俊輔くんと葵くんの甘々な日常

海花

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逆転の定義

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「俺ってさ……童貞なの……?」
昼食を食べながら突然葵が言い出した…。
「───………………。」
俺は何と言っていいか分からず一瞬手を止めた後、黙って昼食を食べ続けた。
「……無視すんなよ…」
葵が俺を睨む。
俺はため息をついて食事の手を止めた。
「別に……童貞って訳じゃないだろ……多分……」
そう言われれば…………
…………童貞の定義って…なんだろう……
「だって…俺……入れたこと無い」
───そうなんだよな……
俺は過去、彼女もいたし…
その時は普通にセックスしてた訳で……
けど、葵は彼女いたこと無いし……
「────うーん…………」
俺も一緒に悩んでしまう……。
「女の子と……したい訳……?」
俺の言葉に葵が眉をひそめ
「そんな訳ねーじゃん」
怒ったように言う…。
──じゃあ…別にいいじゃん……
…気にする必要ないだろ……
けど、そこでふと気になった───
そもそも葵って……
純粋な同性愛者なの……?
俺は……多分…相手が葵だからで……
女の子としろと言われれば……
おそらく出来る……
──葵は……?
俺だから……男でもいいの……?
それとも───……
ヤキモチとかじゃなくて、純粋に気になる…。
もし万が一……
そんなこと絶対無いけど……
俺と葵が別れたとして……
多分俺は、この後普通に女の子と付き合うと思うけど……
葵は?女の子と付き合うのかな……
それとも……俺じゃない男と……?
いや……やっぱり多少のヤキモチがあるのかもしれない。
他の男と……って思うと何故かイラつく…
「……うぅん……」
俺が首をかしげると
「何考えてんの?」
葵が眉をひそめる。
「……お前ってさ…」
言いかけてやめた。
絶対怒らせる確信がある。
「なんだよ」
「いや、やっぱいい…」
「なんだよ!言いかけてやめるとか、感じ悪いんだけど!」
言いかけたことで既に怒っている…。
……ああ…
やっぱり怒られる運命なんだな……
俺は諦めて
「お前って女の子としたいと思ったことないの?18年間生きてきてさ…」
「……無いよ……」
「……じゃあ…男とは……?俺以外で……今でもしたい…とか思う?」
「──…………喧嘩売ってんの?」
……ああ……
そう来たか………
──まあ…確かに今のはマズかった……
葵の一番嫌がること言ってしまった……
「──もういい……」
そう言って葵は昼食をたべ、その後口をきいてくれなくなった……。

夕方の日差しが部屋に差し込む。
相変わらず葵は不貞腐れ、俺の言葉を全て無視している……。
俺は机の上に教科書を広げ課題に取り組んでいた。
あそこまでへそを曲げた葵をどうにかするのは無理だと思ったからだ。
謝りもしたし、機嫌もとった。
それでもダメなんだから…放っておくしかない……。
課題を進めていても、葵のことが頭の隅にこびりついて集中できない。

───俺以外の……
………………たった一人の存在……

思いが通じ合う前のことだし…
気にする必要無いって、何度も言った……

結局夕飯も一言も話さず、葵は食器を洗うとさっさと2階へ上がって行った……。
もう一度…ちゃんと謝ろう。
葵が同性愛者かどうかは関係ない…。
必要なのは。俺が葵を好きで……
葵も俺を好きでいてくれる事実だけだ……。
俺は葵の部屋の前で深呼吸してからドアを開けた。
「────葵……?」
ベットの上で横になり漫画を読んでいる。
もちろん返答は無い……。
「今日は……本当にごめん……」
葵がチラッと俺を見て再び漫画へ視線を戻した。
「……俺が……俊以外としたいと思う訳ないだろ……」
ボソッと呟く。
「本当に……ごめん……」
ちょっとデリカシー無さすぎた……。
「…………お前は……ある訳?」
漫画を置いて俺に視線を向ける。
「他のヤツとしたい……とか…」
「ないよ!葵……以外なんて……」

──考えられない……。
─葵以外の……肌に触れるなんて……。

「……どんな美人でも……?」
「ない!」
「めちゃくちゃスタイル良くて…おっぱいめちゃくちゃ大きくて……」
「なーいー!!」
思わず笑ってしまう。
葵がベットに座り腕を広げる……。
俺は不機嫌そうな顔を抱きしめた…。
「……ごめんな……」
「………………キスしてよ……」
屈みこみキスをして、そのまま葵を優しく押し倒す。
何度もキスをして舌を絡める……。
静かな部屋に舌の絡み合う音だけが響く。

何度キスしても……
何度肌を重ねても……
毎回…更に愛おしくなる……。

「……俊…………」
「……ん?」
葵の首筋に…肩に……キスを重ねる……。
「──あ……ンん…」
艶っぽくなる声にパジャマのズボンに手を忍び込ませ
反応し始めている葵を優しく手で愛撫する。
「……んん……ぁ…ん……」
葵の息遣いが熱を帯びる……。
「……俊………?」
耳元で艶めかしく名前を呼ばれ身体がカッと熱くなる。
「……ん……?」
再び葵にキスする。
激しく舌を絡めると、葵の手が俺のズボンに入リ込み完全に反応し切ったソレに指を絡ませる……。
「───あっ……」
思わず声を出した拍子に体勢を変えられ…
葵の腕に組み敷かれる……。
「……今日は俺が俊を抱いてあげる……」
「……………………え?」
───え?え?え?
……それ……どうゆう意味ですか……?
「朝言ったじゃん……。俺、『入れたことない』って……」
葵がそう言ってキスをしてくる。
激しいキスと葵の指の愛撫で高揚しながら必死に考える……
「……ン…ぁあ……ちょっ…と……待って……」
「大丈夫だって!…。最初は…ちょっと…痛いけど……すぐ気持ちよくなる」
葵が嬉しそうに笑う。
──いや、いや、いや、いや……
いくら葵が嬉しそうにしてても…
これは『ま、いっか』ってならないよね?
「ちょっと…待って……。葵が入れたことないってことは…俺も『入れられたこと無い』んですけど……」
葵が首を傾げ……もっと嬉しそうに
「───!!お互い……初めてだな」
そう言って俺のそれを口に含んだ……。
気持ち良さと不安が混ざり合い……
意味の解らない高揚感に必死に抗いながら……
夜が更けていった…………。




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