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85.いよいよ結界を張るための準備をします
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いま私たちは、魔の森の入口に立っていて、いよいよ結界の準備をしに行くのだけど、大丈夫なのかしら?
だってルーサ様に、ここから北へ一キロのところにラムルのたまごがあるから、そちらに向かって強い火魔法を放つように言われて戸惑っているの。木が燃えて山火事にならないのかしら?私の疑問をすぐに察知してくれたアーサーが、
「マリー、魔の森の木は動けるよ。火魔法なんて感知したらすぐに避けて道ができるだけだよ。魔獣もすぐに感知して逃げるから問題ないよ。」
「「木が動く?気持ち悪い。」」
ブロッサとハモっちゃったわ。ちょっと嬉しいかも。喜んでいる場合ではなかったわ。ルーサ様に睨まれちゃったわ。
「それなら山火事にはならないのね。」
私は安心して、遠慮なく火魔法を放ったわ。それなのに、
「マリー少しは手加減しないかい。たまごが丸焦げになったらどうするんだい!」
ルーサ様に怒られてしまった。そんなことを言われても、自分が一番驚いているんですもの…。
「ごめんなさい。」
それよりも木が一斉に、カニ走りしたわ。五百メートルくらい先まで道ができちゃったわね。
「さぁ、みんな行くよ。」
ルーサ様の掛け声でみんな一斉に馬で走り出した。なんて言うと、とてもカッコよく聞こえるのだけれど、実は魔道具の馬なの。だから勝手に思ったとおりに走ってくれるし、お尻もちっとも痛くなかったわ。次から次へと出てくる魔獣に若干うんざりしながら、私はレッドと例の方法で魔獣の動きを止めて、あとは騎士の皆さまが剣で魔力の核を刺してやっつけて終了…のはずだったんだけど。ふふふふふ…。食料を粗末にしてはいけません。ルーサ様は呆れていたけどネクスさんに、ちゃっかり回収をお願いしたのよね。
厄介なのはやっぱり角が三本の魔獣で、この子たちは空から槍を降らしたり、突然火を吹いてきたり、もう怖すぎるでしょ。こういう厄介なのはお父様たち魔術師騎士団の皆さまにお任せしてどんどん進んで行ったわ。だってルーサ様が横で、止まらない、後ろ見ない、とっとと進むって言うんですもの。
「これがラムルのたまご…。」
想像より大きいわ…。ラムルのたまごは私の背丈ほどあり、とても綺麗な虹色のたまごで、たしかに黒点も見える。黒点も光るのね…。
「マリー気を抜くんじゃないよ。綺麗とか思ってないだろうね。さぁここを中心にして半径五百メートルに火魔法だよ。たまごに当てるんじゃないよ。」
「はい。」
私は今度こそ、逃げ遅れる木が出ないか心配になってアーサーの方を見てみたけど、アーサーに、
「マリーは優しいね。どんなふうに魔法を放っても逃げ遅れる木はいないから安心して。」
て言われたわ。
「優しいわけじゃないわ。誰だって罪もない木まで燃やしたくないでしょ?魔獣はだめよ。残念だけど、人に危害を与える子は別。」
「そうだね。罪もない木か、マリーらしいね。とにかく木は大丈夫だからね。」
って言われてすごく安心したわ。それなら安心と思って一気にやってみたわ。恐るべし動ける木!一瞬でぴょ~んって五百メートル以上後ろに下がったわね…。いま更だけど、なんでアーサーはこんなに魔の森の木について詳しいのかしら?
ちょっと待って、そういえば、この間までアーサーとお兄様は、この森に結界を張る旅に出ていたのよね。よくよく考えたら、お兄様と旅に出て、何もないわけがなかったわ。絶対に何かとんでもないことがあったわね。アーサーが無事で良かったわ。
結界を張る場所は無事に確保できたのでとりあえず私のお仕事は終了。今はお兄様とアーサーが次々に結界を張るための魔道具をセットしているところ。セットし終わった魔道具のそばには次々と騎士団の皆さまが私の魔力が詰まったドクロやブレスレットの魔道具を沢山置いていってくれている。素晴らしい連携プレーだわ。ものすごく順調ね。
ただ、あんなにカッコいいことを言っていたブロッサだけど、未だに凝りもせずに出てくる魔獣に、きゃーだとか、ひぃーだとか言って、とにかくうるさくて…。ルドに連れて帰ってもらったわ。一応明日に備えて休んでもらうという建前でね。ルドが、ブロッサはすごくプライドが高いって言っていたから。
お兄様とアーサーが結界の準備をしている間、私の隣には、ルーサ様もネクスさんもなぜかシルバーまでいたから少しも怖くなかったのよね。怖いどころか、途中からネクスさんがこの肉は煮込むと美味いとか、一度干すと旨味が増すとか色々と言い出すから、全ての魔獣が美味しそうに見えてきちゃって困ったのよね…。
ルーサ様には、
「緊張感のないマリーとネクスのせいでこっちが倍疲れるよ。シルバー悪いね。」
なんて言われちゃったわ。
私は悪くないと思うのよね。ネクスさんが変なこと言うから…。それでもシルバーは私の体調を気遣ってくれたからすごく嬉しかったわ。やっぱり友達って素敵よね。
だってルーサ様に、ここから北へ一キロのところにラムルのたまごがあるから、そちらに向かって強い火魔法を放つように言われて戸惑っているの。木が燃えて山火事にならないのかしら?私の疑問をすぐに察知してくれたアーサーが、
「マリー、魔の森の木は動けるよ。火魔法なんて感知したらすぐに避けて道ができるだけだよ。魔獣もすぐに感知して逃げるから問題ないよ。」
「「木が動く?気持ち悪い。」」
ブロッサとハモっちゃったわ。ちょっと嬉しいかも。喜んでいる場合ではなかったわ。ルーサ様に睨まれちゃったわ。
「それなら山火事にはならないのね。」
私は安心して、遠慮なく火魔法を放ったわ。それなのに、
「マリー少しは手加減しないかい。たまごが丸焦げになったらどうするんだい!」
ルーサ様に怒られてしまった。そんなことを言われても、自分が一番驚いているんですもの…。
「ごめんなさい。」
それよりも木が一斉に、カニ走りしたわ。五百メートルくらい先まで道ができちゃったわね。
「さぁ、みんな行くよ。」
ルーサ様の掛け声でみんな一斉に馬で走り出した。なんて言うと、とてもカッコよく聞こえるのだけれど、実は魔道具の馬なの。だから勝手に思ったとおりに走ってくれるし、お尻もちっとも痛くなかったわ。次から次へと出てくる魔獣に若干うんざりしながら、私はレッドと例の方法で魔獣の動きを止めて、あとは騎士の皆さまが剣で魔力の核を刺してやっつけて終了…のはずだったんだけど。ふふふふふ…。食料を粗末にしてはいけません。ルーサ様は呆れていたけどネクスさんに、ちゃっかり回収をお願いしたのよね。
厄介なのはやっぱり角が三本の魔獣で、この子たちは空から槍を降らしたり、突然火を吹いてきたり、もう怖すぎるでしょ。こういう厄介なのはお父様たち魔術師騎士団の皆さまにお任せしてどんどん進んで行ったわ。だってルーサ様が横で、止まらない、後ろ見ない、とっとと進むって言うんですもの。
「これがラムルのたまご…。」
想像より大きいわ…。ラムルのたまごは私の背丈ほどあり、とても綺麗な虹色のたまごで、たしかに黒点も見える。黒点も光るのね…。
「マリー気を抜くんじゃないよ。綺麗とか思ってないだろうね。さぁここを中心にして半径五百メートルに火魔法だよ。たまごに当てるんじゃないよ。」
「はい。」
私は今度こそ、逃げ遅れる木が出ないか心配になってアーサーの方を見てみたけど、アーサーに、
「マリーは優しいね。どんなふうに魔法を放っても逃げ遅れる木はいないから安心して。」
て言われたわ。
「優しいわけじゃないわ。誰だって罪もない木まで燃やしたくないでしょ?魔獣はだめよ。残念だけど、人に危害を与える子は別。」
「そうだね。罪もない木か、マリーらしいね。とにかく木は大丈夫だからね。」
って言われてすごく安心したわ。それなら安心と思って一気にやってみたわ。恐るべし動ける木!一瞬でぴょ~んって五百メートル以上後ろに下がったわね…。いま更だけど、なんでアーサーはこんなに魔の森の木について詳しいのかしら?
ちょっと待って、そういえば、この間までアーサーとお兄様は、この森に結界を張る旅に出ていたのよね。よくよく考えたら、お兄様と旅に出て、何もないわけがなかったわ。絶対に何かとんでもないことがあったわね。アーサーが無事で良かったわ。
結界を張る場所は無事に確保できたのでとりあえず私のお仕事は終了。今はお兄様とアーサーが次々に結界を張るための魔道具をセットしているところ。セットし終わった魔道具のそばには次々と騎士団の皆さまが私の魔力が詰まったドクロやブレスレットの魔道具を沢山置いていってくれている。素晴らしい連携プレーだわ。ものすごく順調ね。
ただ、あんなにカッコいいことを言っていたブロッサだけど、未だに凝りもせずに出てくる魔獣に、きゃーだとか、ひぃーだとか言って、とにかくうるさくて…。ルドに連れて帰ってもらったわ。一応明日に備えて休んでもらうという建前でね。ルドが、ブロッサはすごくプライドが高いって言っていたから。
お兄様とアーサーが結界の準備をしている間、私の隣には、ルーサ様もネクスさんもなぜかシルバーまでいたから少しも怖くなかったのよね。怖いどころか、途中からネクスさんがこの肉は煮込むと美味いとか、一度干すと旨味が増すとか色々と言い出すから、全ての魔獣が美味しそうに見えてきちゃって困ったのよね…。
ルーサ様には、
「緊張感のないマリーとネクスのせいでこっちが倍疲れるよ。シルバー悪いね。」
なんて言われちゃったわ。
私は悪くないと思うのよね。ネクスさんが変なこと言うから…。それでもシルバーは私の体調を気遣ってくれたからすごく嬉しかったわ。やっぱり友達って素敵よね。
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