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第三章
3-1
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横浜駅構内にあるスカイビル三十三階。
スカイビルの階層を多く占める某大手化粧品メーカー。そこの社長発案で催している立食パーティーに、本日賢吾と寺島は呼ばれていた。
この化粧品メーカーはソリッドの大口スポンサーでもあり、Flameとのコラボレーション企画を盛んにやっている。したがって、更なる資金調達のためには、こうして社長自ら出向くのは当たり前のことである。
しかしながら、接待、社長や重役同士との会食、このような懇親会での対応。とにかくも、相手に媚びへつらうことなどが、賢吾は壊滅的に苦手であった。
本当に輝成の腰巾着だったので、ほとんど輝成が対応していた。しかし輝成亡き後、社長である以上避けては通れなくなったわけだが、苦肉の策として必ず寺島を同伴させていた。
寺島はお世辞が上手く、知識も豊富で頭の回転は恐ろしく早い。育ちが良いので適切なマナーで接することも可能。これぞ営業マンの極み、と称しても過言ではない。
先程も賢吾が化粧品メーカーの社長と株の話になった途端、寺島は会話にまざり場を盛り上げ、賢吾にあたかも知識があったかのようにして終えた。
相手の社長も満足げにしており、良い意味での二枚舌というか。とにかくも、寺島が話術の天才であることは間違いない。
午後六時三十分。
午後三時から催されていた立食パーティーが終わり、新作の試供品が山のように入れられた紙袋を両手に抱え、賢吾と寺島はスカイビルを出た。
疲労の色を隠せない賢吾とは対照的に、寺島はケロリとして歩いていた。
確かに凄い奴なのだ。
……どうしようもない癖を除けば。
と賢吾は思いながら、寺島に追いつき肩を並べた。
「守屋さん順調みたいだね。あの歳であのプレゼン力、コミュ力も高いし、ウチのチームでも即戦力というかエースとしていける。くれないかなぁ」
「デカがお前にやるわけないだろ。めちゃくちゃ警戒されてるぞ」
賢吾は寺島に対し冷笑した。
「えー、俺が手を出すとでも?」
「実際、渡辺さんにもちょっかい出していたろ? デカには仕事ができるクズって言われてるし、俺もそう思ってる」
「酷い言われよう……ショック」
寺島はわざとらしく、しゅんとしていた。
「嘘つけ、お前のせいで何回社内恋愛で揉めたと思ってんだよ。大変だったんだからな。仕事ができなきゃ、デカじゃなくて俺でもクビにしてるわ」
これは事実である。
社内で二股、三股は当たり前。終いには寺島の妻である清美も参戦し、一時期社内が米ソ冷戦下のようにヒリついていたこともあった。
なお、輝成がいた時の寺島は大人しかったので、いかにあいつが優秀だったのかを再認識させられた出来事でもあった。
「渡辺さんは彼氏がいるし、さすがに手は出してないよ。守屋さんに至ってはデカのガードが堅すぎてね。今回は無理かなぁ」
「出そうとしてんじゃん!」
賢吾は唾を飛ばしていた。
「女性は寂しくなると、悲しくて泣いちゃうんだよ? だから助けなきゃ!」
悪びれもなく言う寺島に、女性はうさぎじゃねぇ。と賢吾は半目になった。
「お前と話してると、考え方が違いすぎて頭痛がしてくる」
「俺は社長のこと一皮剥けたと思ってるよ。良い傾向だね」
「ありがとよ」
賢吾は素っ気なく返した。
「でも、まだ青臭さが残ってるから、あそこの皮も早く剥いてね」
「剥けてるし!」
鼻息を荒げ、またも唾を飛ばす賢吾。仮性だけどな、と心の中で付け加えていた。
「もういい加減、風俗とかで筆おろしをしたら? 世界観変わるよ。童貞は取っておいたら価値が上がる、株や不動産物件じゃないから」
「俺は、童貞弄りをしてくるデカとお前が大っ嫌い!」
「大丈夫。俺は割りと好きだし」
寺島はにこやかにそう言って、賢吾の肩をポンっと叩いた。
こいつ……殴りてぇ……。
と、眉間をピクピクさせ怒りを押し殺しながら、足を進める賢吾であった。
二人は東横線みなとみらい線の入り口に着き、プラットホームへと歩みを再開するが、
「おい。なぜついて来ている? お前は横浜線だろ?」
と賢吾が言った。
そう、寺島の家は長津田駅が最寄りであり、横浜線で帰るはずなのだ。
「菊名で乗り換える」
寺島はキリッとした顔で言い返してきた。確かに、東横線と横浜線は菊名駅で乗り換えが可能だ。しかしながら、横浜から乗れるのにわざわざ乗り換える必要はない。
「どうせまた遊びに行くんだろ?」
「心外だな。この澄んだ瞳を見てよ!」
「どぶ川みたく濁ってるな」
勢い良く目を見開いた寺島に、賢吾は嫌悪感を剥き出しに吐き捨てた。
「まぁ、ちょっと知り合いのバーに寄るだけだから」
「お前、揉めるなよ? 会社に持ち込むなよ! 玲子を経由して清美ちゃん……」
「には言わない! そんな社長に一生ついて行く! じゃあね!」
そう、賢吾の忠告を遮って寺島はあっという間に去った。
やっぱり、仕事ができなきゃクビだなこいつ。と、賢吾の疲労は更に増した。
賢吾の歩く速度は自然と遅くなり、ゆっくりと会社へ戻った。
賢吾が会社に着いた矢先、人事チームがミーティングルームへ入っていく様が目に映った。そして、最後尾にいた片倉が帰社した賢吾に気付いた。
「あれ? 帰ってきたんですか?」
「資料を家に持ち帰ると、俺は忘れるんだよ」
「変なところで真面目ですね。直帰して、たまには女性と遊んだらどうです?」
嘲笑う片倉に、賢吾は深い溜め息を吐いた。
「お前と話していると、寺島を思い出すからムカつく」
「……は? あんなクズと一緒にしないでください!」
片倉はふくれっ面でミーティングルームへと入っていった。
同族嫌悪だな。と思い、賢吾は口角を上げた。
賢吾は自分のデスクへと向かっている途中、
「お帰りなさい」
プロジェクトチームの島から聞こえた声。
目線こそ賢吾とは合わせないものの、紛れもなく言ったのは橘であった。
スカイビルの階層を多く占める某大手化粧品メーカー。そこの社長発案で催している立食パーティーに、本日賢吾と寺島は呼ばれていた。
この化粧品メーカーはソリッドの大口スポンサーでもあり、Flameとのコラボレーション企画を盛んにやっている。したがって、更なる資金調達のためには、こうして社長自ら出向くのは当たり前のことである。
しかしながら、接待、社長や重役同士との会食、このような懇親会での対応。とにかくも、相手に媚びへつらうことなどが、賢吾は壊滅的に苦手であった。
本当に輝成の腰巾着だったので、ほとんど輝成が対応していた。しかし輝成亡き後、社長である以上避けては通れなくなったわけだが、苦肉の策として必ず寺島を同伴させていた。
寺島はお世辞が上手く、知識も豊富で頭の回転は恐ろしく早い。育ちが良いので適切なマナーで接することも可能。これぞ営業マンの極み、と称しても過言ではない。
先程も賢吾が化粧品メーカーの社長と株の話になった途端、寺島は会話にまざり場を盛り上げ、賢吾にあたかも知識があったかのようにして終えた。
相手の社長も満足げにしており、良い意味での二枚舌というか。とにかくも、寺島が話術の天才であることは間違いない。
午後六時三十分。
午後三時から催されていた立食パーティーが終わり、新作の試供品が山のように入れられた紙袋を両手に抱え、賢吾と寺島はスカイビルを出た。
疲労の色を隠せない賢吾とは対照的に、寺島はケロリとして歩いていた。
確かに凄い奴なのだ。
……どうしようもない癖を除けば。
と賢吾は思いながら、寺島に追いつき肩を並べた。
「守屋さん順調みたいだね。あの歳であのプレゼン力、コミュ力も高いし、ウチのチームでも即戦力というかエースとしていける。くれないかなぁ」
「デカがお前にやるわけないだろ。めちゃくちゃ警戒されてるぞ」
賢吾は寺島に対し冷笑した。
「えー、俺が手を出すとでも?」
「実際、渡辺さんにもちょっかい出していたろ? デカには仕事ができるクズって言われてるし、俺もそう思ってる」
「酷い言われよう……ショック」
寺島はわざとらしく、しゅんとしていた。
「嘘つけ、お前のせいで何回社内恋愛で揉めたと思ってんだよ。大変だったんだからな。仕事ができなきゃ、デカじゃなくて俺でもクビにしてるわ」
これは事実である。
社内で二股、三股は当たり前。終いには寺島の妻である清美も参戦し、一時期社内が米ソ冷戦下のようにヒリついていたこともあった。
なお、輝成がいた時の寺島は大人しかったので、いかにあいつが優秀だったのかを再認識させられた出来事でもあった。
「渡辺さんは彼氏がいるし、さすがに手は出してないよ。守屋さんに至ってはデカのガードが堅すぎてね。今回は無理かなぁ」
「出そうとしてんじゃん!」
賢吾は唾を飛ばしていた。
「女性は寂しくなると、悲しくて泣いちゃうんだよ? だから助けなきゃ!」
悪びれもなく言う寺島に、女性はうさぎじゃねぇ。と賢吾は半目になった。
「お前と話してると、考え方が違いすぎて頭痛がしてくる」
「俺は社長のこと一皮剥けたと思ってるよ。良い傾向だね」
「ありがとよ」
賢吾は素っ気なく返した。
「でも、まだ青臭さが残ってるから、あそこの皮も早く剥いてね」
「剥けてるし!」
鼻息を荒げ、またも唾を飛ばす賢吾。仮性だけどな、と心の中で付け加えていた。
「もういい加減、風俗とかで筆おろしをしたら? 世界観変わるよ。童貞は取っておいたら価値が上がる、株や不動産物件じゃないから」
「俺は、童貞弄りをしてくるデカとお前が大っ嫌い!」
「大丈夫。俺は割りと好きだし」
寺島はにこやかにそう言って、賢吾の肩をポンっと叩いた。
こいつ……殴りてぇ……。
と、眉間をピクピクさせ怒りを押し殺しながら、足を進める賢吾であった。
二人は東横線みなとみらい線の入り口に着き、プラットホームへと歩みを再開するが、
「おい。なぜついて来ている? お前は横浜線だろ?」
と賢吾が言った。
そう、寺島の家は長津田駅が最寄りであり、横浜線で帰るはずなのだ。
「菊名で乗り換える」
寺島はキリッとした顔で言い返してきた。確かに、東横線と横浜線は菊名駅で乗り換えが可能だ。しかしながら、横浜から乗れるのにわざわざ乗り換える必要はない。
「どうせまた遊びに行くんだろ?」
「心外だな。この澄んだ瞳を見てよ!」
「どぶ川みたく濁ってるな」
勢い良く目を見開いた寺島に、賢吾は嫌悪感を剥き出しに吐き捨てた。
「まぁ、ちょっと知り合いのバーに寄るだけだから」
「お前、揉めるなよ? 会社に持ち込むなよ! 玲子を経由して清美ちゃん……」
「には言わない! そんな社長に一生ついて行く! じゃあね!」
そう、賢吾の忠告を遮って寺島はあっという間に去った。
やっぱり、仕事ができなきゃクビだなこいつ。と、賢吾の疲労は更に増した。
賢吾の歩く速度は自然と遅くなり、ゆっくりと会社へ戻った。
賢吾が会社に着いた矢先、人事チームがミーティングルームへ入っていく様が目に映った。そして、最後尾にいた片倉が帰社した賢吾に気付いた。
「あれ? 帰ってきたんですか?」
「資料を家に持ち帰ると、俺は忘れるんだよ」
「変なところで真面目ですね。直帰して、たまには女性と遊んだらどうです?」
嘲笑う片倉に、賢吾は深い溜め息を吐いた。
「お前と話していると、寺島を思い出すからムカつく」
「……は? あんなクズと一緒にしないでください!」
片倉はふくれっ面でミーティングルームへと入っていった。
同族嫌悪だな。と思い、賢吾は口角を上げた。
賢吾は自分のデスクへと向かっている途中、
「お帰りなさい」
プロジェクトチームの島から聞こえた声。
目線こそ賢吾とは合わせないものの、紛れもなく言ったのは橘であった。
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