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6.カルロス様が来てくださいました
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「お嬢様、カルロス様がお見えになりましたよ。」
「エマ、緊張して心臓が飛び出しそうだわ。どうして昨日は普通にお話できたのかしら?」
「大丈夫ですよ。今日のお嬢様は完璧ですわ。それにしても、お嬢様の心臓を苦しめるとは許せませんね。」
「エマ、お顔がとても怖いのだけど…。」
「カルロス様ほどではございません。あのお顔でお嬢様の心臓を苦しめるとは、やはり許せません。」
どう考えてもエマの顔の方が怖いでしょう?
「・・・エマ、安心して、なんだか落ち着いてきたわ。」
「そうですか、それならよいのですが。」
「もちろんよ。エマにはカルロス様にも優しく接して欲しいわ。だめかしら?」
「うっ、お嬢様にお願いされてはエマは断れません。安心してください、大切におもてなしいたします。」
「エマ、大好きよ。」
エマは恥ずかしがり屋さんね、真っ赤になってしまったわ。さぁ、急いでお出迎えしましょう。
エントランスに降りると、お父様がすでに、カルロス様をお出迎えして下さっていたわ。私はカルロス様を見て固まってしまったの。だってカッコ良すぎるんですもの。あら?カルロス様も固まっている?
「おいおい、二人ともいつまで見つめ合っているんだ?」
「あっ、お父様、申し訳ございません。あまりにもカルロス様がカッコ良すぎて固まってしまいましたわ。」
「ハイゼル公爵、私も、ロザリー嬢の美しさにしばし魂が抜けておりました。申し訳ない。」
「二人とも、よくそんな恥ずかしいセリフを平然と…。まぁよい、ロザリー、早く応接室にお招きしなさい。」
「はい、お父様。ありがとうございます。」
カルロス様の今日の服装は私を意識してくださったのかしら?だって、淡い水色、アクアマリン…私の瞳の色よね?すごく嬉しいわ。でも偶然かもしれないし、勝手な思い込みは良くないわよね。でも顔が勝手に緩んでしまうわ。
「お嬢様お一人の世界に入られるのはおやめください。」
「えっ?」
「カルロス様が困ってお見えですよ。どうせ、カルロス様の服がお嬢様の瞳の色だったら嬉しいけど偶然かもしれないしなんて思っておられたのでしょう?」
「エマ、その通りだけどカルロス様の前で言わないで…、恥ずかしいわ。」
きっと私の顔は真っ赤になっているわね。あら?カルロス様のお顔も真っ赤だわ。もしかしてやっぱり、偶然で気分を害したんじゃ…。
「カルロス様、ごめんなさい。気分を害されましたか?やはり、偶然だったのですよね?」
「えっ、偶然ではない。これはあなたの色を着たくて着たんだ。」
「えっ、嬉しい。」
「そ、それは良かった…。色々と、ロザリー嬢は誤解されていると思うが、その話の前に、これを渡してもいいだろうか?」
「素敵な花束ですね、ありがとうございます。こんなに優しい気持ちになれる花束は初めて頂きましたわ。」
「そうか、そう言ってもらえると嬉しい、ビハンド伯爵家の庭の花で私が今朝摘んで作ったんだ。出来栄えは分からないが、その、気持ちは込めたつもりだ。」
「まぁ、カルロス様が?一生大切にしますわ。」
カルロス様が持ってみえた時は小さく見えた花束だったけど、エマが持ったら特大サイズになってしまったわね。中央に水色の小花とピンクの小花があって周りを紫色のバラが半分つぼみの状態で入っていてとても可愛らしいわ。これももしかしたら、そう思っただけでまた、ボンって音が聞こえそうなくらい真っ赤になってしまったわ。
「一生…。いや、これからも送りたいからそこまでは…。でも、気持ちは嬉しく思う。それから、これは今朝私が焼いたクッキーだが食べてくれるだろうか?」
「カルロス様が、絶対に食べます。でも、私は何も用意していなくて…。」
「なにを言っているんだい?ロザリー嬢は着飾ってくれたではないか、朝から大変だっただろう?」
まぁ、カルロス様はなんてお優しい方なのかしら。
「実は、そうなんです。エマが頑張ってくれまして、朝からコルセットをぎゅうぎゅうと…。」
「ご、ごほん、お嬢様、令嬢の努力は隠すものでございます。」
「そ、そうなのね、カルロス様申し訳ありません。」
「いや、素直な一面が見れて嬉しいよ。」
わぁーカルロス様の素敵な笑顔を見てしまいました。心臓がうるさいわ。
「お嬢様、私は花瓶に花を生けて、クッキーに合う紅茶を入れて参りますわ。扉は少し開けていきますので、用事があればお呼びください。それから、いつまで立ってお話しされているのですか?お二人とも、そろそろお座りになられたらどうですか?」
「そ、そうね、カルロス様どうぞそちらにおかけください。」
「ああ、ありがとう。」
エマが出て行ってしまったわ。扉は開いているけど、二人っきり、恥ずかしすぎてどうしましょう。カルロス様がソファーに座ろうとされているけど、なんだかソファーが小さく見えるわね。
「エマ、緊張して心臓が飛び出しそうだわ。どうして昨日は普通にお話できたのかしら?」
「大丈夫ですよ。今日のお嬢様は完璧ですわ。それにしても、お嬢様の心臓を苦しめるとは許せませんね。」
「エマ、お顔がとても怖いのだけど…。」
「カルロス様ほどではございません。あのお顔でお嬢様の心臓を苦しめるとは、やはり許せません。」
どう考えてもエマの顔の方が怖いでしょう?
「・・・エマ、安心して、なんだか落ち着いてきたわ。」
「そうですか、それならよいのですが。」
「もちろんよ。エマにはカルロス様にも優しく接して欲しいわ。だめかしら?」
「うっ、お嬢様にお願いされてはエマは断れません。安心してください、大切におもてなしいたします。」
「エマ、大好きよ。」
エマは恥ずかしがり屋さんね、真っ赤になってしまったわ。さぁ、急いでお出迎えしましょう。
エントランスに降りると、お父様がすでに、カルロス様をお出迎えして下さっていたわ。私はカルロス様を見て固まってしまったの。だってカッコ良すぎるんですもの。あら?カルロス様も固まっている?
「おいおい、二人ともいつまで見つめ合っているんだ?」
「あっ、お父様、申し訳ございません。あまりにもカルロス様がカッコ良すぎて固まってしまいましたわ。」
「ハイゼル公爵、私も、ロザリー嬢の美しさにしばし魂が抜けておりました。申し訳ない。」
「二人とも、よくそんな恥ずかしいセリフを平然と…。まぁよい、ロザリー、早く応接室にお招きしなさい。」
「はい、お父様。ありがとうございます。」
カルロス様の今日の服装は私を意識してくださったのかしら?だって、淡い水色、アクアマリン…私の瞳の色よね?すごく嬉しいわ。でも偶然かもしれないし、勝手な思い込みは良くないわよね。でも顔が勝手に緩んでしまうわ。
「お嬢様お一人の世界に入られるのはおやめください。」
「えっ?」
「カルロス様が困ってお見えですよ。どうせ、カルロス様の服がお嬢様の瞳の色だったら嬉しいけど偶然かもしれないしなんて思っておられたのでしょう?」
「エマ、その通りだけどカルロス様の前で言わないで…、恥ずかしいわ。」
きっと私の顔は真っ赤になっているわね。あら?カルロス様のお顔も真っ赤だわ。もしかしてやっぱり、偶然で気分を害したんじゃ…。
「カルロス様、ごめんなさい。気分を害されましたか?やはり、偶然だったのですよね?」
「えっ、偶然ではない。これはあなたの色を着たくて着たんだ。」
「えっ、嬉しい。」
「そ、それは良かった…。色々と、ロザリー嬢は誤解されていると思うが、その話の前に、これを渡してもいいだろうか?」
「素敵な花束ですね、ありがとうございます。こんなに優しい気持ちになれる花束は初めて頂きましたわ。」
「そうか、そう言ってもらえると嬉しい、ビハンド伯爵家の庭の花で私が今朝摘んで作ったんだ。出来栄えは分からないが、その、気持ちは込めたつもりだ。」
「まぁ、カルロス様が?一生大切にしますわ。」
カルロス様が持ってみえた時は小さく見えた花束だったけど、エマが持ったら特大サイズになってしまったわね。中央に水色の小花とピンクの小花があって周りを紫色のバラが半分つぼみの状態で入っていてとても可愛らしいわ。これももしかしたら、そう思っただけでまた、ボンって音が聞こえそうなくらい真っ赤になってしまったわ。
「一生…。いや、これからも送りたいからそこまでは…。でも、気持ちは嬉しく思う。それから、これは今朝私が焼いたクッキーだが食べてくれるだろうか?」
「カルロス様が、絶対に食べます。でも、私は何も用意していなくて…。」
「なにを言っているんだい?ロザリー嬢は着飾ってくれたではないか、朝から大変だっただろう?」
まぁ、カルロス様はなんてお優しい方なのかしら。
「実は、そうなんです。エマが頑張ってくれまして、朝からコルセットをぎゅうぎゅうと…。」
「ご、ごほん、お嬢様、令嬢の努力は隠すものでございます。」
「そ、そうなのね、カルロス様申し訳ありません。」
「いや、素直な一面が見れて嬉しいよ。」
わぁーカルロス様の素敵な笑顔を見てしまいました。心臓がうるさいわ。
「お嬢様、私は花瓶に花を生けて、クッキーに合う紅茶を入れて参りますわ。扉は少し開けていきますので、用事があればお呼びください。それから、いつまで立ってお話しされているのですか?お二人とも、そろそろお座りになられたらどうですか?」
「そ、そうね、カルロス様どうぞそちらにおかけください。」
「ああ、ありがとう。」
エマが出て行ってしまったわ。扉は開いているけど、二人っきり、恥ずかしすぎてどうしましょう。カルロス様がソファーに座ろうとされているけど、なんだかソファーが小さく見えるわね。
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