7 / 102
一年目 二〇五七年
6:第六回 五月五日 リーラス選手のお金事情
しおりを挟む
こんばんは! レスコス・テラーサです!
今日は競技の担当を終えた後に、この記事を書いてます。
我々がいる記録ブースの近くにいたお客さんが選手のお金事情がどうなっているか、という話をしていました。
ブースからは大きな声を出している外のお客さんの声が聞こえるのです。
言葉からするとムンダス、すなわちこちらから見れば日本などがある異世界から来た方のようでした。
というわけで今回は選手のお金事情についてお話しします。
まずは収入です。
選手として登録されている場合、「リーラス運営会社」から毎月決まったお金が支払われます。
日本語でいうところのお給料みたいなものですが、あくまで選手と会社とは個別に契約しているので選手契約料とでも言えばいいでしょうか。
これが現在だと月五万ミリパ。日本円に換算するときは一〇倍にすると近い値になると思います。
ちなみに選手になると最長四〇年契約を継続できます。詳しくは別の回に書きますけど、「リーラス運営会社」のあるラメミリアは選手を非常に大事にする文化を持っているためです。
後の主な収入は賞金と出場手当です。
出場手当は競技のランクに関係なく一試合三〇〇〇ミリパです。選手は通常年間五〇から七〇試合に出場しますので、選手契約料の他に一五万から二一万ミリパが追加されます。
賞金は五位までの選手に支払われます。一位が総賞金の四五パーセント、以下二五、一五、一〇、五パーセントとなります。
総賞金が一番多いのはSランクの「グランド・ファイナル・グランプリ」で五〇〇万ミリパですから、これに勝つと二二五万ミリパを獲得できます。
一番少ないEランクの試合は総賞金一〇万ミリパなので、一位で四万五千、五位で五千ミリパです。
ちなみに平均的な選手で年間の獲得賞金は一〇〇万ミリパを少し超えるくらいです。
それとは別にBランク以上の試合にはスポンサーがつくことがあります。この場合、スポンサーが拠出した金額を総賞金と同じ割合で配布します。
スポンサーが賞金として拠出できる金額は、競技の総賞金の半分までです。
今度は支出。
税金とかは選手の国籍などによって違いますし、リーラスの競技に直接関係ないので割愛します。生活費なども同様ですね。
リーラスの選手には選手年金という仕組みがあります。
これは選手を辞めた後、生涯に渡って支払われる選手独自の年金です。
支払は獲得した賞金の二パーセント。賞金支払い時に天引きされます。
もらう方の金額は選手としての活動年数や成績によって左右されますが、平均的な選手で月一万二千~一万三千ミリパになると思います。
それとは別に「会社派遣マネージャー」制度を利用している選手は、獲得した賞金の四パーセントを「リーラス運営会社」に支払います。
「会社派遣マネージャー」については説明が必要だと思うのでここで説明してしまいます。
選手が試合に出場したいときは、試合が開催される前週の水曜日に「出場登録申請」を行います。
この申請は選手本人か事前に登録した代理人のみが行うことができます。
この代理人として「リーラス運営会社」の社員を選ぶことができるのですが、こうして選ばれた社員のことを「会社派遣マネージャー」といいます。
社員を代理人に選ぶことにはメリットを感じる選手が少なくないので、今は六〇人くらいの選手がこの制度を使っています。
いかがでしょうか?
ちなみに、ですが、我がラメミリア共和国の平均的な社会人の年収は二〇万~三〇万ミリパくらいです。
我々の世界「シャンロス」は日本などと比べて裕福ではないので、こんな数字になっています。その分物価も安いですけど。
これでもラメミリア共和国は「シャンロス」にある国や地域の中では裕福な方です。他の国だと平均年収はラメミリアの六割から八割くらいという統計が出ています。
その中で平均一五〇万とか二〇〇万ミリパを稼ぐリーラスの選手たちは市民にとっての羨望の的なのです。
スター選手の中には五〇〇万ミリパ以上賞金を獲得する人もいますし、過去にはCMの契約料込みで一〇〇〇万ミリパに達した選手もいました。
一〇〇〇万ミリパあれば、シャンロスではお城が買えます。
早くから共和制を敷いていたラメミリアにはお城がほとんどないのですが、隣のキサデア王国やウサード君主国内にあるお城だと安いものでは四〇〇万ミリパもあれば買えるとのこと。
一〇〇〇万ミリパあれば名前の知れた王族などが過去に所有していた大きめのお城が買えるようです。
えっ?! リーラスを運営している側のお前の収入はどうなのかって?
そんなのに興味あるのでしょうか? 大した額ではないですし……上司と相談してきます!
(上司相談中……)
上司から許可下りました。外部に向けて公表している「リーラス運営会社」の従業員の平均年収ですが、三六万五千ミリパだそうです。
公表データなので、これは記事に書いてよいと上司からお墨付きをもらってきました。
私はまだ若くて経験が少ないのでこの数字よりは低い、とだけ言っておきますね。
では!
今日は競技の担当を終えた後に、この記事を書いてます。
我々がいる記録ブースの近くにいたお客さんが選手のお金事情がどうなっているか、という話をしていました。
ブースからは大きな声を出している外のお客さんの声が聞こえるのです。
言葉からするとムンダス、すなわちこちらから見れば日本などがある異世界から来た方のようでした。
というわけで今回は選手のお金事情についてお話しします。
まずは収入です。
選手として登録されている場合、「リーラス運営会社」から毎月決まったお金が支払われます。
日本語でいうところのお給料みたいなものですが、あくまで選手と会社とは個別に契約しているので選手契約料とでも言えばいいでしょうか。
これが現在だと月五万ミリパ。日本円に換算するときは一〇倍にすると近い値になると思います。
ちなみに選手になると最長四〇年契約を継続できます。詳しくは別の回に書きますけど、「リーラス運営会社」のあるラメミリアは選手を非常に大事にする文化を持っているためです。
後の主な収入は賞金と出場手当です。
出場手当は競技のランクに関係なく一試合三〇〇〇ミリパです。選手は通常年間五〇から七〇試合に出場しますので、選手契約料の他に一五万から二一万ミリパが追加されます。
賞金は五位までの選手に支払われます。一位が総賞金の四五パーセント、以下二五、一五、一〇、五パーセントとなります。
総賞金が一番多いのはSランクの「グランド・ファイナル・グランプリ」で五〇〇万ミリパですから、これに勝つと二二五万ミリパを獲得できます。
一番少ないEランクの試合は総賞金一〇万ミリパなので、一位で四万五千、五位で五千ミリパです。
ちなみに平均的な選手で年間の獲得賞金は一〇〇万ミリパを少し超えるくらいです。
それとは別にBランク以上の試合にはスポンサーがつくことがあります。この場合、スポンサーが拠出した金額を総賞金と同じ割合で配布します。
スポンサーが賞金として拠出できる金額は、競技の総賞金の半分までです。
今度は支出。
税金とかは選手の国籍などによって違いますし、リーラスの競技に直接関係ないので割愛します。生活費なども同様ですね。
リーラスの選手には選手年金という仕組みがあります。
これは選手を辞めた後、生涯に渡って支払われる選手独自の年金です。
支払は獲得した賞金の二パーセント。賞金支払い時に天引きされます。
もらう方の金額は選手としての活動年数や成績によって左右されますが、平均的な選手で月一万二千~一万三千ミリパになると思います。
それとは別に「会社派遣マネージャー」制度を利用している選手は、獲得した賞金の四パーセントを「リーラス運営会社」に支払います。
「会社派遣マネージャー」については説明が必要だと思うのでここで説明してしまいます。
選手が試合に出場したいときは、試合が開催される前週の水曜日に「出場登録申請」を行います。
この申請は選手本人か事前に登録した代理人のみが行うことができます。
この代理人として「リーラス運営会社」の社員を選ぶことができるのですが、こうして選ばれた社員のことを「会社派遣マネージャー」といいます。
社員を代理人に選ぶことにはメリットを感じる選手が少なくないので、今は六〇人くらいの選手がこの制度を使っています。
いかがでしょうか?
ちなみに、ですが、我がラメミリア共和国の平均的な社会人の年収は二〇万~三〇万ミリパくらいです。
我々の世界「シャンロス」は日本などと比べて裕福ではないので、こんな数字になっています。その分物価も安いですけど。
これでもラメミリア共和国は「シャンロス」にある国や地域の中では裕福な方です。他の国だと平均年収はラメミリアの六割から八割くらいという統計が出ています。
その中で平均一五〇万とか二〇〇万ミリパを稼ぐリーラスの選手たちは市民にとっての羨望の的なのです。
スター選手の中には五〇〇万ミリパ以上賞金を獲得する人もいますし、過去にはCMの契約料込みで一〇〇〇万ミリパに達した選手もいました。
一〇〇〇万ミリパあれば、シャンロスではお城が買えます。
早くから共和制を敷いていたラメミリアにはお城がほとんどないのですが、隣のキサデア王国やウサード君主国内にあるお城だと安いものでは四〇〇万ミリパもあれば買えるとのこと。
一〇〇〇万ミリパあれば名前の知れた王族などが過去に所有していた大きめのお城が買えるようです。
えっ?! リーラスを運営している側のお前の収入はどうなのかって?
そんなのに興味あるのでしょうか? 大した額ではないですし……上司と相談してきます!
(上司相談中……)
上司から許可下りました。外部に向けて公表している「リーラス運営会社」の従業員の平均年収ですが、三六万五千ミリパだそうです。
公表データなので、これは記事に書いてよいと上司からお墨付きをもらってきました。
私はまだ若くて経験が少ないのでこの数字よりは低い、とだけ言っておきますね。
では!
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる