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第八章
367:エリックとアカシの行方
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ウォーリーがその安否を気にかけていた二人は、それぞれ分かれてインデストの街で生き残っていた。
エリックはアカシを包囲網の外に出した後、残った味方を率いて再び「サウスセンター」に篭城している。周りを囲む敵の動きは鈍く、にらみ合いのような状況が続いている。
時折小競り合いのような戦闘が行われるが、それも長くは続かない。
こちらの物資が尽きるのを待っているかのようにも思われる。
一方、アカシは包囲網から脱した仲間を六つのチームに分け、OP社の動向を確認している。
彼は携帯端末を持って脱出していたため、傍受さえ恐れなければエリックとの通信に何ら問題はなかった。
数十分前にエリックと通信を行った限りでは、犠牲は出ているものの「サウスセンター」の味方は持ちこたえているということだった。
それを聞いたアカシは「サウスセンター」をエリックに任せ、自身ははウォーリーとの合流を目指して突き進むことにした。
途中の戦闘でアカシ自身も負傷している。
左肩に金属棒の重い一撃を受け、激痛が走ったのだ。
しかし、痛みに耐えれば左肩を動かすことはできる。骨が折れていたり、関節が外れたりということはないようだ。
「まだまだ! こんなことでは止まらんぞ!」
アカシが雄たけびを上げながら両手でつるはしを振り回し、敵の中へと突っ込んでいく。
多勢に無勢ではあるが、アカシの側には勢いがあった。
彼は把握していなかったが、「サウスセンター」を包囲していたOP社の部隊はトップであるオオカワが行方不明になったことで、積極的な行動を取れずにいる。
トップからの指示がないことで、アカシたちの動きに受動的な対応はするものの、こちらを追ってきたり、包囲したりといった組織的な動きができない。
一方、ウォーリーのチームを包囲している部隊のトップはホンゴウである。
ホンゴウはまだ健在であるが、こちらも積極的にウォーリーを追い詰める動きは見せていない。
そうした中、アカシは街を縦横無尽に走り回り、OP社を撹乱していった。
だが、ウォーリーを見つけるには至っていない。
街の一角で大勢が輪になって道を塞いでいるところがあることは判明した。
探し求めている相手は、その包囲の輪の中にいるだろうとアカシは考えた。
その輪を突き崩そうと何度も攻撃を仕掛けたが、そのたびに跳ね返された。
逃げても相手が追ってこないのでその隙に乗じることもできない。その点では厄介だといえる。
(妙に敵の動きが鈍いな……一体どうしたというのだ?)
半日近くも同じことを繰り返しているので、アカシも焦れている。
もともと気の長いほうではない。
ハドリのやりように腹を立てて、社内の規程に背いてまで組合を作り上げてしまうような男である。おとなしく待つなど、性に合わないのだ。
周りの仲間を見ても、皆疲労している。
朝から戦い詰めだったから無理もない。
皆、無言でその場にたたずんでいる。
アカシも一度は、ここで休息を続けるか迷ったが、大きく首を横に振って自らを奮い立たせる。
(OP社と関係のないトワさんだって苦しいのに戦っている。それに引き換え、我々は関係者だ。関係者が戦わずして、トワさんに合わす顔があるか?!)
アカシはつるはしを握り直し、皆に号令をかける。
「敵も苦しいはずだ。行くぞ!」
アカシとその仲間達は再び敵の待ち構える通りへと駆け出していった。
エリックはアカシを包囲網の外に出した後、残った味方を率いて再び「サウスセンター」に篭城している。周りを囲む敵の動きは鈍く、にらみ合いのような状況が続いている。
時折小競り合いのような戦闘が行われるが、それも長くは続かない。
こちらの物資が尽きるのを待っているかのようにも思われる。
一方、アカシは包囲網から脱した仲間を六つのチームに分け、OP社の動向を確認している。
彼は携帯端末を持って脱出していたため、傍受さえ恐れなければエリックとの通信に何ら問題はなかった。
数十分前にエリックと通信を行った限りでは、犠牲は出ているものの「サウスセンター」の味方は持ちこたえているということだった。
それを聞いたアカシは「サウスセンター」をエリックに任せ、自身ははウォーリーとの合流を目指して突き進むことにした。
途中の戦闘でアカシ自身も負傷している。
左肩に金属棒の重い一撃を受け、激痛が走ったのだ。
しかし、痛みに耐えれば左肩を動かすことはできる。骨が折れていたり、関節が外れたりということはないようだ。
「まだまだ! こんなことでは止まらんぞ!」
アカシが雄たけびを上げながら両手でつるはしを振り回し、敵の中へと突っ込んでいく。
多勢に無勢ではあるが、アカシの側には勢いがあった。
彼は把握していなかったが、「サウスセンター」を包囲していたOP社の部隊はトップであるオオカワが行方不明になったことで、積極的な行動を取れずにいる。
トップからの指示がないことで、アカシたちの動きに受動的な対応はするものの、こちらを追ってきたり、包囲したりといった組織的な動きができない。
一方、ウォーリーのチームを包囲している部隊のトップはホンゴウである。
ホンゴウはまだ健在であるが、こちらも積極的にウォーリーを追い詰める動きは見せていない。
そうした中、アカシは街を縦横無尽に走り回り、OP社を撹乱していった。
だが、ウォーリーを見つけるには至っていない。
街の一角で大勢が輪になって道を塞いでいるところがあることは判明した。
探し求めている相手は、その包囲の輪の中にいるだろうとアカシは考えた。
その輪を突き崩そうと何度も攻撃を仕掛けたが、そのたびに跳ね返された。
逃げても相手が追ってこないのでその隙に乗じることもできない。その点では厄介だといえる。
(妙に敵の動きが鈍いな……一体どうしたというのだ?)
半日近くも同じことを繰り返しているので、アカシも焦れている。
もともと気の長いほうではない。
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周りの仲間を見ても、皆疲労している。
朝から戦い詰めだったから無理もない。
皆、無言でその場にたたずんでいる。
アカシも一度は、ここで休息を続けるか迷ったが、大きく首を横に振って自らを奮い立たせる。
(OP社と関係のないトワさんだって苦しいのに戦っている。それに引き換え、我々は関係者だ。関係者が戦わずして、トワさんに合わす顔があるか?!)
アカシはつるはしを握り直し、皆に号令をかける。
「敵も苦しいはずだ。行くぞ!」
アカシとその仲間達は再び敵の待ち構える通りへと駆け出していった。
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