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一年目 二〇五七年
27:第二七回 九月二二日 アリーナ周辺の観光ポイント
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こんにちは、レスコス・テラーサです。
明日は若手選手の頂上決定戦となる「フレッシャーズ・カップ」が行われます。
これから活躍しそうな選手を先物買いするのもリーラスに投票する楽しみの一つとされています。
今年の出場者の中から誰がブレイクするのか、目が離せません!
さて、今回は前回の続き。ラメーリの日本街、二ホリスの紹介の続きです。
日本公園には、日本の方にとって要注意の名物があります。重要なことなので覚えておいてくださいね。
要注意名物、それは公園内にある甘味処「いこい」の「たいやき」です。少なくとも日本の味に慣れ親しんでいる方は手を出さない方が無難だと思います。
見てくれこそ日本のたいやきと同じなのですが、実態はかなり異なります。
餡の代わりに入っているのは、バター味のくさやにジャムを混ぜたようなもので、これが暖かいのです。どういう訳かタバスコのような酸味と辛味があります。
少なくともラメミリア風の味付けでもないので、一体何を参考にしたのかよくわかりません。
皮もやたら甘いホットケーキのような味なのに、マスタードのような鼻にツンとくる香りがあります。
他にも日本風を謳っていながら、全然違うというものはありますが、この「たいやき」以上に危険なものはないと思います。
私や「リーラス運営会社」は日本公園やの公園内の施設の運営に関与していませんので、ご理解のほど、よろしくおねがいいたします。
日本の方向けの店といえば、日本公園の近くには寿司屋が二件あります。
公園の正門の脇にあるのが「和牛」、東門の近くにあるのが「石垣」というお店です。
「石垣」の方は個人店で、店主が石垣さんという日本の方です。なのでお寿司のスタイルも日本のものです。
シャンロスではごく一部の地域を除いて生魚を食べる習慣がないのですが、「石垣」の方は日本から空輸したネタも使っているので、まぐろやイカなどは日本と同じスタイルとなっているそうです。
お醤油とわさびも日本から入れていますが、シャリはシャンロスで「丸フラン」と呼ばれる穀物を、酢も丸フランから造ったものを使っているとのことです。
シャンロス産の魚介のネタもありますが、こちらは我々の舌に合うようにすべて火が通っています。
ラメミリアとしては少し高いお店ですが、シャンロスのネタで日本風の寿司を食べたい方にはオススメです!
一方、「和牛」の方はアレンジがかなり入っていて、日本の寿司とはかなり異なるものになっていますが、形的には辛うじて寿司、といった感じのものでしょうか。
こちらは大型店で、十数人の職人さんが中央のステージのような場所でパフォーマンスを披露しながら寿司を握るスタイルです。
単品注文も可能ですが、セットメニュー中心で、セットの種類が豊富です。
日本に住んでいる方から見るとセット名が寿司屋っぽくないのが特徴でしょうか。
聞いた話ではセットの種類が百近くあるらしいのですが、私が見聞きしたものでも「セアブラ」「サーロイン」「スキヤキ」「ミスジ」「ショウガヤキ」など寿司とはまるで関係ない名前です。
敢えて言えば肉関係の名前が多いかな、と思います。
おっと、ここで上司のナカリから追加の説明が入りました。
肉の部位は寿司のみのセットの名称の様です。
寿司に麺類がつくセットは日本料理の名称が、寿司にご飯ものがつくセット (日本の方からすると想像もつかないと思いますが、寿司にカツ丼やカレーなどがつくセットがあるのです)は日本の地名が付けられているのではないか、とのこと。
そういえば、セットに「フナバシ」とか「アヤセ」とかありました。「ブシ」という寿司と豚丼のセットもあるのですが、これもサムライの意味ではなくって地名みたいですね。今調べて初めて知りました。
二度目に来日した際に住んでいたアパートの最寄り駅のある路線と同じ会社が運営している鉄道にある駅名らしいです。
こちらの寿司は、カリフォルニアロールみたいなスタイルや、小さめのおにぎりに複数のネタをのせたスタイルなど、少なくとも日本で一般的なスタイルの寿司ではありません。
カレーやトマトソースのようなソースとかルゥに相当するものがかかっているものもあります。
敢えて言えば、ムンダスから空輸した肉のお寿司は、日本の握り寿司に近いスタイルだと思います。
二ホリスには「不死者の法廷」という大型のスーパーがあって、日本の食材や雑貨、書籍などが購入できます。
日本製品はラメミリアでも人気があって、文房具とか日持ちのするスイーツなどはかなり売れているようです。
皆さんも興味がありましたら、ラメミリアを訪れた際に是非、二ホリスに寄ってみてください。
自分の国がどのように見えているのかというのを楽しんでいただければと思います。
誤解もいろいろあると思いますが、その点はご容赦いただきたいのと、それも笑って楽しむのも旅の楽しみの一つではないでしょうか?
私も日本にラメミリア関係のお店や施設ができたら、それを訪れてみたいと思います。
今回はこのへんで、では!
明日は若手選手の頂上決定戦となる「フレッシャーズ・カップ」が行われます。
これから活躍しそうな選手を先物買いするのもリーラスに投票する楽しみの一つとされています。
今年の出場者の中から誰がブレイクするのか、目が離せません!
さて、今回は前回の続き。ラメーリの日本街、二ホリスの紹介の続きです。
日本公園には、日本の方にとって要注意の名物があります。重要なことなので覚えておいてくださいね。
要注意名物、それは公園内にある甘味処「いこい」の「たいやき」です。少なくとも日本の味に慣れ親しんでいる方は手を出さない方が無難だと思います。
見てくれこそ日本のたいやきと同じなのですが、実態はかなり異なります。
餡の代わりに入っているのは、バター味のくさやにジャムを混ぜたようなもので、これが暖かいのです。どういう訳かタバスコのような酸味と辛味があります。
少なくともラメミリア風の味付けでもないので、一体何を参考にしたのかよくわかりません。
皮もやたら甘いホットケーキのような味なのに、マスタードのような鼻にツンとくる香りがあります。
他にも日本風を謳っていながら、全然違うというものはありますが、この「たいやき」以上に危険なものはないと思います。
私や「リーラス運営会社」は日本公園やの公園内の施設の運営に関与していませんので、ご理解のほど、よろしくおねがいいたします。
日本の方向けの店といえば、日本公園の近くには寿司屋が二件あります。
公園の正門の脇にあるのが「和牛」、東門の近くにあるのが「石垣」というお店です。
「石垣」の方は個人店で、店主が石垣さんという日本の方です。なのでお寿司のスタイルも日本のものです。
シャンロスではごく一部の地域を除いて生魚を食べる習慣がないのですが、「石垣」の方は日本から空輸したネタも使っているので、まぐろやイカなどは日本と同じスタイルとなっているそうです。
お醤油とわさびも日本から入れていますが、シャリはシャンロスで「丸フラン」と呼ばれる穀物を、酢も丸フランから造ったものを使っているとのことです。
シャンロス産の魚介のネタもありますが、こちらは我々の舌に合うようにすべて火が通っています。
ラメミリアとしては少し高いお店ですが、シャンロスのネタで日本風の寿司を食べたい方にはオススメです!
一方、「和牛」の方はアレンジがかなり入っていて、日本の寿司とはかなり異なるものになっていますが、形的には辛うじて寿司、といった感じのものでしょうか。
こちらは大型店で、十数人の職人さんが中央のステージのような場所でパフォーマンスを披露しながら寿司を握るスタイルです。
単品注文も可能ですが、セットメニュー中心で、セットの種類が豊富です。
日本に住んでいる方から見るとセット名が寿司屋っぽくないのが特徴でしょうか。
聞いた話ではセットの種類が百近くあるらしいのですが、私が見聞きしたものでも「セアブラ」「サーロイン」「スキヤキ」「ミスジ」「ショウガヤキ」など寿司とはまるで関係ない名前です。
敢えて言えば肉関係の名前が多いかな、と思います。
おっと、ここで上司のナカリから追加の説明が入りました。
肉の部位は寿司のみのセットの名称の様です。
寿司に麺類がつくセットは日本料理の名称が、寿司にご飯ものがつくセット (日本の方からすると想像もつかないと思いますが、寿司にカツ丼やカレーなどがつくセットがあるのです)は日本の地名が付けられているのではないか、とのこと。
そういえば、セットに「フナバシ」とか「アヤセ」とかありました。「ブシ」という寿司と豚丼のセットもあるのですが、これもサムライの意味ではなくって地名みたいですね。今調べて初めて知りました。
二度目に来日した際に住んでいたアパートの最寄り駅のある路線と同じ会社が運営している鉄道にある駅名らしいです。
こちらの寿司は、カリフォルニアロールみたいなスタイルや、小さめのおにぎりに複数のネタをのせたスタイルなど、少なくとも日本で一般的なスタイルの寿司ではありません。
カレーやトマトソースのようなソースとかルゥに相当するものがかかっているものもあります。
敢えて言えば、ムンダスから空輸した肉のお寿司は、日本の握り寿司に近いスタイルだと思います。
二ホリスには「不死者の法廷」という大型のスーパーがあって、日本の食材や雑貨、書籍などが購入できます。
日本製品はラメミリアでも人気があって、文房具とか日持ちのするスイーツなどはかなり売れているようです。
皆さんも興味がありましたら、ラメミリアを訪れた際に是非、二ホリスに寄ってみてください。
自分の国がどのように見えているのかというのを楽しんでいただければと思います。
誤解もいろいろあると思いますが、その点はご容赦いただきたいのと、それも笑って楽しむのも旅の楽しみの一つではないでしょうか?
私も日本にラメミリア関係のお店や施設ができたら、それを訪れてみたいと思います。
今回はこのへんで、では!
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