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第一部 異世界王族からの依頼

150. 異世界780日目 試練の遺跡の秘密

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 いったん祭壇のところに戻り、改めて祭壇の調査から開始する。祭壇から北側に先ほどの大きな木が立っているんだが、他も結構高い木が茂っており、完全にジャングルのようになっていた。水源は転移してきた付近にある噴水があふれて広がっているようだ。地面は水平に作られているのか、全方向に広がっている。おかげで地面はかなりぬかるんでいる。ただたまっていないと言うことはどこかで排水はされているのだろう。

 祭壇には古代ホクサイ語で文字が書かれているが、上にあったものと同じ感じがする。他には祭壇の横に古代ライハン語で文字が書かれていた。どうやら転送に関することみたいなのであまり意味は無い感じだ。

 他に手がかりとなる場所はないみたいなので、とりあえずどこかに向かって移動するしかないだろう。地下と言うことから考えても出口は壁沿いになっていると思われるからね。色々と意見が出たんだがとりえず北の方に向かうことになった。


 ところどころ建物の跡のようなところもあるが、植物が侵食していて元の姿はわからない。先頭に王家の剣、次に自分たち、しんがりに蠍の尾のメンバーが進む感じだ。

 途中魔獣が襲ってくるが、特に問題なく退治していくことができる。優階位の魔獣も出てきたが、さすがは王家の剣、少してこずっていたが無事に倒すことができた。
 戦闘中に他の魔物も襲ってくるので自分たちも戦うことになる。どうも魔獣たちも連携をとっているみたい。
 出てくる魔獣は狼や熊や鹿など地上にいる魔獣と大きな差は無いんだが、同じ魔獣でもやはり強いので、おそらく淘汰されながら魔獣が育っているのではないかという話だ。


 森を切り開きながら進むため、進むペースがかなり遅いが、焦ってもしょうが無いと安全優先で進んでいく。結局2時間ほどかかってやっと壁が見えてきた。途中通れなくなって迂回しなければならなかったり、魔獣との戦闘があったりしたのでしょうが無い。

 とりあえず壁が見えてきていたので壁際まで移動をする。飛んできた場所が遺跡の中央とすると、広さはかなり広いことになる。

「大体歩いてきた距離はどのくらいか分かりますか?自分的には2000キリルくらいだと思うのですが・・・。」

「移動速度とかから考えて1500キリルくらいかな?」

「ということは・・・・ここが円だったとしたら1周10000キリルくらい?普通だったら1周回るのに1時間はかからないだろうけど、このペースだとちょっと時間がかかりすぎるね。」しかも壁付近には木が生い茂っており、壁に沿って歩くのも厳しそうだ。

 壁に穴が開くか試してみたんだが、傷も入らないくらい堅くてどうしようもない。やはりこの壁を壊すのは諦めた方が良さそうだ。壁際に排水溝のような穴が開いているんだが、かなり小さいのでここを抜けていくこともできそうにない。
 少し近くを調べてみると壁になにか地図のようなものが描かれていた。説明は古代ライハン語のようだ。

『とりあえず南側に出入り口のようなことが書かれているね。』

『みたいね。あとその途中にあるこれは何かしら?』

『兵器?武器?なんか物騒な単語のように思うんだけど。』

『やっぱり、そう読めるわよね?国王陛下が言っていた封印したというのはこれ?』

『とりあえず兵器のことは黙っていた方がいいだろうね。でも一応寄っていく?』

「おい、ジュンイチ。何を話してるんだ?」

「えっと、おそらく先ほどの遺跡の南の方向に出口があるようです。」

「この文字が読めるのか?」

「完全に読めるわけではありません。アルモニアの遺跡を調査した際に古代ライハン語の解読について少し勉強したので・・・。おそらくもう少ししたら学術報告がされると思いますよ。」


 いったんここで昼食をとることにした。持ってきていた携帯食で簡単に食事を済ませてから来た道を引き返す。変に別のルートを通るとわからなくなりそうだしね。なんとか元の場所まで戻ってきたところで無理してもしょうがないので今日はここまでにして泊まることにした。

 夕べ拠点を出したところに拠点を出す。前半を自分たちと蠍の尾メンバーが、後半を王家の剣のメンバーが見張りをすることになったが、危ないと思ったらすぐに起こすと言うことにしておいた。

 早速交代でシャワーを浴びてから順番に夕食をとっていく。今回用意したのは温め直したシチューとステーキだ。クリスさんたちは久しぶりに温かいご飯を食べられて満足している。
 昨日はあまり気がつかなかったみたいだけど、この拠点は室温管理もしているし、程度はかなりいいのでかなり驚いているようだ。王家の剣のメンバーにも食事をとってもらい、片付けの後、眠りについてもらった。
 3時間ほどで交代となったが、今日は何も襲ってこなかった。王家の剣のメンバーと入れ替わってから拠点で浄化魔法をかけてあげるとかなりさっぱりしたみたいで喜んでいた。
 ベッドを一部解体してからクリスさんたちと自分たちに分かれて寝ることになった。変なことはするなよとお互いに言って笑っていた。冗談も言えるようになったみたいなので大分落ち着いたのだろう。



 翌朝朝食をとった後、南の方へと歩いて行くと、木々に覆われているが結構大きな建物があった。壁には古代ホクサイ語で文字が書かれている。

「古代の遺物をヤーマンの王家の名の下に封印する。この封印を解くものはその対価を考えるべきである。」

 その下には古代ライハン語で文字が書かれていたが、所々読めなくなっている。

『古代文明を滅ぼすこととなった』

『壊すことができず封印する』

 なにやら恐ろしい感じの言葉が書かれている。古代ホクサイ語のわかるクリスさんは少し驚いているようだ。

「たぶんこれがこの遺跡を封印した理由だと思います。詳細はまた戻ってから国王陛下と一緒に話しましょう。」

「わかった。」


 ここからさらに森が深くて歩くペースが上がらない。結局壁についたときには夕方になっていた。壁には扉のようなものがあり、文字が書かれていた。

『古代の遺跡をヤーマンの王家の血の下に封印する。』

 時間も時間なのでいったんここで宿泊をすることにした。見張りについては昨日と同じ形で自分たちは前半だ。今日は途中で魔物が2回ほど襲ってきたが、クリスさんたちもいるので特に問題なく倒すことができた。自分たちもなんとか対応できていたので「かなり上達したね。」と驚いていた。
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