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56. 異世界495日目 結果の報告と今後の対応
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56. 異世界495日目 結果の報告と今後の対応
朝食を食べた後、もう一度二人にはくれぐれも注意するように言ってからジェンと二人でジョニーファン様の家へと向かう。昨日のうちに連絡を取ったところ、今日の朝からやってきていいと言うことだったのでよかった。
受付に行って中に通してもらい、ジョニーファン様と面談するといきなり謝られて戸惑ってしまった。
「こちらの管理ミスがあったみたいですまなかった。死にかけたと言うことを聞いていたんじゃが大丈夫だったのか?」
「ええ、危なかったのは確かですが、今は大丈夫です。こちらも不注意だったので自業自得だと思っています。どんなときでも最悪の事態を想定して護衛についてもらっておくべきでした。」
「そう言ってもらえると少しは気持ちが楽になるわい。」
今回のことはすべて報告が行っているみたいで、調査の時の警備体制について見直しを行うことになったらしい。申し訳ない。
「ところで上級の治癒魔法を使ったと聞いているが、治癒魔法もできるのか?」
「一応治癒魔法も使うことができます。上級の治癒魔法ではないと思いますよ。あくまで怪我を治せるレベルなので、腕が無くなっていたりとかの欠損した場合は元には戻せなかったと思います。」
「それでも傷跡もなく治したと聞いているからのう。ジェニファーさん、すまんが怪我をした腕を見せてもらうことはできないか?」
「それはかまいませんよ。」
そう言って右腕を見せると、ジョニーファン様はかなり興味深げに見ていた。
「正直全く治療した跡が分からないな。ここまでの治癒魔法となると上級の治癒魔法になるんじゃが、元の状態をイメージすることで傷跡も綺麗にできるのか?よく知っている相手だからこそできた治療なのかもしれんな。これは研究の価値があるやもしれん。
上級の治癒魔法でも見た目は治っても後遺症が残ることも多いんじゃ。別の人に治療してもらうと改善する場合もあると言う報告もある。
特に後遺症や違和感はないんじゃな。」
「ええ、さすがに少し筋力は落ちたような感じはありますが、特に問題ありません。」
さすがに遺伝子の話まではできないため、細胞の中にもとの状態の情報があると考えており、それをもとに治療をしたというところまでは話しておいた。ただイメージ的なものなのでうまく伝えられないと言うことでごまかしておく。
「確かに上級の魔法で治療するにしても、元の体の情報はどこから手に入れるのかと考えると体の別の部分にも体全体の情報が入っていると考えた方が正しいか。なるほどのう・・・。」
いろいろと新しい情報があって考え込んでいるようだ。しばらくは声をかけない方がいいだろう。
「さて、それでは今回の調査の結果について報告してもらって良いかな?」
「はい、分かりました。すでにある程度報告は聞いていると思いますが、自分たちの考えを元に少し説明させてもらいます。」
まず発見した魔符核などは効果を説明し、相場で引き取ってもらうこととした。事前に価格については調べていたみたいで、提示された価格を見ると、収納の宝玉はかなりの高値になるようだった。やっぱり装飾品の形態で収納が出来るというのは価値が高いらしい。
壁画についてはこちらで少し解読した結果と併せて報告した。古代ライハン語についての研究はあまり進んでいなかったのでかなりの成果と期待できるようだ。
自分たちが解読した範囲では外の壁画と中の壁画の相関はとれているので、結構役に立ちそうだ。いくつかの法則性や単語の意味について報告していく。今後はかすれて見えなくなっている文字についても調査を行っていくらしい。
魔獣石が大量にあった場所については、施設の魔素を供給する施設ではないかと説明した。魔素を吸収する付与魔法はすでに機能しなくなっていて、文字も読めなかったけど、付与魔法からケーブルが接続するようになっていたので、魔獣をそこで倒し、それを自動で吸収する形にしていたのではないかと考えている。
もともとちゃんと機能していて壊れたのか、それとも途中でこわれたのかわからないけど、このようなことができるのであれば消費魔素量にもよるけど魔素を永久に供給できるシステムになるのかもしれない。他の付与魔法は魔獣がわくためのものや浄化のためのものではないかと考えている。
ただこのことから考えると、古代文明も魔素の供給方法については魔獣石を上回るものが作り出せなかったのだろうと思われる。
あと道しるべの玉についても話をしておいた。原理はわからないけど、転移したのは間違いなさそうなこと、もう一度使おうとしたが発動しなかったことなど説明するとかなり興味を引いていた。
発動条件についてもよくわからないけど、ジェンがどこかに逃げたいと強く願ったことが条件だったかもしれない。鎧のポケットに入れていたから発動してくれたんだろうね。それと併せて海賊の伝説の話についても少し話しておいた。
結局お昼もごちそうになり、話が終わったときにはすでに5時をまわっていた。思ったよりも遅くなってしまったな。
「今回の報酬と買い取りの代金は明日役場で受け取ってくれ。報酬は基本報酬の3万ドールにかなり上乗せしておるから期待してくれていいぞ。」
「本当ですか?どのくらいなんですか?」
「それは明日の楽しみにとっておいたほうがいいじゃろ。」
結局金額は教えてくれなかったけど、明日には分かるからまあいいか。
宿に戻ると二人もすでに部屋に戻って今日の出来事についていろいろと盛り上がっていた。こういう大きな町に出るとテンションは上がるよね。
「知り合いに紹介状をもらえたので明日役場に行って話しを聞いてもらうことになりました。明日の朝一で行こうと思っていますので準備をしておいてくださいね。」
二人が今後生活する場所についてジョニーファン様に相談したところ、役場の人物を紹介してくれたので良かったよ。
「わかりました。」
このあと二人と一緒に夕食に行き、明日に備えて早めに寝ることにした。さすがに移動続きで疲れていたしね。
朝食を取ってから1時半頃に役場に行ってみる。まずは二人のことを相談したいので、二人に待ってもらい、とりあえず総合受付に行ってみる。
「すみません、こちらにステファニーさんという方はいらっしゃいますか?」
「ステファニーですか?えっと、こちらには二人いるのですが、部署などはわかりますか?」
たしか紹介状に宛先が書かれていたような気がするな。紹介状を見せるとなぜか顔色が変わった。
「ステファニー部長宛て?えっ?ジョニーファン様からの紹介状?ええっ?」
やっぱり紹介者が有名すぎたのかな?
「少々お待ち下さい!」
そう言うとなにやら電話のようなもので連絡を取ってから紹介状を持ってどこかに行ってしまった。受付はいいのかな?
「なんか前に車を買いに行ったときにもあったような気がするね。」
「そうね。ジョニーファン様の名前はさすがに大きすぎたかしら?」
ジェンも苦笑いしている。
しばらくして年配の男性をつれてやってきて部屋に案内されたので、スイートさんとミルファーさんも一緒に来てもらう。
「初めまして、事務部の部長をやっているステファニーと申します。」
「初めまして。アースというパーティーを組んでいるジュンイチと言います。隣にいるのが同じメンバーのジェニファーです。あと、こちらの二人が今回相談してもらいたいスイートさんとミルファーさんです。」
簡単に挨拶をすませる。
「紹介状に簡単な説明は書かれていましたが、改めてご説明いただいてもよろしいでしょうか?もちろん紹介状の内容を含めてここでの話は外に出すことはありません。」
「わかりました。ミルファーさんたちもいいですか?」
「「はい。」」
これまでのいきさつと女性二人のことについて話をする。
「なるほど、そういう事情ですか。それでしたら移住にちょうどいい案件がありますので、担当者に来てもらいましょう。担当者には移住を希望しているとだけ説明いただければ大丈夫です。」
しばらくして担当という女性がやってきていた。ステファニーさんはまた帰るときに声をかけてくださいと言って退席していった。
「初めまして、開発課の担当のジュネリウムといいます。」
「初めまして・・・」
お互いに簡単に自己紹介した後、担当者からは移住について説明があった。
現在、この町の西の方(今はここからの直接の街道はないらしい)に新しく町を建設しているところがあり、町の体裁はかなりできあがってきているらしい。今後のことを考えて移民者を追加で募集しているみたいで、そこに行ってはどうかと言うことだった。もちろん建設中の町なので大変ではあるけど、国が行う事業なので危険度もかなり低いみたい。
新しい町なので前からのしがらみも少ないため、やり直すにはちょうどいいのかもしれないね。
二人ともかなり前向きに考えているようだ。このあと時間があるのであれば1時間くらいで簡単な能力の確認を行えないかと聞いてきた。どうやら現地での仕事の斡旋の使うらしいので二人とも受けてみることにしたようだ。
二人をジュネリウムさんに任せて、自分たちは依頼の報告に行くことにした。受付に行くと今回も部屋に案内される。
「すみません。報酬の内容説明のこともあったのでこちらの部屋で説明させていただきます。」
「いえ、お手数をおかけして申し訳ないです。」
「今回の報酬についてですが、基本報酬は3万ドールですが、調査結果に関する追加報酬があります。
まずは調査内容の報酬なんですが、2つの追加報酬が出ています。1つは古代語に関する調査結果についてなんですが、遺跡の発見とその解読についての報酬が32万ドールとなります。また古代遺跡の調査および考察についての報酬が15万ドールとなります。」
「調査の報酬ってこんなに高いものなのですか?」
「調査結果については依頼主の判断ですが、調査結果に対する報酬は数百~数百万ドールとかなり幅が広いのでとくにおかしな額では無いと思いますよ。額を考えるとかなり評価の高い調査結果だったように思います。詳細はわかりませんが、迷惑をかけた見舞金も含まれているという話です。」
このあと調査内容についての詳細な説明やその報酬額についての説明があった。
「続いて魔道具の買い取りに関する報酬です。まずはこちらで買い取らせてもらう場合の価格は、収納の宝玉が最も高くて120万ドール、その他の魔道具が全部で53万ドールとなり、合計で173万ドールとなりました。」
この買取額についても現在の販売価格が提示され、そこからの買い取り価格について説明を受ける。収納の宝玉についてはオークションの結果からの買い取り価格となったけど、オークションにかければ1~2割ほど、場合によっては3~4割高くなる可能性があるらしい。手数料は取られるけどね。ただオークションの開催まではまだ時間がかかるのですぐには入金できないらしい。
他の買取額についても価格に不満があれば買い取りはなしでもかまわないと言うことだったけど、自分たちが知っている範囲の価格を考えてもそこまでずれていなさそうなのと、追加でもらえる実績ポイントを考えてこの金額で納得する。
「それではこちらで買い取らせてもらうと言うことで進めます。魔道具発見の追加報酬としてその1割となる17万3千ドールが報奨金として追加されます。以上で合計額が240万3千ドールとなります。お金はカードへ振り込みしておきますがよろしいですか?」
250万近くの報酬・・・。半端ないな・・・。装備更新で300万ドールくらい使ったけど、かなり回収できたな。
「お金は振り込みでお願いします。」
「しかし、収納の宝玉は自分たちで使わなくてよかったんですか?なかなか手に入らないものですし、確かに買い取り額は高いですが、それ以上のメリットもあると思うのですが・・・。」
「ええ、容量がもっと大きければよかったんですが、少し大きめの収納袋を長期間借りることができているので今は実績とお金の方がいいかと思っています。」
「わかりました。それでは問題なければこちらの書類にサインをお願いします。確認後にお金の振り込みを行います。」
報酬額にも驚いたけど、実績もかなり貯まったのが大きいな。良階位への実績ポイントも6割くらいまで貯まっているらしい。普通は早くても2年くらいかかるらしいのに、1年もたたずにここまで貯まったのは大きいなあ。
説明を聞き終えると、ちょうど1時間ほど経ったのでジュネリウムさんのところへ向かう。二人は能力調査が終わって結果を待っているところだった。
「お疲れ様でした。試験はどうでしたか?」
「うーん、ある程度出来たとは思いますが、正直どのくらいのレベルなのかは分からないですね。」
「私も同じ感じかな。全く出来なかったというわけではないので何とかなるとは思うんだけど。」
しばらくして部屋に呼ばれたので皆で中に入る。
「まずは結果から報告します。お二人ともに読み書きについては十分なレベルとなっています。また算術計算についても十分なレベルを持っており、特にミルファーさんは商売の手伝いをされていたこともありかなりのレベルとなっています。スイートさんは宿の手伝いをしていたと言うことで料理や家事のスキルが高いですね。お二人ともこのくらいのスキルがあれば新しい町でも仕事に困ることは無いと思います。」
「「ほんとですか!?」」
二人ともにかなりの好印象のようだ。
「具体的にどのような仕事に枠があるのかは現地に行ってもらわないと正確にはわかりませんが、十分に紹介できるレベルですので、大丈夫ですよ。」
「「よかったですね。」」
「「はい!」」
「ジュンイチさん。それで現地までの移動についてのサポートをお願いできないでしょうか?通常の護衛依頼と違って報酬も実績ポイントも固定で高くはないのですが、彼女たちも知り合いの方が気を遣わなくて済むと思いますので・・・。」
「そういうことなら大丈夫ですよ。もともと言われなくても二人を連れて行こうと思っていましたので、問題ありません。」
「それでは護衛依頼を出しますのでよろしくお願いします。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「あと、こういうことを言うのはほんとはいけないことのですが、もし可能なのであればジョニーファン様からの紹介状を出してもらうと彼女たちも助かると思いますよ。この国で魔道士様の紹介状を持っている人に変な気を起こす人はいないと思いますので。」
「そうなんですか?それじゃあ出発前に少し頼んでみます。」
「え?ジョニーファン様って・・・魔道士様?」
「ジョニーファン様の知り合いなのですか?」
なぜか二人が驚いている。
「魔法のことで少しお世話になったんですよ。今回の遺跡の調査依頼も魔道士様が手配してくれたものなんです。」
「「申し訳ありません!!」」
おもむろに土下座する勢いで頭を下げられてしまった。
ジェンと二人でどうすればいいのか固まっているとジュネリウムさんが説明してくれた。
「この国で魔道士様の知り合いと言うだけでかなりの実力や地位のある人ということで、憧れの対象となっているんです。一般市民にとってはおそらくこのような反応が普通だと思いますよ。」
まじか・・・。なんか普通に研究馬鹿なおじいさんという感じで接していたよ。下手したら首が飛んでいたのか?
「知り合いと言っても特に地位とかあるわけでもないただの一般人なのでそんなに謝られても困ります。いままでと同じように接して下さい。」
「「いいのですか?」」
「もちろんです。」
なんとか二人からの誤解を解いてから役場を後にする。とりあえず他にも用事があるため、出発は3日後ということで準備をすることにした。
早めのお昼を食べてから移動中の食料などを購入しておく。今回の移動は結構距離があることと、途中の村などに泊まっていくと距離が中途半端でかなり効率が悪いため、二人には内緒にしてもらう前提で拠点に泊まることにした。
野営と言うことで二人はちょっと心配みたいなので、いったん郊外に出て拠点を見せることで納得してもらった。かなり驚いていたけどね。
拠点にセットするコンロなどを見てかなりテンションを上げていた。これならいろいろな料理ができると言っていたのでいろいろと食材も買い出すことになった。移動中の料理は任せても良さそうな感じだな。
他にも寝具など必要なものを買い足したんだけど、衣類関係の買い物の同行は途中で断念して先に宿に帰らせてもらった。やっぱり女性の買い物に付き合うのはしんどいよ。夕食も3人で楽しんできてと言って自分は部屋で簡単に食べることにした。
ジェンが戻ってきたのは7時を回ったくらいでかなりうれしそうにしていた。久しぶりの女性同士の買い物でテンションが上がっているみたいだ。こういうのは男には理解できないことなんだよなあ。
朝食を食べた後、もう一度二人にはくれぐれも注意するように言ってからジェンと二人でジョニーファン様の家へと向かう。昨日のうちに連絡を取ったところ、今日の朝からやってきていいと言うことだったのでよかった。
受付に行って中に通してもらい、ジョニーファン様と面談するといきなり謝られて戸惑ってしまった。
「こちらの管理ミスがあったみたいですまなかった。死にかけたと言うことを聞いていたんじゃが大丈夫だったのか?」
「ええ、危なかったのは確かですが、今は大丈夫です。こちらも不注意だったので自業自得だと思っています。どんなときでも最悪の事態を想定して護衛についてもらっておくべきでした。」
「そう言ってもらえると少しは気持ちが楽になるわい。」
今回のことはすべて報告が行っているみたいで、調査の時の警備体制について見直しを行うことになったらしい。申し訳ない。
「ところで上級の治癒魔法を使ったと聞いているが、治癒魔法もできるのか?」
「一応治癒魔法も使うことができます。上級の治癒魔法ではないと思いますよ。あくまで怪我を治せるレベルなので、腕が無くなっていたりとかの欠損した場合は元には戻せなかったと思います。」
「それでも傷跡もなく治したと聞いているからのう。ジェニファーさん、すまんが怪我をした腕を見せてもらうことはできないか?」
「それはかまいませんよ。」
そう言って右腕を見せると、ジョニーファン様はかなり興味深げに見ていた。
「正直全く治療した跡が分からないな。ここまでの治癒魔法となると上級の治癒魔法になるんじゃが、元の状態をイメージすることで傷跡も綺麗にできるのか?よく知っている相手だからこそできた治療なのかもしれんな。これは研究の価値があるやもしれん。
上級の治癒魔法でも見た目は治っても後遺症が残ることも多いんじゃ。別の人に治療してもらうと改善する場合もあると言う報告もある。
特に後遺症や違和感はないんじゃな。」
「ええ、さすがに少し筋力は落ちたような感じはありますが、特に問題ありません。」
さすがに遺伝子の話まではできないため、細胞の中にもとの状態の情報があると考えており、それをもとに治療をしたというところまでは話しておいた。ただイメージ的なものなのでうまく伝えられないと言うことでごまかしておく。
「確かに上級の魔法で治療するにしても、元の体の情報はどこから手に入れるのかと考えると体の別の部分にも体全体の情報が入っていると考えた方が正しいか。なるほどのう・・・。」
いろいろと新しい情報があって考え込んでいるようだ。しばらくは声をかけない方がいいだろう。
「さて、それでは今回の調査の結果について報告してもらって良いかな?」
「はい、分かりました。すでにある程度報告は聞いていると思いますが、自分たちの考えを元に少し説明させてもらいます。」
まず発見した魔符核などは効果を説明し、相場で引き取ってもらうこととした。事前に価格については調べていたみたいで、提示された価格を見ると、収納の宝玉はかなりの高値になるようだった。やっぱり装飾品の形態で収納が出来るというのは価値が高いらしい。
壁画についてはこちらで少し解読した結果と併せて報告した。古代ライハン語についての研究はあまり進んでいなかったのでかなりの成果と期待できるようだ。
自分たちが解読した範囲では外の壁画と中の壁画の相関はとれているので、結構役に立ちそうだ。いくつかの法則性や単語の意味について報告していく。今後はかすれて見えなくなっている文字についても調査を行っていくらしい。
魔獣石が大量にあった場所については、施設の魔素を供給する施設ではないかと説明した。魔素を吸収する付与魔法はすでに機能しなくなっていて、文字も読めなかったけど、付与魔法からケーブルが接続するようになっていたので、魔獣をそこで倒し、それを自動で吸収する形にしていたのではないかと考えている。
もともとちゃんと機能していて壊れたのか、それとも途中でこわれたのかわからないけど、このようなことができるのであれば消費魔素量にもよるけど魔素を永久に供給できるシステムになるのかもしれない。他の付与魔法は魔獣がわくためのものや浄化のためのものではないかと考えている。
ただこのことから考えると、古代文明も魔素の供給方法については魔獣石を上回るものが作り出せなかったのだろうと思われる。
あと道しるべの玉についても話をしておいた。原理はわからないけど、転移したのは間違いなさそうなこと、もう一度使おうとしたが発動しなかったことなど説明するとかなり興味を引いていた。
発動条件についてもよくわからないけど、ジェンがどこかに逃げたいと強く願ったことが条件だったかもしれない。鎧のポケットに入れていたから発動してくれたんだろうね。それと併せて海賊の伝説の話についても少し話しておいた。
結局お昼もごちそうになり、話が終わったときにはすでに5時をまわっていた。思ったよりも遅くなってしまったな。
「今回の報酬と買い取りの代金は明日役場で受け取ってくれ。報酬は基本報酬の3万ドールにかなり上乗せしておるから期待してくれていいぞ。」
「本当ですか?どのくらいなんですか?」
「それは明日の楽しみにとっておいたほうがいいじゃろ。」
結局金額は教えてくれなかったけど、明日には分かるからまあいいか。
宿に戻ると二人もすでに部屋に戻って今日の出来事についていろいろと盛り上がっていた。こういう大きな町に出るとテンションは上がるよね。
「知り合いに紹介状をもらえたので明日役場に行って話しを聞いてもらうことになりました。明日の朝一で行こうと思っていますので準備をしておいてくださいね。」
二人が今後生活する場所についてジョニーファン様に相談したところ、役場の人物を紹介してくれたので良かったよ。
「わかりました。」
このあと二人と一緒に夕食に行き、明日に備えて早めに寝ることにした。さすがに移動続きで疲れていたしね。
朝食を取ってから1時半頃に役場に行ってみる。まずは二人のことを相談したいので、二人に待ってもらい、とりあえず総合受付に行ってみる。
「すみません、こちらにステファニーさんという方はいらっしゃいますか?」
「ステファニーですか?えっと、こちらには二人いるのですが、部署などはわかりますか?」
たしか紹介状に宛先が書かれていたような気がするな。紹介状を見せるとなぜか顔色が変わった。
「ステファニー部長宛て?えっ?ジョニーファン様からの紹介状?ええっ?」
やっぱり紹介者が有名すぎたのかな?
「少々お待ち下さい!」
そう言うとなにやら電話のようなもので連絡を取ってから紹介状を持ってどこかに行ってしまった。受付はいいのかな?
「なんか前に車を買いに行ったときにもあったような気がするね。」
「そうね。ジョニーファン様の名前はさすがに大きすぎたかしら?」
ジェンも苦笑いしている。
しばらくして年配の男性をつれてやってきて部屋に案内されたので、スイートさんとミルファーさんも一緒に来てもらう。
「初めまして、事務部の部長をやっているステファニーと申します。」
「初めまして。アースというパーティーを組んでいるジュンイチと言います。隣にいるのが同じメンバーのジェニファーです。あと、こちらの二人が今回相談してもらいたいスイートさんとミルファーさんです。」
簡単に挨拶をすませる。
「紹介状に簡単な説明は書かれていましたが、改めてご説明いただいてもよろしいでしょうか?もちろん紹介状の内容を含めてここでの話は外に出すことはありません。」
「わかりました。ミルファーさんたちもいいですか?」
「「はい。」」
これまでのいきさつと女性二人のことについて話をする。
「なるほど、そういう事情ですか。それでしたら移住にちょうどいい案件がありますので、担当者に来てもらいましょう。担当者には移住を希望しているとだけ説明いただければ大丈夫です。」
しばらくして担当という女性がやってきていた。ステファニーさんはまた帰るときに声をかけてくださいと言って退席していった。
「初めまして、開発課の担当のジュネリウムといいます。」
「初めまして・・・」
お互いに簡単に自己紹介した後、担当者からは移住について説明があった。
現在、この町の西の方(今はここからの直接の街道はないらしい)に新しく町を建設しているところがあり、町の体裁はかなりできあがってきているらしい。今後のことを考えて移民者を追加で募集しているみたいで、そこに行ってはどうかと言うことだった。もちろん建設中の町なので大変ではあるけど、国が行う事業なので危険度もかなり低いみたい。
新しい町なので前からのしがらみも少ないため、やり直すにはちょうどいいのかもしれないね。
二人ともかなり前向きに考えているようだ。このあと時間があるのであれば1時間くらいで簡単な能力の確認を行えないかと聞いてきた。どうやら現地での仕事の斡旋の使うらしいので二人とも受けてみることにしたようだ。
二人をジュネリウムさんに任せて、自分たちは依頼の報告に行くことにした。受付に行くと今回も部屋に案内される。
「すみません。報酬の内容説明のこともあったのでこちらの部屋で説明させていただきます。」
「いえ、お手数をおかけして申し訳ないです。」
「今回の報酬についてですが、基本報酬は3万ドールですが、調査結果に関する追加報酬があります。
まずは調査内容の報酬なんですが、2つの追加報酬が出ています。1つは古代語に関する調査結果についてなんですが、遺跡の発見とその解読についての報酬が32万ドールとなります。また古代遺跡の調査および考察についての報酬が15万ドールとなります。」
「調査の報酬ってこんなに高いものなのですか?」
「調査結果については依頼主の判断ですが、調査結果に対する報酬は数百~数百万ドールとかなり幅が広いのでとくにおかしな額では無いと思いますよ。額を考えるとかなり評価の高い調査結果だったように思います。詳細はわかりませんが、迷惑をかけた見舞金も含まれているという話です。」
このあと調査内容についての詳細な説明やその報酬額についての説明があった。
「続いて魔道具の買い取りに関する報酬です。まずはこちらで買い取らせてもらう場合の価格は、収納の宝玉が最も高くて120万ドール、その他の魔道具が全部で53万ドールとなり、合計で173万ドールとなりました。」
この買取額についても現在の販売価格が提示され、そこからの買い取り価格について説明を受ける。収納の宝玉についてはオークションの結果からの買い取り価格となったけど、オークションにかければ1~2割ほど、場合によっては3~4割高くなる可能性があるらしい。手数料は取られるけどね。ただオークションの開催まではまだ時間がかかるのですぐには入金できないらしい。
他の買取額についても価格に不満があれば買い取りはなしでもかまわないと言うことだったけど、自分たちが知っている範囲の価格を考えてもそこまでずれていなさそうなのと、追加でもらえる実績ポイントを考えてこの金額で納得する。
「それではこちらで買い取らせてもらうと言うことで進めます。魔道具発見の追加報酬としてその1割となる17万3千ドールが報奨金として追加されます。以上で合計額が240万3千ドールとなります。お金はカードへ振り込みしておきますがよろしいですか?」
250万近くの報酬・・・。半端ないな・・・。装備更新で300万ドールくらい使ったけど、かなり回収できたな。
「お金は振り込みでお願いします。」
「しかし、収納の宝玉は自分たちで使わなくてよかったんですか?なかなか手に入らないものですし、確かに買い取り額は高いですが、それ以上のメリットもあると思うのですが・・・。」
「ええ、容量がもっと大きければよかったんですが、少し大きめの収納袋を長期間借りることができているので今は実績とお金の方がいいかと思っています。」
「わかりました。それでは問題なければこちらの書類にサインをお願いします。確認後にお金の振り込みを行います。」
報酬額にも驚いたけど、実績もかなり貯まったのが大きいな。良階位への実績ポイントも6割くらいまで貯まっているらしい。普通は早くても2年くらいかかるらしいのに、1年もたたずにここまで貯まったのは大きいなあ。
説明を聞き終えると、ちょうど1時間ほど経ったのでジュネリウムさんのところへ向かう。二人は能力調査が終わって結果を待っているところだった。
「お疲れ様でした。試験はどうでしたか?」
「うーん、ある程度出来たとは思いますが、正直どのくらいのレベルなのかは分からないですね。」
「私も同じ感じかな。全く出来なかったというわけではないので何とかなるとは思うんだけど。」
しばらくして部屋に呼ばれたので皆で中に入る。
「まずは結果から報告します。お二人ともに読み書きについては十分なレベルとなっています。また算術計算についても十分なレベルを持っており、特にミルファーさんは商売の手伝いをされていたこともありかなりのレベルとなっています。スイートさんは宿の手伝いをしていたと言うことで料理や家事のスキルが高いですね。お二人ともこのくらいのスキルがあれば新しい町でも仕事に困ることは無いと思います。」
「「ほんとですか!?」」
二人ともにかなりの好印象のようだ。
「具体的にどのような仕事に枠があるのかは現地に行ってもらわないと正確にはわかりませんが、十分に紹介できるレベルですので、大丈夫ですよ。」
「「よかったですね。」」
「「はい!」」
「ジュンイチさん。それで現地までの移動についてのサポートをお願いできないでしょうか?通常の護衛依頼と違って報酬も実績ポイントも固定で高くはないのですが、彼女たちも知り合いの方が気を遣わなくて済むと思いますので・・・。」
「そういうことなら大丈夫ですよ。もともと言われなくても二人を連れて行こうと思っていましたので、問題ありません。」
「それでは護衛依頼を出しますのでよろしくお願いします。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「あと、こういうことを言うのはほんとはいけないことのですが、もし可能なのであればジョニーファン様からの紹介状を出してもらうと彼女たちも助かると思いますよ。この国で魔道士様の紹介状を持っている人に変な気を起こす人はいないと思いますので。」
「そうなんですか?それじゃあ出発前に少し頼んでみます。」
「え?ジョニーファン様って・・・魔道士様?」
「ジョニーファン様の知り合いなのですか?」
なぜか二人が驚いている。
「魔法のことで少しお世話になったんですよ。今回の遺跡の調査依頼も魔道士様が手配してくれたものなんです。」
「「申し訳ありません!!」」
おもむろに土下座する勢いで頭を下げられてしまった。
ジェンと二人でどうすればいいのか固まっているとジュネリウムさんが説明してくれた。
「この国で魔道士様の知り合いと言うだけでかなりの実力や地位のある人ということで、憧れの対象となっているんです。一般市民にとってはおそらくこのような反応が普通だと思いますよ。」
まじか・・・。なんか普通に研究馬鹿なおじいさんという感じで接していたよ。下手したら首が飛んでいたのか?
「知り合いと言っても特に地位とかあるわけでもないただの一般人なのでそんなに謝られても困ります。いままでと同じように接して下さい。」
「「いいのですか?」」
「もちろんです。」
なんとか二人からの誤解を解いてから役場を後にする。とりあえず他にも用事があるため、出発は3日後ということで準備をすることにした。
早めのお昼を食べてから移動中の食料などを購入しておく。今回の移動は結構距離があることと、途中の村などに泊まっていくと距離が中途半端でかなり効率が悪いため、二人には内緒にしてもらう前提で拠点に泊まることにした。
野営と言うことで二人はちょっと心配みたいなので、いったん郊外に出て拠点を見せることで納得してもらった。かなり驚いていたけどね。
拠点にセットするコンロなどを見てかなりテンションを上げていた。これならいろいろな料理ができると言っていたのでいろいろと食材も買い出すことになった。移動中の料理は任せても良さそうな感じだな。
他にも寝具など必要なものを買い足したんだけど、衣類関係の買い物の同行は途中で断念して先に宿に帰らせてもらった。やっぱり女性の買い物に付き合うのはしんどいよ。夕食も3人で楽しんできてと言って自分は部屋で簡単に食べることにした。
ジェンが戻ってきたのは7時を回ったくらいでかなりうれしそうにしていた。久しぶりの女性同士の買い物でテンションが上がっているみたいだ。こういうのは男には理解できないことなんだよなあ。
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だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
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