、俺に抱きついている葵が潤んだ目で見上げてくる。
「……ん?」
──ヤバい……いつにも増して……色っぽい……
「だぁぁい好き」
さっきまであんなに切なそうに泣いていたのが嘘のように、嬉しそうに笑う。
泣いていたせか、酔っているせいか…涙目の笑顔がまた……堪らなく可愛いく見える。
──こんな真昼間から……ヤバイ……
リビングは見事に全てのカーテンが開かれていて、いくら庭しか見えないと言ってもまさかここで押し倒す訳にはいかない…。
「キス…しようかぁ……」
葵が真っ直ぐに俺を見つめる。
──いやいやいや……したいけどっ!……これで言うなりにキスをすれば先は一つだ……
こんな時間に、しかもこんな外から丸見えの部屋で……。
考えただけで顔が熱くなる。
「ちょっと待って……葵くん…。とりあえず2階行こうか……?」
「……なんで……?」
葵の眉間にしわが寄り声色もさっきまでと打って変わって怒りの色を帯びる…。
「俺とキスするのが嫌だって言った……?」
──言ってない!そんな事一言も言ってない!
「俺…そんな事、言ってないよね?」
つい笑顔が引き攣る……。
「じゃあ、してよ」
葵が起き上がり俺を睨みつける。
──キスする雰囲気では……
諦めて怒って俺を睨みつける葵にキスをした。
──いつもと違う……アルコールと…微かに桃の味がする……。
葵がいつもより激しく舌を絡ませ、俺の口の全てを舐め尽くす。
──これは……!?ダメなヤツだ……!!
俺は慌てて離れようとした……が……既に遅すぎた……。
潤んでいる葵の瞳が……獲物を狙う野生の肉食動物のそれのように変わっている…。
「……葵……くん……?」
葵はゆっくりと俺に覆い被さる様に移動してくる……。
アフリカで…ライオンに睨まれている小鹿の気分だ……。
「……ちょっと…落ち着こう…?ほら……外から丸見え……」
葵が俺の口を塞ぐ様に再びキスをした。
そのまま押し倒され…俺は完全に葵に組み敷かれた……。
「今日は……俺ね……」
耳元で囁いてから葵は俺の耳に舌を這わせる。
「……!?…あっ……ちょっ……と……葵!少し落ち着こう!せめて2階へ……」
そこまで言うと葵は「うるさい」と言いたげに眉をひそめまたキスをする。
葵の舌が激しく俺の口の中を蹂躙して、葵の右手を俺の部屋着のパンツがやすやすと受け入れてしまう…。
───着替えておけば良かった……
「──ん!…………」
葵の慣れた手つきに喉の奥から声が漏れると、葵の長い指がゆっくりと下へ下がっていった……。
結局…煌々と陽の当たる部屋で、まだ慣れない俺の身体がそれでも葵を受け入れ、逆の時とはまた違う快感に何度も満たされた……。
「気持ち……悪い……」
トイレから出てきた葵が真っ青な顔で俺に抱きついてきた。
「……当たり前だろ。初めてであんだけ飲めば……」
ソファーに座る俺の膝に頭を乗せ横になる。
「頭も痛い……」
俺は黙って葵の頭を優しく撫でた。
朝から飲んだせいか夕方から吐き出し二日酔いの様になりだした……。
「もう飲むなよな……」
そう言いながら……ちょっとなら…飲んでほしいと思ったことは……
今は黙っておこう……。
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