25 / 70
アンタッチャブルな先輩たち
しおりを挟む
料理部でお茶を楽しんだ後、妾はシェン君と呪術同好会に向かった。
サクラとその友人たちに、とんでもない話を聞かされたが、それで入部をやめる妾ではないのだ。
体育館の二階の部室に行くと、部員二人がなぜかドアに向かって椅子に腰かけ待っていた。
「よく来たわね」
「だ、誰じゃ?」
話しかけてきた女子は山羊の被り物をしていなかった。
すみれ色の髪に、縁なしのメガネの奥に同じ色の瞳。
ストレートの長い髪の美人さんじゃ。
まつ毛が長く、顔立ちがはっきりしておる。
化粧映えしそうな顔じゃ。
ミンミンが見たら喜ぶじゃろう。
他人を着飾るのが好きだからの。
もう一人はもさっとした男子だった。
鳥の巣のようなもじゃもじゃの黄緑色の髪に、細い垂れ目で、全体的に細長い。
手足が長くてひょろりとしている。
やる気がなさそうに無感情にこちらを見ていた。
どちらも高等科の制服を着ている。
「わたしがこの同好会の会長よ。昨日会ったでしょう」
「昨日・・・・・・あの山羊の・・・・・・」
シェン君が戸惑ったように呟く。
「それで、あなたたち入部するの? しないの?」
一見まともそうに見えるが、昨日のアレを見てしまった以上、彼女が普通ではないのは確かじゃ。
シェン君も対面して思い出したらしく、妾の耳にこそっと聞いてきた。
「おい、ミリィ。やっぱやめた方がよくないか?」
「イヤじゃ。やめたいのならシェン君だけやめればいい」
「・・・・・・」
妾は鞄から紙を取り出すと、会長に差し出した。
「入部届けを持ってきたのじゃ」
渋々、シェン君も同じように入部届けを提出する。
「ふぅん。本当にこの呪術同好会に入りたいんだ? 変人なの?」
おぬしに言われたくないんじゃ。
じゃが、妾は分別があるのでな。
反論はしなかった。
「ま、いいわ。わたしはシルマリア・アレイスター。高等科の二年よ。で、こっちがーーー」
「ぼくはエドガー・ポーキュリだ。そちらのひめ様は覚えていないだろうが、何度か王宮で会ったことがある」
それを聞いて、妾より先に会長が反応した。
「ひめ様?」
「見ればわかるだろう。こんなに鮮やかな真紅の髪をしているのは皇帝一族しかいない」
「そうなの?」
会長が妾に訊ねてくる。
妾はいつものように胸を張って顎をちょっとクイっと上げて答えた。
「そうじゃ。妾がドラゴニア帝国皇帝の第四皇女バーミリオン・ヘデス・ドラゴニアじゃ」
「へえ」
「そ、それだけかの?」
思ったよりあっさりしておる。
なんかこう、印籠を見せたみたいに「はは~」って恐縮したりするかと思うたが。
ちょっとガッカリしておると、入部届けを見た会長がシェン君を驚いた顔で見た。
「ちょっとあなた、アラガンの龍人族なの? しかも、第二王子!」
「えっ? マジで? ああ、でも確かに髪が黒いし、ツノがあるな」
なんか妾よりシェン君の方が目立ってない?
会長と副会長の視線を独り占めしているシェン君に、妾ちょっと嫉妬!
しかし、シェン君は冷めた感じで「そっす」と答えていた。
なんかダウナーな方がカッチョいいみたいになってない?
むむむむむ、と妾が不満げにしていると、座っていた副会長が席を立った。
そして、妾に近づいてくる。
「第四皇女ってことは、もしかして九番目の子?」
真正面に来ると、副会長が妾の顔を覗き込んできた。
「そ、そうじゃ・・・・・・」
「呪われてるよね、君」
あまりに直球すぎて息が止まりそうになった。
すると、隣からシェン君の腕がスッと伸びた。
副会長の胸元を掴んで、睨みつける。
「おい、ケンカ売ってんのか?」
いやいやいや、ケンカ売ってんのおぬしの方じゃから~~。
すぐにブチ切れるのはよくないぞぉ。
「まあまあ」
妾は二人の間に手を差し出した。
「確かに妾はご存知の通り呪われておる。じゃが安心するがいい。これがある!」
ブレスレットを見せつける。
すると、なぜか副会長だけでなく、会長まですっ飛んできて、二人してブレスレットをマジマジと見始めた。
「あ、あのぅ」
そんな熱心に見るものでもないのじゃが。
金のブレスレットの表面に書かれた魔術文字を二人が同時に読み上げる。
『ルナ✳︎クオア ハ✳︎チーカー』
さすがに高等科の生徒じゃ。
魔術文字は通常の言語より複雑なのに、意味がわかったらしい。
ふむふむ、と納得している。
そういえば、教室でブレスレットが発動したとき、シェン君も解読できていた。
みな優秀なのじゃな~。
感心しておったのもここまでだった。
「ねえ、ちょっと呪ってみてよ」
「・・・・・・は?」
「それはいい!」
会長がトンチキなことを言い出したと思ったら、副会長も喜んで賛成している。
こ、こやつら大丈夫かの?
「皇帝の九番目の子なら、あなたは他人を呪うことができるらしいじゃない」
会長がなぜかワクワクしながら妾を見ている。
「い、いや、それはちょっと・・・・・・」
「どうしてよ」
「危険なのじゃ。そんなことはできぬ」
人によっては死ぬかもしれない。
妾は宮で起こった出来事のいくつかを思い出した。
母上から始まり、赤ん坊の頃から三年前までの間に妾は何人かの侍従や侍女、教育係に呪いという害を与えてしまった。
もちろん、妾が望んだわけではない。
それでも、呪いは妾の感情によって発動する。
そこに意志は介在しない。
喜怒哀楽の昂り、激痛、時には睡眠時の悪夢で発動するときもあった。
もちろん条件はある。
相手に触れていることだ。
宮にいた頃、何人かの魔術師や医師を集めて妾の呪いについて調べたことがある。
治すことはできなくとも、知っていれば回避できることもある。
その実験のおかげで、妾はそれ以来誰のことも呪っていない。
「じゃあ、ちょっとだけ」
「ブレスレットをしたままなら大丈夫なんだろう?」
会長と副会長にしつこく迫られて、妾は後ずさった。
「ちょっとも、いっぱいもないのじゃ!」
ジリジリと詰め寄られ、妾がさらに後ずさる。
シェン君が突如、妾の腕を掴んだ。
「こいつらヤバいぞ。逃げよう!」
さしもの妾も頷いた。
「あっ、待って!」
「おい!」
二人の変人のいる部室から飛び出して行こうとすると、副会長が後ろから言った。
「その呪いは古代の契約に基づくものだろう。契約を解除すれば君は呪われた子じゃなくなる」
思わず足を止めると、さらに副会長が続けた。
「ぼくは君のことをよく知っているんだ。王宮図書館の禁書を読んだからね」
「王宮図書館の・・・・・・禁書?」
シェン君が妾の腕を引っ張って逃げようとしていたが、止まった足は頑として動かなかった。
サクラとその友人たちに、とんでもない話を聞かされたが、それで入部をやめる妾ではないのだ。
体育館の二階の部室に行くと、部員二人がなぜかドアに向かって椅子に腰かけ待っていた。
「よく来たわね」
「だ、誰じゃ?」
話しかけてきた女子は山羊の被り物をしていなかった。
すみれ色の髪に、縁なしのメガネの奥に同じ色の瞳。
ストレートの長い髪の美人さんじゃ。
まつ毛が長く、顔立ちがはっきりしておる。
化粧映えしそうな顔じゃ。
ミンミンが見たら喜ぶじゃろう。
他人を着飾るのが好きだからの。
もう一人はもさっとした男子だった。
鳥の巣のようなもじゃもじゃの黄緑色の髪に、細い垂れ目で、全体的に細長い。
手足が長くてひょろりとしている。
やる気がなさそうに無感情にこちらを見ていた。
どちらも高等科の制服を着ている。
「わたしがこの同好会の会長よ。昨日会ったでしょう」
「昨日・・・・・・あの山羊の・・・・・・」
シェン君が戸惑ったように呟く。
「それで、あなたたち入部するの? しないの?」
一見まともそうに見えるが、昨日のアレを見てしまった以上、彼女が普通ではないのは確かじゃ。
シェン君も対面して思い出したらしく、妾の耳にこそっと聞いてきた。
「おい、ミリィ。やっぱやめた方がよくないか?」
「イヤじゃ。やめたいのならシェン君だけやめればいい」
「・・・・・・」
妾は鞄から紙を取り出すと、会長に差し出した。
「入部届けを持ってきたのじゃ」
渋々、シェン君も同じように入部届けを提出する。
「ふぅん。本当にこの呪術同好会に入りたいんだ? 変人なの?」
おぬしに言われたくないんじゃ。
じゃが、妾は分別があるのでな。
反論はしなかった。
「ま、いいわ。わたしはシルマリア・アレイスター。高等科の二年よ。で、こっちがーーー」
「ぼくはエドガー・ポーキュリだ。そちらのひめ様は覚えていないだろうが、何度か王宮で会ったことがある」
それを聞いて、妾より先に会長が反応した。
「ひめ様?」
「見ればわかるだろう。こんなに鮮やかな真紅の髪をしているのは皇帝一族しかいない」
「そうなの?」
会長が妾に訊ねてくる。
妾はいつものように胸を張って顎をちょっとクイっと上げて答えた。
「そうじゃ。妾がドラゴニア帝国皇帝の第四皇女バーミリオン・ヘデス・ドラゴニアじゃ」
「へえ」
「そ、それだけかの?」
思ったよりあっさりしておる。
なんかこう、印籠を見せたみたいに「はは~」って恐縮したりするかと思うたが。
ちょっとガッカリしておると、入部届けを見た会長がシェン君を驚いた顔で見た。
「ちょっとあなた、アラガンの龍人族なの? しかも、第二王子!」
「えっ? マジで? ああ、でも確かに髪が黒いし、ツノがあるな」
なんか妾よりシェン君の方が目立ってない?
会長と副会長の視線を独り占めしているシェン君に、妾ちょっと嫉妬!
しかし、シェン君は冷めた感じで「そっす」と答えていた。
なんかダウナーな方がカッチョいいみたいになってない?
むむむむむ、と妾が不満げにしていると、座っていた副会長が席を立った。
そして、妾に近づいてくる。
「第四皇女ってことは、もしかして九番目の子?」
真正面に来ると、副会長が妾の顔を覗き込んできた。
「そ、そうじゃ・・・・・・」
「呪われてるよね、君」
あまりに直球すぎて息が止まりそうになった。
すると、隣からシェン君の腕がスッと伸びた。
副会長の胸元を掴んで、睨みつける。
「おい、ケンカ売ってんのか?」
いやいやいや、ケンカ売ってんのおぬしの方じゃから~~。
すぐにブチ切れるのはよくないぞぉ。
「まあまあ」
妾は二人の間に手を差し出した。
「確かに妾はご存知の通り呪われておる。じゃが安心するがいい。これがある!」
ブレスレットを見せつける。
すると、なぜか副会長だけでなく、会長まですっ飛んできて、二人してブレスレットをマジマジと見始めた。
「あ、あのぅ」
そんな熱心に見るものでもないのじゃが。
金のブレスレットの表面に書かれた魔術文字を二人が同時に読み上げる。
『ルナ✳︎クオア ハ✳︎チーカー』
さすがに高等科の生徒じゃ。
魔術文字は通常の言語より複雑なのに、意味がわかったらしい。
ふむふむ、と納得している。
そういえば、教室でブレスレットが発動したとき、シェン君も解読できていた。
みな優秀なのじゃな~。
感心しておったのもここまでだった。
「ねえ、ちょっと呪ってみてよ」
「・・・・・・は?」
「それはいい!」
会長がトンチキなことを言い出したと思ったら、副会長も喜んで賛成している。
こ、こやつら大丈夫かの?
「皇帝の九番目の子なら、あなたは他人を呪うことができるらしいじゃない」
会長がなぜかワクワクしながら妾を見ている。
「い、いや、それはちょっと・・・・・・」
「どうしてよ」
「危険なのじゃ。そんなことはできぬ」
人によっては死ぬかもしれない。
妾は宮で起こった出来事のいくつかを思い出した。
母上から始まり、赤ん坊の頃から三年前までの間に妾は何人かの侍従や侍女、教育係に呪いという害を与えてしまった。
もちろん、妾が望んだわけではない。
それでも、呪いは妾の感情によって発動する。
そこに意志は介在しない。
喜怒哀楽の昂り、激痛、時には睡眠時の悪夢で発動するときもあった。
もちろん条件はある。
相手に触れていることだ。
宮にいた頃、何人かの魔術師や医師を集めて妾の呪いについて調べたことがある。
治すことはできなくとも、知っていれば回避できることもある。
その実験のおかげで、妾はそれ以来誰のことも呪っていない。
「じゃあ、ちょっとだけ」
「ブレスレットをしたままなら大丈夫なんだろう?」
会長と副会長にしつこく迫られて、妾は後ずさった。
「ちょっとも、いっぱいもないのじゃ!」
ジリジリと詰め寄られ、妾がさらに後ずさる。
シェン君が突如、妾の腕を掴んだ。
「こいつらヤバいぞ。逃げよう!」
さしもの妾も頷いた。
「あっ、待って!」
「おい!」
二人の変人のいる部室から飛び出して行こうとすると、副会長が後ろから言った。
「その呪いは古代の契約に基づくものだろう。契約を解除すれば君は呪われた子じゃなくなる」
思わず足を止めると、さらに副会長が続けた。
「ぼくは君のことをよく知っているんだ。王宮図書館の禁書を読んだからね」
「王宮図書館の・・・・・・禁書?」
シェン君が妾の腕を引っ張って逃げようとしていたが、止まった足は頑として動かなかった。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる