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70.三日間も眠っていたようです②
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「三日も寝てしまい申し訳ありませんでした。」
「何を言っているんだい。マリーが気にすることは何もないよ。マリーが夢の話を詳しくしてくれたおかげで、王太子殿下とブロッサ嬢の練習も順調に進んでいるし、ラムルの好物の白パンも無事にカサブランカ公爵家ですでに準備ができているよ。そう言えば、レッドがものすごくマリーに感謝していたよ。お父様はちょっとびっくりしてしまったんだけどね。」
レッドが私に感謝なんて、嫌な予感しかしないわね。
「えーと、それはどのようなことでしょうか?」
「カエルの捕まえ方と言えば分かるかな。」
「ひっ、まさかそれを、みんなの前で話したりしていませんよね。」
「残念ながら国王陛下一同いる前で話してしまった。」
「許すまじ、レッド。」
「マリー安心しなさい。お父様が皆に口止めをしておいたからね。」
「それなら安心ですね。」
「もちろんだよ、もしもそのことを話そうとしたら、自動的に口が開かなくなる魔法をかけておいたからね。」
それはやりすぎです、お父様。
「でも今回マリーのおかげで、ラムルの動きを少しだけ止められそうなんだよ。」
「えっ?カエルとラムルがどうして繋がるんですか?」
「レッドはどんな魔獣の心臓でも一瞬で凍らせることができたんだ。それも何頭いても同時にだよ。実際にラムルの動きを一瞬止められれば、ラムルの尻尾にピゴくんが巻き付くのもかなりやり易くなるはずだよ。彼は天才だね。」
「私もレッドは天才だと思います。カエルの時もそうだったんです。一度やって見せただけで次からはできていましたから、将来の騎士団長に向いているかもしれませんね。努力も人一倍しているし、レッドが褒められたら私も嬉しくなりました。でも人前で言ったことはやっぱり、私からも怒っておきます。それにしても、こんな大事な時に三日も眠ってしまうなんて失礼いたしました。」
「何を言っているんだい。さっきも言ったが、本当に気にしなくていいんだよ。もう少し寝ていてもいいくらいだよ。」
「それは、ちょっと。」
「そう言えば、ルーサ殿のおかげで、マルクとアーサーとも連絡が取れたんだよ。あと二日後に平民街の礼拝堂に到着するよ。結界の準備も完璧だと言っていたから三日後に私と一緒に向こうに行こう。ルーサ殿の話ではあと、十日くらいでラムルが生まれるらしいからね。」
「そうですか。無事に連絡が取れたのですね。安心しました。お兄様たちなら本当に優秀ですから心配はいらないですね。それに、王太子殿下もブロッサ嬢も、レッドもみんな優秀ですから必ず成功させてくれると思います。三日後にお父様とあちらに行くのを楽しみにしていますね。」
あら?お父様の顔が真っ赤になってしまったわ。これはまずいわね。お父様がこうなると、お仕事が手につかない人になってしまうと、国王陛下が言っていたわね。なんとかしないと。
「お父様、お仕事をばりばりやっているお父様はとってもカッコ良くて大好きです。お仕事頑張ってくださいね。」
「そうか、ばりばりか…。マリー分かったよ。ちょっと、仕事に行ってくるよ。」
お父様が真っ赤な顔でロボットみたいに出て行ってしまったけど失敗だったのかしら?でもお母様はいつもこんな感じで送り出していたわよね???
「マリーも苦労するね。クライム殿もマリーの前ではただの馬鹿親だね。クライム殿には悪いが明日は一緒に楽しもう。」
「はい、明日がとても楽しみです。」
ルーサ様が部屋を出て行かれ、部屋には私とサリーだけになったので、私はサリーに気になっていることを聞いてみた。
「サリー、今日は何曜日?明日は学園があるんじゃないかしら?」
「曜日など気にしなくていいのです。お嬢様は死にかけたのですよ。そんな時にのんきに学園に行こうとなんてなさらずに、ルーサ様と一緒にいてください。サリーは心配で心臓が止まるかと思いましたよ。沢山お肉を食べてきてくださいませ。こんなに痩せてしまってマルク様たちが見たら大騒ぎ間違いなしですよ。」
「それはまずいわね。分かったわ。お仕事だと思って、しっかり食べてきます。」
そんな話をしていると、ノックがして、
「シルバーです。マリー入っても大丈夫?」
「ええ、シルバーどうぞ。」
「体調はどう?」
「心配してくれてありがとう。寝すぎくらい寝たからとても元気よ。ルーサ様から聞いたわ。明日は楽しみにしているわね。」
「明日はマリーが以前教えてくれた、ダリの肉を食べに行こうと思っているんだよ。あと人気のプリンパフェのカフェもあるらしいからそこにも行こうかなって。」
「すごく素敵だわ。ダリのお肉もプリンも大好きだもの。明日に早くならないかしら。本当に楽しみだわ。」
「うん、僕も楽しみにしているから。」
あら?シルバーのこんなに嬉しそうな顔初めて見たわ。シルバーも食べることが大好きだったのね。
「そうだ、シルバー遅くなったけど、私を助けてくれてありがとう。あの時シルバーが薬を飲ませてくれなかったら、私は間違いなく死んでいたわ。」
「そんなことないよ。僕がマリーに無理をさせたから、マリーは苦しい思いをしたんじゃないか。僕は二度とマリーに危険なことはさせない。もう嫌なんだ。あんな恐怖は…。だから今回は僕に案内させてね。」
「そうよね。友達が目の前で死んでいくとか、恐怖よね…。耐えられないわよね、ごめんねシルバー。私、気を付けるわ。だからシルバーも気を付けてね。絶対よ。」
「うん、分かったよ。」
シルバーが何だか複雑そうな顔をして最後には真っ赤になっちゃった。私また変なこと言っちゃったのかしら?
「それでは今日は失礼するよ。」
「ええ、ありがとう。」
すぐに普通の顔に戻ったから大丈夫よね?
「何を言っているんだい。マリーが気にすることは何もないよ。マリーが夢の話を詳しくしてくれたおかげで、王太子殿下とブロッサ嬢の練習も順調に進んでいるし、ラムルの好物の白パンも無事にカサブランカ公爵家ですでに準備ができているよ。そう言えば、レッドがものすごくマリーに感謝していたよ。お父様はちょっとびっくりしてしまったんだけどね。」
レッドが私に感謝なんて、嫌な予感しかしないわね。
「えーと、それはどのようなことでしょうか?」
「カエルの捕まえ方と言えば分かるかな。」
「ひっ、まさかそれを、みんなの前で話したりしていませんよね。」
「残念ながら国王陛下一同いる前で話してしまった。」
「許すまじ、レッド。」
「マリー安心しなさい。お父様が皆に口止めをしておいたからね。」
「それなら安心ですね。」
「もちろんだよ、もしもそのことを話そうとしたら、自動的に口が開かなくなる魔法をかけておいたからね。」
それはやりすぎです、お父様。
「でも今回マリーのおかげで、ラムルの動きを少しだけ止められそうなんだよ。」
「えっ?カエルとラムルがどうして繋がるんですか?」
「レッドはどんな魔獣の心臓でも一瞬で凍らせることができたんだ。それも何頭いても同時にだよ。実際にラムルの動きを一瞬止められれば、ラムルの尻尾にピゴくんが巻き付くのもかなりやり易くなるはずだよ。彼は天才だね。」
「私もレッドは天才だと思います。カエルの時もそうだったんです。一度やって見せただけで次からはできていましたから、将来の騎士団長に向いているかもしれませんね。努力も人一倍しているし、レッドが褒められたら私も嬉しくなりました。でも人前で言ったことはやっぱり、私からも怒っておきます。それにしても、こんな大事な時に三日も眠ってしまうなんて失礼いたしました。」
「何を言っているんだい。さっきも言ったが、本当に気にしなくていいんだよ。もう少し寝ていてもいいくらいだよ。」
「それは、ちょっと。」
「そう言えば、ルーサ殿のおかげで、マルクとアーサーとも連絡が取れたんだよ。あと二日後に平民街の礼拝堂に到着するよ。結界の準備も完璧だと言っていたから三日後に私と一緒に向こうに行こう。ルーサ殿の話ではあと、十日くらいでラムルが生まれるらしいからね。」
「そうですか。無事に連絡が取れたのですね。安心しました。お兄様たちなら本当に優秀ですから心配はいらないですね。それに、王太子殿下もブロッサ嬢も、レッドもみんな優秀ですから必ず成功させてくれると思います。三日後にお父様とあちらに行くのを楽しみにしていますね。」
あら?お父様の顔が真っ赤になってしまったわ。これはまずいわね。お父様がこうなると、お仕事が手につかない人になってしまうと、国王陛下が言っていたわね。なんとかしないと。
「お父様、お仕事をばりばりやっているお父様はとってもカッコ良くて大好きです。お仕事頑張ってくださいね。」
「そうか、ばりばりか…。マリー分かったよ。ちょっと、仕事に行ってくるよ。」
お父様が真っ赤な顔でロボットみたいに出て行ってしまったけど失敗だったのかしら?でもお母様はいつもこんな感じで送り出していたわよね???
「マリーも苦労するね。クライム殿もマリーの前ではただの馬鹿親だね。クライム殿には悪いが明日は一緒に楽しもう。」
「はい、明日がとても楽しみです。」
ルーサ様が部屋を出て行かれ、部屋には私とサリーだけになったので、私はサリーに気になっていることを聞いてみた。
「サリー、今日は何曜日?明日は学園があるんじゃないかしら?」
「曜日など気にしなくていいのです。お嬢様は死にかけたのですよ。そんな時にのんきに学園に行こうとなんてなさらずに、ルーサ様と一緒にいてください。サリーは心配で心臓が止まるかと思いましたよ。沢山お肉を食べてきてくださいませ。こんなに痩せてしまってマルク様たちが見たら大騒ぎ間違いなしですよ。」
「それはまずいわね。分かったわ。お仕事だと思って、しっかり食べてきます。」
そんな話をしていると、ノックがして、
「シルバーです。マリー入っても大丈夫?」
「ええ、シルバーどうぞ。」
「体調はどう?」
「心配してくれてありがとう。寝すぎくらい寝たからとても元気よ。ルーサ様から聞いたわ。明日は楽しみにしているわね。」
「明日はマリーが以前教えてくれた、ダリの肉を食べに行こうと思っているんだよ。あと人気のプリンパフェのカフェもあるらしいからそこにも行こうかなって。」
「すごく素敵だわ。ダリのお肉もプリンも大好きだもの。明日に早くならないかしら。本当に楽しみだわ。」
「うん、僕も楽しみにしているから。」
あら?シルバーのこんなに嬉しそうな顔初めて見たわ。シルバーも食べることが大好きだったのね。
「そうだ、シルバー遅くなったけど、私を助けてくれてありがとう。あの時シルバーが薬を飲ませてくれなかったら、私は間違いなく死んでいたわ。」
「そんなことないよ。僕がマリーに無理をさせたから、マリーは苦しい思いをしたんじゃないか。僕は二度とマリーに危険なことはさせない。もう嫌なんだ。あんな恐怖は…。だから今回は僕に案内させてね。」
「そうよね。友達が目の前で死んでいくとか、恐怖よね…。耐えられないわよね、ごめんねシルバー。私、気を付けるわ。だからシルバーも気を付けてね。絶対よ。」
「うん、分かったよ。」
シルバーが何だか複雑そうな顔をして最後には真っ赤になっちゃった。私また変なこと言っちゃったのかしら?
「それでは今日は失礼するよ。」
「ええ、ありがとう。」
すぐに普通の顔に戻ったから大丈夫よね?
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