【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第一部 観光気分の異世界旅行

8. 異世界4日目 憧れの魔法に挑戦

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 やはり結構疲れがたまってきているようで朝なかなか起きることができない。今日は特に筋肉痛はないので助かった。治療薬はあるけど、さすがにそんなに頻繁に使うわけにもいかない。朝食はいつもと同じ感じで、食べ終わってから準備をして出かける。



 役場の受付に行って魔法講義の受付(魔法は高いらしくて200ドール)をしてから時間までは置いてある資料を読んでいた。魔獣や薬草などの情報の他にもいろいろと役に立つ情報が書かれているので読んでおいて損はない。
 普段は勉強なんてしないんだけど、やっぱりこういう全く知らないことを読むとわくわくしてくるよね。


 時間が近づいたところで裏口の訓練場へと向かうと、指導員が呼んでいたので集合する。自分の他には2人いたが、この二人は何回か講義を受けているみたいなので講義内容は別らしい。

 まずは魔法がどんなものなのかの説明から始まる。簡単に言うと空気中に魔素と言われるものが漂っており、それを体に取り込むことで魔力となり、魔法が使えるようになるようだ。魔素をうまく取り込める人ほど使える魔法が強くなるし、その精神力を維持できる人ほど長時間魔法が使えるようだ。
 この話を聞く限り、個人が持つMPのような魔力の上限値というものはないみたいだな。あくまで普通に漂っている魔素を取り込んで魔力として使うということみたいだからね。
 魔素は濃い場所でも薄い場所でも取り込める速度はあまり差がないようなので気にしなくていいようだ。もともと使う魔素がそれほど多くなくても魔法は使えるというのが理由らしい。かなり強力な魔法を使うことができれば魔素の濃淡は影響するかもしれないと言うことだった。

 話としてはわかったんだけど、とりあえず今は魔素って言うものが何かが分からないのが一番の問題である。


 一通りの講義の後から実践となるが、まずは魔素を取り込むということで指導員から手本を見せてもらう。

「もともと少しだけだが、魔素は体の中に入ってきているんだ。周りにある魔素が体に入ってきて、少しすれば出て行くのだが、大体の生物はある程度魔素を体内にとどめるようになっている。それをある程度体にとどめるようにイメージをするんだ。」

 すると、なにやら体の周りにもやのようなものがまとわり始めているのが見えた。

「おお~~~!!これか!!」

 やらせではなく、本当にもやっぽいものが見えるな。魔素を取り込むことができるようになるともっとはっきり見えるようになるらしい。しかし、これって漫画に出てくる気とかいう感じだ。これができないとその先には進めないらしく、まずは魔素をためる鍛錬からとなる。


 心を無にして周りの魔素を感じる・・・といってもよくわからん。

 ここで指導員が集めた魔素を体に流してくれた。なんかすっとしたものが体の中に入り込んでくる感じだ。暖かいと言うよりは少し涼しいという感じのものが皮膚から浸透してくる感じ。
 しばらく同じような感覚のものを感じないか集中していると、風のように何かが漂っているのを感じはじめた。

 今度はそれが体内に入ってくるイメージを考える。しばらくするとなにやら体の中に何かがたまっているような感覚が出てきた。体を見てみると、先ほどの指導員と同じようにもやのようなものが漂っているが見えた。もちろん指導員ほど強くはないが、でも間違いないだろう。よかった、第一段階はできたようだ。


 続いてその魔素を体の一部に集める訓練となる。某ハンター漫画に出てきた修行だなあ・・・と思いながらやってみると、漫画のイメージがあったせいか手のひらに集めるのは先ほどよりも早くできた。慣れてくるといろいろなところに同時に集めることもできるようだ。


 この体内にたまった魔素を放出することで魔法が使えることになるが、放出するときのイメージによっていろいろな効果が得られることになる。

 ちなみに魔法には決まった詠唱のようなものはなく、あくまでイメージなので、声を出した方がよいという人もいるし、詠唱した方が強くイメージできて威力が上がるという人もいるし、頭の中でイメージするだけの無詠唱の人もいるらしい。
 ただ普段は無詠唱でも、パーティーでの戦闘中は状況把握もあるため簡単に魔法名を言ったりして連携をとったりすることが普通のようだ。


 まずは魔獣石の合成と分解が一番やりやすいと言うことなので昨日手に入れた魔獣石を取り出して合成してみることにした。
 魔獣石を2つだして手に持ち、二つがくっつくように念じてみる。すると二つの魔獣石がくっついて一つになった。

「おお~~~!!」

 ほとんどの人ができることとはいえ、かなりうれしい。続いて今度は二つに分かれるようにイメージすると再び二つの魔獣石に戻った。
 今度は1ドール硬貨を一つずつ合成していくと8個めで10ドール硬貨に変わった。こうやって硬貨を大きくして使うようにすれば大きなずれがなくできるんだな。とりあえず昨日手に入れた魔獣石はすべて合成しておいた。これはこれで他のものと区別して持っておいた方がいいな。


 気がつくともうすでに2時間経過していて驚いた。思った以上に集中していたんだな。お昼休憩となったので他の二人と一緒にサンドイッチを食べるが、やはり気になってそうそうに訓練に戻る。


 午後からは手に集めた魔素を放出する訓練となった。このときにイメージするもので攻撃の内容が変わるんだが、代表的な魔法である4大元素の魔法のうち、火と水は扱いが難しいのでほとんどの人は最初に風か土から取り組むようだ。どの魔法も魔素を変換して何かを生み出すのではなく、最初は今あるものを操ることから始めるみたい。まずは風からイメージしてみるか。


 しばらく風を飛ばすイメージをしてみるがなかなかうまくいかない。指導員に手本を見せてもらうが、やはりイメージはつかみにくい。
 とりあえず漫画やゲームをベースにエアーカッターをイメージしてみるとなんか手のひらに風のような感じを受けた。徐々に手のひらの空気を研ぎ澄ますようなイメージをしてから的に向かってイメージを飛ばすと的に傷が入った。

「おお~~~!!魔法だ~~~!!!」

 1mという近距離なうえ、傷もちょっとだけという感じなので威力はほとんど期待できないが、とりあえずなにやら飛ばすことができたのはうれしい。

 指導員からも「一度イメージを飛ばすことができたならあとは威力を高めていくだけだ。」と言われたのでひたすらやり続ける。やはり最初のイメージが一番難しいみたいでそれができると第一段階はできたと言うことらしい。
 次は威力を高めていくことになるんだが、これは繰り返し反復することと、イメージを強化することが重要となってくる。

 少しずつ距離を伸ばしながら威力と指向性をあげていく。とはいえ、精神的に結構疲れてくるので途中で休憩しながらでないと集中力が維持できない。MPとかはないけど、ある意味この精神力の維持力がMPみたいなものだな。
 講義が終わる頃には5mくらいの距離から的に傷を入れられるくらいにはなった。まだまだ殺傷能力はないが、うまい具合に当たれば足止めくらいには使えるレベルにはなったかな?


 さすがにゼロから初めて1日での取得には指導員も驚いていたが、やはり漫画やゲームのイメージがあるのは有利なのかもしれない。こちらではまだ漫画という文化はないみたいだからね。
 とりあえず魔法の発動ができたので風魔法のスキルは得たのかな?やはり魔法を使えるというのはテンションが上がるなあ。



 一緒に講義を受けた二人から夕食を一緒に食べないかと誘いを受けたのでせっかくだからと行くことにした。行きつけのお店があるというのでいったん宿に戻り、夕食をキャンセルすると少しだけお金は返却してくれたのはありがたい。


 服を着替えてから待ち合わせ場所に行くと少し遅れて二人もやってきたので早速お店に入る。ここの定食はどれもおすすめというので肉と野菜炒めの定食を注文すると、肉と野菜の炒め物、スープ、サラダ、パンとデザートで果物が出てきた。飲み物にはジュースをもらうことにした。

 二人はユータとカナという幼なじみでいろいろと職業も考えたが、いろいろな町に行きたくて冒険者を目指すことにしたらしい。今年15歳になったので冒険者として登録をしたようだ。女の子の幼なじみとパーティーを組むなんて別にうらやましくはないよ。爆発しろとか思わないよ。


 ユータは今のところ剣士としては有望らしく、剣術スキルは得られているようだが、魔法も少しは使えないかと魔法の講義も受けているようだ。せめて1系統だけでもそれなりに使えるようになればいいと頑張っているらしい。
 今のところ火風水土の4魔法を使えるようになっているんだが、どれも威力が弱すぎて狩りには使えないレベルらしい。

 カナはまだどちらともいえないが、ユータと二人で冒険者になるためにバランスを見て魔法使いか治癒士を目指しているらしい。もちろん魔法だけでなく、短剣と弓を使うようだ。
 魔法については風魔法と土魔法が使えるようになっているようだが、もう少し威力を上げないと戦闘には使えないレベルのようだ。あとは怪我したときのことを考えて治癒魔法についても少しはできるようになりたいが、習うのにお金がかかることと、知識を得ることが問題らしい。

 今日一日で魔法をある程度使えるようになっている自分を見てなにかコツがないのかと聞いてきた。魔法のコツについて、自分の説明できる範囲でいろいろを教えてあげて、自分は治癒士やその他の情報についていろいろと聞かせてもらった。

 この世界ではあまり出生などについては聞かないことになっているようだ。両親が亡くなって、伝を頼って南の大陸から来たとだけ言っておいたけどね。冒険者として登録したばかりと言うことで何か事情があるんだろうと細かいことは突っ込んでこなくて助かった。

 最初に頼んだ分だけでなく、追加で色々と頼んで飲み食いしていると結構遅くなってしまった。宿に戻ってからシャワーを浴びてから速攻で眠りについた。
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