課長のカミナリ

ぷりん川ぷり之介

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バレンタインデーのカミナリ

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 今年は節分とバレンタインデーを同時開催することにした。手作り割りチョコレートを買い、恵方を向いて無言でかぶりついた。今年の恵方は、東北東やや東。やや東ってなんだよ!

「田中くん、何してんの?」

 怪訝な顔をした課長と目が合った。恵方には、課長の席があった。職場でしなきゃよかった。

 田中は、課長のカミナリを恐れた。課長は抽斗を開け、何かを取り出した。恐怖のあまり、田中は目をつぶった。

「はい。田中くんに。」

「えっ…」

 田中は驚いて目を開いた。課長の手のひらには、明らかに義理チョコと分かる、黒いカミナリがあった。

 その後、課長は他の部下にも同じものを配って歩いた。(了)
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