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自分の工房を目指して(クリエイターズへ)

解放

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 同じ奴隷のヒルロップに今いる場所のことを聞くと檻の外からその答えが返ってきた。
商業都市フクキタル。それが今いる町の名前か。
でこの二人は誰だ?

「あんたは?」

そう聞いたら、太っている男が笑い出した。
さて?おかしなことを言っただろうか。もしかしたら、こいつは奴隷商人で俺はこいつの商品として扱われているのか?

「あんたは?か。クックック。面白いガキよのう。あんたは?じゃなくてご主人様だろ」

ご主人様だぁ!?キモイ。もう少し肉を減らせ。それにしても二人とも嫌な目で見やがる。先に隷属の呪いを解いてっと。対応次第では変なことしてきそうだ。
さっきステータス見たら凰牙の時とあまり変わらないから今なら簡単に抜け出せるし叩きのめすことができる。
あまり力で解決すると後で困りそうなのでここは金で解決しよう。

「ご主人様(笑)がここに何の用だ」
「ふんっ、そのような口すぐに聞けなくなるぞ」
「何が気に障ったか知らないが、俺はあんたの声が媚びを売る声に変えて手もみするをする未来が見えるぜ」
「ふんっ、そんなことは・・・」

太っている奴に向かって500年以上前の旧コインを投げ渡す。
男は手に取らず、腹で受けてそのままコインは下に落ちていった。
俺から投げ渡されたコインを頭に?が見えるくらい男は警戒して拾い上げ、コインを見て驚愕した。
さすがは商人、投げたコインがどんなものかわかったらしい。
物の価値が分からない娘ではないのでね。

「その金で自分を買おうと思ているのだが、投げ渡したのはお近づきのしるしだよ。懐にしまうといい」

男は懐にしまい。何事もなかったように続けた。

「そんなことはない。ご主人様と呼ぶがいい」
「おい、投げたコインの意味くらい分かるだろうに」
「知らんな、コインが偶然落ちていたのかもしれん」
「そういう態度をとるんだ。まだあるんだが・・・、それらもいらないということかな?」
「何!?まだあるだと・・・!?それはすごいが、昔の人は過ぎたるは猶及ばざるが如しといった。大量にあっても換金できなけれ意味がない」

現在500年以上前の旧コインは1枚=1億コインで取引できる。何百枚持っていてもそれを現在のコインに換金できなければ意味がない。それに旧コインは古いだけではなくそれ使われている材料が現在の技術では作ることができない。
使われている材料は現在の高位魔術の触媒になり、魔道具に使えば性能を5倍近くまで引き上げることができる。
450年前までは普通に使われていた。
とある国が『栄華の落日』を起こる前まで戻り、それをやめさせようとして現コインと変換して、かき集めて時を超える魔術を発動したがそれは失敗に終わったという。
それゆえに旧コインは希少性があり、欲しい人が後を絶たない。

「それとおまえさん、犯罪奴隷だろう。犯罪奴隷は刑罰年間奴隷として働ければならない。それ以降ではないと自分を買い戻すことができないという法律を知らないのか」

犯罪になんて起こしていなんだけど、刑罰何年だよ。無罪を主張する。
金はこちらのほうがあるんだ裁判やって勝訴するまで戦ってやるぞ。

「俺は盗みなどしていない」
「犯罪者は罪を犯していないとみなそういうのだ」

当たり前の返しにこちらの話を取り合ってくれない。
しかし、後ろのほうで控えていた男が懐から一つの装置を取り出した。

「元締め、ちょっといいですかな」
「なんですかな」
「実は『クリエイターズ』から新しい装置のモニターを頼まれまして。この装置を使えば犯罪を犯したそうでないか一発ではわかるというものです」
「おお、それはいいなら奴隷の小娘を見てくださらないか。自分が犯罪者ならふざけた口がきけなくなるだろう」
「そのことですが今見たのですが、彼女、犯罪を起こしてませんよ。さらに後ろにいる彼も」
「なんですと」

聞こえた内容はひょろい奴は犯罪を犯しているか、犯していないか見る装置のようだ。
そのような装置昔作ったことがある。
あの時は犯罪プレイヤーをあぶりだすために作ったものだ。
あれも出回っているのか。

「それはまことかな」
「ええ、間違いないでしょう」
「いけませんねぇ。犯罪を起こしていないのに犯罪奴隷と売っていたなんてことが国に知れたら大問題です。すぐに別の檻に移すようにしましょう」
「彼女は自分を買い戻せるでしょうからそのまま奴隷から解放しましょう」
「ですな。そこの者よ。すぐに彼女を檻から出すように」

商人は俺を檻からすように命令した。
すぐに俺の首輪と鉄球を外されて自由になり、詰所らしきところに連れられて体を洗われて、ボロボロの服から、金持ちの服へと着替えさせられた。
その後、談話室へ連れられた。そこに待っていたのはひょろい奴だけだった。奴隷商人は多分ヒルロップを別の檻へと移動の指示を出しているのだろう。
ひょろい奴には借りができてしまった。
まずは礼を言わねばなければ。

「ありがとうございます」
「礼が言えるとは、さっきとは大違いだ」
「誰でもいろんな猫か仮面は持っているものでしょう」
「そうだな。さすがは『クリエイターズ』が作った最新機器とんでもないな」
「助かりました。ですが、その装置を信用されてよろしいのですか?」
「『クリエイターズ』の機械はすでに実績があるものばかりだ。これもちゃんと機能するか見極めるために貸し出されたものさ」

確かにそれは町中の人に紛れた犯罪者プレイヤーを見つけるために作られたものだからそうだけど。
すでに実績があるならモニターする必要なくね?
もしかして俺が作ったものと従者たちが作ったもので違いがなかったかデータが欲しいのか。
一応助かったから、再会した時に礼でも言うか。あいつら喜ぶだろうか?

「ですが、所詮はただの小娘に装置を使う理由はないと思われます」
「確かに、ただの小娘なら使わなかっただろう。君が彼女に似ていなければ、何もしなかった」

彼女に似ていなければ?まさか、

「母さんとの間に何か?」
「知り合いだ。正確には彼女の兄であるガイウスの友人だ」

伯父の友人だったか、伯父経由で母さんと出会っていて顔が似ていた俺を見て装置を使ったのか。
従者たちだけではなく、伯父の交友関係にも感謝しなければ、あとで感謝の手紙を出そう。

「明日あたり、ガイウスも到着するだろう。その時に甘えるといい」
「そうはいきません。会わずにすぐに去ろうと思います」
「なぜだね。もしかして彼のことが嫌いかね」
「いえ、好き嫌いとかではなく。一度しか会ったことがないのでどう対応していいのかわかないだけです」
「そうかわかならいだけか。会う会わないは、その時に考えればいいだろう」
「はい」

まさか、すでに伯父に連絡を入れていたとは明日までにはここを去るか。
あまり迷惑かけたくないしな。

「それはさておき、本題に入ろう」

あれ?助けた理由は俺が母さんに似ていたからじゃなかったの?


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