Lilus（リーラス）　～意志によらぬ力を競え！～

空乃参三

文字の大きさ

大中小

40 / 102

一年目　二〇五七年

39：第三九回　一二月一五日　グランド・ファイナル・グランプリの競技内容

しおりを挟む

　こんばんは、レスコス・テラーサです！
　今日は記録ブースでの仕事を終えてからのコラム執筆なのです。
　今回はグランド・ファイナル・グランプリの競技がどのように行われるか説明しますね。

　通常、リーラスの競技はST、SP、CR、CU、VSの五パターンで行われます。
　例外が最高峰となるSランクの競技で、グランド・ファイナル・グランプリも五パターンに当てはまらない形となります。

　グランド・ファイナル・グランプリには特徴的な点が二つあります。
　ひとつは四ステップに分かれて行うこと。これは新人選手選抜競技と似ているかもしれません。
　もうひとつは第一ステップがチーム戦のように行われること、です。

　グランド・ファイナル・グランプリでは、一～六番のブースがランキング順、七番～一二番のブースが投票数順に割り振られます。
　一番～六番のブースの選手がランキングチーム、七番～一二番のブースの選手が投票チームになります。
　各選手は、選手紹介時に一テイク行い、チームごとの合計スコアを算出します。
　合計スコアが多いチームが勝利し、敗れたチームからは最初のテイクのスコアの下位三名が脱落します。この時点で一〇位～一二位が決定します。
　両チームの合計スコアが同じ場合は、再テイクを行います。再テイクの際は新しいカードを用意します。

　第二ステップは残された九人の選手で二テイクのスピード戦を行います。第二ステップ開始前に第一ステップのスコアはリセットされます。カードは第一ステップで残された八七枚を使用します。
　下位三名の選手が脱落し、この時点で七位～九位が決定します。カードの残りは一八枚減って六九枚になります。

　第三ステップは残された六人の選手で六テイクのクロス戦を行います。第三ステップ開始前に第二ステップのスコアはリセットされます。カードは引き続き残された六九枚を使用します。
　ここでも下位三名の選手が脱落し、この時点で四位～六位が決定します。カードの残りは三六枚減って三三枚になります。

　最終の第四ステップは残された三人の選手で行われます。
　年間のランキング一位がこの時点でも確定していないことも結構あって、そのようなときはお祭りムードから緊張感あふれる戦いになることも少なくありません。
　残された三名は第三ステップのスコアを持ち越したまま六テイクのストレート戦を行います。
　これで最終的な順位が決定する、ということになります。

　目まぐるしく競技の種類が変わるのと、年間ランキングの上位が次々と決まっていくことから、状況が動くたびに観客から歓声やため息が湧きおこってくるのも特徴です。
　実際にグランド・ファイナル・グランプリでランキング一位が交代した例も多く、一五位以下から逆転で年間ランキング一位になったことも過去に二度あります。
　最後の最後まで目が離せないのがリーラスらしいと言えるでしょう。

　それだけではなく、グランド・ファイナル・グランプリはリーラスでも屈指の人気競技です。この一競技だけで二〇億ミリパに迫る投票があった年もありました。
　ラメミリアには年間売上二〇億ミリパ以上の企業や団体は二〇に満たないのですが、そうした企業や団体の一年分の売上金額がわずか三〇分の競技に投じられることになります。
　ちなみにグランド・ファイナル・グランプリの投票は、最近はほぼ毎年一九億ミリパ台で推移しています。

　日本の公営競技では一つの競技でミリパに換算して九〇億の投票があったものもあるそうで、私たちリーラス運営会社の目標ともなっています。
　「グランド・ファイナル・グランプリ総投票金額一〇〇億ミリパ」
　「年間投票金額二〇〇〇億ミリパ」
　このふたつは、リーラス運営会社が目指すべき目標として掲げられているものです。

　グランド・ファイナル・グランプリは毎年盛り上がること必至です。
　年末の大一番に、是非、投票してみてください！

　最後に来年のこのコラムについてです。
　コラムにご意見やご質問、ご要望などを送ってくださった皆様、ありがとうございます。
　こうしたご意見やご要望の中で、「実際の競技の中継もして欲しい」とか「選手にスポットを当てた記事も読みたい」というものが多数ありました。
　今まではリーラスそのものを知っていただくことを中心にしていたため、主にルールやシャンロスの文化や風土に関する記事を発表していました。
　また、コラムの執筆者である私が主催者側で記録を担当していることもあり、特定の選手だけに着目したコラムを発表しにくい状況でもありました。
　これらの問題に対応し、ご要望をどのように実現するか、現在社内で検討中です。

　来年のどこからになるかはわかりませんが、ご要望に沿ったコラムを公開していく予定です。

　執筆者は日本語の問題がありますので、相変わらず私になるとのことです。引き続きお付き合いください。

　さて、次週はいよいよグランド・ファイナル・グランプリの週となります。
　次回は実況レポートの形でお送りしますのでお楽しみに。それでは！

しおりを挟む