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第九章
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重い瞼を少しずつ開いた。
賢吾の視界に、見慣れた白い天井が入った。
賢吾は気怠さを感じながら身体を起こし、状況を確認していた。
自分の家、自分の部屋であり、賢吾自身はパンツ一丁であることがわかった。
なぜここに?
と額に手を当て考えていると、
「賢吾。大丈夫か?」
部屋に入ってきた竜次が、不安と怒りを合わせたような表情で言った。
そうか、自分は昨日あのまま山下公園で気絶してしまい、竜次が助けてくれたのか。と賢吾は状況を把握する。それと共に、昨日の最悪な気分がよみがえってきた。
「面倒をかけちまってすまん」
気が塞いでいることを見せぬよう、賢吾は竜次の顔を見ずに言った。
「昨日お前が会社を出てから二時間ちょっとかな、向坂さんから会社に電話がかかってきて、お前に話があるってさ。会いに行ったはずなのにおかしいなと思って、電話をかけたらお前はおかしなことを口走るだろ? 位置情報を頼りにしてお前を山下公園で見つけたけど、死んでいるのかと思ったぞ。全く……電話に出ろや」
竜次の言葉の端々には怒気が込められていた。
「向坂さんからは何も聞いてないのか?」
「聞いたけど教えてくれなかった。重大なことなので、お前から指示があるまでは開示できないって……どんなことだよ」
イラ立つ竜次に対し、賢吾は目を逸らした。
舌打ちをした竜次は一つ息を吐き、
「向坂さんも話があるみたいだから、今から呼ぶぞ。それから、玲子とデカも来ている。着替えたらリビングに来い」
と言ってドアをバタンッと強く閉めた。
賢吾は大きな溜め息を吐いてから、部屋にある時計で時刻を確認した。
午後二時三十八分だった。
あの状態からずいぶん寝たな、と自嘲的な笑みを浮かべ賢吾は起き上がった。
部屋着である上下グレーのスウェットに着替え、賢吾はトイレで用を足した後一階へと降りた。そのままリビングに入ると、片倉と玲子がソファに座っている姿が目に映った。
「雁首揃えて……いつから暇になったんだ?」
ソファに座った賢吾は、表情筋を一切動かさずボソボソと言った。
「暇なわけないでしょ? 僕はさっき来たばかりですよ。社長が守屋さんをクビにするとか言うもんだから、わざわざ来たんです!」
「賢ちゃん、冗談だよね?」
憤る片倉と、困った顔をする玲子。しかし、賢吾は何も答えなかった。
竜次は温かいほうじ茶が入った湯飲みをテーブルに置くと、玲子の隣に座った。そして、竜次からも非難の視線を賢吾は向けられていた。
賢吾は湯飲みに手をつけ、ほうじ茶を一口飲んだ。フーッと息を吐いて、湯飲みを戻すと賢吾は口を切る。
「デカ、守屋さんがいなくなると厳しいか?」
「守屋さんが抜けた状況を社長も見ていたでしょう? 調整能力が凄いのは勿論ですが、そもそもメディタルは守屋さんが企画し主導しているアプリです。彼女なしでは成長しませんよ!」
賢吾の隣にいた片倉は、目を剥いて捲し立てた。
「じゃあ、メディタルを消すか……」
「社長ぉ!」
気の抜けた返事の賢吾に、片倉の強烈な怒号が響いた。
「賢吾、お前自分で何を言っているのかわかっているのか? ブリッツにも常駐しているんだぞ。井端さんの顔に泥を塗るつもりか?」
竜次は、怒りからだろうか眉間がピクピクと動いていた。しかし、賢吾の魂が抜けきった態度が変わることはなかった。無表情のまま、賢吾は竜次へと視線を合わす。
「俺が井端さんに土下座をしに行くよ。でも、多分許してくれると思う」
小さな声で賢吾は言い返し、ほうじ茶を飲んだ。
「賢ちゃん……何でよ? 何で楓ちゃんをクビにしなきゃならないの?」
玲子は泣きそうな顔になっており、声を震わせて言った。玲子の態度に呼応するかのように、竜次と片倉も厳しい視線を賢吾へ向け続ける。だが賢吾は意に介さず、ほうじ茶を飲んでは息を吐いてを繰り返していた。
玲子の言葉から、一分ほど経った頃。
賢吾は湯飲みをテーブルに置き、ソファへ深く座り直した。
……言うか。
と心の中で呟いた賢吾は、一度天井を見つめてから三人へと顔を向ける。
「守屋さんは……守屋楓じゃない」
賢吾が言う。しかし、三人共一様に怪訝な表情を浮かべていた。
「鉄楓だ」
三人の状態を置き去りに、賢吾は単調に続けた。
だが、状況が飲み込めていないのか、三人の態度は変わらなかった。そんな中で一番最初に気付き、顔が青ざめたのは竜次だった。
「鉄って……もしかして?」
「そうだよ」
竜次の問い掛けに、賢吾は平然と言った。この段階で玲子も気付いたらしく、顔が引きつっていた。
賢吾は深呼吸した後、
「守屋楓の父親は、鉄恭一だ」
そう、決定的に告げた。
「はぁ……」
小さな声と共に、竜次と玲子は沈痛な面持ちへと変わった。
「鉄恭一って……10.5爆破テロの犯人?」
片倉が信じられないといった様子で賢吾へ確認するが、賢吾は鼻を鳴らした。
「ああ、知ってるだろ? 俺の妹、真利亜を殺し、コウの精神を壊した元凶だよ」
またも賢吾は感情を全く込めずに言った。
輝成が苦しんでいた様を片倉も見ていたので、ようやく理解したのであろう。片倉は顔を両手で覆ってから、大きく息を吐いた。
「そういうわけでクビにしたい。いや……する」
淡々と続ける賢吾だったが、このタイミングで訪問を知らせるチャイムが鳴った。
玲子が玄関まで出迎えにいき、向坂と遠山をリビングに連れてきた。
向坂と遠山は深々と頭を下げたが、賢吾は会釈をしただけだった。
それから、竜次と玲子が向坂と遠山の分の茶を用意し、L字ソファには賢吾、片倉、玲子、竜次が座り、対面のカウチソファには向坂と遠山が座った。
「昨日お話しきれなかったことを、どうしても伝えたくて参りました」
向坂は鞄をソファの横に置き、また賢吾へ一礼した。
「自分も聞きたいことがあったので、丁度良かったです」
「聞きたいこととは、何でしょうか?」
向坂が賢吾の言葉に反応した。
「いや、それは後で聞きます。まずは昨日見せていただいた、守屋楓の戸籍謄本はありますか?」
賢吾はそう言い、向坂の返事を待った。向坂は鞄から一枚の紙を取り出すと、一度テーブルの上に置こうとしたが躊躇っていた。
「構いません」
と言う賢吾に促され、向坂は楓の戸籍謄本をテーブルの上に置いた。
賢吾の視界に、見慣れた白い天井が入った。
賢吾は気怠さを感じながら身体を起こし、状況を確認していた。
自分の家、自分の部屋であり、賢吾自身はパンツ一丁であることがわかった。
なぜここに?
と額に手を当て考えていると、
「賢吾。大丈夫か?」
部屋に入ってきた竜次が、不安と怒りを合わせたような表情で言った。
そうか、自分は昨日あのまま山下公園で気絶してしまい、竜次が助けてくれたのか。と賢吾は状況を把握する。それと共に、昨日の最悪な気分がよみがえってきた。
「面倒をかけちまってすまん」
気が塞いでいることを見せぬよう、賢吾は竜次の顔を見ずに言った。
「昨日お前が会社を出てから二時間ちょっとかな、向坂さんから会社に電話がかかってきて、お前に話があるってさ。会いに行ったはずなのにおかしいなと思って、電話をかけたらお前はおかしなことを口走るだろ? 位置情報を頼りにしてお前を山下公園で見つけたけど、死んでいるのかと思ったぞ。全く……電話に出ろや」
竜次の言葉の端々には怒気が込められていた。
「向坂さんからは何も聞いてないのか?」
「聞いたけど教えてくれなかった。重大なことなので、お前から指示があるまでは開示できないって……どんなことだよ」
イラ立つ竜次に対し、賢吾は目を逸らした。
舌打ちをした竜次は一つ息を吐き、
「向坂さんも話があるみたいだから、今から呼ぶぞ。それから、玲子とデカも来ている。着替えたらリビングに来い」
と言ってドアをバタンッと強く閉めた。
賢吾は大きな溜め息を吐いてから、部屋にある時計で時刻を確認した。
午後二時三十八分だった。
あの状態からずいぶん寝たな、と自嘲的な笑みを浮かべ賢吾は起き上がった。
部屋着である上下グレーのスウェットに着替え、賢吾はトイレで用を足した後一階へと降りた。そのままリビングに入ると、片倉と玲子がソファに座っている姿が目に映った。
「雁首揃えて……いつから暇になったんだ?」
ソファに座った賢吾は、表情筋を一切動かさずボソボソと言った。
「暇なわけないでしょ? 僕はさっき来たばかりですよ。社長が守屋さんをクビにするとか言うもんだから、わざわざ来たんです!」
「賢ちゃん、冗談だよね?」
憤る片倉と、困った顔をする玲子。しかし、賢吾は何も答えなかった。
竜次は温かいほうじ茶が入った湯飲みをテーブルに置くと、玲子の隣に座った。そして、竜次からも非難の視線を賢吾は向けられていた。
賢吾は湯飲みに手をつけ、ほうじ茶を一口飲んだ。フーッと息を吐いて、湯飲みを戻すと賢吾は口を切る。
「デカ、守屋さんがいなくなると厳しいか?」
「守屋さんが抜けた状況を社長も見ていたでしょう? 調整能力が凄いのは勿論ですが、そもそもメディタルは守屋さんが企画し主導しているアプリです。彼女なしでは成長しませんよ!」
賢吾の隣にいた片倉は、目を剥いて捲し立てた。
「じゃあ、メディタルを消すか……」
「社長ぉ!」
気の抜けた返事の賢吾に、片倉の強烈な怒号が響いた。
「賢吾、お前自分で何を言っているのかわかっているのか? ブリッツにも常駐しているんだぞ。井端さんの顔に泥を塗るつもりか?」
竜次は、怒りからだろうか眉間がピクピクと動いていた。しかし、賢吾の魂が抜けきった態度が変わることはなかった。無表情のまま、賢吾は竜次へと視線を合わす。
「俺が井端さんに土下座をしに行くよ。でも、多分許してくれると思う」
小さな声で賢吾は言い返し、ほうじ茶を飲んだ。
「賢ちゃん……何でよ? 何で楓ちゃんをクビにしなきゃならないの?」
玲子は泣きそうな顔になっており、声を震わせて言った。玲子の態度に呼応するかのように、竜次と片倉も厳しい視線を賢吾へ向け続ける。だが賢吾は意に介さず、ほうじ茶を飲んでは息を吐いてを繰り返していた。
玲子の言葉から、一分ほど経った頃。
賢吾は湯飲みをテーブルに置き、ソファへ深く座り直した。
……言うか。
と心の中で呟いた賢吾は、一度天井を見つめてから三人へと顔を向ける。
「守屋さんは……守屋楓じゃない」
賢吾が言う。しかし、三人共一様に怪訝な表情を浮かべていた。
「鉄楓だ」
三人の状態を置き去りに、賢吾は単調に続けた。
だが、状況が飲み込めていないのか、三人の態度は変わらなかった。そんな中で一番最初に気付き、顔が青ざめたのは竜次だった。
「鉄って……もしかして?」
「そうだよ」
竜次の問い掛けに、賢吾は平然と言った。この段階で玲子も気付いたらしく、顔が引きつっていた。
賢吾は深呼吸した後、
「守屋楓の父親は、鉄恭一だ」
そう、決定的に告げた。
「はぁ……」
小さな声と共に、竜次と玲子は沈痛な面持ちへと変わった。
「鉄恭一って……10.5爆破テロの犯人?」
片倉が信じられないといった様子で賢吾へ確認するが、賢吾は鼻を鳴らした。
「ああ、知ってるだろ? 俺の妹、真利亜を殺し、コウの精神を壊した元凶だよ」
またも賢吾は感情を全く込めずに言った。
輝成が苦しんでいた様を片倉も見ていたので、ようやく理解したのであろう。片倉は顔を両手で覆ってから、大きく息を吐いた。
「そういうわけでクビにしたい。いや……する」
淡々と続ける賢吾だったが、このタイミングで訪問を知らせるチャイムが鳴った。
玲子が玄関まで出迎えにいき、向坂と遠山をリビングに連れてきた。
向坂と遠山は深々と頭を下げたが、賢吾は会釈をしただけだった。
それから、竜次と玲子が向坂と遠山の分の茶を用意し、L字ソファには賢吾、片倉、玲子、竜次が座り、対面のカウチソファには向坂と遠山が座った。
「昨日お話しきれなかったことを、どうしても伝えたくて参りました」
向坂は鞄をソファの横に置き、また賢吾へ一礼した。
「自分も聞きたいことがあったので、丁度良かったです」
「聞きたいこととは、何でしょうか?」
向坂が賢吾の言葉に反応した。
「いや、それは後で聞きます。まずは昨日見せていただいた、守屋楓の戸籍謄本はありますか?」
賢吾はそう言い、向坂の返事を待った。向坂は鞄から一枚の紙を取り出すと、一度テーブルの上に置こうとしたが躊躇っていた。
「構いません」
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