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一年目 二〇五七年
13:第一三回 六月二三日 日本の皆様に知ってほしいリーラスやラメミリアのこと
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こんにちは、レスコス・テラーサです。
前回の記事は無事、上司の承認を得て掲載することができました。何ヶ所か修正させられましたが、こちらの伝えたいことは伝わったのではないかと思います。
さて、今回は何故わが社が日本に向けてリーラスを紹介しているのか、そのあたりの事情についてお話しします。
私が過去に日本に住んでいたことがあって、日本語が読み書きできるからということもあるのですが、それはあまり重要ではありません。
理由の一つはラメミリアに日本人のお客さんを呼びこみたい、ということです。
ドラリス国際空港には日本との定期便が就航していますし、移動時間も六時間程度と日本からだとヨーロッパやアメリカよりも近いです。
また、私たちの世界シャンロスは、日本でよく読まれている「現代の技術を持ち込んだファンタジー世界」にかなり近い世界だと言われています。
首都のラメーリやドラリス・リーラス・アリーナのあるドラリスを除いた各地は、ムンダスでいうところの中世的な風景が広がっています。
魔法は一般的ではありませんが、野生動物はムンダスでいうところのモンスターのような風貌のものが少なくありません。
何という名前かは知らないのですが、実際にシャンロスをモデルにした作品もあるそうですよ。
という訳で観光でラメミリアを訪れたい方も潜在的には結構いらっしゃるのではないかと思います。
物価もそれほど高くないはずなので、日本の方には来やすいかと思います。
ちなみにドラリスやラメーリ郊外の三ツ星ホテルが一泊七百~千五百ミリパくらいだと思います。
食事は星付きのレストランでディナーのコースとお酒を頼んで千~二千ミリパ、大衆食堂なら二〇〇ミリパもあれば豪遊できます。
一ミリパは大体一〇円くらいだと思ってください。
観光のオススメは勿論リーラスで遊ぶこと、ですが他にもあります。
ドラリスではドラーという生物に乗ってコルメ湖の上空や湖を回るというツアーが人気です。
ドラーは、ムンダスでいうところの東洋風の竜に近い生物で、二〇メートルを超える長い胴体に四本の手足と翼を持っています。
人間並みの知能もあり、シャンロス共通語限定ですが会話も可能です。
このドラーの背中に設けられた座席に乗ることができるのがツアーのウリです。
ちなみに地名のドラリスは、「ドラーの住処」という意味を持っています。
他にはマナ石の精製や野営の体験なども人気です。
もう一つの理由は、日本はリーラスのようなギャンブルを運営する最先端の国だとされているからです。
「リーラス運営会社」はラメミリアだけではなくシャンロス全体で最大の売上を誇る組織だとされています。
ですが、日本には「リーラス運営会社」に匹敵する売上を誇る組織がいくつもあるだけではなく、最大のものは数十倍の売上があります。
私もそうした組織がどのように運営されているかを学ぶために、日本に勉強に行ったことがあります。
かつてはこのような業界の印象が良くなかったこともあったと聞きましたが、現在は市民権を得て多くの人が楽しんでいるように感じました。
そこに至るまでには関係者の方の並々ならぬ努力があったのではないかと思われます。
これは私の勝手な想像ですが、日本の文化や人のものの考え方はIlasを受け入れやすいのではないかと思っています。
わが社と似たような事業を行っている組織が多数あるのも、それを物語っているのではないでしょうか?
また、日本では「くじ」というものを多数見ましたが、これはIlasを試すのに適した手段です。
日本にはIlasを試す機会が多くあり、Ilasの多さを示した人が重要視される社会だなと感じたことが多々ありました。
このあたりは文化的にラメミリアに近いように思いました。
リーラスはIlasを競う競技ですから、日本の文化やものの考え方にも合うのではないでしょうか?
スペースが少し余っているのでおまけの話を。
ラメミリアではリーラスを日本でいうところのスポーツに分類していますが、このコラムでは「競技」とか「試合」という表現をしています。
これは敢えてそういう表現にしています。
わが社では日本以外のムンダスの国に向けてもリーラスの情報を発信しています。
ところが「リーラスのどこがスポーツだ?」というクレームが何件も入りました。
クレームを入れた方たちに話を聞くとIlasの概念がスポーツという言葉に合わないのではないか、ということが浮かび上がってきました。
そこで上司 (前回も登場したナカリです)と相談して日本向けの記事については「競技」「試合」と書くようにすると決めたのです。
日本の方には我々ラメミリア人がリーラスをスポーツの一つである、と考えていると理解してもらえると嬉しいです。
Ilasの考え方を受け入れやすい素地のある日本ならば、きっと大丈夫。そう信じてやみません。
今日のところはこのくらいで、では!
前回の記事は無事、上司の承認を得て掲載することができました。何ヶ所か修正させられましたが、こちらの伝えたいことは伝わったのではないかと思います。
さて、今回は何故わが社が日本に向けてリーラスを紹介しているのか、そのあたりの事情についてお話しします。
私が過去に日本に住んでいたことがあって、日本語が読み書きできるからということもあるのですが、それはあまり重要ではありません。
理由の一つはラメミリアに日本人のお客さんを呼びこみたい、ということです。
ドラリス国際空港には日本との定期便が就航していますし、移動時間も六時間程度と日本からだとヨーロッパやアメリカよりも近いです。
また、私たちの世界シャンロスは、日本でよく読まれている「現代の技術を持ち込んだファンタジー世界」にかなり近い世界だと言われています。
首都のラメーリやドラリス・リーラス・アリーナのあるドラリスを除いた各地は、ムンダスでいうところの中世的な風景が広がっています。
魔法は一般的ではありませんが、野生動物はムンダスでいうところのモンスターのような風貌のものが少なくありません。
何という名前かは知らないのですが、実際にシャンロスをモデルにした作品もあるそうですよ。
という訳で観光でラメミリアを訪れたい方も潜在的には結構いらっしゃるのではないかと思います。
物価もそれほど高くないはずなので、日本の方には来やすいかと思います。
ちなみにドラリスやラメーリ郊外の三ツ星ホテルが一泊七百~千五百ミリパくらいだと思います。
食事は星付きのレストランでディナーのコースとお酒を頼んで千~二千ミリパ、大衆食堂なら二〇〇ミリパもあれば豪遊できます。
一ミリパは大体一〇円くらいだと思ってください。
観光のオススメは勿論リーラスで遊ぶこと、ですが他にもあります。
ドラリスではドラーという生物に乗ってコルメ湖の上空や湖を回るというツアーが人気です。
ドラーは、ムンダスでいうところの東洋風の竜に近い生物で、二〇メートルを超える長い胴体に四本の手足と翼を持っています。
人間並みの知能もあり、シャンロス共通語限定ですが会話も可能です。
このドラーの背中に設けられた座席に乗ることができるのがツアーのウリです。
ちなみに地名のドラリスは、「ドラーの住処」という意味を持っています。
他にはマナ石の精製や野営の体験なども人気です。
もう一つの理由は、日本はリーラスのようなギャンブルを運営する最先端の国だとされているからです。
「リーラス運営会社」はラメミリアだけではなくシャンロス全体で最大の売上を誇る組織だとされています。
ですが、日本には「リーラス運営会社」に匹敵する売上を誇る組織がいくつもあるだけではなく、最大のものは数十倍の売上があります。
私もそうした組織がどのように運営されているかを学ぶために、日本に勉強に行ったことがあります。
かつてはこのような業界の印象が良くなかったこともあったと聞きましたが、現在は市民権を得て多くの人が楽しんでいるように感じました。
そこに至るまでには関係者の方の並々ならぬ努力があったのではないかと思われます。
これは私の勝手な想像ですが、日本の文化や人のものの考え方はIlasを受け入れやすいのではないかと思っています。
わが社と似たような事業を行っている組織が多数あるのも、それを物語っているのではないでしょうか?
また、日本では「くじ」というものを多数見ましたが、これはIlasを試すのに適した手段です。
日本にはIlasを試す機会が多くあり、Ilasの多さを示した人が重要視される社会だなと感じたことが多々ありました。
このあたりは文化的にラメミリアに近いように思いました。
リーラスはIlasを競う競技ですから、日本の文化やものの考え方にも合うのではないでしょうか?
スペースが少し余っているのでおまけの話を。
ラメミリアではリーラスを日本でいうところのスポーツに分類していますが、このコラムでは「競技」とか「試合」という表現をしています。
これは敢えてそういう表現にしています。
わが社では日本以外のムンダスの国に向けてもリーラスの情報を発信しています。
ところが「リーラスのどこがスポーツだ?」というクレームが何件も入りました。
クレームを入れた方たちに話を聞くとIlasの概念がスポーツという言葉に合わないのではないか、ということが浮かび上がってきました。
そこで上司 (前回も登場したナカリです)と相談して日本向けの記事については「競技」「試合」と書くようにすると決めたのです。
日本の方には我々ラメミリア人がリーラスをスポーツの一つである、と考えていると理解してもらえると嬉しいです。
Ilasの考え方を受け入れやすい素地のある日本ならば、きっと大丈夫。そう信じてやみません。
今日のところはこのくらいで、では!
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