【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

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66. 異世界701日目 いろいろな人たちと再会しながらサクラへ

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66. 異世界701日目 いろいろな人たちと再会しながらサクラへ
 年始の休みが終わった翌々日、知り合いに見送られてオカニウムの町を出発した。前のこともあるので、今回はそれほど深刻にはならず、また今度来るときには絶対に顔を出してねという感じだった。ジェンはこっそり何か言われていたけど何だろうな?

 今回行くのは東にあるトルイサという町だ。まだこの時期は雪が残っていることもあるのでサクラに行くのはあきらめて、しばらくはこの町で狩りをしながら滞在する予定だ。

 6日ほど車を走らせてトルイサの町に到着。ここはまだ新しい町で魔獣の出現率が高いところなので冒険者が来るのは歓迎されている。今まで行ったことのある前線基地が発展したようなところだ。
 到着したのが昼過ぎだったのでまずは宿の予約へ。事前に聞いていた宿に行くと、900ドールと安いんだけど食事はついていなかった。まあこのあたりはしょうが無いだろう。

 このあと役場で登録手続きをしてから資料を確認する。とりあえず対象は上階位と可能な場合は良階位の魔獣も倒してみたい。

 オカニウムやアーマトから来ている人もいるみたいなので、もしかしたら知っている人もいるかもしれない。話を聞く限りでは変な絡みなどはないみたいなので大丈夫と思いたい。



 翌日朝一で町を出てから山の方へと向かう。町の近くはやはり冒険者が多いので少し離れたところに拠点を立てて狩りをした方が効率良さそうなので今回は日帰りではない。まあ定期的に町に戻ってくればいいだろう。

 町から1時間ほど車で走ってから車を降りて、さらに1時間ほど走ったあたりで拠点を建てる場所に大体目星をつける。索敵をしてみると魔獣はまだあまりいないので魔獣除けがあれば見張りをしなくても大丈夫そうだ。そこからさらに60分ほど走ったところが目的の場所になる。
 今回のターゲットの上階位の魔獣は牙兎、銀狼、大山猫、牙猪、大角牛、大熊、巨蛇、毒大蜥蜴という感じで、あとこのあたりで狩れそうな良階位はクレラニアでも狩った下位の金属蜥蜴、金属蠍くらいか?中位の巨猪とか巨角牛とかはやっぱりきついかなあ?

 前と同じように訓練を兼ねて退治していくのでペースはあまりよくないのは仕方が無い。ただしそれほど多くないけど、金属系の魔獣の金属蜥蜴や金属蠍も見つけることができたので、これは雷魔法を駆使して倒した。こっちは前と同じように鎚で倒す。

 雨のときは拠点で訓練をしたり、町に戻ったりしていた。町にいるときは他の冒険者と一緒に訓練をしたりもした。魔法についてもやっとレベルが上がりだしていたのでやる気も出てきたからね。
 他にも鍛冶や調合、付与魔法などもやっていると、正直時間が足りないくらいだ。まあいろいろなことに手を出しすぎているせいもあるんだけどね。

 金属系の魔獣の素材は役場でも買い取り対象になっていたのでポイント稼ぎによかった。やっぱり需要が多いんだろうね。このあたりはそれほど姿がないみたいなので余計に貴重だったみたいだ。
 何回か納めていると特別依頼が出ているといわれて依頼を受けることになった。期限は長いんだけど、やはりなかなか数が集まらないらしく困っていたようだ。今回も1匹まるごとの納品を頼まれたのでかなりの収入になった。


「ユータとカナじゃないか。久しぶり。」

 夕方に町に戻って素材の換金を行っていると、前にアーマトで一緒に訓練したり、魔獣狩りに行っていた二人を見つけたので声をかける。

「え?・・・もしかしてジュンイチなのか?こっちに来ていたのか。」

「うん、いろいろとまわって今はサクラに行く途中にここで狩りをしていくつもりでやって来たんだ。」

「ほんとに久しぶりだなあ。もう2年近くなるんじゃないか?」

「もうそんなになるのかな?そういえば最後に会ったのは一昨年の夏か・・・。」

「ジュンイチもジェニファーもお久しぶり。元気そうで何よりだわ。」

「カナも元気そうだね。」

「久しぶりに会ったし、折角だから一緒にご飯でも食べながら話さないか?」

「ああ、いい店を知っているからそこに行こう。」

 ユータおすすめの食堂に入ってから適当に料理を注文してもらう。

「「「「お互いの無事に乾杯!!」」」」

 二人はアーマトでしばらく狩りをしていたけど、1年ほど前にこっちに移ってきたようだ。今は上階位を目指して頑張っているところらしい。自分たちが上階位になっていることを聞いて驚いていたけど、特に嫉妬するわけでもなく、いろいろと質問される。戦い方のスタンスが自分たちに近いのでかなり参考になるらしい。
 そして自分たちを目標にすると言われてちょっと照れてしまったよ。もっと有名な人を目標にしてほしいと言っても、よく知らない人を目標にするよりは知っている人を目標にした方がいいからねと言われては仕方が無い。

 驚いたことにすでに結婚しており、結局パーティーメンバーは募集せずに二人でやることに決めて頑張っているようだ。前に話したように魔法を補助で使いながらの戦闘を行っているらしい。
 カナが治癒魔法を使えるようになったところまでは知っていたけど、いまはユータもカナも治癒魔法と回復魔法の両方が使えるようになっているようだ。薬を使わなくてすんでいるおかげで金銭的にかなり助かっているみたい。

 この日は色々と情報交換をしたりして別れたけど、そのあとも何度か一緒に訓練をしたり、食事をしたりした。近場で戦い方についても色々と指導したりしたりもした。

 狩りに行ったときに持って帰られる素材の量がネックとなっているみたいで、カサス商会の重量軽減バッグを購入するか悩んでいるようだった。確かに持って帰られる量で稼ぎがかなり変わってくるからねえ。
 今は使わなくなったのでといってサンプルで持っていた重量軽減バッグを渡すことにした。最初は遠慮していたけど、結婚祝いだと言ってなんとか受け取ってもらう。実は今売り出しているものよりも性能が高いものなんだけどね。70%くらい重量軽減できるはずなので従来の三倍の荷物が持てるようになっているはずだ。まあ重量的に大丈夫でも容量が大きくなると厳しいけどね。


 結局良階位については金属蠍や金属蜥蜴だけでなく、蹴兎、鉄蜘蛛、巨大蜘蛛を狩ることができた。少しは上達しているってことなのかな?
 良階位の魔獣の多くは知能が高いし、魔法耐性が高いことと魔法を使ってくるのが怖いところだ。魔法を使われるとなかなか近づけないからね。こちらを見つけて突撃してくるわけでもなく、魔法攻撃で牽制したりしてくるからなあ。
 蹴兎は風魔法を使うし、かなりの速度で攻撃してくるので怖かった。先に見つけることができて魔法で先制攻撃をしたあと、収納魔法の盾で防御できたからいいけど、やはり速度の速い魔獣は怖い。まだ体がそれほど硬くなかったからいいけど、ミスリルじゃなかったら今の技量じゃ危なかったかもしれない。慣れてくると動きを読んで倒せるらしいけどね。
 鉄蜘蛛は50cm位の大きさの蜘蛛なんだけど、魔法が効いたのでまだよかった。金属系には雷魔法を使えるのはかなり大きいね。他の魔法はほとんど効かないみたいだし、体も硬いのでひっくり返せなければ倒すこともできない。通常は手足や尻尾を切り落として動けなくしてからとどめを刺すらしいからね。かなり高レベルの武器じゃないと甲羅への攻撃は無理らしいし。
 巨大蜘蛛は1mくらいの蜘蛛なんだけど、とりあえず見た目が怖い。隠密のレベルが高いのか、頭上からいきなり襲ってくるのでかなり危ない。こちらもかなり堅くてなかなか剣の攻撃が通らない。魔法と剣の攻撃で少しずつ攻撃することでなんとかなった。
 良階位の魔獣は1匹ずつなら何とかなっているけど、2匹以上だったら今のところ逃げるしかない。索敵の能力は結構広いのでまだなんとかなっている感じだ。

 1ヶ月ちょっとここで狩りをしていると、そろそろ雪もなくなってきたという情報が入ってきたのでアーマトの町へと向かう。アーマトの町は5日ほどで到着できた。


~ユータSide~
 トルイサの町に来てからもうすぐ1年になる。アーマトの町で冒険者をやっていたんだけど、やっぱり家にいると甘えが出てしまうのかなかなか成長ができないと感じたのでカナと話をして町を出ることにしたんだ。
 親には反対されたんだけど、無茶はしないことを約束することで町を出ることは認めてくれた。ただその前に結婚だけはしておけと言われ、お互いの家族に祝福されて結婚することになった。本当はもっと一人前になってからしたかったんだけど仕方がない。カナとはいずれ結婚しようという話はしていたから結婚することには問題なかったけどな。

 こっちに来てから最初はやっぱり生活はかなり厳しかったけど、カナが治癒魔法だけでなく回復魔法まで覚えたので薬を使わなくてすんだのが大きい。おかげで薬代もかからないし、怪我で狩りにいけなくなるということもなかった。
 俺もなんとか治癒魔法を使えるようになったので今は回復魔法を覚えようとしている。カナと出来たら中級魔法まで覚えたいよねと言っている。
 ジュンイチ達に魔法を併用した安全な狩りの方法だけでなく治癒魔法についていろいろと教えてもらったのが大きいな。ジュンイチに会わなかったらまだアーマトから出ることは出来なかったかもしれない。おかげで今はちょっとずつだけどお金も貯まってきている。


 いつものように役場に報告に行くと声をかけられた。誰かと思ったらジュンイチとジェニファーだった。かなり立派な防具を身につけていたので一瞬わからなかったけど、間違いないみたいだ。
 久しぶりだったので一緒に夕食を食べようと言われて一緒に行くことにした。最近は自炊ばかりだったんだが、たまにはいいだろうとカナと話をした。

 驚いたことに二人はもう上階位になっていた。しかも他の国まで遠征してきたらしい。嫉妬するよりも憧れの気持ちの方が強かった。ほとんど同じ頃に冒険者になって、同じくらいの実力だったのにこんなになることができるんだと思った。高階位の人間がおごるもんだよと言って食事代は出してくれたのは正直言ってありがたかった。

 前にも色々と助言をしてもらったんだけど、今回も色々と戦い方について助言をもらうことができた。その後も何度か会ったときに一緒に訓練をしてもらったんだけど、やっぱり技量にかなりの差がついていた。
 治癒魔法や回復魔法についてもいろいろと教えてもらい、俺も回復魔法を使えるようになったのはうれしかった。
 後は医学の勉強をして治療するイメージをしっかりすればもっといろいろな治療ができると言われる。一般的にはレベルを上げるには神への信仰が必要だと言われているが、それよりも勉強の方を重視した方がいいと言われたのにはちょっと驚いた。ただこのことはいろいろと問題になってしまうかもしれないので他には言わないように釘を刺された。きっと教会の関係なんだろう。
 他の人に言われたらちょっと信じられなかったかもしれないが、二人の言うことなので信じてがんばっていくつもりだ。口ぶりからすると二人は少なくとも中級の魔法を使えるみたいだったしな。

 あと、最近購入を考えていた重量軽減バッグなんだけど、これを2つも譲ってくれた。さすがにこれは断ろうとしたんだけど、結婚祝い代わりに受け取ってくれと言われてもらうことにした。どうやら収納バッグを借りることができているので今は使っていないと言うことだった。これだけでも収入にかなり差が出るのでとてもありがたかった。
 そのあと狩りの時に使ってみると、かなり楽になって助かった。なんか聞いていたよりもさらに多くのものが運べるし、移動中の疲労も抑えられるおかげで素材はほとんど全部持って帰れるようになった。

 二人は1ヶ月くらいで町を出て行ったが、本当に今回色々と勉強させてもらった。すぐには難しいかもしれないけど、いい目標ができたと思っている。

 しばらくしてから、知り合いの冒険者が新しい重量軽減バッグを自慢していたので体験させてもらったんだけど、自分たちが持っているものと同じくらいの性能だった。あとで改めて確認してみると、自分たちのバッグも確かに重量が三分の一くらいになっていた。
 余っていたと言っていたけど、どう考えても最近販売になったバッグだよな。一つ1万2千ドールと言っていたから二つで2万4千ドールと今の2ヶ月近くの稼ぎに相当するものだった。いつか必ず恩返ししよう。


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