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75.デザートの日がきました①
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ふふふ。サリーにはいつも通り、制服を着せてもらって、今はカサブランカ公爵家の馬車の中。また、シルバーとルーサ様と乗っている。今日はルーサ様に変装魔法をかけてもらうことになっているから、じゃじゃーん。うさぎ耳のカチューシャよ。一度やってみたかったのよね。ラブ学の制服にこのカチューシャ。可愛いと思うのよね。あら、シルバーにはこの良さが分かるのかしら?期待の眼差しでこちらを見ているわ。流石だわ。ルーサ様はだめね。さっきシルバーに渡された、デザートの日のメニュー表に釘付けね。
「シルバーこれ、絶対制服に合うと思って鞄に入れて持ってきちゃった。」
「マリーは天才だよ。絶対に可愛いと思うよ。」
そこまで褒められると、お兄様を思い出すんだけど。流石、お兄様枠ね。
「つけるわね。」
「わぁ、僕の天使。」
「えっ?お兄様がいる?うっ」
ま、まずいわね。シルバーにぎゅっと抱きしめられちゃった。お兄様枠って言ったけど、お兄様じゃないから…。
「シルバー、お兄様枠はお兄様ではないから、これは恥ずかしいのだけど…。」
聞こえてないのかしら?それから、シルバーにはなかなか放してもらえず、恥ずかしくて死ぬかと思ったわ。うさぎ耳のカチューシャ、恐るべし。二度とつけないわ。そんなことを考えていると、ルーサ様に、
「マリーさっきのカチューシャはいいのかい?」
「はい、学園ので行きます。」
「そうかい、では、マリーは容姿だけ変えるよ。私は学園の制服にして容姿は昨日のままで行くよ。今日はいつも通り話してもいいよ。認識誤認の魔法をかけるからね。みんなからは溶け込んだ会話に聞こえるよ。」
「そんな便利な魔法があるんですね。」
「あるよ。昨日も使いたかったんだがね。マリーはマルクの魔道具で変装していたから、使えなかったんだよ。」
「そうだったんですね。納得です。」
ルーサ様の魔法はちょっとクールな感じがする。ほんとに一瞬だけど体の周りをふわって包んでいく魔力がカッコいい感じ。そのことを伝えると、
「そんなこと聞いたこともないね。変な子だよ。」
って言われてしまった。もう絶対に誰にも教えないでおこうって思ったのにシルバーに期待の目で見られて、シルバーに少しだけ風魔法を当ててもらった。
「御守りみたいな感じかな。大丈夫って思えるような。」
「そうなんだ、ありがとう。」
「ええ。」
シルバーにはすごく喜んでもらえたわ。もしかしたら、私の特技にできるかしら?今度アーサーにも言ってみようかしら。そんなことを思っていると、馬車が止まった。ルーサ様、張り切っているわね。
「学園に着いたんだね。さぁ早く降りるよ。私は授業ってものが初めてで、楽しみで仕方がないんだよ。」
「私も久しぶりなのでとても楽しみです。」
話しながら歩いていたら、あっという間にクラスの前についたのだけど、
「みんな元気がないわね。」
「マリーも気付いた?そうなんだよ。最近急に救護室で休む生徒が増えているらしくて、でも瘴気は感じられないし、ちょっと分からないんだよ。」
「これは黒魔法だね。」
「黒魔法?僕もほんの少し使える素質は有るらしいんですが、使ったことがなかったので分かりませんでした。」
「そうかい、それなら安心だ。素質があるものならこの程度の黒魔法はなんの害もないよ。」
「犯人は分かりますか?」
「いまここにはいないね。魔法の残滓からして、教壇だから、教師かね。」
「えっ、先生が?」
「たぶん、無意識にでてしまっているか、操作されているか、分からないね。」
「そんなぁ…。」
「心配いらないよ。私を誰だと思っているんだい。幸せの魔女こと、ルーサ様だよ。」
「胡散臭い…。」
「マリー、喧嘩を売っているのかい。」
思わず声に出しちゃった。
「ジョーダンですよ。ジョーダン。よろしくお願いします。」
「「すごい。」」
ルーサ様が右手を上げると花びらが舞ってみんなの体に触れると消えていく。みんなが笑っているわ。幸せの魔女だっけ覚えておこう。
「綺麗ね、今の何?」
「素敵、誰の魔法?」
「もう一度見たいわ。」
みんな大喜びね。そこでシルバーが、
「みんな静かにしてくれるかい。」
「「「シルバー様。」」」
「ああ、久しぶりだね。今日は見学者の二人を紹介するね。ルーサ譲と、マリー嬢だよ。隣国のご令嬢だ。さっきのは挨拶代わりにルーサ嬢がやってくれたんだよ。」
「ルーサです。そんなに気に入ってもらえて光栄です。それではアンコールにお応えして。もう一回だけ花の舞。」
「わぁ素敵。」
「綺麗だわ。」
「なんだか、元気が出てきたわ。」
「ルーサ嬢ありがとう。」
ものすごい人気ね。声まで変わっているわ。一瞬誰がしゃべってるのかと思ったもの。次は私の番ね。
「マリーです。よろしくお願いします。」
シーンってしちゃったじゃない。みんな魔法を期待してたのね。ごめんなさい…。
「ルーサ様なんとかして。」
「マリーは照れ屋なの、ごめんなさいね。その代わり、私たちから皆さんにクッキーのプレゼントがあります。」
ルーサ様に小さな声で黒魔法が消えろって念じながら光魔法を私の手に流しておくれって言われたわ。
私は言われた通りに流してみたわ。するとクッキーが袋の中で光って、そのクッキーを食べた人たちから、
「体がつらかったのに、楽になった気がする。」
「私もよ、頭の痛いのがなくなっちゃったわ。」
「僕もだよ。」
と、次から次へと声が聞こえてきた。よかったわ。ちゃんと効いてくれたみたいね。
「シルバーこれ、絶対制服に合うと思って鞄に入れて持ってきちゃった。」
「マリーは天才だよ。絶対に可愛いと思うよ。」
そこまで褒められると、お兄様を思い出すんだけど。流石、お兄様枠ね。
「つけるわね。」
「わぁ、僕の天使。」
「えっ?お兄様がいる?うっ」
ま、まずいわね。シルバーにぎゅっと抱きしめられちゃった。お兄様枠って言ったけど、お兄様じゃないから…。
「シルバー、お兄様枠はお兄様ではないから、これは恥ずかしいのだけど…。」
聞こえてないのかしら?それから、シルバーにはなかなか放してもらえず、恥ずかしくて死ぬかと思ったわ。うさぎ耳のカチューシャ、恐るべし。二度とつけないわ。そんなことを考えていると、ルーサ様に、
「マリーさっきのカチューシャはいいのかい?」
「はい、学園ので行きます。」
「そうかい、では、マリーは容姿だけ変えるよ。私は学園の制服にして容姿は昨日のままで行くよ。今日はいつも通り話してもいいよ。認識誤認の魔法をかけるからね。みんなからは溶け込んだ会話に聞こえるよ。」
「そんな便利な魔法があるんですね。」
「あるよ。昨日も使いたかったんだがね。マリーはマルクの魔道具で変装していたから、使えなかったんだよ。」
「そうだったんですね。納得です。」
ルーサ様の魔法はちょっとクールな感じがする。ほんとに一瞬だけど体の周りをふわって包んでいく魔力がカッコいい感じ。そのことを伝えると、
「そんなこと聞いたこともないね。変な子だよ。」
って言われてしまった。もう絶対に誰にも教えないでおこうって思ったのにシルバーに期待の目で見られて、シルバーに少しだけ風魔法を当ててもらった。
「御守りみたいな感じかな。大丈夫って思えるような。」
「そうなんだ、ありがとう。」
「ええ。」
シルバーにはすごく喜んでもらえたわ。もしかしたら、私の特技にできるかしら?今度アーサーにも言ってみようかしら。そんなことを思っていると、馬車が止まった。ルーサ様、張り切っているわね。
「学園に着いたんだね。さぁ早く降りるよ。私は授業ってものが初めてで、楽しみで仕方がないんだよ。」
「私も久しぶりなのでとても楽しみです。」
話しながら歩いていたら、あっという間にクラスの前についたのだけど、
「みんな元気がないわね。」
「マリーも気付いた?そうなんだよ。最近急に救護室で休む生徒が増えているらしくて、でも瘴気は感じられないし、ちょっと分からないんだよ。」
「これは黒魔法だね。」
「黒魔法?僕もほんの少し使える素質は有るらしいんですが、使ったことがなかったので分かりませんでした。」
「そうかい、それなら安心だ。素質があるものならこの程度の黒魔法はなんの害もないよ。」
「犯人は分かりますか?」
「いまここにはいないね。魔法の残滓からして、教壇だから、教師かね。」
「えっ、先生が?」
「たぶん、無意識にでてしまっているか、操作されているか、分からないね。」
「そんなぁ…。」
「心配いらないよ。私を誰だと思っているんだい。幸せの魔女こと、ルーサ様だよ。」
「胡散臭い…。」
「マリー、喧嘩を売っているのかい。」
思わず声に出しちゃった。
「ジョーダンですよ。ジョーダン。よろしくお願いします。」
「「すごい。」」
ルーサ様が右手を上げると花びらが舞ってみんなの体に触れると消えていく。みんなが笑っているわ。幸せの魔女だっけ覚えておこう。
「綺麗ね、今の何?」
「素敵、誰の魔法?」
「もう一度見たいわ。」
みんな大喜びね。そこでシルバーが、
「みんな静かにしてくれるかい。」
「「「シルバー様。」」」
「ああ、久しぶりだね。今日は見学者の二人を紹介するね。ルーサ譲と、マリー嬢だよ。隣国のご令嬢だ。さっきのは挨拶代わりにルーサ嬢がやってくれたんだよ。」
「ルーサです。そんなに気に入ってもらえて光栄です。それではアンコールにお応えして。もう一回だけ花の舞。」
「わぁ素敵。」
「綺麗だわ。」
「なんだか、元気が出てきたわ。」
「ルーサ嬢ありがとう。」
ものすごい人気ね。声まで変わっているわ。一瞬誰がしゃべってるのかと思ったもの。次は私の番ね。
「マリーです。よろしくお願いします。」
シーンってしちゃったじゃない。みんな魔法を期待してたのね。ごめんなさい…。
「ルーサ様なんとかして。」
「マリーは照れ屋なの、ごめんなさいね。その代わり、私たちから皆さんにクッキーのプレゼントがあります。」
ルーサ様に小さな声で黒魔法が消えろって念じながら光魔法を私の手に流しておくれって言われたわ。
私は言われた通りに流してみたわ。するとクッキーが袋の中で光って、そのクッキーを食べた人たちから、
「体がつらかったのに、楽になった気がする。」
「私もよ、頭の痛いのがなくなっちゃったわ。」
「僕もだよ。」
と、次から次へと声が聞こえてきた。よかったわ。ちゃんと効いてくれたみたいね。
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