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18.ウラフ国に着きました
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目が覚めると私は一人で毛布に包まった状態で、カール様に抱きしめられて寝ていたわ。
「どうしましょう。カール様が風邪を引いてしまうわ。」
私の独り言を聞いたカール様は、
「ふふふ、風邪など引かないから安心してくれ、ロザリーが湯たんぽのように温かいからな。」
そう言われたの。すぐ横で低音のカール様の声が素敵。
「湯たんぽですか?私はまだ熱があるのでしょうか?」
「いや、熱はなさそうだ。さぁご飯にしよう。ここには騎士食しかないがないよりましだろう。」
「ありがとうございます。カール様と一緒に食べられるなんて嬉しいですわ。騎士食というのはとても硬いのですね。」
「ああ、保存食だからね。食べやすく小さく切ってあげよう。」
「ありがとうございます。」
カール様はナイフも使わずに素手でちぎってくださったわ。本当に素敵。
「カール様、私たちは愛称で呼び合う仲になりましたけど、恋人になれたということで合っていますでしょうか?」
あら、カール様が真っ赤になってしまったわ。どうしましょう、違ったのかしら?
「カール様ごめんなさい。まだ違ったのですね…。」
「違わない。でも違うのか…。ロザリー、私はロザリーと結婚したいんだ、恋人ではなく、婚約者にはなれないだろうか?」
「結婚?婚約者?本当ですか?夢でも見ているのかしら?」
「夢ではないよロザリー、私と結婚してくれ。」
「嬉しいです。私をカルロス様のお嫁さんにしてください。」
「うっ、可愛すぎるぞ。ロザリー、可愛すぎる。ちょっと不審者がいないか外を見てくるからゆっくり食べていてくれ。そうしないとロザリーを昨日のように食べてしまいそうなんだ。」
「へっ?もしかしてお胸を…。」
私はゆでだこのように真っ赤になってしまったわ。だって、カール様がこくんと頷くんですもの。カール様は不審者がいないか外に行かれ、私は婚約者になれた喜びと、先程の会話の恥ずかしさで、毛布に包まってしばらくゴロゴロと動きまくっていたわ。だってじっとしてなんていられなかったんですもの。カール様もたぶん同じで、やったーとか、幸せだーとか色々な雄たけびをあげていたわ。私は嬉しくて、実は一緒に小さい声で言ってたの。
途中休憩を何度か挟みながら、それでもお昼過ぎには無事にウラフ国に着いたわ。そして、屋敷に帰らずにそのまま国王陛下と謁見したの。報告は大切ですものね。
「カルロス、それからロザリー嬢、ご苦労であった。詳細はリチャードから聞いているが、他にも何かあったか?」
「はい、国王陛下、第一騎士団長がロザリー嬢に手を出そうとしたので木に吊るして参りました。」
「なんだと、あの馬鹿が、それ相当の処罰を与えると約束する。ロザリー嬢、済まなかったな。」
「カルロス様が助けてくださったので大丈夫でございます。」
「そうか、カルロスよくやった。」
「国王陛下、それから宰相殿、いや、ロザリー嬢の父上、ロザリー嬢と結婚させてください。」
「いきなりか、リチャードどうする?」
「お父様私からもお願いします。」
「カルロス君、私は妻を守ることができなかった。君はロザリーを守ってくれた。これからも私の大切なロザリーを守ってやってくれ。」
「お父様大好きです。」
私は思わずお父様に抱きついてしまったわ。
「ロザリー、ここは家の中ではないのだよ、もう少しお淑やかにしないと…。」
「お父様ごめんなさい。あまりにも嬉しかったものですから。これからは気を付けますわ。お家の中で抱きしめてください。」
「ロザリー…。」
あら、お父様も、国王陛下も、カルロス様まで真っ赤になってしまわれたわ。どうしたのかしら?国王陛下が、
「リチャード、ロザリーは本当にマリアに似ておるな。ますます、心配になってきた。カルロス、私の姪でもあるんだ。幸せにするのだぞ。」
「は!」
それからは順番が逆になった気もするけど、第二皇子が遺体で浜辺に流れ着いていたことを伝えて、あちらの国の状況は今朝密偵から国王陛下当てに伝書鳩で知らせがきたのだとか。それによると、第二皇子の船が沈んだのはあちらの国からは見えておらず、第三王子は牢屋に閉じ込められていたところを我が国の密偵がどさくさに紛れて助け出すことに成功したらしい。第三王子は平和主義者で、こうなってしまった以上は属国にして欲しいと言っているとのこと。そもそも、第三王子のお母様はウラフの人なのだとか。知らなかったわ。残念ながらすでに亡くなられているらしいけど優しくて温厚な方だったらしいから、その方の息子さんなら安心かもしれないわね。
「ジルド、今度はお前の出番だ。パシュー国に行って、国をまとめてこい。出来るな?」
「は!おまかせください。ロザリー嬢おめでとう。ベラとも遊んであげてくれるとありがたいのだが。」
「ありがとうございます。でもジルド様、イザベラ様はたぶん私のことが好きではないと思いますわ。」
「そう思われるような態度をベラがとってきたのは知っています。本当にすまないことをしました。でもベラはあなたのことが大好きなんです。それは本当なんですよ。このあと少しだけお時間をください。カルロス様もお願いします。」
このあと、イザベラ様へのジルド様の思いをお聞きしたの。
「どうしましょう。カール様が風邪を引いてしまうわ。」
私の独り言を聞いたカール様は、
「ふふふ、風邪など引かないから安心してくれ、ロザリーが湯たんぽのように温かいからな。」
そう言われたの。すぐ横で低音のカール様の声が素敵。
「湯たんぽですか?私はまだ熱があるのでしょうか?」
「いや、熱はなさそうだ。さぁご飯にしよう。ここには騎士食しかないがないよりましだろう。」
「ありがとうございます。カール様と一緒に食べられるなんて嬉しいですわ。騎士食というのはとても硬いのですね。」
「ああ、保存食だからね。食べやすく小さく切ってあげよう。」
「ありがとうございます。」
カール様はナイフも使わずに素手でちぎってくださったわ。本当に素敵。
「カール様、私たちは愛称で呼び合う仲になりましたけど、恋人になれたということで合っていますでしょうか?」
あら、カール様が真っ赤になってしまったわ。どうしましょう、違ったのかしら?
「カール様ごめんなさい。まだ違ったのですね…。」
「違わない。でも違うのか…。ロザリー、私はロザリーと結婚したいんだ、恋人ではなく、婚約者にはなれないだろうか?」
「結婚?婚約者?本当ですか?夢でも見ているのかしら?」
「夢ではないよロザリー、私と結婚してくれ。」
「嬉しいです。私をカルロス様のお嫁さんにしてください。」
「うっ、可愛すぎるぞ。ロザリー、可愛すぎる。ちょっと不審者がいないか外を見てくるからゆっくり食べていてくれ。そうしないとロザリーを昨日のように食べてしまいそうなんだ。」
「へっ?もしかしてお胸を…。」
私はゆでだこのように真っ赤になってしまったわ。だって、カール様がこくんと頷くんですもの。カール様は不審者がいないか外に行かれ、私は婚約者になれた喜びと、先程の会話の恥ずかしさで、毛布に包まってしばらくゴロゴロと動きまくっていたわ。だってじっとしてなんていられなかったんですもの。カール様もたぶん同じで、やったーとか、幸せだーとか色々な雄たけびをあげていたわ。私は嬉しくて、実は一緒に小さい声で言ってたの。
途中休憩を何度か挟みながら、それでもお昼過ぎには無事にウラフ国に着いたわ。そして、屋敷に帰らずにそのまま国王陛下と謁見したの。報告は大切ですものね。
「カルロス、それからロザリー嬢、ご苦労であった。詳細はリチャードから聞いているが、他にも何かあったか?」
「はい、国王陛下、第一騎士団長がロザリー嬢に手を出そうとしたので木に吊るして参りました。」
「なんだと、あの馬鹿が、それ相当の処罰を与えると約束する。ロザリー嬢、済まなかったな。」
「カルロス様が助けてくださったので大丈夫でございます。」
「そうか、カルロスよくやった。」
「国王陛下、それから宰相殿、いや、ロザリー嬢の父上、ロザリー嬢と結婚させてください。」
「いきなりか、リチャードどうする?」
「お父様私からもお願いします。」
「カルロス君、私は妻を守ることができなかった。君はロザリーを守ってくれた。これからも私の大切なロザリーを守ってやってくれ。」
「お父様大好きです。」
私は思わずお父様に抱きついてしまったわ。
「ロザリー、ここは家の中ではないのだよ、もう少しお淑やかにしないと…。」
「お父様ごめんなさい。あまりにも嬉しかったものですから。これからは気を付けますわ。お家の中で抱きしめてください。」
「ロザリー…。」
あら、お父様も、国王陛下も、カルロス様まで真っ赤になってしまわれたわ。どうしたのかしら?国王陛下が、
「リチャード、ロザリーは本当にマリアに似ておるな。ますます、心配になってきた。カルロス、私の姪でもあるんだ。幸せにするのだぞ。」
「は!」
それからは順番が逆になった気もするけど、第二皇子が遺体で浜辺に流れ着いていたことを伝えて、あちらの国の状況は今朝密偵から国王陛下当てに伝書鳩で知らせがきたのだとか。それによると、第二皇子の船が沈んだのはあちらの国からは見えておらず、第三王子は牢屋に閉じ込められていたところを我が国の密偵がどさくさに紛れて助け出すことに成功したらしい。第三王子は平和主義者で、こうなってしまった以上は属国にして欲しいと言っているとのこと。そもそも、第三王子のお母様はウラフの人なのだとか。知らなかったわ。残念ながらすでに亡くなられているらしいけど優しくて温厚な方だったらしいから、その方の息子さんなら安心かもしれないわね。
「ジルド、今度はお前の出番だ。パシュー国に行って、国をまとめてこい。出来るな?」
「は!おまかせください。ロザリー嬢おめでとう。ベラとも遊んであげてくれるとありがたいのだが。」
「ありがとうございます。でもジルド様、イザベラ様はたぶん私のことが好きではないと思いますわ。」
「そう思われるような態度をベラがとってきたのは知っています。本当にすまないことをしました。でもベラはあなたのことが大好きなんです。それは本当なんですよ。このあと少しだけお時間をください。カルロス様もお願いします。」
このあと、イザベラ様へのジルド様の思いをお聞きしたの。
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