上 下
61 / 313
第一部 異世界らしい冒険

49. 異世界210日目 魔法と装備

しおりを挟む
 他の勉強をやっていることもあり、なかなか時間はとれないが、地道に魔法の訓練もやっている。
 魔法については常に魔素を体にまとっていろいろと使っていたんだが、なかなか部屋では火を使いにくくて上がっていなかった火魔法のレベルがやっと3になった。
 今までの4つの他に氷魔法、雷魔法、光魔法、闇魔法も使えるようになったので、今はいろいろと練習中である。これらのレベルが上がればやっと次元魔法を覚えることができる様になるはずだ。ただ早くてもあと1年くらいはかかりそうな気もする。ジェンも同じくらいに上がったのでいまは一緒に特訓中だ。

 魔力をためてからの発動についてはいろいろと試しているんだが、ためる時間と威力が把握できなくなるので、時間はすべて同じにして威力を把握するようにしている。ためる時間に合わせて呪文を唱えるという方法もあったんだが、考えるのが途中でいやになってやめてしまった。
 途中まで某アニメの「たそがれよりくろきもの・・・」のようにかなりノリノリで考えていたんだけど、さすがに恥ずかしいと思ったということもある。

 そういえば土魔法でテーブルとか作っているときは魔素をためていたなあ・・・とあとで気がついた。攻撃の時はすぐに打ち込んでいたんだけどね。


 今のところ魔素をためる時間は40秒(20秒)くらいが限界のようだ。それ以上になるとせっかくためた魔素が維持できなくなって拡散してしまう。ジェンの方が若干ためることのできる量が多いようだ。
 魔法をためる時間を長くすると間違いなく威力は高くなるが、攻撃に使うことを考えてとりあえずすべて0秒、10秒、40秒くらいで威力を測り、強さを確認していく。種類によって使い勝手のよいものは変わるのはしょうがない。

 範囲攻撃についてはやはり40秒近くためなければ効果は得られない感じだった。まあ最初に攻撃するときに使うという使い方ならなんとかなるかな?

火:火弾、火矢、火爆、火壁で使うのは火矢と最初の攻撃で火爆くらいとなるが、森の中とかは危なくて使えないという問題がある。

風:風弾、風斬、竜巻、風壁でやはり風斬が一番使い勝手がよい。竜巻と名付けているけど、実際にはつむじ風が強くなったくらいでダメージを与えるという感じではない。

水:水弾、水矢、水斬、水爆、水壁で水弾と水斬くらいが使い勝手がよい。水壁は魔獣の衝撃や突進を緩和するのには有効だ。

土:石弾、土壁くらいで、石弾は状況により使える感じ。土壁も魔獣が多いときの誘導や壁にはかなり有効だ。

氷:小さな氷を生み出すのだがまだ1cmくらい、時間をかけても3cmくらいが限度。いつでも使える氷がある意味重宝している。

雷:電撃を放つ感じだが、まだ攻撃に使えるレベルではない。接触した状態からだとスタンガンのような要領で使うことができ、相手をしびれさせることができる。時間をかけると威力が上がる。

光:ライト代わりにはなるが、まだレーザーのようなものは使えないので攻撃には使えていない。光源で目くらましにも使えそう。この世界にはアンデッドはいないので浄化という概念はない。

闇:闇の玉を作ることができるが、まだ攻撃には使えない。範囲が広くなれば視界を奪えるかも。

 狩りに使うのはやはり風魔法が一番使い勝手がよい。範囲攻撃は実際には使いどころが難しい。遠距離で準備して先に攻撃を仕掛けられればいいんだが、射程内に入ったときには大体向こうも気がつくからねえ。もう少し射程距離が伸びればいいけどね。

 土魔法が戦闘ではなく、普段使いに便利で今は簡易テントのサイズは十分作れるようになっている。もちろん一気にはできないので何度か分担してだけどね、壁も作った後に、硬化することができるので十分に使用に耐えられるようだ。
 最近野営はしてないけど、野営でもこれだったら安心して寝られるかもしれない。あとは重量軽減がかなり大きい。


 新しい魔法はまだまだ練習しないと使い物にならない。雷魔法は相手を麻痺させてくれるので結構有用かもしれない。土や石関係の魔獣にはかなり有効らしいしね。光魔法はライト代わりに便利で、体から離したところに浮かばせておくこともできるのでとても助かる。
 とにかく使わないとレベルアップもできないので、毎日少しずつでも全種類使うようにしている。魔法のイメージはジェンと話しながら色々とやっている。


 治癒魔法で疲労回復についても大分効果が出るようになってきた。あと怪我の治癒についても骨折治療までは十分できるようになっているが、それ以上は治療する機会がないのでなかなかレベルアップが難しそうだ。死にそうな人の治療とかそうそうする機会がないからね。
 あまりおおっぴらにはしたくないが、治療院などで経験値を増やした方がいいのかもしれない。まあ、そんなところが簡単に自分たちを受け入れてくれるかが問題だけどね。

 回復魔法についてはなかなか使う機会がないのでなかなか上がりにくいのはしょうがない。どこかでわざと毒を食べたり飲んだりして回復するとかしないといけないんだろうか?結構つらいのでやりたくはないんだよなあ。治療の回数の多いジェンはレベル3には上がったんだけどね。

 簡単な治療や回復については効果を飛ばす感じで手を当てなくても治療ができるようになった。5キヤルドくらい離れていても効果が出るみたいなので、戦闘中に治療ができるようになったのは一応使い勝手がいい。
 ゲームとかではある程度離れたところからヒールで回復とかできているけど、こっちでは戦闘しながらの治療は基本しないというかできない認識のようだ。緊急時は薬を使うというのが一般的だからね。


 装備についてものみの市で手に入れたものと併せていろいろと見直した。結構な値段はしたが、購入したのはこんなところだ。

 大角牛の革のハーフ鎧(高)=100,000ドール
 大角牛の革の鎧(高)=200,000ドール
 牙猪の革のブーツ(高)=75,000ドール×2
 牙猪の革の帽子(高)=75,000ドール

 鎧って日本円で100万円と200万円だよ。これを冒険者業だけで買おうと思ったらしゃれにならないくらい時間がかかるな。良レベルの装備になったら桁がもう一つ上になるし・・・。
 全部で50万ドールほどかかってしまったが、盗賊退治の報酬と護衛報酬で140万ドールほどもらっていたのでまだよかったよ。特に盗賊退治の時の報酬は100万ドールくらいあったからね。それがなければさすがに買えなかっただろうね。

 とりあえず大体の装備が高レベルのものになったので防御力も上がっているだろう。耐久性向上の効果も高くなっているので、しばらくは持つと思っている。

 良レベルの装備はやはり値段が高すぎるのが問題だ。地道にお金を貯めて買うか、のみの市とかで見つけたりするしかないだろうなあ。まあこれだけでも上階位の冒険者としては十分すぎる装備なんだけどね。良階位でもこのくらいでいけそうな感じだし。

 鎧関係で金属はやはり使いにくいので今のところ革鎧をベースにしている。一部に金属を使っているというものだ。まあ冒険者で金属系のフルプレートとかしている人は見かけないし、動きやすさからも革鎧が一番いいんだよなあ。


 装備購入の出費で残金が100万ドールを割り込んでしまった。まあ1ヶ月半も無収入だったからお金がどんどん減っていくのはしょうがないだろう。それでも転売でもうけたからお金が装備に変わっただけで。持っている資産的にはあまり変わっていないんだけどね。


~装備~
ジュンイチの装備:
鋼の剣(高) 高/高/高 強度向上-2
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
厚手の革パンツ(並) 並/並/並 強度向上-1
大角牛の革の鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
牙猪の革の籠手(高) 高/高/並 強度向上-1
鉄の盾(並) 並/並/並 強度向上-1
牙猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
鉄の兜(高) 高/高/高 強度向上-2
力のネックレス(高) 高/並/高 筋力向上-2
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2

ジェニファーの装備:
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
厚手の革パンツ(並) 並/並/並 強度向上-1
大角牛の革のハーフ鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
牙猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2、耐久性向上-1
鉄の小盾(高) 高/高/高 強度向上-2、筋力増強-2
牙猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
牙猪の革の帽子(高) 高/高/高 強度向上-2
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2、治癒力強化-1
俊敏の腕輪(高) 並/並/高 俊敏強化-2

予備の装備:
クロスボウ(低) 良/良/良 耐久性向上-2、風魔法-3
革の胸当て(並) 並/並/並 強度向上-1×2
革の籠手(並) 並/並/並 強度向上-1
革のブーツ(並) 並/並/並 耐久性向上-1×2
革の帽子(並) 並/並/並 強度向上-1×2
鉄の小盾(並) 並/並/並 強度向上-1
魔術の指輪(並) 並/並/並 魔力強化-1
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」  騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。  この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。  ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。  これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。  だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。  僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。 「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」 「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」  そうして追放された僕であったが――  自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。  その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。    一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。 「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」  これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ) 安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると めちゃめちゃ強かった! 気軽に読めるので、暇つぶしに是非! 涙あり、笑いあり シリアスなおとぼけ冒険譚! 異世界ラブ冒険ファンタジー!

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

処理中です...