ストランディング・ワールド(Stranding World) ~不時着した宇宙ステーションが拓いた地にて兄を探す~

※本作はフィクションです。実在の人物や団体、および事件等とは関係ありません。
※本作は海洋生物の座礁漂着や迷入についての記録や資料ではありません。
※本作には犯罪・自殺等の描写がありますが、これらの行為を推奨するものではありません。
※本作はノベルアップ+様でも同様の内容で掲載しております。

 西暦二〇五六年、地表から高度八〇〇キロの低軌道上に巨大宇宙ステーション「ルナ・ヘヴンス」が完成した。
 宇宙開発競争で優位に立つため、日本政府は「ルナ・ヘヴンス」への移住、企業誘致を押し進めた。
 その結果、完成から半年後には「ルナ・ヘヴンス」の居住者は百万にも膨れ上がった。
 しかしその半年後、何らかの異常により「ルナ・ヘヴンス」は軌道を外れ、いずこかへと飛び去った。
 地球の人々は「ルナ・ヘヴンス」の人々の生存を絶望視していた。

 しかし、「ルナ・ヘヴンス」の居住者達は諦めていなかった。
 一七年以上宇宙空間を彷徨った後、居住可能と思われる惑星を見つけ「ルナ・ヘヴンス」は不時着した。
 少なくない犠牲を出しながらも生き残った人々は、惑星に「エクザローム」と名をつけ、この地を切り拓いていった。

 それから三〇年……

 エクザロームで生まれ育った者たちの上の世代が続々と成長し、社会の支え手となっていった。

 エクザロームで生まれた青年セス・クルスも社会の支え手の仲間入りを果たそうとしていた。
 職業人の育成機関である職業学校で発電技術を学び、エクザローム第二の企業アース・コミュニケーション・ネットワーク社(以下、ECN社)への就職を試みた。

 しかし、卒業を間近に控えたある日、セスをはじめとした多くの学生がECN社を不採用となってしまう。
 そこでセスは同じくECN社を不採用となった仲間のロビー・タカミから「兄を探したらどうか」と提案される。

 セスは自分に兄がいるらしいということを亡くなった育ての父から知らされていた。
 セスは赤子のときに育ての父に引き取られており、血のつながった家族の顔や姿は誰一人として知らない。
 兄に関する手がかりは父から渡された古びた写真と記録ディスクだけ。
 それでも「時間は売るほどある」というロビーの言葉に励まされ、セスは兄を探すことを決意した。

 こうして青年セス・クルスの兄を探す旅が始まった……
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