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奴隷編

取っちゃらめ~~!!

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「おいてめぇら、新人のお出ましだ。そ~らよっと」

 天馬を運んできた男のうち、ひとりが扉を明け、もうひとりは彼女の体を部屋の中へと無造作にぶん投げた。

「「っ?!」」

 あまりも唐突にそんなことをされたものだから、中いた人物達は咄嗟に反応することができず、2名ほどが投げ込まれた天馬の下敷きになってしまう。

「いった~……」
「……何、急に」

 天馬の下敷きにになったのは、明らかに人とは違った特徴を持った二人だった。

 最初に声を上げた者は、黒い髪を腰まで伸ばし、頭部とお尻に獣の耳と尻尾が生えた獣人の少女だ。闇色の瞳で天馬を捕らえ、むんと声を上げて体からどかす。

 そしてもうひとり。こちらはまるで幼女のような小さな体躯に、茶色い髪を肩まで伸ばした女の子だである。こちらの世界で、土精霊ドワーフと呼ばれている種族である。
 髪の毛同様の茶色い瞳を細めて、迷惑そうな視線を男二人と天馬に向けた。

 天馬が放り込まれた部屋には、小さな窓がいくつかあり、先程までいた部屋と違い、外から明かりが入ってきている。
 しかし、奥に水瓶がひとつあるだけで、あとは何もない、簡素な部屋だった。

「今日から加わった、新しい奴隷だ。しっかり面倒見てやれよ、『化け物同士』でな」
「「っ!」」

 男が発した『化け物』という単語に、部屋にいた20人ほどの者達が一斉に反応し、表情が険しくなる。

 中にいるのは、獣人、森精霊エルフ、土聖霊の3種族である。
 各々に、獣の特徴を持った者、耳が鋭く長い者、小柄な体躯を持つ者など、様々だ。
 彼らは、ヒュームと同じ人族に分類される存在であるにも関わらず、人にはないその身体的特徴から、差別的な扱いを受けていた。

 これは、彼らが奴隷だからではない。

 この世界では、人こそが霊長の最上種であるという考えが根付いており、それ以外の種族は取るに足らない存在だという、傲慢な思考が世間に広がった結果、人のほとんどは、彼らを見下すようになってしまったのだ。

「おい、早く行こうぜ。ここにいたら病気なっちまうよ」
「そうだな。それじゃあな、化け物」
「「………………」」

 男二人を睨み付ける面々。
 そんな中、

「何が化け物よ、このひとでなし……」

 と、誰かが呟いた。
 それに気付いた手前の男は、目を細めて振り返る。

「おう、今、俺達に失礼なこと言いやがったのは、誰だ……? ああん?!」

 彼らの態度がよほど気に触ったのか、男は手近な場所にいた森聖霊の少女を蹴り飛ばした。

「きゃあ!」

 咄嗟に腕で身を守るも、受け身も取れずに転がる森聖霊の少女。
 そんな彼女を尻目に、中に入ってきた男は、最も彼らに鋭い視線を向けていた、獣人の少女へと近付いた。

「……今、声を出したのはてめぇだな……」
「ふん、ひとでなしをひとでなしって言って、なにが悪いの……あぐ」

 すると、男はぐいっと胸倉を掴み上げ、少女を持ち上げた。

「くっ、何するの?!」

 彼女は、天馬の下敷きになっていた黒髪の少女だ。
 掴み上げられながらも、男を睨み付けている。

「いい気になるなよ小娘……大人しくしてれば調子に乗りやがって……畜生共の分際で、俺たち人にそんな目を向けるなんてよ……身の程を弁えろ、この化け物が!」
「きゃあ!」

 額に青筋を立てた男は、少女を床に叩き付け、拳を振り上げて殴り掛かった。

「っ!」

 思わず目をぎゅうっと瞑り、体を硬くする少女。

 しかし、そこに……

 ゴチン!

 ひとつの影が割って入った。

「え?」
「は?」

 呆けた声を上げたのは、殴った男と、殴られ『そうに』なった獣人の少女である。

 二人の間には、先程、男の手によって部屋の中に放り投げられた女性――天馬が間に入り、男の拳を受けていた。

 ちょうど袋の上から、顔面を殴られた格好だ。

「て、てめぇ、もう気が付きやがったのか……」

 殴った男は、先程あれだけ痛めつけたのにも関わらず、天馬が平然と起き上がったことに驚愕していた。

「……殴るんでしたら、俺……ではなくて、わたしが全てお受けします。ですから、女の子を殴るなんて男らしくない真似は、やめてください」

 天馬は、袋越しに男に視線を向けて、微動だにしない。
 周りにいる者達も、ならず者の男2人も、天馬の異様な雰囲気に飲まれて、動けずにいた。

 しかし、静寂は長くは続かず、男は天馬を本気で殴ってしまったことにより、拳を痛めて、額から脂汗を流し始める。

「な、何なんだよ、てめぇは……」
「……ただの、人ですよ」

 声を荒立てることもなく、天馬は静かに佇む。
 男は天馬に異様な何かを感じとり、僅かに後ろへと下がった。

「……もう、殴らないんですか?」

 キョトン、と首を傾ける天馬に、男はいよいよ気味が悪くなり、冷や汗が止まらない。
 男は天馬から遠ざかるように、じりじりと後退する。

「ちっ、気持ち悪ぃ女だな……」
「おい、もうそのへんにしとけ。いい加減戻らねぇと、頭にドヤされるぞ」
「わぁってるよ……くそ、今日は厄日だぜ……」

 男達はそう言い残すと、ズカズカと部屋の外に出ていき、乱暴に扉を閉めた。
 すると途端に、部屋の中は静寂に包まれる。
 声を上げるものはおらず、誰もが天馬に注目していた。

 しかし、当の本人は、

「…………はぁ~」

 耳をすませて、男達が遠ざかっていくのを確認すると、天馬は肺から空気を吐き出し、思いっきり尻餅を付いた。

「怖かったぁ……」

 別に殴られても痛くはないのだが、ならず者特有の剣呑な雰囲気に晒され、天馬はビクビクしていた。

 それでも、

「あの、大丈夫でしたか?」

 天馬は後ろで呆然としている女の子に振り返り、そう訊ねた。

「え、ええ……大丈夫……あ、あの……」
「よかった……あ、そうだ。あっちの子も、大丈夫かな……」

 天馬は男に蹴り飛ばされた森聖霊の少女に駆け寄り、怪我の状態をみる。

「大丈夫? 痛いところとか、ある?」
「……少し、腕と背中が痛いですけど、大丈夫ですわ……」

 彼女は、尖った長い耳に、ブロンドの髪の毛を背中に流した、美しい少女だった。深緑を思わせるみどりの瞳は美しく、彼女の魅力を一層引き立てている。

「少し赤くなってますけど、大した事はありません」

 彼女は腕を庇うように抱いているが、みたところ大きな怪我はしていないように思う。
 素人判断ではあるが、頭をぶつけたわけではないよなので、大事には至っていないだろう。
 骨が折れている訳でもないようだ。

「そうですか、よかった……でもホント、女の子に乱暴するとか、何を考えているんだか……」

 天馬は心底呆れた様子でそんなことを口にしながら、ボロボロになっている自分の服を裂いて、魔法で水を染み込ませる。
 呆然としていた森聖霊の少女は、天馬が掌から水を出したことには気付いていなかった。

「腕、出してください。腫れたらいけませんから、これを巻いておきましょう」
「え?、ちょっと……」
「動かないで下さい」

 天馬は少女の腕を取り、赤くなっている部分に布を巻いていく。
 本当は服を裂かなくても、天馬の体に巻かれた布を使ってもよかったのだが、それらは血で汚れているため、使用するのは躊躇われた。

「っ?! 冷たい!」
「冷やしておけば、腫れる心配もないかと思いますよ」
「あ、ありがとう、ございます……」

 森聖霊の少女は、天馬の流れるような動きに、全く抵抗することもなく、成されるがままに応急処置を受けた。
 とはいえ、

「って! わたくしよりも、貴女の方がよほどヒドイ怪我をしているではないですか!」

 森聖霊の少女は、天馬のペースから復帰し、彼女に詰め寄った。

「え? ああ、大丈夫です。これの下は、別に何でもないんですよ? ほら」

 天馬は巻かれていた布を取り払い、肌を見せた。

「……え、何で? だって、血が……???」

 しきりに天馬の傷を確認する森聖霊の少女。
 しかし、いかに確認しようと、既に天馬の傷は彼女の【不死身】の能力によって再生している。
 いくら探しても、何も見つけることはできない。

「もういいですか? 別に、何でもなかったでしょ?」
「え、ええ……」

 納得がいないような顔をしつつ、森聖霊は天馬から手を放した。

「ねぇ、あんた」
「うん?」

 すると、今度は別の方から声が掛かった。

「さっきは、その……ありがと……助けてくれて……」

 振り返れば、そこにいたのは先程天馬が庇った、獣耳が生えた黒髪の少女だった。

「ああ、さっきの」
「サヨよ。アタシ、【ルプス族】なの。よろしくね」
「よろしく。お……じゃなくて、わたしは、天馬と言います」
「そう、【テルマ】って言うんだ」

 ん? あれ、ちょっと発音がおかしい。

「いや、わたしは天馬です。て・ん・ま」
「?? だから、テルマよね?」

 はっきりと区切って発音したにも関わらず、サヨという少女は天馬の名前を、【テルマ】と発音していた。

「それよりテルマ、ちょっと聞きたいんだけど」
「いや、だからわたしは天馬で……はぁ~、いえ、もういいです。それで、なんですか?」

 天馬はこれ以上は押し問答にしかならない様な気がして、もう彼女にはテルマと呼んでもらっていいや、と諦めた。

 それに、別に奇天烈な名前に変換されているわけでもないのだし。

「その袋。なんでずっと、そんなものを被ってるの? って、そういえばさっき、アタシを庇ってあいつに殴られてわよね?!」
「っ、そうですわ! 他の傷ならまだしも、さっき殴られた場所は大丈夫なんですか?! いえ、大丈夫なわけないですよね……ああ、女性の顔を殴るなんて……あの男、最低です!」

 サヨと一緒になって、天馬の身を案じる森聖霊の少女。
 見れば、部屋にいた他の者達も、天馬に心配そうな視線を向けていた。

 しかし別に男は天馬の顔を狙って殴ったわけではなく、偶然、少女を庇った場所に彼女の顔があっただけだ。
 結果として顔に一撃を入れてしまっただけのことであり、意図したわけ
ではない。

 とはいえ、心配されて悪い気はしないため、天馬を穏やかな声を出して、二人を安心させようとする。

「いや、怪我はしてないから、大丈夫ですよ。それと、この袋を被ってるのは、その……わたしの容姿が……えと、とんでもなく醜いから、です……見れたもんじゃないって、さっきの彼らが被せたみたいで……まぁ、当然ですよ」

 ついでに、袋を被っている理由も説明しておく。
 天馬は自分の容姿を考えると、気が重くなる気分だった。

「え? そうなの? ううん、それよりも、怪我はないって、それは嘘でしょ! どう考えてもあいつ、テルマを本気で殴ってたし、絶対に痣になってるって! ほら、その袋をとって、早く冷やさないと」
「いやいや! 本当に大丈夫ですから、お構いなく!」

 天馬は、袋に手を伸ばすサヨの手を制止しつつ、なんでもないとアピールし続けた。

「いいわけありません! たとえ容姿が優れていなくとも、女性の顔に傷が残っては一大事です! ですから、早くその袋を取ってください!」
「ですから、本当に大丈夫なんですって! それに、こんな気持ち悪い顔を皆さんに見せられません! 目が腐ってしまいますよ?!」

 と、天馬が袋を取られないように必死になってガードしているときだ。

「――そのようなことはありません。妹を助けてくれた心優しい貴女が、醜いなどということ、あるはずありません」

 突然、部屋の片隅から、天馬に近付いてくる者がひとり。

「あ、お姉ちゃん」
「……お姉ちゃん?」

 サヨは、近付いてきた女性をそう呼んでいた。
 よく観察してみれば、確かに二人がよく似ている事が分かる。
 黒く長い髪を後ろで束ね、すらっとした佇まいはとても美しい。
 森聖霊の少女も綺麗だが、目の前の女性は、どことなく落ち着いた雰囲気を持った、大和撫子といった感じた。

 しかし、見れば彼女のお腹は、大きく膨らんでいる。

「起きちゃダメだよお姉ちゃん! お腹の子に何かあったらどうするのよ!」

 その会話から、女性が妊婦であることが分かった。

「これくらいなら大丈夫よ。それに、私に代わって妹のことを守ってもらったお礼を、キチンと言わないと……」

 そう口にしながら、サヨの姉は天馬の前まで進み出て、小さく頭を下げた。

「先程は、妹を助けていただき、本当にありがとうございました。私はこの子の姉で、ヨルといいます。以後、お見知りおきを」
「こ、こちらこそ……わたしは、天馬といいます」
「はい。【テルマ】さん、ですね」
「……ええ、そうです」

 妹同様に、天馬をテルマと呼ぶ姉のヨル。
 しかし天馬はもうこうなる予感はしていたため、特に訂正することもなかった。

「先程、テルマさんはご自身の容姿が醜いと、そう仰っていましたね」
「……ええ、そうですね。もう、自分でも気色悪いって思っていますよ」

 天馬は達観したように呟く。
 転生前の容姿がこの顔に付いていたら、気持ち悪さマックスだろう。
 天馬は、自分の顔を他者に見せることに、強い抵抗を覚えていた。

「私は、そうは思いません。ずっと見ていましたが、貴女の心は温かく、とても優しいひとだと分かります。……たとえひとより少し容姿が優れないからと言って、ご自分をそこまで卑下なさる必要はないと、私は思います」
「……そう、でしょうか?」

 天馬は、思いがけず掛けられたヨルの言葉に、とてもくすぐったい物を感じた。
 それに、彼女のひとを包み込むような雰囲気に、思わず見惚れてしまいそうになる。

 何だか、彼女の方がよっぽど女神みたいだなぁ、と。

「お姉ちゃんの言う通りよ。ねぇ、皆だって、そう思うよね?」

 サヨは周囲に視線を送り、そう問い掛ける。
 すると、周りにいた者達も、一様に頷いて見せて、天馬に暖かい視線を送ってきた。

「それと、何度も言いますが、いくら容姿が悪いからって、女性が顔に傷を負ったままというのは考えものです。わたくしは貴女の顔がたとえオークやゴブリン並みでも、気にしたり、笑ったりしませんから、その袋を早く取ってください」

 そう言って、森聖霊の少女は天馬の袋に手を掛けた。

「うわぁ! 別にいいです! 別に顔の傷なんて気にしませんし、やっぱり皆さんの気分が悪くなりますから!」
「ああもう! どうしてそんな強情なんですか?! サヨさん! 手伝ってください!」
「了解! テルマ、いい加減に諦めなよ! それにそこまで必死に隠されると、余計に見てみたくなる!」
「完全に興味本意じゃないですか?! ってサヨさん、チカラ、強っ?!」

 サヨによって天馬の手が袋から引き剥がされてしまった。
 細身の体からは考えられない、思いがけない力強さに、天馬は目をみはった。
 天馬はヨルに助けを求めようと視線を向けてみたが、なぜか微笑ましいものでも見るようにニコニコしてらっしゃる。
 
 ダメだ! 彼女はあてに出来ない!

「ふふん……ルプス族を舐めないでよね。さぁ、今よ! ……ええと」
「シャーロットです。何だか今更自己紹介するのも変な気分ですが……と、それよりもテルマさんです! お覚悟!」
「いやいやちょっと待って! ダメ! 絶対に気持ち悪いから! ああ~、袋を取っちゃらめ~~~!!」
 
 そして、ついに……

 スポン!

 という音を立てて、天馬の顔が皆の前に晒された。

「ふぅ、ようやく取れましたわね……それじゃお顔を……見せ、て……」
「…………何、これ」
「あらあら……」

 天馬の顔が外気に晒され、視界が一気に開けた。
 すると、目の前にいる三人の女性達に加え、周りでこちらの様子を窺っている他の者達の姿も見えてくる。

「「………………」」

 その場にいた全員が、呆然としたように口を空け、言葉を失っていた。

「……もう、イヤだ」

 天馬はそんな彼らの反応に、ネガティブな思考を抱き、目に涙が溜まっていくのを感じていた。
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